急性毒性
経口
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分に該当しない。
【根拠データ】
(1) ラットの雌雄に5,000 mg/kg投与後、死亡なし (ACGIH (7th, 2019))。
(2) ラットのLD50: > 5,000 mg/kg (EPA Pesticide (2008)、HSDB (Access on July 2019))
経皮
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分に該当しない。
【根拠データ】
(1) ウサギのLD50: > 2,000 mg/kg (EPA Pesticide (2008)、HSDB (Access on July 2019))
(2) ウサギの雌雄に2,000 mg/kg投与後、死亡なし (ACGIH (7th, 2019))。
吸入: ガス
【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、ガイダンスでは分類対象外に相当し、区分に該当しない。
吸入: 蒸気
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分に該当しない。
なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (1.1×10-14 mg/L) より高いため、粉じんとしてmg/Lを単位とする基準値を適用した。
【根拠データ】
(1) ラットの吸入ばく露 (4時間): 11,000 mg/m3 (11 mg/L) で死亡なし (ACGIH (7th, 2019))。
(2) ラットのLC50 (4時間):> 5 ppm (HSDB (Access on July 2019))
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
【分類根拠】
(1) より、区分2とした。
【根拠データ】
(1) ウサギを用いた皮膚刺激性試験で軽度の刺激性 (刺激性インデックス1.3~2.9 (最大5)) と報告されている (ACGIH (7th, 2019))。
【参考データ等】
(2) EPA OPPTS 870.2500に準拠したウサギを用いた皮膚刺激性試験で刺激性を示さない (EPA Pesticide (2005))。
(3) モルモットを用いた皮膚刺激性試験で50%、5%ジメチルフタル酸懸濁液で50%では軽度の刺激性、5%では刺激なし (ACGIH (7th, 2019))。
(4) 本物質はごく軽度の眼刺激性、皮膚刺激性を示すが、皮膚刺激性物質及び皮膚感作性物質ではない (HSDB (Access on July 2019))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
【分類根拠】
(1)~(4) より、区分2Bとした。
【根拠データ】
(1) ウサギを用いた眼刺激性試験 (投与量10mg) で軽度~ごく軽度の結膜の炎症がみられたが、2日以内に回復 (ACGIH (7th, 2019))。
(2) ウサギを用いた眼刺激性試験 (投与量 61.8 mg (75%製剤)) で軽度の角膜混濁がみられたが、4日以内に回復 (ACGIH (7th, 2019))。
(3) EPA OPPTS 870.2400に準拠したウサギを用いた眼刺激性試験でごく軽度の刺激性を示す (EPA Pesticide (2008))。
(4) 本物質はごく軽度の眼刺激性、皮膚刺激性を示すが、皮膚刺激性物質及び皮膚感作性物質ではない (HSDB (Access on July 2019))。
呼吸器感作性
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
【分類根拠】
(1)~(3) より区分に該当しないとした。
【根拠データ】
(1) モルモットを用いた皮膚感作性試験で感作性は示さない (ACGIH (7th, 2019))。
(2) 本物質はごく軽度の眼刺激性、皮膚刺激性を示すが、皮膚刺激性物質及び皮膚感作性物質ではない (HSDB (Access on July 2019))。
(3) EPA OPPTS 870.2600に準拠したウサギを用いた皮膚感作性試験で感作性は示さない (EPA Pesticide (2008))。
生殖細胞変異原性
【分類根拠】
In vivoのデータがなく、データ不足のため分類できない。
【根拠データ】
(1) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の不定期DNA合成試験で陰性の報告がある (ACGIH (7th, 2001)、EPA Pesticide (2008)、HSDB (Access on July 2019))。
発がん性
【分類根拠】
(1) の既存分類結果より、ガイダンスに従い、分類できないとした。
【根拠データ】
(1) 国内外の分類機関による既存分類では、ACGIHでA4 (ACGIH (7th, 2019))に分類されている。
生殖毒性
【分類根拠】
(1) より、産児数の減少がみられているが親動物毒性が不明のため、ガイダンスに従い区分2とした。
【根拠データ】
(1) ラットを用いた混餌投与による2世代生殖毒性試験において、高用量群で産児数の減少が2世代にわたりみられている (ACGIH (7th, 2019))。この試験での親動物毒性については記載がない。なお、この試験は2年間混餌投与試験から20匹/群の動物を用いて2世代試験を実施しており、2年間混餌投与試験においては、高用量の雌で体重及び摂餌量減少、胆管過形成及び線維化、雄で赤血球数及びヘマトクリット値の減少がみられている (ACGIH (7th, 2019))。
【参考データ等】
(2) ラットを用いた混餌投与による発生毒性試験において、母動物毒性 (体重増加抑制、摂餌量減少) がみられる用量で胎児体重減少がみられているが催奇形性はみられていない (ACGIH (7th, 2019))。
(3) ウサギを用いた混餌投与による発生毒性試験において、母動物の有害影響、児の発生影響はみられていない (ACGIH (7th, 2019))。
(4) ラットを離乳児から生育期間、繁殖期間を経て児の離乳まで混餌投与した試験において、生殖及び哺育能に影響がみられていない (ACGIH (7th, 2019))。