安全データシート

4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: 4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン
  • CB番号: CB8213644
  • CAS: 2403-88-5
  • EINECS番号: 219-291-2
  • 同義語: 4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 樹脂添加剤
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
H25.9.19、政府向けGHS分類ガイダンス(H25.7版)を使用
GHS改訂4版を使用
健康に対する有害性
急性毒性(経口)   区分4
皮膚腐食性及び刺激性   区分1
皮膚感作性   区分1
生殖毒性   区分2
特定標的臓器毒性(単回ばく露)   区分3(麻酔作用)
特定標的臓器毒性(反復ばく露)   区分2(神経系)
環境に対する有害性
水生環境有害性 (急性)   分類実施中
水生環境有害性 (長期間)   分類実施中

2.2 注意書きも含むGHSラベル要素

絵表示
GHS05GHS07
注意喚起語
危険
危険有害性情報
H314 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷。
H317 アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ。
注意書き
安全対策
P280 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
応急措置
P303 + P361 + P353 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
P304 + P340 + P310 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し,呼吸しやすい姿勢で休息させること。 直ちに医師に連絡すること。
P305 + P351 + P338 + P310 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。直ちに医師に連絡すること。
P333 + P313 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。

2.3 他の危険有害性

なし

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質・混合物の区別: 化学物質
  • 別名: 4-Hydroxy-2,2,6,6-tetramethylpiperidine
  • 化学特性(示性式、構造式 等): C9H19NO
  • 分子量: 157.25 g/mol
  • CAS番号: 2403-88-5
  • EC番号: 219-291-2
  • 化審法官報公示番号: 5-776
  • 安衛法官報公示番号: -

4. 応急措置

4.1 必要な応急手当

一般的アドバイス
医師に相談する。 この安全データシートを担当医に見せる。
吸入した場合
吸い込んだ場合、新鮮な空気の場所に移す。 呼吸していない場合には、人工呼吸を施す。 医師に相談する。
皮膚に付着した場合
直ちに汚染された衣服と靴を脱ぐ。 石けんと多量の水で洗い流す。 医師に相談する。
眼に入った場合
多量の水で15分以上よく洗浄し、医師の診察を受けること。
飲み込んだ場合
無理に吐かせないこと。 意識がない場合、口から絶対に何も与えないこと。 口を水ですすぐ。 医師に相談する。

4.2 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状

もっとも重要な既知の徴候と症状は、ラベル表示(項目2.2を参照)および/または項目11に記載されている

4.3 緊急治療及び必要とされる特別処置の指示

データなし

5. 火災時の措置

5.1 消火剤

適切な消火剤
水噴霧、耐アルコール泡消火剤、粉末消火剤、二酸化炭素を使用すること。

5.2 特有の危険有害性

炭素酸化物
窒素酸化物(NOx)

5.3 消防士へのアドバイス

消火活動時には必要に応じて 自給式呼吸装置を装着する。

5.4 詳細情報

データなし

6. 漏出時の措置

6.1 人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置

保護具を使用する。 粉じんの発生を避ける。 蒸気、ミスト、またはガスの呼吸を避ける。 十分な換気を確保する。 安全な場所に避難する。 粉じんを吸い込まないよう留意。個人保護については項目 8 を参照する。

6.2 環境に対する注意事項

物質が排水施設に流れ込まないようにする。

6.3 封じ込め及び浄化の方法及び機材

粉じんを発生させないように留意して回収し、廃棄する。 掃いてシャベルですくいとる。 廃棄に備え適切な容器に入れて蓋をしておく。

6.4 参照すべき他の項目

廃棄はセクション13を参照。

7. 取扱い及び保管上の注意

7.1 安全な取扱いのための予防措置

安全取扱注意事項
皮膚や眼への接触を避けること。 粉じんやエアゾルを発生させない。
火災及び爆発の予防
粉じんが発生する場所では、換気を適切に行う。
衛生対策
十分な衛生的作業を行い安全規定に従って取扱う。 休憩前や終業時には手を洗う。注意事項は項目2.2を参照。

7.2 配合禁忌等を踏まえた保管条件

保管クラス
保管クラス (ドイツ) (TRGS 510): 8B: 不燃性、腐食性危険物
保管条件
冷所に保管。 容器を密閉し、乾燥した換気の良い場所に保管する。

7.3 特定の最終用途

項目1.2に記載されている用途以外には、その他の特定の用途が定められていない

8. ばく露防止及び保護措置

8.1 管理濃度

コンポーネント別作業環境測定パラメータ
許容濃度が設定されている物質を含有していない。

8.2 曝露防止

適切な技術的管理
十分な衛生的作業を行い安全規定に従って取扱う。 休憩前や終業時には手を洗う。
保護具
眼/顔面の保護
顔面シールドおよび保護メガネ NIOSH(US)またはEN 166(EU)などの適切な政府機関の規
格で試験され、認められた眼の保護具を使用する。
皮膚及び身体の保護具
手袋を着用して取扱う。 使用前に、必ず手袋を検査する。 (手袋外面に触れずに)適切に手袋
を脱ぎ、本製品の皮膚への付着を避ける。 適用法令およびGLPに従い、使用後に汚染手袋を廃
棄する。 手を洗い、乾燥させる。
選ばれた防護手袋は、EU指令2016/425の仕様と、それから派生する規格EN374を満たすもので
なければならない。
身体の保護
化学防護服, 特定の作業場に存在する危険物質の濃度および量に応じて、保護装置のタイプを選
択しなければならない。
呼吸用保護具
リスクアセスメントによりろ過式呼吸用保護具が適切であると示されている場所では、工学的
制御のバックアップとして、N100型(US)またはP3型(EN 143)呼吸用保護具カートリッジ
付き全面形呼吸用保護具を使用する。呼吸用保護具が唯一の保護手段である場合、全面形送気
マスクを使用する。 NIOSH(US)またはCEN(EU)などの適切な政府機関の規格で試験され、
認められた呼吸用保護具および部品を使用する。
環境暴露の制御
物質が排水施設に流れ込まないようにする。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
固体
ベージュ
臭い
情報なし
臭いのしきい(閾)値
情報なし
pH
情報なし

融点・凝固点

130.6℃:SIDS (2004)

沸点、初留点及び沸騰範囲

213.5℃:NITE(2013)

引火点

情報なし

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

情報なし

燃焼性(固体、気体)

情報なし

燃焼又は爆発範囲

情報なし

蒸気圧

2.6×10-1 Pa(25℃):SIDS(2004)

蒸気密度

情報なし

比重(相対密度)

1.062 g/cm3(25℃):SIDS (2004)

溶解度

> 100 g/L at 25℃:SIDS (2004)

n-オクタノール/水分配係数

Log Pow=0.24(25℃):SIDS (2004)

自然発火温度

320 ℃:NITE(2013)

分解温度

情報なし

粘度(粘性率)

情報なし

10. 安定性及び反応性

10.1 反応性

データなし

10.2 化学的安定性

推奨保管条件下では安定。

10.3 危険有害反応可能性

データなし

10.4 避けるべき条件

データなし

10.5 混触危険物質

酸類, 酸塩化物, 酸無水物, 酸化剤

10.6 危険有害な分解生成物

火災の場合:項目5を参照

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットのLD50値として、1,482 mg/kg (雄)、1,564 mg/kg (雌) (OECD TG 401) (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on October 2013)、SIDS (2004))、> 2,000 mg/kg (SIDS (2004))、2,413 mg/kg (環境省リスク評価第9巻:暫定的有害性評価シート (2011)、SIDS (2004)) の3件の報告がある。最多該当区分は区分外となるが、専門家判断によりOECD TG 401の報告を優先して、区分4とした。
経皮
ラットのLD50値として、> 2,000 mg/kg (雌雄) (SIDS (2004)) の報告に基づき、区分外とした。
吸入:ガス
GHSの定義における固体である。
吸入:蒸気
GHSの定義における固体である。
吸入:粉じん及びミスト
データ不足のため分類できない。

皮膚腐食性及び皮膚刺激性

ウサギを用いた皮膚刺激性試験結果 (OECD TG 404) に、「重度の刺激性」 (SIDS (2003)) とあり、そのうちの1匹は14日後にも症状が回復しなかった (SIDS (2003)) との記載があることから、区分1とした。

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

データ不足のため分類できない。

呼吸器感作性

呼吸器感作性:データ不足のため分類できない。

皮膚感作性

皮膚感作性:モルモットを用いた試験 (OECD TG 406) (SIDS (2001)) において、惹起開始48時間で陽性率69%、皮膚感作性ありとの結果 (SIDS (2004)) が得られているため区分1に分類した。

生殖細胞変異原性

データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoでは、ラット骨髄細胞の小核試験で陰性 (SIDS (2004))、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性、哺乳類培養細胞の染色体異常試験で「あいまいな結果」である (SIDS (2004)、厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on October 2013)、IUCLID (2000))。

発がん性

データ不足のため分類できない。

生殖毒性

ラットを用いた経口経路 (強制) での反復投与毒性・生殖毒性併合試験において、雌で死亡 (1/12例) を含む一般毒性のみられる用量で性周期の延長がみられた。また、児動物において体重低値、生後4日生存率低値がみられた (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on October 2013)、SIDS (2004)、環境省リスク評価第9巻:暫定的有害性評価シート (2011))。したがって区分2に分類した。なお、発生毒性に関する十分な報告は得られていない。

特定標的臓器毒性(単回ばく露)

ラットにおける経口投与試験 (590-2,197 mg/kg) において、自発運動の抑制、散瞳、眼瞼下垂、腹臥位、振戦、低体温、立毛、腹部膨満、痩せ、耳介蒼白などがみられたが、自発運動の抑制、散瞳、眼瞼下垂のうち多くは回復性であった (SIDS (2004)、厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on October 2013)) との報告から区分3 (麻酔作用) とした。なお、ラットの経皮投与試験では、ガイダンスの範囲の上限濃度 (2,000 mg/kg) において、立毛及び円背位がみられたが後に回復した (SIDS (2004)) との報告がある。

特定標的臓器毒性(反復ばく露)

ラットに強制経口投与した反復投与毒性・生殖発生毒性試験において、区分2に該当する用量 (32 mg/kg/day (90日換算)) で散瞳、眼瞼下垂がみられた (SIDS (2004)) との記述より、区分2 (神経系) に分類した。

吸引性呼吸器有害性

データ不足のため分類できない。

12. 環境影響情報

12.1 生態毒性

魚毒性
止水式試験 LC50 - Danio rerio (ゼブラフィッシュ) - > 1,000 mg/l - 96 h
(指令 67/548/EEC, Annex V, C.1.)
ミジンコ等の水生無脊
EC50 - Daphnia magna (オオミジンコ) - 560 mg/l - 24 h
椎動物に対する毒性
(指令 67/548/EEC, Annex V, C.2.)
藻類に対する毒性
成長抑制 EC50 - Desmodesmus subspicatus (緑藻) - 158 mg/l - 72 h
(指令 67/548/EEC, Annex V, C.3.)
成長抑制 最大無影響濃度 - Desmodesmus subspicatus (緑藻) - 10 mg/l - 72
h
(指令 67/548/EEC, Annex V, C.3.)

12.2 残留性・分解性

生分解性
好気性 - 曝露時間 28 d
結果: 3 % - 易分解性ではない。
(修正スツルム試験)

12.3 生体蓄積性

データなし

12.4 土壌中の移動性

データなし

12.5 PBT および vPvB の評価結果

化学物質安全性評価が必要ではない/行っていないため、PBT/vPvB評価データはない。

13. 廃棄上の注意

13.1 廃棄物処理方法

製品
免許を有する廃棄物処理業者に、余剰物で再使用不可の溶液として処理を依頼する。 可燃性溶剤に溶解または混合し、アフターバーナーとスクラバーが備えられた化学焼却炉で焼却する。汚染容器及び包装製品入り容器と同様に処分する。

14. 輸送上の注意

14.1 国連番号

ADR/RID (陸上規制): 3259    IMDG (海上規制): 3259    IATA-DGR (航空規制): 3259

14.2 国連輸送名

ADR/RID (陸上規制): AMINES, SOLID, CORROSIVE, N.O.S. (4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル
ピペリジン)
IMDG (海上規制): AMINES, SOLID, CORROSIVE, N.O.S. (2,2,6,6-tetramethyl-4-
piperidinol)
IATA-DGR (航空規制): Amines, solid, corrosive, n.o.s. (2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidinol)

14.3 輸送危険有害性クラス

ADR/RID (陸上規制): 8    IMDG (海上規制): 8    IATA-DGR (航空規制): 8

14.4 容器等級

ADR/RID (陸上規制): III IMDG (海上規制): III IATA-DGR (航空規制): III

14.5 環境危険有害性

ADR/RID: 非該当 IMDG 海洋汚染物質(該当・非該当): IATA-DGR (航空規制): 非該当
非該当

14.6 特別の安全対策

なし

14.7 混触危険物質

酸類, 酸塩化物, 酸無水物, 酸化剤

15. 適用法令

該当法規制なし

16. その他の情報

略語と頭字語

ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
EC50: 有効濃度 50%
IATA:国際航空運送協会
IMDG: 国際海上危険物
LC50: 致死濃度 50%
LD50: 致死量 50%
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
STEL: 短期暴露限度
TWA: 時間加重平均

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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