安全データシート

エチドロン酸

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: エチドロン酸
  • CB番号: CB4719658
  • CAS: 2809-21-4
  • 同義語: エチドロン酸,1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 水処理剤,繊維処理剤,写真薬安定剤,金属表面処理剤,化粧品安定剤
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
平成24年。政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版)を使用
GHS改訂4版を使用
物理化学的危険性
引火性液体
健康に対する有害性
特定標的臓器毒性(単回ばく露)   区分2(全身毒性)
眼に対する重篤な損傷/眼刺激性   区分1
皮膚腐食性/刺激性   区分1
急性毒性(経口)   区分4
環境に対する有害性
オゾン層への有害性   分類実施中
水生環境有害性 (長期間)   分類実施中
水生環境有害性 (急性)   分類実施中

ラベル要素

絵表示又はシンボル
GHS05
注意喚起語
危険
危険有害性情報
臓器の障害のおそれ: 全身毒性
重篤な皮膚の薬傷・眼の損傷
金属腐食のおそれ
注意書き
[安全対策]
他の容器に移し替えないこと。
ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。
取扱い後は手や顔をよく洗うこと。
保護手袋、保護衣、保護面を着用すること。
[応急措置]
飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。直ちに医師に連絡
すること。
皮膚(または髪)に付着した場合:直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと。
皮膚を流水、シャワーで洗うこと。直ちに医師に連絡すること。汚染された衣
類を再使用する場合には洗濯すること。
吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させるこ
と。直ちに医師に連絡すること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを着用して
いて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。直ちに医師に
連絡すること。
暴露または暴露の懸念がある場合:医師に連絡すること。
物的被害を防止するため流出したものを吸収すること。
[保管]
耐食性のある容器に保管すること。
施錠して保管すること。
[廃棄]
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託す
ること。

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質/混合物の区別: : 混合物
  • 化学名又は一般名: : 1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸 (約60%水溶液, 約4.2mol/L)
  • 濃度又は濃度範囲: : ....
  • CAS RN: : 2809-21-4
  • 別名 : 1-Hydroxyethylidene-1,1-diphosphonic Acid (ca. 60% in Water, ca. 4.2mol/L) ,Etidronic Acid (ca. 60% in Water, ca. 4.2mol/L) , HDEPA (ca. 60% in Water, ca.4.2mol/L) , HEDP (ca. 60% in Water, ca. 4.2mol/L) , OEDFK (ca. 60% in Water, ca.4.2mol/L)
  • 化学式: : C2H8O7P2
  • 官報公示整理番号 化審法: : (2)-2936
  • 官報公示整理番号 安衛法: : 2-(3)-186

4. 応急措置

吸入した場合:

に医師に連絡すること。
被災者を空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。直ち

皮膚に付着した場合:

洗うこと。直ちに医師に連絡すること。
直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。多量の水と石鹸で

目に入った場合:

て洗うこと。直ちに医師に連絡すること。
水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易にはずせる場合は外し

飲み込んだ場合:

直ちに医師に連絡すること。口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。

応急措置をする者の保護:

救助者はゴム手袋、密閉ゴーグルなどの保護具を着用する。

5. 火災時の措置

適切な消火剤:

粉末, 泡, 水噴霧, 二酸化炭素

火災時の特定危険有害性:

燃焼や高温により分解し、有毒なヒュームを発生する恐れがあるので注意する。

特有の消火方法:

消火作業は、風上から行い、周囲の状況に応じた適切な消火方法を用いる。関係者以外は安全な場所に退去させる。周辺火災時、移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。

消火を行う者の保護:

消火作業の際は、必ず保護具を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置:

る。
漏出した場所の周辺に、ロープを張るなどして関係者以外の立入りを禁止す
十分に換気を行う。
漏出場所の風上から作業し、風下の人を退避させる。
個人用保護具を着用する。

環境に対する注意事項:

製品が排水路に排出されないよう注意する。

封じ込め及び浄化の方法及び機材:

大量の流出には盛土で囲って流出を防止する。
付着物、回収物などは、関係法規に基づき速やかに処分する。
ウエス、乾燥砂、土、おがくずなどに吸収させて回収する。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策:
取扱いは換気のよい場所で行う。適切な保護具を着用する。漏れ、あふれ、飛散しないよう注意し、みだりに蒸気を発生させない。取扱い後は手や顔などをよく洗う。
注意事項:
できれば、密閉系で取扱う。蒸気やエアゾールが発生する場合には、換気、局所排気を用いる。
安全取扱い注意事項:
皮膚、眼および衣類との接触を避ける。耐食性のある装置や器具を使用する。

保管

適切な保管条件:
容器を密栓して冷暗所に保管する。施錠して保管する。酸化剤などの混触危険物質から離して保管する。
安全な容器包装材料:
法令の定めるところに従う。他の容器に移し替えないこと。

8. ばく露防止及び保護措置

設備対策:

密閉化した設備又は局所排気装置を設ける。取扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄用の設備を設ける。

管理濃度:

設定されていない。

保護具

呼吸用保護具:
防毒マスク、自給式呼吸器、送気マスク等。
手の保護具:
不浸透性の手袋。
眼、顔面の保護具:
保護眼鏡(ゴーグル型)。状況に応じ保護面。
皮膚及び身体の保護具:
不浸透性の保護衣。状況に応じ、保護長靴。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
液体~結晶(一水和物)((濃度50~100%)(MSDS (Sigma-Aldrich) (Access on Dec. 2012))~(Merck (14th, 2006))
本物質は水溶液でのみ市販されている。(SIAP (2004))
白色(GESTIS(Access on Dec. 2012))
臭い
無臭(GESTIS(Access on Dec. 2012))
臭いのしきい(閾)値
データなし。
pH
<2: 68 w/w% (25℃)(IUCLID (2000))

融点・凝固点

105℃(Sax (11st, 2004))

沸点、初留点及び沸騰範囲

>228℃ (分解)(IUCLID (2000))

引火点

データなし。

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし。

燃焼性(固体、気体)

データなし。

燃焼又は爆発範囲

データなし。

蒸気圧

17.533 hPa(20℃)(IUCLID (2000))

蒸気密度

データなし。

密度

1.44g/cm3(20℃)(IUCLID (2000))

溶解度

酢酸に不溶。(Merck (14th, 2006))
エタノール、メタノールに可溶。(CRC (91st, 2010))
水:69% ( 20 ℃)(Merck (14th, 2006))

n-オクタノール/水分配係数

log Pow : -3.49(IUCLID (2000))

自然発火温度

データなし。

分解温度

>228℃(IUCLID (2000))

粘度(粘性率)

データなし。

10. 安定性及び反応性

反応性:

情報なし

化学的安定性:

適切な条件下においては安定。

危険有害反応可能性:

特別な反応性は報告されていない。

避けるべき条件:

情報なし

混触危険物質:

酸化剤, 強塩基

危険有害な分解生成物:

二酸化炭素, 一酸化炭素, りん酸化物

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットのLD50値は1536-2003 mg/kg(SIAP (2004))により区分4~区分外に該当し、マウスのLD50値は1100 mg/kg(SIAP (2004))により区分4に該当することから、危険性の高い区分4とした。GHS分類:区分4
経皮
ラットLD50値が>6000 mg/kg (SIAP (2004))との報告より区分外とした。GHS分類:区分外
吸入:ガス
GHSの定義における固体である。GHS分類:分類対象外
吸入:蒸気
データなし。GHS分類:分類できない
吸入:粉じん及びミスト
データなし。GHS分類:分類できない

皮膚腐食性及び刺激性

飽和水溶液のpHが<2 (IUCLID (2000))との記載があり区分1とした。なお、ウサギを使用した試験で中等度の刺激性(moderate irritating) (HERA (2004))との報告もある。GHS分類:区分1

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

飽和水溶液のpHが<2 (IUCLID (2000))との記載があり区分1とした。なお、ウサギを使用した試験で中等度の刺激性(moderate irritating) (HERA (2004))との報告もある。GHS分類:区分1

呼吸器感作性

データなし。GHS分類:分類できない

皮膚感作性

データ不足。なお、本物質は皮膚感作性物質ではない(SIAP (2004))と記載されているが、それ以上の記述はなく詳細不明のため「分類できない」とした。GHS分類:分類できない

生殖細胞変異原性

in vivo試験のデータがなく分類できない。なお、in vitro試験では、エームス試験およびL5178Y細胞を用いたマウスリンフォーマ試験でいずれも陰性(JECFA (2006))の報告がある。GHS分類:分類できない

発がん性

データなし。GHS分類:分類できない

生殖毒性

妊娠ラットの器官形成期に経口投与した試験において、母動物の一般毒性、仔の発生指標および形態学的変化に試験物質投与群と対照群との間に有意な差は認められなかった(HSDB (2003))。また、ラットの妊娠15日目から妊娠末期を経て授乳期間に経口投与した試験では、同腹着床数減少、仔の生存率低下など変化のみられた指標もあるが用量依存性がなく、また、妊娠率、妊娠期間、同腹出産仔数などその他の発生指標には対照群との間に有意な差は報告されていない(HSDB (2003))が、性機能および生殖能に関してはデータがなく、データ不足のため「分類できない」とした。GHS分類:分類できない

特定標的臓器毒性(単回ばく露)

ラットの急性経口毒性試験(1200, 1506, 1896 and 2388 mg/kg 、LD50値 1878 mg/kg)において、脱力に続き、呼吸困難、虚脱の症状を呈し、1506 mg/kg以上の用量で死亡がみられた(HERA (2004))。さらに、もう1件のラットの急性経口毒性試験(948, 1200, 1506, 1896 mg/kg 、LD50値 1440 mg/kg)では、食欲および活動の低下、脱力亢進、下痢、振戦、虚脱の症状および、1200 mg/kg以上の用量では死亡が発生した(HERA (2004))。以上より、ガイダンス値区分2に相当する用量範囲であるが、標的臓器を特定できないため、区分2(全身毒性)とした。GHS分類:区分2(全身毒性)

特定標的臓器毒性(反復ばく露)

ラットの90日間混餌投与試験(用量:0、3000、10000、30000 ppm (0、154~166、524~545、1583~1724 mg/kg/day))において、最高用量群で体重および肝重量の僅かな低下が認められたのみで、NOAELは1583~1724 mg/kg/dayと報告され(HERA (2004))、また、イヌの90日間混餌投与試験(用量:0、1000、3000、10000 ppm (0、191~202、553~554、1620~1746 mg/kg/day))において本物質投与の影響は認められず、NOAELは1620~1746 mg/kg/day以上と報告され(HERA (2004))、ラットおよびイヌとも90日間反復経口投与試験のNOAELがガイダンス値範囲を大きく超えていることから、経口経路では区分外に相当する。しかし、他経路(吸入、経皮)についてはデータがなく影響も不明のため、本項の分類としては「分類できない」とした。なお、本物質の二ナトリウム塩をラットに14日または21日間吸入ばく露した試験では喉頭炎が生じ、粘膜のびらん、異物巨細胞の存在、上皮下結合組織に試験物質の貯留などがみられたと報告されている(IUCLID (2000))。GHS分類:分類できない

吸引性呼吸器有害性

データなし。GHS分類:分類できない

12. 環境影響情報

生態毒性:

魚類:
情報なし
甲殻類:
情報なし
藻類:
情報なし

残留性・分解性:

情報なし

生体蓄積性(BCF):

情報なし

土壌中の移動性

オクタノール/水分配係数:
-2.54
土壌吸着係数(Koc):
情報なし
ヘンリー定数(PaM 3/mol):
情報なし

オゾン層への有害性:

情報なし

13. 廃棄上の注意

処理施設がないなどの理由で廃棄できない場合は、許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託する。
空容器を処分する時は、内容物を完全に除去した後に行う。
地方条例や国内規制に従う。
適切な保護具を着用する。

14. 輸送上の注意

国連番号:

3265

品名(国連輸送名):

Corrosive liquid, acidic, organic, n.o.s.

国連分類:

クラス8(腐食性物質)

容器等級:

輸送の特定の安全対策及び条件:

積み込み、荷崩れの防止を確実に行い、法令の定めるところに従う。
運搬に際しては容器に漏れのないことを確かめ、転倒、落下、損傷のないように

15. 適用法令

化審法

優先評価化学物質(法第2条第5項)

16. その他の情報

略語と頭字語

TWA: 時間加重平均
STEL: 短期暴露限度
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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