安全データシート

3-エトキシプロピオン酸エチル

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: 3-エトキシプロピオン酸エチル
  • CB番号: CB2414526
  • CAS: 763-69-9
  • 同義語: 3-エトキシプロピオン酸エチル

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 溶媒、塗料、コーティング剤、ラッカー、ワニス
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
環境に対する有害性はGHS改訂4版を使用
H24.3.1、政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7月版)を使用
物理化学的危険性
引火性液体   区分3
健康に対する有害性
特定標的臓器毒性(単回ばく露)   区分3(麻酔作用)
眼に対する重篤な損傷/眼刺激性   区分2B

他の危険有害性

熱、火花、裸火、高温体などの着火源から遠ざけること。禁煙。
容器を密閉しておくこと。
容器および受器を接地すること。
防爆型の電気機器、換気装置、照明機器を使用すること。火花を発生させない
工具を使用すること。静電気放電に対する予防措置を講ずること。
保護手袋、保護眼鏡を着用すること。
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託す
ること。
涼しい所/換気の良い場所で保管すること。
皮膚(または髪)に付着した場合:直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと。
皮膚を流水、シャワーで洗うこと。
火災の場合:消火するために粉末、乾燥砂、泡を使用すること。

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質/混合物の区別: : 化学物質
  • 化学名又は一般名: : 3-エトキシプロピオン酸エチル
  • 濃度又は濃度範囲: : >99.0%(GC)
  • CAS RN: : 763-69-9
  • 別名 : 3-Ethoxypropionic Acid Ethyl Ester
  • 化学式: : C7H14O3
  • 官報公示整理番号 化審法: : 該当なし
  • 官報公示整理番号 安衛法: : 2-(6)-147

4. 応急措置

吸入した場合:

は、医師の診断、手当てを受けること。
空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。気分が悪い時

皮膚に付着した場合:

受けること。
ワーで洗うこと。皮膚刺激または発疹が生じた場合は、医師の診断、手当てを
直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。皮膚を流水、シャ

目に入った場合:

て洗うこと。眼の刺激が続く場合は、医師の診断、手当てを受けること。
水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易にはずせる場合は外し

飲み込んだ場合:

気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。口をすすぐこと。

応急措置をする者の保護:

救助者はゴム手袋、密閉ゴーグルなどの保護具を着用する。

5. 火災時の措置

適切な消火剤:

粉末, 泡, 二酸化炭素

使ってはならない消火剤:

水(火災を拡大し危険な場合がある)

特有の消火方法:

消火作業は、風上から行い、周囲の状況に応じた適切な消火方法を用いる。関係者以外は安全な場所に退去させる。周辺火災時、容器に水を噴霧して冷却する。安全に対処できるならば着火源を除去すること。

消火を行う者の保護:

消火作業の際は、必ず保護具を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置:

る。
漏出した場所の周辺に、ロープを張るなどして関係者以外の立入りを禁止す
十分に換気を行う。
漏出場所の風上から作業し、風下の人を退避させる。
特別個人用保護具(自給式呼吸器)を着用する。

環境に対する注意事項:

製品が排水路に排出されないよう注意する。

封じ込め及び浄化の方法及び機材:

付着物、回収物などは、関係法規に基づき速やかに処分する。
大量の流出には盛土で囲って流出を防止する。
乾燥砂、不燃性吸収剤などに吸収させて密閉できる容器に回収する。

二次災害の防止策:

火花を発生しない安全な用具を使用する。
着火した場合に備えて、消火用器材を準備する。
付近の着火源、高温体などを速やかに取り除く。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策:
取扱いは換気のよい場所で行う。適切な保護具を着用する。漏れ、あふれ、飛散しないよう注意し、みだりに蒸気を発生させない。熱、火花、裸火、高温体などの着火源から遠ざけること。禁煙。静電気対策を行う。設備などは防爆型を用いる。取扱い後は手や顔などをよく洗う。
注意事項:
できれば、密閉系で取扱う。蒸気やエアゾールが発生する場合には、換気、局所排気を用いる。
安全取扱い注意事項:
皮膚、眼および衣類との接触を避ける。蒸留など加熱を伴なう操作を行う場合には、予め過酸化物の有無を確認する。

保管

適切な保管条件:
容器を密栓して換気の良い冷暗所に保管する。酸化剤などの混触危険物質から離して保管する。
安全な容器包装材料:
法令の定めるところに従う。

8. ばく露防止及び保護措置

設備対策:

密閉化した設備又は局所排気装置を設ける。取扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄用の設備を設ける。

管理濃度:

設定されていない。

保護具

呼吸用保護具:
防毒マスク、簡易防毒マスク等。
手の保護具:
保護手袋。
眼、顔面の保護具:
保護眼鏡。状況に応じ保護面。
皮膚及び身体の保護具:
保護衣。状況に応じ、保護長靴。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
液体(GESTIS (Access on Feb 2011)
無色(GESTIS (Access on Feb 2011)
臭い
データなし。
臭いのしきい(閾)値
データなし。
pH
データなし。

融点・凝固点

<-50℃(IUCLID (2000))

沸点、初留点及び沸騰範囲

165℃(IUCLID (2000))

引火点

59℃(CC)(IUCLID (2000))

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし。

燃焼性(固体、気体)

データなし。

燃焼又は爆発範囲

データなし。

蒸気圧

1.5mmHg(25℃(est))(SRC (2011))

蒸気密度

5.03(Sax (11th, 2004))

比重

0.95(25℃/4℃)(PATTY (5th, 2001))

溶解度

水:55500 mg/L(25℃,exp)(SRC (2011))

n-オクタノール/水分配係数

1.35(IUCLID (2000))

自然発火温度

377℃(Ullmanns(E)(2003))

分解温度

データなし。

粘度(粘性率)

1.0mPa・s(Ullmanns(E)(2003))

10. 安定性及び反応性

反応性:

情報なし

化学的安定性:

爆発性の過酸化物を生成することがある。

危険有害反応可能性:

特別な反応性は報告されていない。

避けるべき条件:

火花, 裸火, 静電放電, 空気

混触危険物質:

酸化剤, 強酸, 強塩基

危険有害な分解生成物:

二酸化炭素, 一酸化炭素

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットのLD50値は5000 mg/kg (PATTY (5th, 2001))である。GHS分類:区分外   急性毒性(経口)   区分外
経皮
ウサギのLD50値は >9500 mg/kg (HPVIS (2010)、List2相当)である。GHS分類:区分外   急性毒性(経皮)   区分外
吸入:ガス
GHSの定義における液体である。GHS分類:分類対象外   急性毒性(吸入:ガス)   分類対象外
吸入:蒸気
ラットを飽和蒸気圧濃度(11.80 mg/L)に8時間ばく露して死亡なし(LC50値 >11.80 mg/L/8hr = 16.68 mg/L/4hr)(PATTY (5th, 2001))、およびラットのLC50値は>998 ppmV/6hr = 1222 ppm/4hr(IUCLID (2000))であるとの報告がある。GHS分類:分類できない   急性毒性(吸入:蒸気)   分類できない
吸入:粉じん及びミスト
データなし。GHS分類:分類できない   急性毒性(吸入:蒸気)   分類できない

皮膚腐食性及び刺激性

モルモットに24時間、閉塞適用した試験で、軽度の刺激性(slightly irritating)(IUCLID (2000))であり、反復適用(10日間に9回)しても刺激反応増強の程度は軽度であった(IUCLID (2000))。GHS分類:区分外(国連分類基準:区分3)   皮膚腐食性/刺激性   区分外

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

ウサギ3匹を用いた試験で全例に軽度の刺激性(slight irritation)が観察された。なお、この試験で角膜または付属器でのフルオレセイン染色は見られなかった(IUCLID (2000))。GHS分類:区分2B   眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性   区分2B

呼吸器感作性

データなし。GHS分類:分類できない   急性毒性(吸入:蒸気)   分類できない

皮膚感作性

データ不足。なお、モルモットを用いた皮膚感作性試験(Freund's complete adjuvant test)で感作性なし(not sensitizing)との報告(IUCLID (2000))があるが、OECDで承認された試験方法ではない。GHS分類:分類できない   皮膚感作性   分類できない

生殖細胞変異原性

in vivoの試験データがなく分類できない。なお、in vitro変異原性試験としてエームス試験で陰性(IUCLID (2000) )、CHO細胞を用いた染色体異常試験で陰性(HPVIS (2010))の報告がある。GHS分類:分類できない   生殖細胞変異原性   分類できない

発がん性

データなし。GHS分類:分類できない   急性毒性(吸入:蒸気)   分類できない

生殖毒性

ラットおよびウサギの器官形成期に吸入投与した試験(OECD TG 414; GLP)において、母動物が摂餌量の低下、体重増加抑制などの一般毒性を示した高用量群で、ラットでは軽微な内臓変化や骨変異発生率の僅かな増加に加え、第14肋骨痕跡の増加が見られたが、両動物種とも催奇形性はなく、また、胎仔毒性の証拠も見出されなかった(HPVIS (2010))。しかし、親動物の性機能および生殖能に対する影響については不明のため、データ不足である。GHS分類:分類できない   生殖毒性   分類できない

特定標的臓器毒性(単回ばく露)

ラットに5000 mg/kgを経口投与後の脱力および運動失調の症状(IUCLID (2000))、ラットに1000 ppmを吸入ばく露による嗜眠、耳介および探索反射の低下の症状(IUCLID (2000))との報告がある。なお、いずれの経路とも剖検所見としてばく露に関連する変化は観察されていない。GHS分類:区分3(麻酔作用)   特定標的臓器毒性(単回暴露)   区分3(麻酔作用)

特定標的臓器毒性(反復ばく露)

ラットに90日間の蒸気吸入ばく露による試験で、高濃度群で体重増加抑制、流涙や嗜眠などの症状、血清生化学検査値の変化が観察されたが、ばく露に関連する病理組織学的所見は見出されず、NOAELはガイダンス値範囲の上限(1 mg/L/day)を上回る1.49 mg/L/day (250 ppm)と報告されている(HPVIS (2010))。また、ラットに28日間の経口投与による試験では、唯一の影響として1000 mg/kg/dayで血清酵素(ASTおよびSDH)およびクレアチニン濃度の増加が観察された(HPVIS (2010))が、関連する病理組織学的所見は見出されず、1000 mg/kg/day(90日換算値:311 mg/kg/day)で重大な毒性の発現は認められなかった。しかし、経皮投与の場合ではデータがなく、その影響について不明であるため、特定標的臓器毒性(反復暴露)の分類としては「分類できない」とした。GHS分類:分類できない   特定標的臓器毒性(反復暴露)   分類できない

吸引性呼吸器有害性

データなし。GHS分類:分類できない   急性毒性(吸入:蒸気)   分類できない

12. 環境影響情報

生態毒性:

魚類:
情報なし
甲殻類:
情報なし
藻類:
情報なし

残留性・分解性:

情報なし

生体蓄積性(BCF):

情報なし

土壌中の移動性

オクタノール/水分配係数:
1.35
土壌吸着係数(Koc):
情報なし
ヘンリー定数(PaM 3/mol):
情報なし

オゾン層への有害性:

情報なし

13. 廃棄上の注意

処理施設がないなどの理由で廃棄できない場合は、許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託する。
空容器を処分する時は、内容物を完全に除去した後に行う。
焼却処理する場合には、アフターバーナー及びスクラバーを備えた焼却炉で焼却する。
地方条例や国内規制に従う。
適切な保護具を着用する。

14. 輸送上の注意

国連番号:

3272

品名(国連輸送名):

Esters, n.o.s.

国連分類:

クラス3(引火性液体)

容器等級:

輸送の特定の安全対策及び条件:

積み込み、荷崩れの防止を確実に行い、法令の定めるところに従う。
運搬に際しては容器に漏れのないことを確かめ、転倒、落下、損傷のないように

15. 適用法令

労働安全衛生法

危険物・引火性の物

消防法

第4類引火性液体、第二石油類非水溶性液体

船舶安全法

引火性液体類   引火性液体類(危規則第3条危険物告示別表第1)

航空法

引火性液体   引火性液体(施行規則第194条危険物告示別表第1)

16. その他の情報

略語と頭字語

ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
EC50: 有効濃度 50%
IATA:国際航空運送協会
IMDG: 国際海上危険物
LC50: 致死濃度 50%
LD50: 致死量 50%
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
STEL: 短期暴露限度
TWA: 時間加重平均

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

推奨製品
ギ酸エチル SDS エチラール SDS エチルベンゼン SDS 4-ヒドロキシ安息香酸エチル SDS 6-エトキシ-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン SDS ジエチルエーテル (無水) SDS 酢酸エチル SDS 3,3-ジエトキシプロピオン酸エチル SDS アクリル酸エチル SDS オルトプロピオン酸 トリエチル SDS