安全データシート

ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム

改訂日:2024-05-09版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム
  • CB番号: CB9181452
  • CAS: 2893-78-9
  • EINECS番号: 220-767-7
  • 同義語: ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム,ジクロルイソシアヌール酸ナトリウム

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 食器洗浄用消毒剤、スイミングプール用消毒剤(塩素処理)、家庭用漂白剤、工業用クリーニング漂白剤
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
H22.3.16、政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版)を使用
物理化学的危険性
金属腐食性物質   分類できない
有機過酸化物   分類対象外
酸化性固体   区分2
酸化性液体   分類対象外
水反応可燃性物質   区分外
自己発熱性化学品   区分外
自然発火性固体   区分外
自然発火性液体   分類対象外
自己反応性化学品   タイプG
可燃性固体   区分外
引火性液体   分類対象外
高圧ガス   分類対象外
酸化性ガス類   分類対象外
引火性エアゾール   分類対象外
引火性・可燃性ガス   分類対象外
火薬類   区分外
健康に対する有害性
吸引性呼吸器有害性   分類できない
特定標的臓器毒性(反復ばく露)   分類できない
特定標的臓器毒性(単回ばく露)   区分2(全身毒性)、区分3(気道刺激性)
生殖毒性   分類できない
発がん性   分類できない
生殖細胞変異原性   分類できない
皮膚感作性   分類できない
呼吸器感作性   分類できない
眼に対する重篤な損傷性・刺激性   区分2A
皮膚腐食性   刺激性区分2
急性毒性(吸入:ミスト)   分類対象外
急性毒性(吸入:粉じん)   区分外
急性毒性(吸入:蒸気)   分類できない
急性毒性(吸入:ガス)   分類対象外
急性毒性(経皮)   区分外
急性毒性(経口)   区分4
環境に対する有害性
水生環境慢性有害性   区分1
水生環境急性有害性   区分1

2.2 注意書きも含むGHSラベル要素

絵表示
GHS03GHS05GHS07GHS09
注意喚起語
危険
危険有害性情報
H410 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性。
H335 呼吸器への刺激のおそれ。
H314 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷。
H302 飲み込むと有害。
H272 火災助長のおそれ:酸化性物質。
注意書き
安全対策
P280 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P273 環境への放出を避けること。
P271 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。
P270 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P264 取扱い後は皮膚をよく洗うこと。
P260 粉じん/ミストを吸入しないこと。
P210 熱、高温のもの、火花、裸火及び他の着火源から遠ざけること。禁煙。
応急措置
P391 漏出物を回収すること。
P363 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P305 + P351 + P338 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P304 + P340 + P310 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し,呼吸しやすい姿勢で休息させること。 直ちに医師に連絡すること。
P303 + P361 + P353 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を水【又はシャワー】で洗うこと。
P301 + P330 + P331 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。
P301 + P312 + P330 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。口をすすぐこと。
保管
P405 施錠して保管すること。
P403 + P233 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
廃棄
P501 内容物/容器を承認された処理施設に廃棄すること。

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質・混合物の区別: 化学物質
  • 化学特性(示性式、構造式 等): C3Cl2N3NaO3
  • 分子量: 219.95 g/mol
  • CAS番号: 2893-78-9
  • EC番号: 220-767-7
  • 化審法官報公示番号: 5-1043
  • 安衛法官報公示番号: -

4. 応急措置

4.1 必要な応急手当

データなし

4.2 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状

もっとも重要な既知の徴候と症状は、ラベル表示(項目2.2を参照)および/または項目11に記載されている

4.3 緊急治療及び必要とされる特別処置の指示

データなし

5. 火災時の措置

5.1 消火剤

データなし

5.2 特有の危険有害性

分解時: 爆発の危険!
衝撃や摩擦を避ける。
可燃性。
酸化ナトリウム
塩化水素ガス
窒素酸化物(NOx)
炭素酸化物

5.3 消防士へのアドバイス

データなし

5.4 詳細情報

データなし

6. 漏出時の措置

6.1 人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置

個人保護については項目 8 を参照する。

6.2 環境に対する注意事項

データなし

6.3 封じ込め及び浄化の方法及び機材

掃いてシャベルですくいとる。 水で洗い流してはいけない。 廃棄に備え適切な容器に入れて蓋をしておく。

6.4 参照すべき他の項目

廃棄はセクション13を参照。

7. 取扱い及び保管上の注意

7.1 安全な取扱いのための予防措置

注意事項は項目2.2を参照。

7.2 配合禁忌等を踏まえた保管条件

湿気に反応する。

7.3 特定の最終用途

項目1.2に記載されている用途以外には、その他の特定の用途が定められていない

8. ばく露防止及び保護措置

8.1 管理濃度

コンポーネント別作業環境測定パラメータ
許容濃度が設定されている物質を含有していない。

8.2 曝露防止

データなし

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
固体
白色
臭い
塩素臭
pH
6.2-6.8 (1 %水溶液) : Ullmanns (E) (6th, 2003)

融点・凝固点

225℃ (decomp) : Ullmanns (E) (6th, 2003) /データなし

沸点、初留点及び沸騰範囲

データなし

引火点

不燃性 : Weiss (2nd, 1986)

自然発火温度

データなし

燃焼性(固体、ガス)

データなし

爆発範囲

データなし

蒸気圧

0.0000000000000146 mmHg (25 ℃ EST) : SRC (Access on Sep. 2009)

蒸気密度

データなし

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし

比重(密度)

0.96 : NFPA(13th, 2006)、(>1(water=1) : ICSC(1996))

溶解度

0.5 g/100 g アセトン (30 ℃) : Ullmanns (E) (6th, 2003)
30.0 g/100 g 水 (25 ℃) : Ullmanns (E) (6th, 2003)

オクタノール・水分配係数

0.06 (EST) : SRC (Access on Sep. 2009)

分解温度

データなし

粘度

データなし

粉じん爆発下限濃度

データなし

最小発火エネルギー

データなし

体積抵抗率(導電率)

データなし

10. 安定性及び反応性

10.1 反応性

データなし

10.2 化学的安定性

データなし

10.3 危険有害反応可能性

データなし

10.4 避けるべき条件

データなし

10.5 混触危険物質

強塩基類, 強酸化剤

10.6 危険有害な分解生成物

火災の場合:項目5を参照

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットLD50値 735 mg/kg、1823 mg/kg(以上IUCLID (2000))および1670 mg/kg(HSDB (2003))に基づき区分4とした。
経皮
ラットLD50値 >5000 mg/kg bw(IUCLID (2000))およびウサギLD50値 >2000 mg/kg bw(IUCLID (2000))に基づき区分外とした。
吸入
吸入(粉じん、ミスト):   ラットLD50値 >12.5 mg/L(IUCLID (2000))に基づき、JIS分類基準の区分外(国連GHS分類の区分5または区分外に相当)とした。なお、毒性値(50 mg/L)が飽和蒸気圧濃度(1.7E-13 mg/L)より高いので、粉じんによる試験とみなした。
吸入(蒸気):   データなし。
吸入(ガス):   GHSの定義における固体である。

皮膚腐食性・刺激性

ウサギの皮膚に24時間適用した試験において正常皮膚では刺激性なし(non-irritant)であったが、損傷皮膚では中等度~重度の刺激性(moderatory to severe irritant)を示した(HSDB (2003))。また、別にウサギを用いた試験(Draize test)では中等度の刺激性(moderate irritating)と報告されている(IUCLID (2000))。以上の結果に加え、特に湿った皮膚に適用あるいは溶液で適用した場合には重度の刺激性(severe irritation)を起こし得るとの記述(SITTIG (5th, 2008))もあり、区分2とした。

眼に対する重篤な損傷・刺激性

ウサギの結膜嚢に10 mg適用した試験において、1時間以内に虹彩と角膜の暗色化、血管を識別できないほどの発赤を示し、虹彩のうっ血は7日まで持続し、中等度~重度の刺激性(moderately severe irritant.)との評価、およびEUではXi; R36/37に分類されている(EU-Annex I (Access on Sep, 2009))ことから区分2Aとした。

呼吸器感作性又は皮膚感作性

皮膚感作性:データなし
呼吸器感作性:データなし

生殖細胞変異原性

関連物質monosodium cyanurateを経口投与したラットの骨髄細胞を用いた染色体異常試験(体細胞in vivo変異原性試験)において陰性(IUCLID (2000))が報告されているが、本物質自体のin vivo試験のデータはなく、「分類できない」とした。なお、in vitro試験では、エームス試験の陰性結果(NTP DB (Access on Sep, 2009))がある。

発がん性

データなし

生殖毒性

マウスの器官形成期に経口投与により、胎仔に悪影響は見られなかったと記載されている(Teratogenic (12th, 2007))が、親動物の性機能および生殖能に及ぼす影響に関してデータがないので分類できない。

特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)

ラットの急性経口毒性試験(投与量1450~1925 mg/kg; LD50 = 1670 mg/kg)で、るいそう、脱力、し眠、下痢などの症状、剖検所見として消化管の刺激、組織の浮腫、肝臓と腎臓のうっ血があり(HSDB (2003))、ウサギの急性経口毒性試験(投与量1000~3000 mg/kg; 最小致死量 = 2500 mg/kg)では、虚脱、昏睡、流涎、流涙、努力性呼吸の症状、剖検所見では肝臓機能障害、消化管の刺激、肺のうっ血が認められている(HSDB (2003))。経口投与による毒性は主に胃に対する腐食作用とされている(HSDB (2003))ので、上記の所見は消化管への強い刺激が原因の全身影響と考えられる。死亡例の発生を含めガイダンス値区分2の範囲で認められているが、標的臓器を特定できないので区分2(全身毒性)とした。一方、ヒトのばく露における症状として、上気道の刺激、呼吸器系の刺激、時には気管支痙攣を伴うことが記載されている(HSDB (2003))ので、区分3(気道刺激性)とした。

特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)

データなし。

吸引性呼吸器有害性

データなし

12. 環境影響情報

12.1 生態毒性

魚毒性
止水式試験 LC50 - Menidia beryllina (Inland silverside) - 8,000 mg/l - 96 h
(US-EPA)
ミジンコ等の水生無脊
止水式試験 EC50 - Daphnia magna (オオミジンコ) - > 1,000 mg/l - 48 h
椎動物に対する毒性
備考: (ECHA)
藻類に対する毒性
止水式試験 ErC50 - Skeletonema costatum - > 100 mg/l - 72 h
(ISO 10253)
微生物毒性
EC50 - 活性汚泥 - > 4,500 mg/l - 3 h
(OECD 試験ガイドライン 209)

12.2 残留性・分解性

生分解性
好気性 - 曝露時間 8 h
結果: 100 % - 易分解性。
備考: (ECHA)

12.3 生体蓄積性

データなし

12.4 土壌中の移動性

データなし

12.5 PBT および vPvB の評価結果

化学物質安全性評価が必要ではない/行っていないため、PBT/vPvB評価データはない。

13. 廃棄上の注意

13.1 廃棄物処理方法

データなし

14. 輸送上の注意

14.1 国連番号

ADR/RID (陸上規制): 2465    IMDG (海上規制): 2465    IATA-DGR (航空規制): 2465

14.2 国連輸送名

IATA-DGR (航空規制): Dichloroisocyanuric acid, salts
IMDG (海上規制): DICHLOROISOCYANURIC ACID, SALTS
ADR/RID (陸上規制): DICHLOROISOCYANURIC ACID SALTS

14.3 輸送危険有害性クラス

ADR/RID (陸上規制): 5.1    IMDG (海上規制): 5.1    IATA-DGR (航空規制): 5.1

14.4 容器等級

ADR/RID (陸上規制): II IMDG (海上規制): II IATA-DGR (航空規制): II

14.5 環境危険有害性

該当
ADR/RID: 該当 IMDG 海洋汚染物質(該当・非該当): IATA-DGR (航空規制): 非該当

14.6 特別の安全対策

なし

14.7 混触危険物質

強塩基類, 強酸化剤

15. 適用法令

消防法

第1類酸化性固体、塩素化イソシアヌル酸(法第2条第7項危険物別表第1・第3類)

船舶安全法

酸化性物質類・酸化性物質(危規則第3条危険物告示別表第1) ジクロロイソシアヌル酸塩類

航空法

酸化性物質類・酸化性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1) ジクロロイソシアヌル酸塩類

化審法

優先評価化学物質

16. その他の情報

略語と頭字語

TWA: 時間加重平均
STEL: 短期暴露限度
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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