安全データシート

4-ニトロ-m-クレゾール

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: 4-ニトロ-m-クレゾール
  • CB番号: CB1477003
  • CAS: 2581-34-2

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 殺虫剤メチオニンの誘導体,農薬中間体
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
平成24年。政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版)を使用 GHS改訂4版を使用
物理化学的危険性
自己反応性化学品   タイプG
健康に対する有害性
生殖細胞変異原性   区分2
眼に対する重篤な損傷/眼刺激性   区分1
急性毒性(経口)   区分4
環境に対する有害性
オゾン層への有害性   分類実施中
水生環境有害性 (長期間)   分類実施中
水生環境有害性 (急性)   分類実施中

ラベル要素

絵表示又はシンボル
GHS07GHS08GHS09
注意喚起語
警告
危険有害性情報
長期継続的影響により水生生物に毒性
水生生物に毒性
遺伝性疾患のおそれの疑い
強い眼刺激
皮膚刺激
飲み込むと有害
注意書き
[安全対策]
使用前に取扱説明書を入手すること。
すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
環境への放出を避けること。
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしな
取扱い後は手や顔をよく洗うこと。
保護手袋、保護衣、保護面を着用すること。
[応急措置]
飲み込んだ場合:気分が悪い時は、医師に連絡すること。口をすすぐこと。
皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。皮膚刺激が生じた場合:医
師の診断、手当てを受けること。汚染された衣類を再使用する場合には洗濯す
ること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを着用して
いて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。眼の刺激が続
く場合は、医師の診断、手当てを受けること。
暴露または暴露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。
漏出物を回収すること。
[保管]
施錠して保管すること。
[廃棄]
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託す
ること。

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質/混合物の区別: : 化学物質
  • 化学名又は一般名: : 4-ニトロ-m-クレゾール
  • 濃度又は濃度範囲: : >98.0%(GC)(T)
  • CAS RN: : 2581-34-2
  • 別名 : 3-Methyl-4-nitrophenol
  • 化学式: : C7H7NO3
  • 官報公示整理番号 化審法: : (3)-790
  • 官報公示整理番号 安衛法: : 公表化学物質

4. 応急措置

吸入した場合:

手当てを受けること。
空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。医師の診断、

皮膚に付着した場合:

洗うこと。医師の診断、手当てを受けること。
直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。多量の水と石鹸で

目に入った場合:

て洗うこと。医師の診断、手当てを受けること。
水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易にはずせる場合は外し

飲み込んだ場合:

医師の診断、手当てを受けること。口をすすぐこと。

応急措置をする者の保護:

救助者はゴム手袋、密閉ゴーグルなどの保護具を着用する。

5. 火災時の措置

適切な消火剤:

粉末, 泡, 水噴霧, 二酸化炭素

火災時の特定危険有害性:

燃焼や高温により分解し、有毒なヒュームを発生する恐れがあるので注意する。

特有の消火方法:

消火作業は、風上から行い、周囲の状況に応じた適切な消火方法を用いる。関係者以外は安全な場所に退去させる。周辺火災時、移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。

消火を行う者の保護:

消火作業の際は、必ず保護具を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置:

る。
漏出した場所の周辺に、ロープを張るなどして関係者以外の立入りを禁止す
漏出場所の風上から作業し、風下の人を退避させる。
個人用保護具を着用する。

環境に対する注意事項:

環境への悪影響が懸念されるため、河川等へ排出されないよう注意する。

封じ込め及び浄化の方法及び機材:

付着物、回収物などは、関係法規に基づき速やかに処分する。
粉塵の飛散に注意しながら掃き集め、密閉容器に回収する。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策:
取扱いは換気のよい場所で行う。適切な保護具を着用する。粉塵が飛散しないように注意する。取扱い後は手や顔などをよく洗う。
注意事項:
できれば、密閉系で取扱う。粉塵やエアゾールが発生する場合には、局所排気を用いる。
安全取扱い注意事項:
あらゆる接触を避ける。

保管

適切な保管条件:
容器を密栓して冷暗所に保管する。施錠して保管する。酸化剤などの混触危険物質から離して保管する。
安全な容器包装材料:
法令の定めるところに従う。

8. ばく露防止及び保護措置

設備対策:

密閉化した設備又は局所排気装置を設ける。取扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄用の設備を設ける。

管理濃度:

設定されていない。

保護具

呼吸用保護具:
防塵・防毒マスク、自給式呼吸器、送気マスク等。
手の保護具:
不浸透性の手袋。
眼、顔面の保護具:
保護眼鏡(ゴーグル型)。状況に応じ保護面。
皮膚及び身体の保護具:
不浸透性の保護衣。状況に応じ、保護長靴。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
固体 (Ullmanns(E) (6th, 2003))
黄色 (Ullmanns(E) (6th, 2003))
臭い
データなし。
臭いのしきい(閾)値
検知:5 mg/L(Verschueren (4th, 2001))
pH
4~5 (温度:20 ℃、濃度: 1.3 g/L) (GESTIS (Access on June. 2012))

融点・凝固点

128 -129℃(Ullmanns(E) (6th, 2003))

沸点、初留点及び沸騰範囲

> 200℃(101kPa, 分解)(Ullmanns(E) (6th, 2003))

引火点

約110℃(CC)(Ullmanns(E) (6th, 2003))

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし。

燃焼性(固体、気体)

データなし。

燃焼又は爆発範囲

データなし。

蒸気圧

0.000632 mmHg(25℃)(SRC Phys Prop (Access on June. 2012))

蒸気密度

データなし。

比重(相対密度)

データなし。

溶解度

エタノール、ジエチルエーテル、ベンゼン、クロロホルムに溶解する。(CRC (91st, 2010))
水:1190 mg/L (20℃, EXP)(SRC Phys Prop (Access on June. 2012))

n-オクタノール/水分配係数

2.48 (EXP)(SRC Phys Prop (Access on June. 2012))

自然発火温度

455℃(Ullmanns(E) (6th, 2003))

分解温度

> 200℃(101kPa)(Ullmanns(E) (6th, 2003))

粘度(粘性率)

データなし。

10. 安定性及び反応性

反応性:

情報なし

化学的安定性:

適切な条件下においては安定。

危険有害反応可能性:

特別な反応性は報告されていない。

避けるべき条件:

情報なし

混触危険物質:

酸化剤

危険有害な分解生成物:

二酸化炭素, 一酸化炭素, 窒素酸化物

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットのLD50値は、雄が2300 mg/kgおよび雌が1200 mg/kg(SIDS (1994))と報告され、それぞれJIS分類基準の区分外および区分4に該当する。雌雄のうち危険性の高い雌の区分を採り、区分4とした。GHS分類:区分4
経皮
データなし。GHS分類:分類できない
吸入:ガス
GHSの定義における固体である。GHS分類:分類対象外
吸入:蒸気
データなし。GHS分類:分類できない
吸入:粉じん及びミスト
データなし。GHS分類:分類できない

皮膚腐食性及び刺激性

ウサギ3匹の皮膚に1動物につき当該物質0.5gを4時間適用した試験において、72時間の観察で刺激性なし(not irritating)との結果(SIDS (1994))に基づき、区分外とした。GHS分類:区分外

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

非洗浄眼としてウサギ3匹の眼に1動物につき当該物質0.1gを適用した試験において、48時間後の刺激性スコアは54.3で強い腐食性(highly corrosive)との評価結果(SIDS (1994))に基づき、区分1とした。GHS分類:区分1

呼吸器感作性

データなし。GHS分類:分類できない

皮膚感作性

データなし。GHS分類:分類できない

生殖細胞変異原性

マウスを用いた小核試験(in vivo変異原性試験)で陽性の結果(SIDS (1994))に基づき区分2とした。なお、in vitro試験では、エームス試験で陰性、チャイニーズハムスターのCHL/IU細胞を用いた染色体異常試験で陽性の結果(厚労省報告(Access on June. 2012))がそれぞれ報告されている。GHS分類:区分2

発がん性

データなし。GHS分類:分類できない

生殖毒性

ラットで雄は交配前及び交配期間、雌は交配前、交配、妊娠、哺育3日までの期間に反復経口投与した簡易生殖毒性試験(OECD テストガイドライン、GLP準拠)において、高用量(300 mg./kg)では親動物に一般毒性が観察されたが、生殖能検査、分娩及び母性行動観察、新生児の生存性、一般状態観察などで投与による影響は認められなかった(厚労省報告 (Access on June. 2012))。また、マウスの妊娠7、9、11日に25 mg/kgを経口投与した発生毒性試験では、同腹仔数、着床後損失率、奇形発生率に影響はみられなかった(SIDS (1994))。以上の結果から、当該物質は親の性機能・生殖能、および仔の発生のいずれにも悪影響は認められていないが、マウスの発生毒性試験は1用量のみでしかも極めて低用量(25 mg/kg:LD50値の1/92~1/48)であり、かつ投与期間も妊娠期間中に3日間(妊娠7、9、11日)だけと短く、区分外の根拠とするには疑義が残る。したがって、データ不足のため「分類できない」とした。GHS分類:分類できない

特定標的臓器毒性(単回ばく露)

データなし。GHS分類:分類できない

特定標的臓器毒性(反復ばく露)

ラットで雄は交配前及び交配期間、雌は交配前、交配、妊娠、哺育3日までの期間に反復経口投与した簡易生殖毒性試験(OECD テストガイドライン、GLP準拠)において、300mg./kg(90日換算:約150 mg/kg/day)群で雄1例が死亡し、病理組織学的検査では腎臓、心臓及び肺に血栓形成が観察され、この雄1例の死亡前と雌2例に自発運動の減少、腹臥及び呼吸緩徐が認められた(厚労省報告 (Access on June. 2012))。以上の結果から、無影響量は100 mg/kg/day(90日換算:約50 mg/kg/day)と報告されているが、ガイダンス値範囲の上限(90日換算用量として100 mg/kg/day)での影響は詳細不明であり「分類できない」とした。GHS分類:分類できない

吸引性呼吸器有害性

データなし。GHS分類:分類できない

12. 環境影響情報

生態毒性:

魚類:
48h LC50:8.4 mg/L (Oryzias latipes)
甲殻類:
24h EC50:7.8 mg/L (Daphnia magna)
藻類:
情報なし

残留性・分解性:

0 % (by BOD) , 3 % (by TOC) , 6 % (by UV-VIS)*既存化学物質安全性点検による判定結果:難分解性

生体蓄積性(BCF):

5.2 - 31 (conc. 0.3 ppm) , 6.0 - 17 (conc. 0.03 ppm)*既存化学物質安全性点検による判定結果:低濃縮性

土壌中の移動性

オクタノール/水分配係数:
2.48
土壌吸着係数(Koc):
情報なし
ヘンリー定数(PaM 3/mol):
1.63 x 10-3

オゾン層への有害性:

情報なし

13. 廃棄上の注意

空容器を処分する時は、内容物を完全に除去した後に行う。
処理施設がないなどの理由で廃棄できない場合は、許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託する。
却炉で焼却する。
焼却処理する場合には、可燃性溶剤に溶解または混合した後、アフターバーナー及びスクラバーを備えた焼
地方条例や国内規制に従う。
適切な保護具を着用する。

14. 輸送上の注意

国連番号:

2446

品名(国連輸送名):

Nitrocresols, solid

国連分類:

クラス6.1(毒物)

容器等級:

海洋汚染物質:

Y

輸送の特定の安全対策及び条件:

運搬に際しては容器に漏れのないことを確かめ、転倒、落下、損傷のないように
積み込み、荷崩れの防止を確実に行い、法令の定めるところに従う。

15. 適用法令

船舶安全法

毒物類・毒物

航空法

毒物類・毒物

16. その他の情報

略語と頭字語

STEL: 短期暴露限度
TWA: 時間加重平均
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

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