安全データシート

テオフィリン

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: テオフィリン
  • CB番号: CB4285388
  • CAS: 58-55-9
  • 同義語: テオフィリン,ユニフィルLA

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 気管支拡張薬 強心薬 血管拡張薬 抗喘息薬 利尿薬
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
平成24年。政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版)を使用
GHS改訂4版を使用
健康に対する有害性
急性毒性(経口)   区分3
生殖毒性   区分2
特定標的臓器毒性(単回ばく露)   区分1(神経系、心血管系)
特定標的臓器毒性(反復ばく露)   区分1(神経系、心血管系)
環境に対する有害性
水生環境有害性 (急性)   分類実施中
水生環境有害性 (長期間)   分類実施中
オゾン層への有害性   分類実施中

ラベル要素

絵表示又はシンボル
GHS06
注意喚起語
危険
危険有害性情報
飲み込むと有毒
生殖能または胎児への悪影響のおそれの疑い
授乳中の子に害を及ぼすおそれ
臓器の障害: 神経系 心血管系
長期にわたる、または反復暴露による臓器の障害: 神
経系 心血管系
注意書き
[安全対策]
使用前に取扱説明書を入手すること。
すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
粉じん、煙、ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
妊娠中/授乳期中は接触を避けること。
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。
取扱い後は手や顔をよく洗うこと。
保護手袋、保護衣、保護面を着用すること。
[応急措置]
飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。口をすすぐこと。
暴露または暴露の懸念がある場合:医師に連絡すること。
[保管]
施錠して保管すること。
[廃棄]
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託す
ること。

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質/混合物の区別: : 化学物質
  • 化学名又は一般名: : テオフィリン
  • 濃度又は濃度範囲: : >98.0%(HPLC)(T)
  • CAS RN: : 58-55-9
  • 別名 : 1,3-Dimethylxanthine
  • 化学式: : C7H8N4O2
  • 官報公示整理番号 化審法: : 該当なし

4. 応急措置

吸入した場合:

空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。医師に連絡す
ること。

皮膚に付着した場合:

直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。多量の水と石鹸で
洗うこと。医師に連絡すること。

目に入った場合:

水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易にはずせる場合は外し
て洗うこと。医師に連絡すること。

飲み込んだ場合:

直ちに医師に連絡すること。口をすすぐこと。

応急措置をする者の保護:

救助者はゴム手袋、密閉ゴーグルなどの保護具を着用する。

5. 火災時の措置

適切な消火剤:

粉末, 泡, 水噴霧, 二酸化炭素

火災時の特定危険有害性:

燃焼や高温により分解し、有毒なヒュームを発生する恐れがあるので注意する。

特有の消火方法:

消火作業は、風上から行い、周囲の状況に応じた適切な消火方法を用いる。関係者以外は安全な場所に退去させる。周辺火災時、移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。

消火を行う者の保護:

消火作業の際は、必ず保護具を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置:

個人用保護具を着用する。
漏出場所の風上から作業し、風下の人を退避させる。
漏出した場所の周辺に、ロープを張るなどして関係者以外の立入りを禁止す
る。

環境に対する注意事項:

製品が排水路に排出されないよう注意する。

封じ込め及び浄化の方法及び機材:

粉塵の飛散に注意しながら掃き集め、密閉容器に回収する。
付着物、回収物などは、関係法規に基づき速やかに処分する。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策:
取扱いは換気のよい場所で行う。適切な保護具を着用する。粉塵が飛散しないように注意する。取扱い後は手や顔などをよく洗う。
注意事項:
できれば、密閉系で取扱う。粉塵やエアゾールが発生する場合には、局所排気を用いる。
安全取扱い注意事項:
あらゆる接触を避ける。

保管

適切な保管条件:
容器を密栓して冷暗所に保管する。施錠して保管する。酸化剤などの混触危険物質から離して保管する。
安全な容器包装材料:
法令の定めるところに従う。

8. ばく露防止及び保護措置

設備対策:

密閉化した設備又は局所排気装置を設ける。取扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄用の設備を設ける。

管理濃度:

設定されていない。

保護具

呼吸用保護具:
防塵・防毒マスク、自給式呼吸器、送気マスク等。
手の保護具:
不浸透性の手袋。
眼、顔面の保護具:
保護眼鏡(ゴーグル型)。状況に応じ保護面。
皮膚及び身体の保護具:
不浸透性の保護衣。状況に応じ、保護長靴。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
固体(結晶性の粉末)(HSDB (2011))
白色(HSDB (2011))
臭い
無臭(HSDB (2011))
臭いのしきい(閾)値
データなし。
pH
4-6 (20 g/L, 20℃)(SIDS (2003))

融点・凝固点

270-274℃(Merck (14th, 2006))

沸点、初留点及び沸騰範囲

データなし。

引火点

データなし。

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし。

燃焼性(固体、気体)

データなし。

燃焼又は爆発範囲

データなし。

蒸気圧

0.00000000512 mmHg(25℃)(SIDS (2003))

蒸気密度

データなし。

密度

1.499g/cm3 (NITE総合検索 (Access on May. 2012))

溶解度

エタノール、ジエチルエーテル、クロロホルムに微溶。(HODOC (3rd, 1994))
水:0.55~0.8 g/100 ml(ICSC(J) (2007))

n-オクタノール/水分配係数

-0.02 (概算値)(ICSC(J) (2007))

自然発火温度

> 610℃(SIDS (2003))

分解温度

データなし。

粘度(粘性率)

データなし。

10. 安定性及び反応性

反応性:

情報なし

化学的安定性:

適切な条件下においては安定。

危険有害反応可能性:

特別な反応性は報告されていない。

避けるべき条件:

情報なし

混触危険物質:

酸化剤

危険有害な分解生成物:

二酸化炭素, 一酸化炭素, 窒素酸化物

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットLD50値は272 mg/kgおよび225 mg/kg (いずれもSIDS (2003))に基づき区分3とした。GHS分類:区分3
経皮
ラットに2000 mg/kgを投与し死亡例はなく、LD50値は >2000 mg/kg (SIDS (2003))に基づき区分外とした。GHS分類:区分外
吸入:ガス
GHSの定義における固体である。GHS分類:分類対象外
吸入:蒸気
データなし。GHS分類:分類できない
吸入:粉じん及びミスト
ラットに6.7 mg/L(粉塵)を4時間ばく露した試験(OECD TG403)で、死亡例はなく、LC50値は>6.7 mg/L(SIDS (2003))に基づき、区分外とした。GHS分類:区分外

皮膚腐食性及び刺激性

ウサギ3匹の皮膚に本物質の50%希釈液0.5gを半閉塞適用(4時間)した試験(OECD TG404)で、適用4時間後2匹に軽微な紅斑が観察されたのみで、24、48、および72時間の観察時点では刺激症状は見られず、平均刺激性スコア(PDII)は0で刺激性なし(not irritating)との結果(SIDS (2003))により区分外とした。GHS分類:区分外

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

ウサギ3匹の結膜嚢に未希釈の本物質0.51mgを適用した試験(OECD TG405)で、軽微な角膜混濁が1~2匹に8日目まで、軽度~明瞭な結膜の発赤と浮腫が3匹全例に72時間まで観察された。3匹中2匹で回復が見られ、1匹は8日目に結膜発赤と軽度の角膜混濁、角膜炎を示したが、虹彩には各動物共各観察時点で影響がなかった。平均刺激指数が、角膜混濁は0.6、虹彩炎は0.0、結膜発赤は1.8、結膜浮腫は0.6であり(SIDS (2003))、角膜混濁と虹彩炎で1未満、結膜の発赤と浮腫で2未満であったことから、区分外とした。GHS分類:区分外

呼吸器感作性

データなし。GHS分類:分類できない

皮膚感作性

データなし。GHS分類:分類できない

生殖細胞変異原性

ラットに75週間混餌投与による精原細胞を用いた染色体異常試験(生殖細胞 in vivo変異原性試験)で陰性(SIDS (2003))、マウスの腹腔内投与による骨髄細胞を用いた染色体異常試験および経口投与による末梢血を用いた小核試験(体細胞 in vivo変異原性試験)で陰性(NTP DB (Access on May 2012)、SIDS (2003))の結果により区分外とした。なお、マウスの骨髄細胞を用いた姉妹染色分体交換試験(体細胞 in vivo遺伝毒性試験)では、腹腔内投与により陰性、経口投与により陽性の結果(SIDS (2003))が報告され、in vitro試験としてはエームス試験およびCHO細胞を用いた染色体異常試験でいずれも陰性(NTP DB (Access on May 2012))が報告されている。GHS分類:区分外

発がん性

IARCの発がん性評価でグループ3である(IARC 51(1991))ことから「分類できない」とした。なお、ラットおよびマウスの2年間の強制経口投与による発がん性試験において、両動物種雌雄共発がん性の証拠は得られなかった(NTP TR 473 (1998))と報告されている。GHS分類:分類できない

生殖毒性

マウスを用い18週間の継続交配中に混餌投与した試験(RACB protocol)において、高用量(500 mg/kg/day)で同腹生存仔数の減少および出産回数の減少(NTP RACB 84074 (1985))に加え、妊娠ラットの器官形成期に混餌投与した試験では中用量(218 mg/kg/day)以上で同腹生存胎仔数の減少(NTP TER 84110 (1985))がみられ、さらに妊娠マウスの器官形成期に飲水投与した試験では、吸収胚、死亡胎仔、および異常生存仔の割合が増加し、奇形胎仔を含む同腹仔の割合および外表奇形の発生率が増加傾向を示した(NTP TER 84111 (1985))。これらの結果に基づき、同じ用量で親動物に脱毛、体重増加抑制、摂餌量低下などの一般毒性も認められることから、区分2とした。さらに、喘息のため母親が本物質を投与された新生児12人中3人の乳児に、副作用として頻脈および一過性の神経過敏が認められた(SIDS (2003))との事例報告があり、本物質の医薬品添付文書にも、母乳中に移行し、乳児に神経過敏を起こすことがあり、投与中は授乳を避けさせる(医療用医薬品集(2010))との記載があり、「追加区分:授乳に対する又は授乳を介した影響」とした。GHS分類:区分2、追加区分:授乳に対する又は授乳を介した影響

特定標的臓器毒性(単回ばく露)

本物質は気管支拡張剤として医薬品に使用され、過量投与による中毒症状として、頭痛、不眠、不安、興奮、痙攣、せん妄、意識障害、昏睡等の精神神経症状、頻脈、心室頻拍、心房細動、血圧低下等の心血管症状が記載されている(医療用医薬品集 (2010))。本物質で自殺を図った50歳女性の事例報告があり、入院時に昏睡状態となり、数回の全身性痙攣を発症し、検査の結果、頻呼吸、呼吸困難、末梢性チアノーゼに加え、心室の頻拍と細動が認められた(SIDS (2003))。また、別の事例では神経障害の既往歴のない2人の患者が本物質の過量投与により痙攣発作を起こしたことが報告されている(SIDS (2003))。以上より、区分1(神経系、心血管系)とした。.なお、動物試験ではラットに1000 mg/kg(区分2相当)を経口投与により、痙攣、呼吸促進、閉瞼、流涎の症状が観察されている(SIDS (2003))。GHS分類:区分1(神経系、心血管系)

特定標的臓器毒性(反復ばく露)

本物質は気管支拡張剤として医薬品に使用され、過量投与による中毒症状には、頭痛、不眠、不安、興奮、痙攣、せん妄、意識障害、昏睡等の精神神経症状、頻脈、心室頻拍、心房細動、血圧低下等の心血管症状が記載されている(医療用医薬品集(2010))。1980~1990年に報告された本物質の毒性に関する包括的要約によれば、副作用の多くは、神経系症状と心血管系症状の2つのカテゴリーに入る。実際に、198人に痙攣発作がみられ、心血管系の合併症として不整脈の発生率が最も高く、525人の患者で洞性頻脈から心室頻脈または細動までの異常伝導がみられ、63人の死亡が報告されている(SIDS (2003))。また、中毒に至った成人9人の事例報告があり、50歳以上の患者では低血圧および心律動異常のような重度の毒性症状が共通に見られ、3人に痙攣が、全例に頻脈が、4人に低血圧が発生し、3人が死亡し、全て痙攣、低血圧を伴い最終的に心血管停止となった(SIDS (2003))。以上の報告に基づき、区分1(神経系、心血管系)とした。なお、ラットおよびマウスに経口投与による14週間反復投与試験の結果が報告されているが、各試験とも重大な毒性影響を示す所見は報告されていない(NTP TR 473 (1998))。GHS分類:区分1(神経系、心血管系)

吸引性呼吸器有害性

データなし。GHS分類:分類できない

12. 環境影響情報

生態毒性:

魚類:
情報なし
甲殻類:
情報なし
藻類:
情報なし

残留性・分解性:

情報なし

生体蓄積性(BCF):

情報なし

土壌中の移動性

オクタノール/水分配係数:
情報なし
土壌吸着係数(Koc):
情報なし
ヘンリー定数(PaM 3/mol):
情報なし

オゾン層への有害性:

情報なし

13. 廃棄上の注意

処理施設がないなどの理由で廃棄できない場合は、許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託する。
空容器を処分する時は、内容物を完全に除去した後に行う。
却炉で焼却する。
焼却処理する場合には、可燃性溶剤に溶解または混合した後、アフターバーナー及びスクラバーを備えた焼
地方条例や国内規制に従う。
適切な保護具を着用する。

14. 輸送上の注意

国連番号:

1544

品名(国連輸送名):

Alkaloids, solid, n.o.s.

国連分類:

クラス6.1(毒物)

容器等級:

輸送の特定の安全対策及び条件:

積み込み、荷崩れの防止を確実に行い、法令の定めるところに従う。
運搬に際しては容器に漏れのないことを確かめ、転倒、落下、損傷のないように

15. 適用法令

船舶安全法

毒物類・毒物

航空法

毒物類・毒物

16. その他の情報

略語と頭字語

TWA: 時間加重平均
STEL: 短期暴露限度
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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