安全データシート

3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチル

改訂日:2024-05-09版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: 3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチル
  • CB番号: CB3475740
  • CAS: 6386-38-5
  • 同義語: 3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチル,3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゼンプロピオン酸メチル

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 抗酸化剤中間体、潤滑油・自動車オイル・油圧液抗酸化剤、芳香剤
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
GHS改訂4版を使用
H25.9.19、政府向けGHS分類ガイダンス(H25.7版)を使用
健康に対する有害性
特定標的臓器毒性(反復ばく露)   区分2(肝臓、甲状腺)
生殖毒性   区分2
環境に対する有害性
水生環境有害性 (長期間)   分類実施中
水生環境有害性 (急性)   分類実施中

ラベル要素

絵表示又はシンボル
GHS09
注意喚起語
なし
危険有害性情報
長期継続的影響により水生生物に毒性
水生生物に毒性
注意書き
[安全対策]
環境への放出を避けること。
[応急措置]
漏出物を回収すること。
[廃棄]
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託す
ること。

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質/混合物の区別: : 化学物質
  • 化学名又は一般名: : 3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチル
  • 濃度又は濃度範囲: : >98.0%(GC)
  • CAS RN: : 6386-38-5
  • 別名 : 3-(3,5-Di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl)propionic Acid Methyl Ester
  • 化学式: : C18H28O3
  • 官報公示整理番号 化審法: : (3)-1736, (3)-1761
  • 官報公示整理番号 安衛法: : 公表化学物質

4. 応急措置

吸入した場合:

は、医師の診断、手当てを受けること。
空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。気分が悪い時

皮膚に付着した場合:

受けること。
ワーで洗うこと。皮膚刺激または発疹が生じた場合は、医師の診断、手当てを
直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。皮膚を流水、シャ

目に入った場合:

て洗うこと。眼の刺激が続く場合は、医師の診断、手当てを受けること。
水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易にはずせる場合は外し

飲み込んだ場合:

気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。口をすすぐこと。

応急措置をする者の保護:

救助者はゴム手袋、密閉ゴーグルなどの保護具を着用する。

5. 火災時の措置

適切な消火剤:

粉末, 泡, 水噴霧, 二酸化炭素

特有の消火方法:

消火作業は、風上から行い、周囲の状況に応じた適切な消火方法を用いる。関係者以外は安全な場所に退去させる。周辺火災時、移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。

消火を行う者の保護:

消火作業の際は、必ず保護具を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置:

る。
漏出した場所の周辺に、ロープを張るなどして関係者以外の立入りを禁止す
漏出場所の風上から作業し、風下の人を退避させる。
個人用保護具を着用する。

環境に対する注意事項:

環境への悪影響が懸念されるため、河川等へ排出されないよう注意する。

封じ込め及び浄化の方法及び機材:

付着物、回収物などは、関係法規に基づき速やかに処分する。
粉塵の飛散に注意しながら掃き集め、密閉容器に回収する。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策:
取扱いは換気のよい場所で行う。適切な保護具を着用する。粉塵が飛散しないように注意する。取扱い後は手や顔などをよく洗う。
注意事項:
粉塵やエアゾールが発生する場合には、局所排気を用いる。
安全取扱い注意事項:
皮膚、眼および衣類との接触を避ける。

保管

適切な保管条件:
容器を密栓して冷暗所に保管する。不活性ガスを充填する。酸化剤などの混触危険物質から離して保管する。
避けるべき保管条件:
空気
安全な容器包装材料:
法令の定めるところに従う。

8. ばく露防止及び保護措置

設備対策:

作業者が直接暴露されないように、できるだけ密閉化した設備又は局所排気装置を設ける。取扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄用の設備を設ける。

管理濃度:

設定されていない。

保護具

呼吸用保護具:
防塵マスク、簡易防塵マスク等。
手の保護具:
保護手袋。
眼、顔面の保護具:
保護眼鏡。状況に応じ保護面。
皮膚及び身体の保護具:
保護衣。状況に応じ、保護長靴。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
固体
情報なし
臭い
情報なし
臭いのしきい(閾)値
情報なし
pH
pH=5.8:SIDS(2004)

融点・凝固点

66.1 ℃:SIDS(2004)

沸点、初留点及び沸騰範囲

335.8 ℃:SIDS(2004)

引火点

情報なし

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

情報なし

燃焼性(固体、気体)

情報なし

燃焼又は爆発範囲

情報なし

蒸気圧

0.00002hPa(25℃):SIDS(2004)

蒸気密度

情報なし

比重(相対密度)

0.925g/cm3(25℃):SIDS(2004)

溶解度

2.2 mg/L:SIDS(2004)

n-オクタノール/水分配係数

情報なし

自然発火温度

370 ℃:SIDS(2004)

分解温度

情報なし

粘度(粘性率)

情報なし

10. 安定性及び反応性

反応性:

情報なし

化学的安定性:

適切な条件下においては安定。

危険有害反応可能性:

特別な反応性は報告されていない。

避けるべき条件:

情報なし

混触危険物質:

酸化剤

危険有害な分解生成物:

一酸化炭素, 二酸化炭素

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットのLD50値として、> 5,000 mg/kg の報告 (SIDS (2004)) に基づき、区分外とした。
経皮
ウサギのLD50値として、> 3,000 mg/kg の報告 (SIDS (2004)) に基づき、区分外とした。
吸入:ガス
GHSの定義における固体である。
吸入:蒸気
GHSの定義における固体である。
吸入:粉じん及びミスト
ラットのLC50値 (4時間) として、> 0.0555 mg/L の報告があるが、99.5%以上の粒子の径が10ミクロンを超えているため実質的に体内に吸収されないと記載されている (SIDS (2004)) 。したがって、分類できない。

皮膚腐食性及び皮膚刺激性

ウサギを用いた試験において刺激性が見られなかったとする報告が複数ある (SIDS (2004)、IUCLID (2000)) ことから、区分外 (国連分類基準の区分3) とした。

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

SIDS (2004) には、2件の試験結果が報告されており、いずれの試験でもわずかな刺激性か刺激なしとの結果から区分外とした。

呼吸器感作性

呼吸器感作性:データ不足のため分類できない。

皮膚感作性

皮膚感作性:データ不足のため分類できない。なお、SIDS (2004) にはヒトのボランティアによる実験で0.5%溶液に感作性を示した人はいなかったとの記載があるが詳細は不明である。

生殖細胞変異原性

データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoのデータはなく、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性である (SIDS (2004))。

発がん性

データ不足のため分類できない。

生殖毒性

ラットを用いた経口経路での生殖毒性スクリーニング試験 (OECD TG421) において、親動物毒性 (体重及び摂餌量の減少、肝臓の重量増加、肝細胞の肥大、胆管線維症) がみられる用量で生殖毒性 (同腹児数の減少、児動物の体重の減少、生後4日の生存率の減少) がみられている (SIDS (2004))。奇形を含む発生毒性に関する十分な情報は得られていない。したがって、区分2に分類した。

特定標的臓器毒性(単回ばく露)

データ不足のため分類できない。なお、ラットの経口投与においてガイダンスの範囲外の用量 (5,000 mg/kg) で軽度-中等度の呼吸困難、粗毛、軽度の眼球突出がみられているが10日以内に回復していることや (SIDS (2004))、経皮経路においては、ガイダンスの範囲外の用量 (3,000 mg/kg) において明確な有害影響はみられていない こと (SIDS (2004)) から経口及び経皮経路においては区分外相当と考えられる。一方、ラットの吸入経路においてはガイダンスの区分1の用量で毒性情報はみられていないとの報告がある (SIDS (2004)) が、ガイダンスの区分2以上の用量における有害影響について情報がないことから、データ不足により分類できないとした。

特定標的臓器毒性(反復ばく露)

ラットに28日間混餌投与した試験において、区分2のガイダンス値範囲内の用量 (68.4 mg/kg/day (90日換算)) で、肝臓に肥大及び組織学的変化 (好酸性滴を含む細胞質の均質化と核の異常 (大小不同、二核細胞)) がみられた (SIDS (2004))。また、ラットに90日間混餌投与した試験では、区分2のガイダンス値範囲内の用量 (70 mg/kg/day) から甲状腺に活性化像 (TSH (甲状腺刺激ホルモン) を投与したラットの甲状腺に類似した組織像) が見られ、区分外相当の高用量群 (140 mg/kg/day) では28日間投与時と同様に肝臓の所見が認められている (SIDS (2004))。以上より、区分2 (肝臓、甲状腺) とした。

吸引性呼吸器有害性

データ不足のため分類できない。

12. 環境影響情報

生態毒性:

魚類:
96h LC50:5.6 mg/L (Brachydanio rerio)
甲殻類:
情報なし
藻類:
情報なし

残留性・分解性:

情報なし

生体蓄積性(BCF):

情報なし

土壌中の移動性

オクタノール/水分配係数:
情報なし
土壌吸着係数(Koc):
情報なし
ヘンリー定数(PaM 3/mol):
情報なし

オゾン層への有害性:

情報なし

13. 廃棄上の注意

処理施設がないなどの理由で廃棄できない場合は、許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託する。
空容器を処分する時は、内容物を完全に除去した後に行う。
却炉で焼却する。
焼却処理する場合には、可燃性溶剤に溶解または混合した後、アフターバーナー及びスクラバーを備えた焼
地方条例や国内規制に従う。
適切な保護具を着用する。

14. 輸送上の注意

国連番号:

3077

品名(国連輸送名):

Environmentally hazardous substance, solid, n.o.s.

国連分類:

クラス9(その他の有害物件)

容器等級:

海洋汚染物質:

Y

輸送の特定の安全対策及び条件:

積み込み、荷崩れの防止を確実に行い、法令の定めるところに従う。
運搬に際しては容器に漏れのないことを確かめ、転倒、落下、損傷のないように

15. 適用法令

該当法規制なし

化審法

優先評価化学物質

16. その他の情報

略語と頭字語

ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
EC50: 有効濃度 50%
IATA:国際航空運送協会
IMDG: 国際海上危険物
LC50: 致死濃度 50%
LD50: 致死量 50%
TWA: 時間加重平均
STEL: 短期暴露限度
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

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