安全データシート

6-エトキシ-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: 6-エトキシ-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン
  • CB番号: CB5296077
  • CAS: 91-53-2
  • EINECS番号: 202-075-7
  • 同義語: エトキシキン,6-エトキシ-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 天然ゴム,合成ゴムの老化防止剤.耐熱,耐屈曲性にすぐれるほかにオゾン劣化防止性にすぐれる.ほかのアミン系老化防止剤やワックス類と併用して,耐オゾン性ゴム製品に使用される。(有機化合物辞典 (1985))
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
H23.3.15、政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7月版)を使用
健康に対する有害性
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)   区分1(肝臓)
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)   区分1(肝臓)
皮膚感作性   区分1
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性   区分2B
急性毒性(経口)   区分4
環境に対する有害性
注) 上記で区分の記載がない危険有害性は政府向けガイダンス文書で規定された[分類対象外]、[区分外]または[分類できない]に該当するものであり、後述の該当項目の説明を確認する必要がある。
水生環境慢性有害性   区分1
水生環境急性有害性   区分1

2.2 注意書きも含むGHSラベル要素

絵表示
GHS07
注意喚起語
警告
危険有害性情報
H411 長期継続的影響によって水生生物に毒性。
H317 アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ。
H302 飲み込むと有害。
注意書き
安全対策
P280 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P273 環境への放出を避けること。
応急措置
P391 漏出物を回収すること。
P333 + P313 皮膚刺激又は発しん(疹)が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P301 + P312 + P330 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。口をすすぐこと。
廃棄
P501 内容物/容器を承認された処理施設に廃棄すること。

2.3 他の危険有害性

なし

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質・混合物の区別: 化学物質
  • 別名: 6-Ethoxy-1,2-dihydro-2,2,4-trimethylquinoline
    1,2-Dihydro-6-ethoxy-2,2,4-trimethylquinoline
  • 化学特性(示性式、構造式 等): C14H19NO
  • 分子量: 217.31 g/mol
  • CAS番号: 91-53-2
  • EC番号: 202-075-7
  • 化審法官報公示番号: 5-813
  • 安衛法官報公示番号: 8-(1)-181

4. 応急措置

4.1 必要な応急手当

一般的アドバイス
この安全データシートを担当医に見せる。
吸入した場合
吸入後は新鮮な空気を吸うこと。
皮膚に付着した場合
皮膚に接触した場合: すべての汚染された衣類を直ちに脱ぐこと。 皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
眼に入った場合
眼に触れた後は多量の水ですすぐこと。 コンタクトレンズをはずす。
飲み込んだ場合
飲み込んだ後はただちに水を飲ませること(多くても2杯) 医師に相談する。

4.2 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状

もっとも重要な既知の徴候と症状は、ラベル表示(項目2.2を参照)および/または項目11に記載されている

4.3 緊急治療及び必要とされる特別処置の指示

データなし

5. 火災時の措置

5.1 消火剤

使ってはならない消火剤
本物質/混合物に対する消火剤の制限なし

5.2 特有の危険有害性

窒素酸化物(NOx)
炭素酸化物

5.3 消防士へのアドバイス

火災時には、自給式呼吸器を着用する。

5.4 詳細情報

ガス/蒸気/ミストを水スプレージェットで抑える(除去する)。 消火水が、地上水または地下水のシステムを汚染しないようにする。

6. 漏出時の措置

6.1 人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置

救急隊員以外への助言: 蒸気、エアゾールを吸入してはならない。 触れないようにすること。 十分な換気を確保する。 危険なエリアから避難し、緊急時手順に従い、専門家に相談のこと個人保護については項目 8 を参照する。

6.2 環境に対する注意事項

物質が排水施設に流れ込まないようにする。

6.3 封じ込め及び浄化の方法及び機材

排水溝に蓋をすること。こぼれたら集めて結合させ、ポンプですくい取る。 物質の制限があれば順守のこと (セクション 7、10参照) 液体吸収剤(例. Chemizorb® )で処置すること。 正しく廃棄すること。関係エリアを清掃のこと。

6.4 参照すべき他の項目

廃棄はセクション13を参照。

7. 取扱い及び保管上の注意

7.1 安全な取扱いのための予防措置

注意事項は項目2.2を参照。

7.2 配合禁忌等を踏まえた保管条件

保管クラス
保管クラス (ドイツ) (TRGS 510): 12: 不燃性液体
保管条件
密閉のこと。保管安定性推奨された保管温度2 - 8 °C光に敏感である。 不活性ガス下に貯蔵する。

7.3 特定の最終用途

項目1.2に記載されている用途以外には、その他の特定の用途が定められていない

8. ばく露防止及び保護措置

8.1 管理濃度

コンポーネント別作業環境測定パラメータ
許容濃度が設定されている物質を含有していない。

8.2 曝露防止

適切な技術的管理
汚れた衣類は取り替えること。事前に皮膚を保護することが望ましい。本物質を扱った後は手を洗う
こと。
保護具
眼/顔面の保護
NIOSH(US)またはEN 166(EU)などの適切な政府機関の規格で試験され、認められた眼の
保護具を使用する。 保護眼鏡
皮膚及び身体の保護具
身体の保護
保護衣
呼吸用保護具
気化ガス/エアロゾル発生時に必要
次の規格に準拠しているフィルター式呼吸器保護具を推奨します。DIN EN 143、DIN 14387お
よび使用済み呼吸器保護システムに関連する他の付属規格。
環境暴露の制御
物質が排水施設に流れ込まないようにする。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
液体 : Merck (14th, 2006)
黄色 : Merck (14th, 2006)
臭い
データなし
pH
データなし

融点・凝固点

<0℃ ℃ : Sax (11th, 2004)

沸点、初留点及び沸騰範囲

123-125 (2mmHg) ℃ : Merck (14th, 2006)

引火点

データなし

自然発火温度

データなし

燃焼性(固体、ガス)

データなし

爆発範囲

データなし

蒸気圧

0.000132 mmHg (25℃) : Howard (1997)

蒸気密度

7.48 : Sax (11th, 2004)

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし

比重(密度)

1.029-1.031 (25℃/25℃) : Merck (14th, 2006)

溶解度

トルエン,二硫化炭素,エタノール,アセトンに易溶 : 有機化合物辞典 (1985)
1.75E+001 mg/L : Howard (1997)

オクタノール・水分配係数

log P = 3.87 : Howard (1997)

分解温度

データなし

粘度

データなし

粉じん爆発下限濃度

データなし

最小発火エネルギー

データなし

体積抵抗率(導電率)

データなし

10. 安定性及び反応性

10.1 反応性

データなし

10.2 化学的安定性

標準的な大気条件(室温)で化学的に安定。

10.3 危険有害反応可能性

データなし

10.4 避けるべき条件

情報なし

10.5 混触危険物質

データなし

10.6 危険有害な分解生成物

火災の場合:項目5を参照

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットLD50値が1700mg/kg bw(JMPR (1998))。(GHS分類:区分4)
経皮
ラットLD50値が2000 mg/kg bw超(JMPR (1998))。(国連分類基準の区分5または区分外に相当する。)(GHS分類:区分外)
吸入
吸入(粉じん・ミスト):   データ不足により分類できない。 なお、ラットLC50値が2.0mg/l超(JMPR (1998))の報告があるが、ばく露時間の記載が無い。また常温に於ける飽和蒸気圧濃度は0.0015mg/lであるためミストの基準値の適用となる。(GHS分類:分類できない)
吸入(蒸気):   データなし。(GHS分類:分類できない)
吸入(ガス):   GHS定義における液体である。(GHS分類:分類対象外)

皮膚腐食性・刺激性

ウサギを用いた試験で、僅かな紅斑があり、浮腫はなく7日目に落屑が見られた(JMPR (1998))。(GHS分類:区分外)

眼に対する重篤な損傷・刺激性

ウサギを用いた試験で一過性の結膜の発赤、及び浮腫が認められたが4日以内に消失した(JMPR (1998))。(GHS分類:区分2B)

呼吸器感作性又は皮膚感作性

皮膚感作性:本物質は動物飼料で酸化防止剤として使用され、飼料製粉作業者に接触皮膚炎が引き起こしたと報告され、Contact Dermatitis (Frosch) (4th, 2006)に感作性物質として掲載されている。なお、多くの報告では、本物質を含む飼料取い作業者がしばしば発症する重度の皮膚炎の原因はおそらく本物質であるとされ、作業者のパッチテストでも陽性反応が記録されている(JMPR (1998))。(GHS分類:区分1)
呼吸器感作性:データなし。(GHS分類:分類できない)

生殖細胞変異原性

経口投与したマウスの骨髄細胞を使用した小核試験(JMPR (1998))、及び腹腔投与したマウスの骨髄細胞を使用した小核試験(NTP DB (Access on Oct. 2010))((体細胞を用いるin vivo 変異原性試験)においていずれも陰性。なお、in vitro 試験であるエームス試験で陰性、及びCHO細胞を用いた染色体異常試験で陰性(NTP DB (Access on Oct. 2010))及び陽性(JMPR (1998))。(GHS分類:区分外)

発がん性

なお、ラットに2年間混餌投与した試験において200日後の雄の腎臓皮質に病理的な変化が見られ、700日後に1部臓器に発がん性が見られたが、用量依存性はなく、対照群にも認められた。また、ラットに30週間、又は1年間混餌投与した試験(JMPR (1998))の報告があるが発がん性については明確ではない。(GHS分類:データ不足で分類できない)

生殖毒性

ラットを用い混餌投与による多世代試験において、妊娠、同腹仔数、生存仔に反映された繁殖に対する影響は認められなかった。イヌを用いた混餌投与による2世代試験において投与による体重減少は見られたが、交尾、分娩、授乳指数、精子パラメーター、臨床指標、生存仔数、同腹仔数、仔の体重、成長に影響は認められなかった。また、妊娠ラットの妊娠6~19日間経口投与した試験において親動物の体重減少は認められたが、子宮重量、同腹仔数、吸収、着床前後の喪失、雌雄比、胎児重量に影響は無く、奇形、異常の所見はコントロールの背景データ以内であった(JMPR (1998))。。(GHS分類:区分外)

特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)

イヌに単回経口投与した試験(用量:50、100、200 mg/kg)において、血液検査、剖検で投与に関連する影響は認められなかったが、全投与群の雌雄で血清総ビリルビンの高値と尿素窒素の低値、鏡検で軽度の胆汁鬱滞が認められ、200 mg/kgの投与群では胆汁鬱滞に加え肝細胞のグリコーゲン沈着が枯渇し、観察期間終了後も全投与群でわずかに胆汁鬱滞が認められた(JMPR (2005))ことに基づき、用量は区分1のガイダンス値内である。(GHS分類:区分1(肝臓))

特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)

イヌに90日間経口投与した試験において、20mg/kg/day以上の投与群で総ビリルビン濃度、ALP、GPT、GOT、γGT活性の上昇、鏡検では肝臓の色素沈着、肝細胞壊死、細胞質空胞化、胆管の過形成が認められ、4 mg/kg/day投与群でもALPの上昇、軽微ではあるが色素沈着と肝細胞壊死・空胞化が認められた(JMPR (1998))。別にイヌの28日間経口投与試験で、25 mg/kg/day(90日換算:8.3 mg/kg/day)以上の用量で、肝障害を示唆する血清酵素活性の上昇や肝臓の色素沈着が認められた(JMPR (1998))。また、ラットでも28日間経口投与試験の250 mg/kg/day(90日換算:77.7 mg/kg/day)以上で総ビリルビン濃度やγGT活性の上昇が報告されている(JMPR (1998))。以上より、イヌでは試験用量がガイダンス値区分1の範囲にあることから区分1(肝臓)とした。なお、ラットの28日間および13週間経口投与試験で腎臓への影響が認められた(JMPR (1998))が、いずれもガイダンス値範囲の上限を超えた用量のため分類の根拠とならない。(GHS分類:区分1(肝臓))

吸引性呼吸器有害性

データなし。(GHS分類:分類できない)

12. 環境影響情報

12.1 生態毒性

ミジンコ等の水生無脊 椎動物に対する毒性
EC50 - Daphnia magna (オオミジンコ) - 2.0 mg/l - 48 h
ミジンコ等の水生無脊 椎動物に対する毒性(慢 性毒性)
最大無影響濃度 - Daphnia magna (オオミジンコ) - 1 mg/l - 2 d

12.2 残留性・分解性

データなし

12.3 生体蓄積性

データなし

12.4 土壌中の移動性

データなし

12.5 PBT および vPvB の評価結果

化学物質安全性評価が必要ではない/行っていないため、PBT/vPvB評価データはない。

12.6 内分泌かく乱性

データなし

12.7 他の有害影響

オゾン層への有害性
非該当
データなし

13. 廃棄上の注意

13.1 廃棄物処理方法

製品
内容物及び容器は、関連法規及び各自治体の条例等の規制に従い、産業廃棄物として適切に処理すること。

14. 輸送上の注意

14.1 国連番号

ADR/RID (陸上規制): -    IMDG (海上規制): -    IATA-DGR (航空規制): -

14.2 国連輸送名

IATA-DGR (航空規制): Not dangerous goods
IMDG (海上規制): Not dangerous goods
ADR/RID (陸上規制): 非危険物

14.3 輸送危険有害性クラス

ADR/RID (陸上規制): -    IMDG (海上規制): -    IATA-DGR (航空規制): -

14.4 容器等級

ADR/RID (陸上規制): - IMDG (海上規制): - IATA-DGR (航空規制): -

14.5 環境危険有害性

非該当
ADR/RID: 非該当 IMDG 海洋汚染物質(該当・非該当): IATA-DGR (航空規制): 非該当

14.6 特別の安全対策

14.7 混触危険物質

国際輸送に関する国連勧告の定義上は、危険物に該当しない。
詳細情報

15. 適用法令

消防法

第4類引火性液体、第三石油類非水溶性液体(法第2条第7項危険物別表第1)

16. その他の情報

略語と頭字語

TWA: 時間加重平均
STEL: 短期暴露限度
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

推奨製品
5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリン SDS 4-エトキシフェノール SDS エチラール SDS 7-メトキシ-4-キノリノール SDS 6-エトキシ-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン SDS 1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン SDS ジエチレングリコールモノエチルエーテル SDS キナルジン SDS 6-メトキシキノリン SDS 2-エトキシフェノール SDS