安全データシート

ジブチルすずジクロリド

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: ジブチルすずジクロリド
  • CB番号: CB8854117
  • CAS: 683-18-1
  • EINECS番号: 211-670-0
  • 同義語: ジクロロジブチルスズ,ジブチル錫ジクロライド

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 塩ビ安定剤中間体,触媒 (NITE CHRIP)
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日(物化危険性及び健康有害性)
GHS改訂4版を使用
H29.3.1、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改定版 (ver1.1): JIS Z7252:2014準拠) を使用
物理化学的危険性
-
健康に対する有害性
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)   区分1 (肝臓、免疫系)
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)   区分1 (呼吸器)
生殖毒性   区分1B
生殖細胞変異原性   区分2
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性   区分1
皮膚腐食性/刺激性   区分1
急性毒性 (吸入:粉塵、ミスト)   区分2
急性毒性(経口)   区分3
分類実施日(環境有害性)
政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改定版 (ver1.1): JIS Z7252:2014準拠) を使用
環境に対する有害性
水生環境有害性 (長期間)   分類未実施
水生環境有害性 (急性)   分類未実施

2.2 注意書きも含むGHSラベル要素

絵表示
GHS05GHS06GHS08GHS09
注意喚起語
危険
危険有害性情報
H410 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性。
H372 反復してあるいは長期にわたり飲み込んだ場合、又は反復暴露による臓器 (胸腺) の障害。
H370 飲み込むと臓器 (胸腺) の障害。
H360 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ。
H341 遺伝性疾患のおそれの疑い。
H330 吸入すると生命に危険。
H317 アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ。
H314 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷。
H312 皮膚に接触すると有害。
H301 飲み込むと有毒。
注意書き
安全対策
P284 換気が不十分な場合、呼吸用保護具を着用すること。
P280 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P273 環境への放出を避けること。
P272 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
P271 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。
P270 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P264 取扱い後は皮膚をよく洗うこと。
P260 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P202 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P201 使用前に取扱説明書を入手すること。
応急措置
P304 + P340 + P310 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し,呼吸しやすい姿勢で休息させること。 直ちに医師に連絡すること。
P303 + P361 + P353 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を水【又はシャワー】で洗うこと。
P301 + P330 + P331 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。
P391 漏出物を回収すること。
P362 + P364 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
P333 + P313 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P308 + P311 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。
P305 + P351 + P338 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
保管
P405 施錠して保管すること。
P403 + P233 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
廃棄
専門的な使用者に限定。
P501 内容物/容器を承認された処理施設に廃棄すること。

2.3 他の危険有害性

なし

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質・混合物の区別: 化学物質
  • 別名: Dibutyldichlorotin
  • 化学特性(示性式、構造式 等): C8H18Cl2Sn
  • 分子量: 303.84 g/mol
  • CAS番号: 683-18-1
  • EC番号: 211-670-0
  • 化審法官報公示番号: 2-2331
  • 安衛法官報公示番号: -

4. 応急措置

4.1 必要な応急手当

一般的アドバイス
応急措置担当者は自分が暴露しないよう、適切な防護を行う。 この安全データシートを担当医に見せる。
吸入した場合
吸入後は新鮮な空気を吸うこと。ただちに医師の診察を受けること。 呼吸停止時はただちに人工呼吸を実施し、必要に応じて酸素も吸入する。
皮膚に付着した場合
皮膚に接触した場合: すべての汚染された衣類を直ちに脱ぐこと。 皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 直ちに医師を呼ぶ。
眼に入った場合
眼に触れた後は多量の水ですすぐこと。 ただちに眼科医の診察を受けること。 コンタクトレンズをはずす。
飲み込んだ場合
飲み込んだ場合は水を飲ませる(多くても2杯)。ただちに医師の診察を受けること。1時間以内に治療が受けられないという例外的な状況のみ、嘔吐させ(相手に完全に意識のある場合のみ)、活性炭(10%懸濁液に20~40g)を投与してできるだけ早く医師の診察を受ける。 中和させようとしないこと。

4.2 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状

もっとも重要な既知の徴候と症状は、ラベル表示(項目2.2を参照)および/または項目11に記載されている

4.3 緊急治療及び必要とされる特別処置の指示

データなし

5. 火災時の措置

5.1 消火剤

使ってはならない消火剤
本物質/混合物に対する消火剤の制限なし
適切な消火剤
水 泡 二酸化炭素(CO2) 粉末

5.2 特有の危険有害性

火災時に有害な燃焼ガスや蒸気を生じるおそれあり。
高熱で空気と反応して爆発性混合物を生じる
蒸気は空気より重く、床に沿って広がることがある。
可燃性。
スズ/スズ酸化物
塩化水素ガス
炭素酸化物

5.3 消防士へのアドバイス

自給式呼吸器がある場合のみ危険区域に留まってもよい。安全なゾーンまで離れるか適切な保護衣を着用して、皮膚に触れないようにすること。

5.4 詳細情報

ガス/蒸気/ミストを水スプレージェットで抑える(除去する)。 消火水が、地上水または地下水のシステムを汚染しないようにする。

6. 漏出時の措置

6.1 人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置

救急隊員以外への助言: いかなる場合も、ほこりを生じさせたり吸い込んだりしないようにすること。触れないようにすること。 十分な換気を確保する。 危険なエリアから避難し、緊急時手順に従い、専門家に相談のこと個人保護については項目 8 を参照する。

6.2 環境に対する注意事項

物質が排水施設に流れ込まないようにする。

6.3 封じ込め及び浄化の方法及び機材

排水溝に蓋をすること。こぼれたら集めて結合させ、ポンプですくい取る。 物質の制限があれば順守のこと (セクション 7、10参照) 慎重に行うこと。適切に廃棄すること。関連エリアを清掃のこと。 ほこりが生じないようにすること。

6.4 参照すべき他の項目

廃棄はセクション13を参照。

7. 取扱い及び保管上の注意

7.1 安全な取扱いのための予防措置

安全取扱注意事項
換気フードの下で作業すること。吸い込まないこと。
衛生対策
汚した衣類はただちに替えること。予防的な皮膚保護を講じること。本物質を取り扱った後は手と顔を洗うこと。注意事項は項目2.2を参照。

7.2 配合禁忌等を踏まえた保管条件

保管クラス
保管クラス (ドイツ) (TRGS 510): 6.1A: 可燃性、急性毒性カテゴリー1および2 / 猛毒性危険物
保管条件
密閉のこと。 乾燥。 換気のよい場所で保管する。 鍵をかけておくか、資格のあるまたは認可された人のみが出入りできる場所に入れておく。湿気に反応する。

7.3 特定の最終用途

項目1.2に記載されている用途以外には、その他の特定の用途が定められていない

8. ばく露防止及び保護措置

8.1 管理濃度

コンポーネント別作業環境測定パラメータ
TWA: 0.1 mg/m3 - 米国。 ACGIH限界閾値(TLV)

8.2 曝露防止

適切な技術的管理
汚した衣類はただちに替えること。予防的な皮膚保護を講じること。本物質を取り扱った後は手と顔
を洗うこと。
保護具
眼/顔面の保護
NIOSH(US)またはEN 166(EU)などの適切な政府機関の規格で試験され、認められた眼の
保護具を使用する。 密着性の高い安全ゴーグル
皮膚及び身体の保護具
手袋を着用して取扱う。 使用前に、必ず手袋を検査する。 (手袋外面に触れずに)適切に手袋
を脱ぎ、本製品の皮膚への付着を避ける。 適用法令およびGLPに従い、使用後に汚染手袋を廃
棄する。 手を洗い、乾燥させる。
選ばれた防護手袋は、EU指令2016/425の仕様と、それから派生する規格EN374を満たすもので
なければならない。
フルコンタクト
材質: ニトリルゴム
最小厚: 0.11 mm
破過時間: 480 min
試験物質:Dermatril® (KCL 740 / Aldrich Z677272, Size M)
飛沫への接触
材質: ニトリルゴム
最小厚: 0.11 mm
破過時間: 480 min
試験物質:Dermatril® (KCL 740 / Aldrich Z677272, Size M)
データソース:KCL GmbH, D-36124 Eichenzell, 電話 +49 (0)6659 87300, e-mail sales@kcl.de,
試験方法: EN374
EN374とは違った条件の下で、溶液の中、または他の物質と混ぜて使われる場合は、EC認可手
袋の供給業者に問い合わせる。 この勧告は単なる助言であり、予想される用途の特定状況に精
通した産業衛生専門家並びに安全管理者により評価されなければならない。 任意の使用方法に
ついて許可を受けていると理解すべきではない。
身体の保護
保護衣
呼吸用保護具
ほこりが生じた際に必要。
次の規格に準拠しているフィルター式呼吸器保護具を推奨します。DIN EN 143、DIN 14387お
よび使用済み呼吸器保護システムに関連する他の付属規格。
環境暴露の制御
物質が排水施設に流れ込まないようにする。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
固体 (20℃、1気圧) (GHS判定)
白色 (環境省リスク評価第8巻 (2010))
臭い
刺激臭 (GESTIS (2016))
臭いのしきい(閾)値
データなし
pH
データなし

融点・凝固点

43℃ (HSDB (2016))

沸点、初留点及び沸騰範囲

135℃ (10mmHg) (HSDB (2016))

引火点

168.3℃ (開放式) (HSDB (2016))

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし

燃焼性(固体、気体)

データなし

燃焼又は爆発範囲

データなし

蒸気圧

1.2×10-3 mmHg (25℃) [換算値 0.16 Pa (25℃)] (環境省リスク評価第8巻 (2010))

蒸気密度

10.5 (Air = 1) (HSDB (2016))

比重(相対密度)

1.36(24℃) (環境省リスク評価第8巻 (2010))

溶解度

水:92 mg/L (20℃) (環境省リスク評価第8巻 (2010)) エーテル、ベンゼン、アルコール: 可溶 (HSDB (2016)) ヘキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン: 可溶 (R.Lide(2010))

n-オクタノール/水分配係数

log Kow=1.56、log Kow=0.97 (環境省リスク評価第8巻 (2010))

自然発火温度

可燃性 (HSDB (2016))

分解温度

> 230℃ (GESTIS (2016))

粘度(粘性率)

データなし

10. 安定性及び反応性

10.1 反応性

通常想定される。
可燃性有機物質及び製剤に概ね該当:微細に分散し、舞い上がった場合、粉じん爆発を起こす可能性が
引火点より下のおよそ15ケルビンからの範囲は危険とみなされている。
高熱で空気と反応して爆発性混合物を生じる

10.2 化学的安定性

標準的な大気条件(室温)で化学的に安定。

10.3 危険有害反応可能性

酸化剤
次と激しく反応

10.4 避けるべき条件

強力な熱
熱。

10.5 混触危険物質

データなし

10.6 危険有害な分解生成物

火災の場合:項目5を参照

11. 有害性情報

急性毒性

経口
GHS分類: 区分3 ラットのLD50値として、58.28 mg/kg (SIDS (2009))、100 mg/kg (PIM 586 (1994)、HSDB (Access on June 2016))、219 mg/kg (SIDS (2009)、CICAD 73 (2006)) の3件の報告に基づき、区分3とした。
経皮
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
吸入:ガス
GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における固体である。
吸入:蒸気
GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における固体である。
吸入:粉じん及びミスト
GHS分類: 区分2 ラットのLC50値 (4時間) として、59 mg/m3 (SIDS (2009)、CICAD 73 (2006)) との報告に基づき、区分2とした。

皮膚腐食性及び皮膚刺激性

GHS分類: 区分1 ウサギの皮膚刺激性試験で重度の刺激性があり (SIDS (2009))、ラットの経皮ばく露でも腐食性が報告されている (CICAD 73 (2006))。ヒトでも刺激性が報告されていることから (PIM 586 (1994)、環境省リスク評価第8巻 (2010))、区分1とした。

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

GHS分類: 区分1 ウサギの眼刺激性試験において重度の刺激性がみられたことから (SIDS (2009))、区分1とした。

呼吸器感作性

GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。

皮膚感作性

GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。

生殖細胞変異原性

GHS分類: 区分2 In vivoでは、ラット、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験で陽性、陰性の結果 (CICAD 73 (2006)、環境省リスク評価第8巻 (2010)、SIDS (2009))、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験で陽性、陰性の結果、染色体異常試験で陽性である (ATSDR (2005)、CICAD 73 (2006)、環境省リスク評価第8巻 (2010)、SIDS (2009))。以上より、ガイダンスに従い区分2とした。

発がん性

GHS分類: 分類できない ACGIHが有機スズ化合物に対し、A4に分類している (ACGIH (7th, 2001)) ため、本項は分類できないとした。

生殖毒性

GHS分類: 区分1B ラットに雄は交配2週間前から交配期間を含む28日間、雌はさらに妊娠・分娩を経て哺育終了時まで混餌投与した結果、親動物に体重増加抑制 (雌雄)、胸腺の重量減少とリンパ球枯渇 (雌)、卵巣嚢胞の増加がみられる用量で、出産率の低下、産児数の減少、出生児の生存率低下と体重増加抑制がみられた (環境書リスク評価第8巻 (2010)、SIDS (2009))。また、妊娠ラットの器官形成期に投与した複数の発生毒性試験において、母動物に体重増加抑制、摂餌量減少、一部死亡例がみられる用量、又はそれ以下の用量で、着床後胚損失の増加、胎児に胎児重量の減少、外表奇形 (外脳症、下顎裂、口蓋裂、舌癒合、臍ヘルニアなど)、骨格奇形 (頸椎・胸椎の椎弓/椎体の癒合・欠損、肋骨の癒合・欠損など)、無眼球・小眼球など様々な奇形発生の頻度増加がみられている (環境書リスク評価第8巻 (2010)、SIDS (2009)、CICAD 73 (2006))。以上より、本項は区分1Bとした。

特定標的臓器毒性(単回ばく露)

GHS分類: 区分1 (呼吸器) ヒトでの本物質の単回ばく露のデータはない。実験動物ではラットを用いた1時間の単回吸入ばく露試験で0.64 mg/L (4時間換算値0.16 mg/L) 以上の濃度で鼻からの出血、あえぎと喘鳴を伴う呼吸困難が認められたとの記載がある (SIDS (2009))。したがって区分1 (呼吸器) とした。なお、ラットの単回経口ばく露試験で致死量近くの200 mg/kgで無関心、呼吸困難、下痢が認められたとの記載がある (SIDS (2009))。 また、ジブチルスズオキシド (CAS番号 818-08-6)、マレイン酸ジブチルスズ (CAS番号 78-04-6)、ジブチルスズビス(2-エチルヘキシルチオグリコレート) (CAS番号 10584-98-2) は、人工胃液中で加水分解されて本物質を生じることが報告されている (環境省リスク評価第8巻 (2010)、SIDS (2009))。さらに、本物質、ジブチルスズジラウラート (CAS番号 77-58-7)、マレイン酸ジブチルスズ 、ジブチルスズビス(2-エチルヘキシルチオグリコレート)、ジブチルスズビス(イソオクチル=チオグリコレート) (CAS番号 25168-24-5) は加水分解によりジブチルスズオキシドを生じることが報告されている (環境省リスク評価第8巻 (2010))。

特定標的臓器毒性(反復ばく露)

なお、ジブチルスズオキシド (CAS番号 818-08-6)、マレイン酸ジブチルスズ (CAS番号 78-04-6)、ジブチルスズビス(2-エチルヘキシルチオグリコレート) (CAS番号 10584-98-2) は、人工胃液中で加水分解されて本物質を生じることが報告されている (環境省リスク評価第8巻 (2010)、SIDS (2009))。また、本物質、ジブチルスズジラウラート (CAS番号 77-58-7)、マレイン酸ジブチルスズ 、ジブチルスズビス(2-エチルヘキシルチオグリコレート)、ジブチルスズビス(イソオクチル=チオグリコレート) (CAS番号 25168-24-5) は加水分解によりジブチルスズオキシドを生じることが報告されている (環境省リスク評価第8巻 (2010))。
GHS分類: 区分1 (肝臓、免疫系) ヒトに関する情報はない。 実験動物については、ラットを用いた混餌による2週間反復投与毒性試験において、区分1相当である0.005% (90日換算、ガイダンス値換算:0.39 mg/kg/day) で免疫系への影響 (胸腺・脾臓・膝窩リンパ節相対重量減少、胸腺萎縮)、0.015% (90日換算、ガイダンス値換算:1.17 mg/kg/day) で肝臓への影響 (肝臓の相対重量増加、胆管周囲の炎症・線維化を伴った重度の胆管上皮細胞の増生)、免疫系への影響 (胸腺皮質のリンパ球の枯渇) の報告がある (環境省リスク評価第8巻 (2010)、CICAD 73 (2006))。また、同じくラットを用いた混餌による4週間反復投与毒性試験、6週間反復投与毒性試験においても区分1の範囲で免疫系への影響として、胸腺皮質のリンパ球枯渇、ヒツジ赤血球に対する抗体応答の低下や他のラットの尾の皮膚移植片に対する同種移植拒絶反応の遅延 (低下) 等が報告されている (環境省リスク評価第8巻 (2010)、CICAD 73 (2006)、PIM 586 (1994))。 したがって、区分1 (肝臓、免疫系) とした。

吸引性呼吸器有害性

GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。

12. 環境影響情報

12.1 生態毒性

魚毒性
半静止試験 LC50 - Danio rerio (ゼブラフィッシュ) - > 4 mg/l - 96 h
(OECD 試験ガイドライン 203)
ミジンコ等の水生無脊
止水式試験 EC50 - Daphnia magna (オオミジンコ) - 0.843 mg/l - 48 h
椎動物に対する毒性
(OECD 試験ガイドライン 202)
藻類に対する毒性
止水式試験 ErC50 - Desmodesmus subspicatus (緑藻) - 8 mg/l - 72 h
(OECD 試験ガイドライン 201)

12.2 残留性・分解性

生分解性
好気性 - 曝露時間 28 d
結果: 約6 % - 易分解性ではない。
(OECD テスト ガイドライン 301B)

12.3 生体蓄積性

生物濃縮因子(BCF): 15
- 394 μg/l(二塩化ジブチルスズ)
生体蓄積性 Poecilia reticulata (グッピー) - 4 週

12.4 土壌中の移動性

データなし

12.5 PBT および vPvB の評価結果

化学物質安全性評価が必要ではない/行っていないため、PBT/vPvB評価データはない。

12.6 内分泌かく乱性

データなし

12.7 他の有害影響

環境への放出は必ず避けなければならない。

13. 廃棄上の注意

13.1 廃棄物処理方法

製品
内容物及び容器は、関連法規及び各自治体の条例等の規制に従い、産業廃棄物として適切に処理すること。

14. 輸送上の注意

14.1 国連番号

ADR/RID (陸上規制): 3146    IMDG (海上規制): 3146    IATA-DGR (航空規制): 3146

14.2 国連輸送名

IATA-DGR (航空規制): Organotin compound, solid, n.o.s. (Dibutyltin chloride)
IMDG (海上規制): ORGANOTIN COMPOUND, SOLID, N.O.S. (Dibutyltin chloride)
ADR/RID (陸上規制): ORGANOTIN COMPOUND, SOLID, N.O.S. (二塩化ジブチルスズ)

14.3 輸送危険有害性クラス

ADR/RID (陸上規制): 6.1    IMDG (海上規制): 6.1    IATA-DGR (航空規制): 6.1

14.4 容器等級

ADR/RID (陸上規制): II IMDG (海上規制): II IATA-DGR (航空規制): II

14.5 環境危険有害性

該当
ADR/RID: 該当 IMDG 海洋汚染物質(該当・非該当): IATA-DGR (航空規制): 非該当

14.6 特別の安全対策

なし

14.7 混触危険物質

15. 適用法令

労働安全衛生法

名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条第1号、第2号別表第9) 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2第1号、第2号別表第9)

船舶安全法

毒物類・毒物(危規則第3条危険物告示別表第1)

航空法

毒物類・毒物(施行規則第194条危険物告示別表第1)

海洋汚染防止法

個品運送P(施行規則第30条の2の3、国土交通省告示)

化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)

第1種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)

外国為替及び外国貿易管理法

輸出貿易管理令別表第1の16の項 輸出貿易管理令別表第2(輸出の承認) 輸入貿易管理令第4条第1項第2号輸入承認品目「2の2号承認」

特定廃棄物輸出入規制法(バーゼル法)

廃棄物の有害成分・法第2条第1項第1号イに規定するもの(平10三省告示1号)

労働基準法

疾病化学物質(法第75条第2項、施行規則第35条別表第1の2第4号1)

16. その他の情報

略語と頭字語

TWA: 時間加重平均
STEL: 短期暴露限度
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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