11.1 毒性情報
急性毒性
急性毒性推定値: 経口 - 5.1 mg/kg
(専門家の判断)
備考: (EU) 1272/2008規則, Annex VI (Table 3.1/3.2)に基づく分類
急性毒性推定値: 吸入 - 4 h - 0.051 mg/l - 粉じん/ミスト
(専門家の判断)
備考: (EU) 1272/2008規則, Annex VI (Table 3.1/3.2)に基づく分類
経皮: データなし
皮膚腐食性/刺激性
データなし
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性
データなし
呼吸器感作性又は皮膚感作性
データなし
生殖細胞変異原性
データなし
発がん性
データなし
生殖毒性
データなし
特定標的臓器毒性(単回ばく露)
データなし
特定標的臓器毒性(反復ばく露)
長期にわたる、又は反復ばく露による臓器の障害のおそれ。備考: (EU) 1272/2008規則, Annex VI
(Table 3.1/3.2)に基づく分類
誤えん有害性
データなし
11.2 追加情報
嘔吐, 下痢, 腹痛, 肺への刺激, 胸痛, 肺水腫, タリウム暴露の最も特徴的な症状は、脱毛(髪の喪失)で
ある。皮膚への影響として、肌の乾燥、剥がれ落ちおよび爪の成長の欠陥などがおこる可能性があり、
しばしば指爪、趾爪に三日月型の細片(ミーズ線)が出現する。他の急性中毒の症状は、主に胃腸管、
神経系、皮膚、眼および心血管系に関するものである。急性中毒により、腕および足のむくみ、関節痛、
嘔吐、不眠、手足の触覚過敏および感覚異常、精神錯乱、足腰の強い痛みを伴う多発神経炎、足の局部
麻痺、アンギナ様の痛み、腎炎、るいそう(やせ症)および衰弱、リンパ球増加、好酸球増加を生じる。
慢性中毒における中枢および末梢神経系障害として、運動失調、振せん、共調不能、末端の麻痺、内分
泌障害、記憶喪失などが残ることがあり、精神病になる可能性がある。
化学的、物理的および毒性学的性質の研究は不十分と考えられる。