安全データシート

テトラメチルアンモニウムヒドロキシド

改訂日:2024-05-09版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: テトラメチルアンモニウムヒドロキシド
  • CB番号: CB2854236
  • CAS: 75-59-2
  • 同義語: 水酸化テトラメチルアンモニウム,テトラメチルアンモニウムヒドロキシド

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 相間移動触媒、ポジレジスト現像液、エッチング剤、洗浄剤
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
H24.1.31、政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7月版)を使用
環境に対する有害性はGHS改訂4版を使用
健康に対する有害性
急性毒性(経口)   区分2
急性毒性(経皮)   区分2
皮膚腐食性/刺激性   区分1
眼に対する重篤な損傷/眼刺激性   区分1
特定標的臓器毒性(単回ばく露)   区分1(神経系)
特定標的臓器毒性(反復ばく露)   区分1(神経系)

ラベル要素

絵表示又はシンボル
GHS02GHS05GHS06GHS08
注意喚起語
危険
危険有害性情報
飲み込んだり皮膚に接触すると有害
重篤な皮膚の薬傷・眼の損傷
臓器の障害: 神経系
長期にわたる、または反復暴露による臓器の障害: 神
経系
注意書き
[安全対策]
ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。
取扱い後は手や顔をよく洗うこと。
保護手袋、保護衣、保護面を着用すること。
[応急措置]
飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。直ちに医師に連絡
すること。
皮膚(または髪)に付着した場合:直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと。
皮膚を流水、シャワーで洗うこと。直ちに医師に連絡すること。汚染された衣
類を再使用する場合には洗濯すること。
吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させるこ
と。直ちに医師に連絡すること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを着用して
いて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。直ちに医師に
連絡すること。
暴露または暴露の懸念がある場合:医師に連絡すること。
[保管]
施錠して保管すること。
[廃棄]
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託す
ること。

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質/混合物の区別: : 混合物
  • 化学名又は一般名: : テトラメチルアンモニウムヒドロキシド (10%水溶液)
  • 濃度又は濃度範囲: : ....
  • CAS RN: : 75-59-2
  • 別名 : TMAH (10% in Water)
  • 化学式: : C4H13NO
  • 官報公示整理番号 化審法: : (2)-186
  • 官報公示整理番号 安衛法: : 公表化学物質

4. 応急措置

吸入した場合:

被災者を空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。直ち
に医師に連絡すること。

皮膚に付着した場合:

直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。多量の水と石鹸で
洗うこと。直ちに医師に連絡すること。

目に入った場合:

水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易にはずせる場合は外し
て洗うこと。直ちに医師に連絡すること。

飲み込んだ場合:

直ちに医師に連絡すること。口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。

応急措置をする者の保護:

救助者はゴム手袋、密閉ゴーグルなどの保護具を着用する。

5. 火災時の措置

適切な消火剤:

粉末, 泡, 水噴霧, 二酸化炭素

火災時の特定危険有害性:

燃焼や高温により分解し、有毒なヒュームを発生する恐れがあるので注意する。

特有の消火方法:

消火作業は、風上から行い、周囲の状況に応じた適切な消火方法を用いる。関係者以外は安全な場所に退去させる。周辺火災時、移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。

消火を行う者の保護:

消火作業の際は、必ず保護具を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置:

個人用保護具を着用する。
漏出場所の風上から作業し、風下の人を退避させる。
十分に換気を行う。
漏出した場所の周辺に、ロープを張るなどして関係者以外の立入りを禁止す
る。

環境に対する注意事項:

製品が排水路に排出されないよう注意する。

封じ込め及び浄化の方法及び機材:

ウエス、乾燥砂、土、おがくずなどに吸収させて回収する。
大量の流出には盛土で囲って流出を防止する。
付着物、回収物などは、関係法規に基づき速やかに処分する。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策:
取扱いは換気のよい場所で行う。適切な保護具を着用する。漏れ、あふれ、飛散しないよう注意し、みだりに蒸気を発生させない。取扱い後は手や顔などをよく洗う。
注意事項:
できれば、密閉系で取扱う。蒸気やエアゾールが発生する場合には、換気、局所排気を用いる。
安全取扱い注意事項:
皮膚、眼および衣類との接触を避ける。

保管

適切な保管条件:
容器を密栓して冷暗所に保管する。施錠して保管する。酸化剤などの混触危険物質から離して保管する。
安全な容器包装材料:
法令の定めるところに従う。

8. ばく露防止及び保護措置

設備対策:

密閉化した設備又は局所排気装置を設ける。取扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄用の設備を設ける。

管理濃度:

設定されていない。

保護具

呼吸用保護具:
防毒マスク、自給式呼吸器、送気マスク等。
手の保護具:
不浸透性の手袋。
眼、顔面の保護具:
保護眼鏡(ゴーグル型)。状況に応じ保護面。
皮膚及び身体の保護具:
不浸透性の保護衣。状況に応じ、保護長靴。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
吸湿性針状結晶 (ホンメル(1996))
無色/白色 (ホンメル(1996))
臭い
アンモニア臭 (WebKis-Plus (Access on Dec. 2011))
臭いのしきい(閾)値
データなし。
pH
13.6/10% solution (SIAP(2006))

融点・凝固点

63℃ (SIAP(2006))

沸点、初留点及び沸騰範囲

データなし。

引火点

6℃ (CC) (NITE総合検索(Access on Dec. 2011))

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし。

燃焼性(固体、気体)

データなし。

燃焼又は爆発範囲

上限:36 vol. % (GESTIS(Access on Dec. 2011))
下限:6.7 vol. % (GESTIS(Access on Dec. 2011))

蒸気圧

0.00000155hPa (25℃) (SIAP(2006))

蒸気密度

データなし。

比重(相対密度)

1.016 (25℃/4℃) (Gangolli(2nd, 1999))

溶解度

水:1000 g/L(25℃) (SIAP(2006))

n-オクタノール/水分配係数

-2.47 (SIAP(2006))

自然発火温度

470℃ (GESTIS(Access on Dec. 20119))

分解温度

135-140℃ (SIAP(2006))

粘度(粘性率)

データなし。

10. 安定性及び反応性

反応性:

情報なし

化学的安定性:

適切な条件下においては安定。

危険有害反応可能性:

特別な反応性は報告されていない。

避けるべき条件:

情報なし

混触危険物質:

酸化剤, 酸

危険有害な分解生成物:

二酸化炭素, 一酸化炭素, 窒素酸化物

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットのLD50値は34-50 mg/kg bw(厚労省報告(2000))であり、GHS区分2に該当する。GHS分類:区分2
経皮
ラットのLD50値は112 mg/kg bw(SIAP (2006))であり、GHS区分2に該当する。GHS分類:区分2
吸入:ガス
GHSの定義における固体である。GHS分類:分類対象外
吸入:蒸気
データなし。GHS分類:分類できない
吸入:粉じん及びミスト
データなし。GHS分類:分類できない

皮膚腐食性及び刺激性

モルモットの皮膚に水で湿らせた本物質の5水和物を25-1000 mg/kg bwの用量で閉塞適用し、24時間後に浮腫、重度の紅斑および出血を伴う壊死が観察され、皮膚に対し極めて重度の腐食性(extremely severe corrosive irritant)であると結論されている(SIAP (2006))ことから、区分1とした。なお、本物質のpHは10%水溶液で13.61と強アルカリ性である(SIAP (2006))。GHS分類:区分1

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

本物質のpHは10%水溶液として13.61(SIAP (2006))であり、さらに、本物質の5水和物はモルモットを用いた試験で、皮膚に極めて重度の腐食性があると結論されており(SIAP (2006))、GHS区分1に該当する。GHS分類:区分1

呼吸器感作性

データなし。GHS分類:分類できない

皮膚感作性

データなし。GHS分類:分類できない

生殖細胞変異原性

in vivo試験のデータがないので分類できない。なお、in vitro試験としてはエームス試験(OECD TG471, GLP)およびチャイニーズハムスターのCHL細胞を用いた染色体異常試験(OECD TG 473, GLP)ではいずれも陰性が報告されている(厚労省報告(2000))。GHS分類:分類できない

発がん性

データなし。GHS分類:分類できない

生殖毒性

ラットに経口投与による生殖・発生毒性スクリーニング試験(OECD TG421, GLP)の結果、高用量群で親動物の一般毒性として摂餌量の低下、自発運動減少、半眼/閉眼、体重低下が観察されたが、生殖指標である交尾成立日数、交尾率、妊娠指数、着床率、妊娠期間、出産率に影響はなく、また、新生児においても総新生児数、生存児数、性比、出産児生存率、児動物生存率にも影響はなく、外表異常も見られなかったと報告されている(SIAP (2006))。しかし、催奇形性を含む仔の発生に及ぼす影響についてはデータが不十分である。GHS分類:分類できない   ラットに経口投与による生殖・発生毒性スクリーニング試験(OECD TG421, GLP)の結果、高用量群で親動物の一般毒性として摂餌量の低下、自発運動減少、半眼/閉眼、体重低下が観察されたが、生殖指標である交尾成立日数、交尾率、妊娠指数、着床率、妊娠期間、出産率に影響はなく、また、新生児においても総新生児数、生存児数、性比、出産児生存率、児動物生存率にも影響はなく、外表異常も見られなかったと報告されている(SIAP (2006))。しかし、催奇形性を含む仔の発生に及ぼす影響についてはデータが不十分である。

特定標的臓器毒性(単回ばく露)

ラットを用いた急性経口毒性試験(用量:10, 15, 23, 34, 50 mg/kg(雄)、23 mg/kg(雌);OECD TG401, GLP)の結果、34 mg/kg 以上で死亡が発生し、23 mg/kg 以上で自発運動減少、体温低下、半眼/閉眼、歩行失調、間代性痙攣、流涎、緩除呼吸などの症状が見られ、LD50値は34-50 mg/kg(雄)であったと報告されている(厚労省報告 (2000))。また、ラットを用いた急性経皮毒性試験(用量:50, 100, 125 mg/kg (雌)、100 mg/kg (雄):GLP準拠)の結果、活動低下、不規則呼吸、狭眼瞼裂、強直間代性痙攣の症状が見られ、LD50値は112 mg/kg (雌)であったと報告されている(SIAP (2006))。以上の報告に基づき、経口ばく露により23 mg/kg で歩行失調、間代性痙攣、流涎などの症状が、また経皮ばく露により100 mg/kg で強直間代性痙攣の症状が見られていることから、GHS区分1(神経系)に該当する。GHS分類:区分1(神経系)   ラットを用いた急性経口毒性試験(用量:10, 15, 23, 34, 50 mg/kg(雄)、23 mg/kg(雌);OECD TG401, GLP)の結果、34 mg/kg 以上で死亡が発生し、23 mg/kg 以上で自発運動減少、体温低下、半眼/閉眼、歩行失調、間代性痙攣、流涎、緩除呼吸などの症状が見られ、LD50値は34-50 mg/kg(雄)であったと報告されている(厚労省報告 (2000))。また、ラットを用いた急性経皮毒性試験(用量:50, 100, 125 mg/kg (雌)、100 mg/

特定標的臓器毒性(反復ばく露)

ラットを用いた28日間反復経口投与毒性試験(用量:5, 10, 20 mg/kg/day)(OECD TG 407, GLP)の結果、10 mg/kg/day(90日間換算3.1 mg/kg/day)以上で流涎の症状が見られ、雄の5 mg/kg/day(90日間換算1.55 mg/kg/day)以上で心臓重量が用量に依存して減少したが組織学的変化は見られなかった(厚労省報告 (2000))。また、ラットを用いた28日間反復経皮投与毒性試験(用量:雄5.5, 50, 120, 250 mg/kg/day, 雌2.5, 5.5, 10, 50 mg/kg/day:OECD TG 410)の結果、痙攣、振戦に続いて嗜眠の症状を示し、50 mg/kg/day(90日間換算15.5 mg/kg/day)以上で死亡が見られたが10 mg/kg/day以下では死亡や明らかな毒性症状は認められなかった(SIAP (2006))。以上の報告に基づき、経口および経皮ともに区分1のガイダンス値範囲内で、流涎、痙攣、振戦が認められていることから、GHS区分1(神経系)に該当する。GHS分類:区分1(神経系)   ラットを用いた28日間反復経口投与毒性試験(用量:5, 10, 20 mg/kg/day)(OECD TG 407, GLP)の結果、10 mg/kg/day(90日間換算3.1 mg/kg/day)以上で流涎の症状が見られ、雄の5 mg/kg/day(90日間換算1.55 mg/kg/day)以上で心臓重量が用量に依存して減少したが組織学的変化は見られなかった(厚労省報告 (2000))。また、ラットを用いた28日間反復経皮投与毒性試験(用量:雄5.5, 50, 120, 250 mg/kg/day,

吸引性呼吸器有害性

データなし。GHS分類:分類できない

12. 環境影響情報

生態毒性:

魚類:
情報なし
甲殻類:
情報なし
藻類:
情報なし

残留性・分解性:

情報なし*既存化学物質安全性点検による判定結果:良分解性

生体蓄積性(BCF):

情報なし

土壌中の移動性

オクタノール/水分配係数:
情報なし
土壌吸着係数(Koc):
情報なし
ヘンリー定数(PaM 3/mol):
情報なし

オゾン層への有害性:

情報なし

13. 廃棄上の注意

適切な保護具を着用する。
地方条例や国内規制に従う。
空容器を処分する時は、内容物を完全に除去した後に行う。
処理施設がないなどの理由で廃棄できない場合は、許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託する。

14. 輸送上の注意

国連番号:

1835

品名(国連輸送名):

Tetramethylammonium hydroxide, solution

国連分類:

クラス8(腐食性物質)

容器等級:

輸送の特定の安全対策及び条件:

運搬に際しては容器に漏れのないことを確かめ、転倒、落下、損傷のないように
積み込み、荷崩れの防止を確実に行い、法令の定めるところに従う。

15. 適用法令

船舶安全法

腐食性物質

航空法

腐食性物質

化審法

優先評価化学物質

16. その他の情報

略語と頭字語

ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
EC50: 有効濃度 50%
IATA:国際航空運送協会
IMDG: 国際海上危険物
LC50: 致死濃度 50%
LD50: 致死量 50%
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
STEL: 短期暴露限度
TWA: 時間加重平均

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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