安全データシート

プロペタムホス

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: プロペタムホス
  • CB番号: CB7478592
  • CAS: 31218-83-4
  • EINECS番号: 250-517-2
  • 同義語: プロペタンホス,プロペタムホス

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 殺虫剤 (NITE-CHRIPより引用)
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日(物化危険性及び健康有害性)
JIS Z7252:2019準拠 (GHS改訂6版を使用)
R3.3.12、政府向けGHS分類ガイダンス (令和元年度改訂版 (ver2.0)) を使用
物理化学的危険性
自己反応性化学品   タイプG
健康に対する有害性
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)   区分1 (神経系)
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)   区分1 (神経系)
生殖毒性   区分2
急性毒性 (吸入: 粉じん、ミスト)   区分3
急性毒性 (経皮)   区分3
急性毒性 (経口)   区分3
分類実施日(環境有害性)
平成18年度、GHS分類マニュアル(H18.2.10版)
環境に対する有害性
水生環境有害性 (長期間)   区分1
水生環境有害性 (急性)   区分1

2.2 注意書きも含むGHSラベル要素

絵表示
GHS06GHS09
注意喚起語
危険
危険有害性情報
H410 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性。
H330 吸入すると生命に危険。
H301 + H311 飲み込んだ場合や皮膚に接触した場合は有毒。
注意書き
安全対策
P284 換気が不十分な場合、呼吸用保護具を着用すること。
P280 保護手袋/保護衣を着用すること。
P273 環境への放出を避けること。
P271 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。
P270 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P264 取扱い後は皮膚をよく洗うこと。
応急措置
P391 漏出物を回収すること。
P304 + P340 + P310 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し,呼吸しやすい姿勢で休息させること。 直ちに医師に連絡すること。
P302 + P352 + P312 皮膚に付着した場合:多量の水と石けん(鹸)で洗うこと。 気分が悪いときは医師に連絡すること。
保管
P405 施錠して保管すること。
P403 + P233 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
廃棄
P501 内容物/容器を承認された処理施設に廃棄すること。

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質・混合物の区別: 化学物質
  • 化学特性(示性式、構造式 等): C10H20NO4PS
  • 分子量: 281.31 g/mol
  • CAS番号: 31218-83-4
  • EC番号: 250-517-2
  • 化審法官報公示番号: -
  • 安衛法官報公示番号: 2-(7)-222

4. 応急措置

4.1 必要な応急手当

一般的アドバイス
応急措置担当者は自分が暴露しないよう、適切な防護を行う。 この安全データシートを担当医に見せる。
吸入した場合
吸入後は新鮮な空気を吸うこと。ただちに医師の診察を受けること。 呼吸停止時はただちに人工呼吸を実施し、必要に応じて酸素も吸入する。
皮膚に付着した場合
皮膚に接触した場合: すべての汚染された衣類を直ちに脱ぐこと。 皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 直ちに医師を呼ぶ。
眼に入った場合
眼に触れた後は多量の水ですすぐこと。 コンタクトレンズをはずす。
飲み込んだ場合
飲み込んだ場合は水を飲ませる(多くても2杯)。ただちに医師の診察を受けること。1時間以内に治療が受けられないという例外的な状況のみ、嘔吐させ(相手に完全に意識のある場合のみ)、活性炭(10%懸濁液に20~40g)を投与してできるだけ早く医師の診察を受ける。

4.2 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状

もっとも重要な既知の徴候と症状は、ラベル表示(項目2.2を参照)および/または項目11に記載されている

4.3 緊急治療及び必要とされる特別処置の指示

データなし

5. 火災時の措置

5.1 消火剤

使ってはならない消火剤
本物質/混合物に対する消火剤の制限なし
適切な消火剤
水 泡 二酸化炭素(CO2) 粉末

5.2 特有の危険有害性

火災時に有害な燃焼ガスや蒸気を生じるおそれあり。
可燃性。
リンの酸化物
硫黄酸化物
窒素酸化物(NOx)
炭素酸化物
リン酸化物
炭素酸化物

5.3 消防士へのアドバイス

自給式呼吸器がある場合のみ危険区域に留まってもよい。安全なゾーンまで離れるか適切な保護衣を着用して、皮膚に触れないようにすること。

5.4 詳細情報

ガス/蒸気/ミストを水スプレージェットで抑える(除去する)。 消火水が、地上水または地下水のシステムを汚染しないようにする。

6. 漏出時の措置

6.1 人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置

救急隊員以外への助言: 蒸気、エアゾールを吸入してはならない。 触れないようにすること。 十分な換気を確保する。 危険なエリアから避難し、緊急時手順に従い、専門家に相談のこと個人保護については項目 8 を参照する。

6.2 環境に対する注意事項

物質が排水施設に流れ込まないようにする。

6.3 封じ込め及び浄化の方法及び機材

排水溝に蓋をすること。こぼれたら集めて結合させ、ポンプですくい取る。 物質の制限があれば順守のこと (セクション 7、10参照) 液体吸収剤(例. Chemizorb® )で処置すること。 正しく廃棄すること。関係エリアを清掃のこと。

6.4 参照すべき他の項目

廃棄はセクション13を参照。

7. 取扱い及び保管上の注意

7.1 安全な取扱いのための予防措置

安全取扱注意事項
換気フードの下で作業すること。吸い込まないこと。 蒸気やエアロゾルが生じないようにすること。
衛生対策
汚した衣類はただちに替えること。予防的な皮膚保護を講じること。本物質を取り扱った後は手と顔を洗うこと。注意事項は項目2.2を参照。

7.2 配合禁忌等を踏まえた保管条件

保管クラス
保管クラス (ドイツ) (TRGS 510): 6.1B: 不燃性、急性毒性カテゴリー1および2 / 猛毒性危険物
保管条件
密閉のこと。 換気のよい場所で保管する。 鍵をかけておくか、資格のあるまたは認可された人のみが出入りできる場所に入れておく。保管安定性推奨された保管温度2 - 8 °C

7.3 特定の最終用途

項目1.2に記載されている用途以外には、その他の特定の用途が定められていない

8. ばく露防止及び保護措置

8.1 管理濃度

コンポーネント別作業環境測定パラメータ
許容濃度が設定されている物質を含有していない。

8.2 曝露防止

適切な技術的管理
汚した衣類はただちに替えること。予防的な皮膚保護を講じること。本物質を取り扱った後は手と顔
を洗うこと。
保護具
眼/顔面の保護
NIOSH(US)またはEN 166(EU)などの適切な政府機関の規格で試験され、認められた眼の
保護具を使用する。 保護眼鏡
皮膚及び身体の保護具
身体の保護
保護衣
呼吸用保護具
気化ガス/エアロゾル発生時に必要
次の規格に準拠しているフィルター式呼吸器保護具を推奨します。DIN EN 143、DIN 14387お
よび使用済み呼吸器保護システムに関連する他の付属規格。
環境暴露の制御
物質が排水施設に流れ込まないようにする。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

物理状態
液体 (20℃、1気圧) (GHS判定)
黄色
臭い
データなし

融点/凝固点

データなし

沸点、初留点及び沸騰範囲

87~89℃ (0.005 mmHg) (HSDB (Access on June 2020))

可燃性

データなし

爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界

データなし

引火点

データなし

自然発火点

データなし

分解温度

データなし

pH

データなし

動粘性率

Index of refraction= 1.495 (20℃) (HSDB (Access on June 2020))

溶解度

水: 1.10E+002 mg/L (24℃) (HSDB (Access on June 2020)) アセトン、エタノール、ヘキサン、ジエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、クロロホルムに混和 (HSDB (Access on June 2020))

n-オクタノール/水分配係数

log Kow = 3.82 (HSDB (Access on June 2020))

蒸気圧

1.43E-005 mmHg (20℃) (HSDB (Access on June 2020))

密度及び/又は相対密度

1.1294 g/cm³ (20℃) (GESTIS (Access on June 2020))

相対ガス密度

データなし

粒子特性

該当しない

10. 安定性及び反応性

10.1 反応性

データなし

10.2 化学的安定性

標準的な大気条件(室温)で化学的に安定。

10.3 危険有害反応可能性

データなし

10.4 避けるべき条件

情報なし

10.5 混触危険物質

強酸化剤

10.6 危険有害な分解生成物

火災の場合:項目5を参照

11. 有害性情報

急性毒性

経口
【分類根拠】 (1)~(5) より、区分3とした。
【根拠データ】 (1) ラットのLD50: 雌: 59.5 mg/kg、雄: 119 mg/kg (EU EMEA (1999)、食安委 動物用医薬品評価書 (2013)、HSDB (Access on June 2020)) (2) ラットのLD50: 雌: 75.9 mg/kg、雄: 98.8 mg/kg (食安委 動物用医薬品評価書 (2013)) (3) ラットのLD50: 雌: 96.4 mg/kg、雄: 116.1 mg/kg (EPA Pesticides RED (2006)、Patty (6th, 2012)) (4) ラットのLD50: 62.4 mg/kg (GESTIS (Access on June 2020)) (5) ラットのLD50: 75 mg/kg (HSDB (Access on June 2020))
経皮
【分類根拠】 (1)~(5) より、区分3とした。
【根拠データ】 (1) ウサギのLD50: 486 mg/kg (EU EMEA (1999)、食安委 動物用医薬品評価書 (2013)) (2) ウサギのLD50: 486.4 mg/kg (EPA Pesticides RED (2006)、Patty (6th, 2012)) (3) ラットのLD50: 564 mg/kg (GESTIS (Access on June 2020)) (4) ラットのLD50: 雌: 564 mg/kg、雄: 1,282 mg/kg (食安委 動物用医薬品評価書 (2013)) (5) ラットのLD50: 雌: > 2,260 mg/kg (EU EMEA (1999)、食安委 動物用医薬品評価書 (2013))
吸入: ガス
【分類根拠】 GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。
吸入: 蒸気
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト
【分類根拠】 (1)、(2) より、安全側の値を優先して区分3とした。 なお、新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。 ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度 (2.2E-004 mg/L) よりも高いため、ミストとしてmg/Lを単位とする基準値を適用した。
【根拠データ】 (1) ラットのLC50 (4時間): 雌: 0.69 mg/L、雄: 1.5 mg/L (EPA Pesticides RED (2006)、Patty (6th, 2012)) (2) ラットのLC50 (4時間): 雌: 3.02 mg/L、雄: 3.30 mg/L (食安委 動物用医薬品評価書 (2013)) (3) 本物質の蒸気圧: 1.43E-005 mmHg (20℃) (HSDB (Access on May 2020)) (飽和蒸気圧濃度換算値: 2.2E-004 mg/L)

皮膚腐食性及び皮膚刺激性

【分類根拠】 (1)~(3) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】 (1) 本物質はEPA OPPTS 870.2500に準拠したウサギを用いた皮膚刺激性試験で皮膚刺激性を示さない (EPA Pesticides RED (2006))。 (2) 本物質は皮膚刺激性を示さない (EU EMEA (1999))。 (3) 本物質のウサギを用いた皮膚刺激性試験で、適用24時間後に非常に軽度な紅斑がみられたのみであり、皮膚刺激性を有しないと評価された (食安委 動物用医薬品評価書 (2013))。

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

【分類根拠】 (1)~(3) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】 (1) 本物質はEPA OPPTS 870.2400に準拠したウサギを用いた眼刺激性試験で刺激性を示さない (EPA Pesticides RED (2006))。 (2) 本物質は眼刺激性を示さない (EU EMEA (1999))。 (3) 本物質のウサギを用いた眼刺激性試験で、角膜の腫瘍化及び混濁、結膜の水腫は観察されず、虹彩及び結膜の状態は正常であったことから眼刺激性は示さないと評価された (食安委 動物用医薬品評価書 (2013))。

呼吸器感作性

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

皮膚感作性

【分類根拠】 (1)~(3) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】 (1) 本物質はEPA OPPTS 870.2600に準拠したモルモットを用いた皮膚感作性試験で皮膚感作性を示さない (EPA Pesticides RED (2006))。 (2) 本物質のモルモットを用いた皮膚感作性試験 (ビューラー法) で皮膚感作性を示さない (EU EMEA (1999)、食安委 動物用医薬品評価書 (2013))。 (3) 本物質のモルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法) で皮膚感作性を示し、陽性率は20%と報告されている (食安委 動物用医薬品評価書 (2014))。

生殖細胞変異原性

【分類根拠】 (1)、(2) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】 (1) in vivoでは、ラット骨髄細胞を用いた染色体異常試験及びマウスの骨髄細胞を用いた小核試験において陰性の報告がある (食安委 動物用医薬品評価書 (2013))。 (2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞を用いた姉妹染色分体交換試験及びマウスリンフォーマ試験において陰性の報告がある (同上)。

発がん性

【分類根拠】 ラットでの発がん性を評価できる十分な試験結果は得られていないが、(1)~(3) に基づき区分に該当しないとした。
【根拠データ】 (1) 国内外の分類機関による既存分類では、EPAでNL (Not Likely to be Carcinogenic to Humans) (EPA Annual Cancer Report 2019 (Access on September 2020):1998年分類) に分類されている。 (2) 雌雄のマウスに本物質を93週間混餌投与した慢性毒性/発がん性併合試験では、発がん性は認められなかった (食安委 動物用医薬品評価書 (2013)、EU EMEA (1999))。 (3) EMEAは、変異原性が陰性結果であること及び適切に管理されたマウスの試験において発がん性がみられなかったことを考慮し、本物質には発がん性はないと結論した (EU EMEA (1999))。
【参考データ等】 (4) 雌雄のラットに本物質を2年間混餌投与した慢性毒性/発がん性併合試験では、腫瘍発生率の明らかな増加はなかったが、生存率が低かったために本試験は発がん性の評価のためには十分ではなかった (食安委 動物用医薬品評価書 (2013)、EU EMEA (1999))。

生殖毒性

【分類根拠】 (1) より、親動物毒性がみられる用量で生殖影響の報告がある。ガイダンスに従い区分2とした。なお、新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。
【根拠データ】 (1) ラットを用いた混餌投与による2世代繁殖試験において、親動物に毒性 (明らかな毒性徴候、体重増加抑制、血漿、赤血球及び脳のコリンエステラーゼ (ChE) 活性低下) が認められる用量 (75 mg/kg飼料、ガイダンス値換算:3.75 mg/kg/day) でF1雄に不妊症の証拠が認められた。この用量は出生児に対しても毒性を示し、同腹児数、児の生存率及び体重増加の減少、並びに血漿、赤血球及び脳のChE活性の有意な低下を引き起こした (EU EMEA (1999))。
【参考データ等】 (2) ラットを用いた強制経口投与による妊娠前及び妊娠初期投与試験 (Seg Ⅰ試験) において、雌雄の親動物及び胎児に対して、最高用量である2 mg/kg/dayまで影響はみられていない (食安委 動物用医薬品評価書 (2013))。 (3) 雌ラットを用いた強制経口投与による周産期及び授乳期投与試験 (Seg Ⅲ試験) において、母動物、胎児及び児動物に対して、最高用量である2 mg/kg/dayまで影響はみられていない (食安委 動物用医薬品評価書 (2013))。 (4) 雌ラットの妊娠7~17日まで強制経口投与した器官形成期投与試験 (Seg Ⅱ試験) において、母動物、胎児及び児動物に対して、最高用量である2 mg/kg/dayまで影響はみられていない (食安委 動物用医薬品評価書 (2013))。 (5) 雌ラットの妊娠6~15日まで強制経口投与した発生毒性試験において、3及び6 mg/kg/dayの母動物に明白な毒性徴候が認められ、6 mg/kg/dayで母動物の体重増加量が有意に減少した。いずれの用量でも催奇形性又は胎児毒性の証拠は認められなかった (EU EMEA (1999))。 (6) 雌ウサギの妊娠6~18日まで強制経口投与した発生毒性試験において、母動物では最高用量である8 mg/kg/dayで体重減少がみられ、胎児には影響はみられていない (食安委 動物用医薬品評価書 (2013))。

特定標的臓器毒性 (単回ばく露)

【分類根拠】 (1) のヒトのばく露例と、(2)~(4) の実験動物試験で神経系への影響がみられていることから、区分1 (神経系) とした。なお、新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。
【根拠データ】 (1) 本物質にばく露されたヒトで、呼吸困難、胸の圧迫感、息切れ、精神錯乱、吐き気、めまい、頭痛、嘔吐、眼の炎症等、235例報告されたとの記載がある (Patty (6th, 2012))。 (2) ラットの単回経口投与試験及び単回経皮適用試験 (いずれも投与量不明) において、自発運動減少、歩行失調、歩行困難等の中枢神経抑制症状、振戦、流涙、流涎、縮瞳、呼吸不整等がみられた (食安委 動物用医薬品評価書 (2013))。 (3) ラットの4時間単回吸入ばく露試験において、1,440 mg/m3 (区分2の範囲) ~7,290 mg/m3 (区分2超) で呼吸促迫、軽度の間代性痙攣、流涎、流涙、軟便の排泄、尿失禁がみられた (食安委 動物用医薬品評価書 (2013))。 (4) イヌ、ウサギ、ラット、マウスなどの実験動物において、抗コリンエステラーゼ及び神経毒性作用を示したとの報告がある (EPA Pesticides RED (2006))。

特定標的臓器毒性 (反復ばく露)

【分類根拠】 (1)~(5) より、区分1 (神経系) とした。新たな情報を用いて検討した結果、旧分類から分類結果を変更した。
【根拠データ】 (1) イヌを用いた6ヵ月間の混餌投与試験の結果、12/4 ppm (雄/雌: 0.089/0.083 mg/kg/day) 以上の雄で大脳コリンエステラーゼ (ChE) 活性の低下が、24 ppm (雄/雌: 0.692/0.702 mg/kg/day) の雌雄で赤血球ChE活性の抑制、雄で大脳ChE活性の低下、雌で白血球数の高値、無機リンの高値、大脳ChE活性の低下 (65%) がみられた (食安委 動物用医薬品評価書 (2013))。 (2) イヌを用いた52週間の混餌投与試験の結果、20 ppm (0.5 mg/kg/day、区分1の範囲) で肝重量増加、赤血球のChE活性低下が、100 ppm (2.5 mg/kg/day、区分1の範囲) で下痢、摂餌量低下、肝臓酵素及び肝重量増加、2例の肝臓に局所的な壊死、赤血球及び脳ChE活性低下がみられ、雄1例で虚脱状態のため安楽死処置された (食安委 動物用医薬品評価書 (2013)、EU EMEA (1999))。 (3) マウスの慢性毒性/発がん性併合試験において、1 mg/kg/day (区分1の範囲) 以上の雄で赤血球及び脳ChE 活性低下が、 6 mg/kg/dayの雄で骨髄過形成が、6 mg/kg/day (区分1の範囲) 以上の雄で摂餌量減少、雌で赤血球及び脳ChE活性低下、十二指腸粘膜の過形成が、21 mg/kg/day (区分2の範囲) の雌雄で活動性低下、雄で脳重量増加、神経細胞の空胞変性、雌で死亡率増加、摂餌量減少、神経細胞の空胞変性、骨髄過形成がみられた (食安委 動物用医薬品評価書 (2013))。 (4) ラットの慢性毒性/発がん性併合試験において、12 ppm (0.6 mg/kg/day、区分1の範囲) 以上で赤血球ChE活性低下が、12 ppm (6 mg/kg/day) で脳ChE活性低下がみられた。なお、死亡率が高いために、雄生存例は91 週間で安楽死処置された。対照群の死亡を含めてほとんどの死亡は慢性腎症によるものであった (食安委 動物用医薬品評価書 (2013))。 (5) ウサギを用いた3週間の経皮毒性試験において、0.5 m/kg/day (90日換算: 0.08mg/kg/day、区分1の範囲) 以上で血漿及び赤血球ChE活性低下がみられた (EU EMEA (1999))。

誤えん有害性*

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。本有害性クラスの内容に変更はない。

12. 環境影響情報

12.1 生態毒性

魚毒性
LC50 - Lepomis macrochirus (ブルーギル) - 0.28 mg/l - 96.0 h
LC50 - Oncorhynchus mykiss (ニジマス) - 2.6 mg/l - 96 h
ミジンコ等の水生無脊 椎動物に対する毒性
EC50 - Daphnia magna (オオミジンコ) - 0.01 mg/l - 48 h
藻類に対する毒性
EC50 - Desmodesmus subspicatus (緑藻) - 9.5 mg/l - 72 h

12.2 残留性・分解性

データなし

12.3 生体蓄積性

データなし

12.4 土壌中の移動性

データなし

12.5 PBT および vPvB の評価結果

化学物質安全性評価が必要ではない/行っていないため、PBT/vPvB評価データはない。

12.6 内分泌かく乱性

データなし

12.7 他の有害影響

データなし
非該当
オゾン層への有害性

13. 廃棄上の注意

13.1 廃棄物処理方法

製品
内容物及び容器は、関連法規及び各自治体の条例等の規制に従い、産業廃棄物として適切に処理すること。

14. 輸送上の注意

14.1 国連番号

ADR/RID (陸上規制): 3278    IMDG (海上規制): 3278    IATA-DGR (航空規制): 3278

14.2 国連輸送名

IATA-DGR (航空規制): Organophosphorus compound, liquid, toxic, n.o.s. (Propetamphos)
(Propetamphos)
IMDG (海上規制): ORGANOPHOSPHORUS COMPOUND, LIQUID, TOXIC, N.O.S.
ド)
O-(2-イソプロポキシカルボニル-1-メチルビニル)-O-メチルチオホスホルアミ
ADR/RID (陸上規制): ORGANOPHOSPHORUS COMPOUND, LIQUID, TOXIC, N.O.S. (N-エチル-

14.3 輸送危険有害性クラス

ADR/RID (陸上規制): 6.1    IMDG (海上規制): 6.1    IATA-DGR (航空規制): 6.1

14.4 容器等級

ADR/RID (陸上規制): III IMDG (海上規制): III IATA-DGR (航空規制): III

14.5 環境危険有害性

非該当
ADR/RID: 非該当 IMDG 海洋汚染物質(該当・非該当): IATA-DGR (航空規制): 非該当

14.6 特別の安全対策

なし

14.7 混触危険物質

強酸化剤

15. 適用法令

労働安全衛生法

-

化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法)

-

毒物及び劇物取締法

劇物(指定令第2条)【11の4 N-エチル-O-(2-イソプロポキシカルボニル-1-メチルビニル)-O-メチルチオホスホルアミド及びこれを含有する製剤】

道路法

車両の通行の制限(施行令第19条の13、(独)日本高速道路保有・債務返済機構公示第12号・別表第2)【3 イソプロピル3-〔(エチルアミド)(メトキシ)チオホスフィノイルオキシ〕イソクロトナート】

航空法

毒物類・毒物(施行規則第194条危険物告示別表第1)【【国連番号】3018 殺虫殺菌剤(有機リン系)(液体)(毒性のもの)】

船舶安全法

毒物類・毒物(危規則第3条危険物告示別表第1)【【国連番号】3018 有機リン系殺虫殺菌剤類(液体)(毒性のもの)】

港則法

その他の危険物・毒物類(毒物)(法第21条第2項、規則第12条、危険物の種類を定める告示別表)【2チ 有機リン系殺虫殺菌剤類(液体)(毒性のもの)】

16. その他の情報

略語と頭字語

ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
EC50: 有効濃度 50%
IATA:国際航空運送協会
IMDG: 国際海上危険物
LC50: 致死濃度 50%
LD50: 致死量 50%
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
STEL: 短期暴露限度
TWA: 時間加重平均

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
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