安全データシート

1-フェノキシ-2-プロパノール

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: 1-フェノキシ-2-プロパノール
  • CB番号: CB4100744
  • CAS: 770-35-4
  • EINECS番号: 212-222-7
  • 同義語: 1-フェノキシ-2-プロパノール,フェノキシイソプロパノール

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 医薬部外品添加物(化粧品等)
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
H25.9.19、政府向けGHS分類ガイダンス(H25.7版)を使用
GHS改訂4版を使用
健康に対する有害性
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性   区分1
特定標的臓器毒性(単回ばく露)   区分3 (麻酔作用、気道刺激性)
環境に対する有害性
水生環境有害性 (急性)   分類実施中
水生環境有害性 (長期間)   分類実施中

2.2 注意書きも含むGHSラベル要素

絵表示
GHS07
注意喚起語
警告
危険有害性情報
H319 強い眼刺激。
注意書き
安全対策
P280 保護眼鏡/保護面を着用すること。
応急措置
P305 + P351 + P338 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337 + P313 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。

2.3 他の危険有害性

なし

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質・混合物の区別: 化学物質
  • 別名: Propylene glycol phenyl ether
    DOWANOL® PPh
    Propylene phenoxytol
  • 化学特性(示性式、構造式 等): C9H12O2
  • 分子量: 152.19 g/mol
  • CAS番号: 770-35-4
  • EC番号: 212-222-7
  • 化審法官報公示番号: 7-78
  • 安衛法官報公示番号: -

4. 応急措置

4.1 必要な応急手当

一般的アドバイス
この安全データシートを担当医に見せる。
吸入した場合
吸入後は新鮮な空気を吸うこと。
皮膚に付着した場合
皮膚に接触した場合: すべての汚染された衣類を直ちに脱ぐこと。 皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
眼に入った場合
眼に触れた後は多量の水ですすぐこと。 眼科医の診察を受けること。 コンタクトレンズをはずす。
飲み込んだ場合
飲み込んだ後はただちに水を飲ませること(多くても2杯) 医師に相談する。

4.2 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状

もっとも重要な既知の徴候と症状は、ラベル表示(項目2.2を参照)および/または項目11に記載されている

4.3 緊急治療及び必要とされる特別処置の指示

データなし

5. 火災時の措置

5.1 消火剤

使ってはならない消火剤
本物質/混合物に対する消火剤の制限なし

5.2 特有の危険有害性

炭素酸化物
蒸気は空気より重く、床に沿って広がることがある。
高熱で空気と反応して爆発性混合物を生じる

5.3 消防士へのアドバイス

火災時には、自給式呼吸器を着用する。

5.4 詳細情報

消火水が、地上水または地下水のシステムを汚染しないようにする。

6. 漏出時の措置

6.1 人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置

救急隊員以外への助言: 蒸気、エアゾールを吸入してはならない。 触れないようにすること。 十分な換気を確保する。 危険なエリアから避難し、緊急時手順に従い、専門家に相談のこと個人保護については項目 8 を参照する。

6.2 環境に対する注意事項

物質が排水施設に流れ込まないようにする。

6.3 封じ込め及び浄化の方法及び機材

排水溝に蓋をすること。こぼれたら集めて結合させ、ポンプですくい取る。 物質の制限があれば順守のこと (セクション 7、10参照) 液体吸収剤(例. Chemizorb® )で処置すること。 正しく廃棄すること。関係エリアを清掃のこと。

6.4 参照すべき他の項目

廃棄はセクション13を参照。

7. 取扱い及び保管上の注意

7.1 安全な取扱いのための予防措置

注意事項は項目2.2を参照。

7.2 配合禁忌等を踏まえた保管条件

保管クラス
保管クラス (ドイツ) (TRGS 510): 10: 可燃性液体
保管条件
密閉のこと。

7.3 特定の最終用途

項目1.2に記載されている用途以外には、その他の特定の用途が定められていない

8. ばく露防止及び保護措置

8.1 管理濃度

コンポーネント別作業環境測定パラメータ
許容濃度が設定されている物質を含有していない。

8.2 曝露防止

適切な技術的管理
汚した衣類は替えること。本物質を扱った後は手を洗うこと。
保護具
眼/顔面の保護
NIOSH(US)またはEN 166(EU)などの適切な政府機関の規格で試験され、認められた眼の
保護具を使用する。 保護眼鏡
皮膚及び身体の保護具
手袋を着用して取扱う。 使用前に、必ず手袋を検査する。 (手袋外面に触れずに)適切に手袋
を脱ぎ、本製品の皮膚への付着を避ける。 適用法令およびGLPに従い、使用後に汚染手袋を廃
棄する。 手を洗い、乾燥させる。
選ばれた防護手袋は、EU指令2016/425の仕様と、それから派生する規格EN374を満たすもので
なければならない。
フルコンタクト
材質: ブチルゴム
最小厚: 0.3 mm
破過時間: 480 min
試験物質:Butoject® (KCL 897 / Aldrich Z677647, Size M)
飛沫への接触
材質: ニトリルゴム
最小厚: 0.4 mm
破過時間: 30 min
試験物質:Camatril? (KCL 730 / Aldrich Z677442, Size M)
データソース:KCL GmbH, D-36124 Eichenzell, 電話 +49 (0)6659 87300, e-mail sales@kcl.de,
試験方法: EN374
EN374とは違った条件の下で、溶液の中、または他の物質と混ぜて使われる場合は、EC認可手
袋の供給業者に問い合わせる。 この勧告は単なる助言であり、予想される用途の特定状況に精
通した産業衛生専門家並びに安全管理者により評価されなければならない。 任意の使用方法に
ついて許可を受けていると理解すべきではない。
身体の保護
保護衣
呼吸用保護具
気化ガス/エアロゾル発生時に必要
次の規格に準拠しているフィルター式呼吸器保護具を推奨します。DIN EN 143、DIN 14387お
よび使用済み呼吸器保護システムに関連する他の付属規格。
環境暴露の制御
物質が排水施設に流れ込まないようにする。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
液体
情報なし
臭い
情報なし
臭いのしきい(閾)値
情報なし
pH
情報なし

融点・凝固点

11.4℃:SIDS (2006)

沸点、初留点及び沸騰範囲

242.7℃:SRC(2013)

引火点

120℃ (密閉式):SIDS (2006)

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

情報なし

燃焼性(固体、気体)

情報なし

燃焼又は爆発範囲

情報なし

蒸気圧

情報なし

蒸気密度

情報なし

比重(相対密度)

情報なし

溶解度

水: 1.1E+004 mg/L at 25℃(測定値):SRC(2013)

n-オクタノール/水分配係数

情報なし

自然発火温度

490℃:SIDS (2006)

分解温度

情報なし

粘度(粘性率)

情報なし

10. 安定性及び反応性

10.1 反応性

高熱で空気と反応して爆発性混合物を生じる
引火点より下のおよそ15ケルビンからの範囲は危険とみなされている。

10.2 化学的安定性

標準的な大気条件(室温)で化学的に安定。

10.3 危険有害反応可能性

データなし

10.4 避けるべき条件

強力な熱

10.5 混触危険物質

強酸化剤

10.6 危険有害な分解生成物

火災の場合:項目5を参照

11. 有害性情報

急性毒性

経口
本物質 (> 85%) と、その異性体2-フェノキシプロパン-1-オール (CAS No.4169-04-4) (< 15%) とからなる一般流通品 (最低純度93%) のラットLD50値として、 2,830 mg/kg (雄) 及び3,730 mg/kg (雌) の報告 (SIDS (2006)、PATTY (6th, 2012)) に基づき、JIS分類基準の区分外 (国連分類基準の区分5) とした。なお、15%未満の不純物及び異性体の毒性はいずれも本物質と同程度とみなして分類した。
経皮
本物質 (> 85%) と、その異性体2-フェノキシプロパン-1-オール (CAS No.4169-04-4) (< 15%) とからなる一般流通品 (最低純度93%) のウサギのLD50値として、> 2,000 mg/kg の報告 (SIDS (2006)、PATTY (6th, 2012)) に基づき、区分外とした。なお、15%未満の不純物及び異性体の毒性はいずれも本物質と同程度とみなして分類した。
吸入:ガス
GHSの定義における液体である。
吸入:蒸気
データ不足のため分類できない。
吸入:粉じん及びミスト
本物質 (> 85%) と、その異性体2-フェノキシプロパン-1-オール (CAS No.4169-04-4) (< 15%) とからなる一般流通品 (最低純度93%) のラットのLC50値 (4時間エアロゾル吸入) として、> 5.4 mg/L (OECD TG403) の報告 (SIDS (2006)、PATTY (6th, 2012)) に基づき、区分外とした。なお、15%未満の不純物及び異性体の毒性はいずれも本物質と同程度とみなし、試験濃度が飽和蒸気圧濃度 (0.0426 mg/L ) より高いこと、及びエアロゾルとの記載から、mg/L を単位とする基準値を用いて分類した。

皮膚腐食性及び皮膚刺激性

OECD TG 404に準拠した、ウサギを用いた皮膚刺激性試験において、刺激性はみられなかった (SIDS (2006)) ことから、区分外とした。

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

ウサギを用いたドレイズ試験 (OECD TG 405) において、刺激性を有すると評価されている (SIDS (2006))。所見として角膜混濁、結膜発赤、結膜浮腫がみられ、23日経過しても角膜混濁と結膜発赤がみられ、完全に回復していないことから、区分1と分類した。

呼吸器感作性

吸器感作性:データ不足のため分類できない。

皮膚感作性

皮膚感作性:SIDS (2006) には、モルモットを用いたビューラー法 (OECD TG 406) で陰性との報告があり、試験群の動物数 (20匹) や被験物質の適用方法等がOECDガイドラインを満たした試験であることから、区分外とした。

生殖細胞変異原性

分類ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoでは、マウス骨髄細胞の小核試験で陰性であると評価されている (SIDS (2006))。in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、ヒト末梢血リンパ球の染色体異常試験で陰性である (SIDS (2006))。

発がん性

データ不足のため分類できない。

生殖毒性

データ不足のため分類できない。なお、ラットを用いた経口経路 (飲水) での2世代生殖毒性試験において生殖能に影響はみられていない。親動物毒性 (体重増加抑制、摂餌量及び摂水量の減少) がみられる用量において児動物の体重、器官重量の減少、性成熟の遅延がみられているが、性成熟後の生殖能に影響はみられていない (SIDS (2006)、PATTY (6th, 2012))。ウサギを用いた経口経路 (強制) での発生毒性試験において母動物毒性 (体重増加抑制、摂餌量減少、無関心、平伏、切迫屠殺 (1/15例)) がみられる用量において骨格変異がみられているが奇形はみられていない (SIDS (2006)、PATTY (6th, 2012))。これらの所見は発生指標のわずかな変化であることから分類根拠としなかった。

特定標的臓器毒性(単回ばく露)

ラットの強制経口投与 (SIDS (2006)、 PATTY (6th, 2012)) において区分2の範囲内 (1,000-2,000 mg/kg) においてよろめき歩行、弛緩、不全麻痺、痛覚反射の欠如、角膜反射の欠如が認められたが回復性であったため区分3 (麻酔作用) とした。また、ラットのミスト吸入ばく露 (5.4 mg/L) において気道刺激や一時的な呼吸困難が認められた (PATTY (6th, 2012)、SIDS (2006)) ため区分3 (気道刺激性) とした。

特定標的臓器毒性(反復ばく露)

データ不足のため分類できない。なお、ラットの26週間混餌投与試験では区分2の範囲を上回る用量 (478 mg/kg/day) で体重増加抑制がみられたものの、区分2の用量範囲内で毒性影響は見られていない (SIDS (2006)、PATTY (6th, 2012)) との記述、並びにウサギにおける28日間経皮投与試験では、試験した最高用量 (1,000 mg/kg/day:333 mg/kg/day (90日換算)) まで全身毒性影響は見られていない (SIDS (2006)、PATTY (6th, 2012)) との記述より、経口及び経皮経路では区分外相当であるが、吸入経路での情報がなく、データ不足のため分類できないとした。

吸引性呼吸器有害性

データ不足のため分類できない。

12. 環境影響情報

12.1 生態毒性

魚毒性
LC50 - Pimephales promelas (ファットヘッドミノウ) - 280 mg/l
ミジンコ等の水生無脊 椎動物に対する毒性
EC50 - Daphnia magna (オオミジンコ) - 370 mg/l
藻類に対する毒性
成長抑制 EC50 - Desmodesmus subspicatus (緑藻) - > 100 mg/l - 72 h

12.2 残留性・分解性

生分解性
好気性 - 曝露時間 28 d
結果: 72 % - 易分解性。
(OECD 試験ガイドライン 301F)

12.3 生体蓄積性

生物濃縮されない。

12.4 土壌中の移動性

データなし

12.5 PBT および vPvB の評価結果

化学物質安全性評価が必要ではない/行っていないため、PBT/vPvB評価データはない。

12.6 内分泌かく乱性

データなし

12.7 他の有害影響

データなし
オゾン層への有害性
非該当

13. 廃棄上の注意

13.1 廃棄物処理方法

製品
内容物及び容器は、関連法規及び各自治体の条例等の規制に従い、産業廃棄物として適切に処理すること。

14. 輸送上の注意

14.1 国連番号

ADR/RID (陸上規制): -    IMDG (海上規制): -    IATA-DGR (航空規制): -

14.2 国連輸送名

ADR/RID (陸上規制): 非危険物
IMDG (海上規制): Not dangerous goods
IATA-DGR (航空規制): Not dangerous goods

14.3 輸送危険有害性クラス

ADR/RID (陸上規制): -    IMDG (海上規制): -    IATA-DGR (航空規制): -

14.4 容器等級

ADR/RID (陸上規制): - IMDG (海上規制): - IATA-DGR (航空規制): -

14.5 環境危険有害性

ADR/RID: 非該当 IMDG 海洋汚染物質(該当・非該当): IATA-DGR (航空規制): 非該当
非該当

14.6 特別の安全対策

14.7 混触危険物質

強酸化剤
詳細情報
国際輸送に関する国連勧告の定義上は、危険物に該当しない。

15. 適用法令

消防法

第4類引火性液体、第三石油類非水溶性液体

16. その他の情報

略語と頭字語

ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
EC50: 有効濃度 50%
IATA:国際航空運送協会
IMDG: 国際海上危険物
LC50: 致死濃度 50%
LD50: 致死量 50%
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
STEL: 短期暴露限度
TWA: 時間加重平均

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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