安全データシート

テトラヒドロリナロール

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: テトラヒドロリナロール
  • CB番号: CB3413061
  • CAS: 78-69-3
  • EINECS番号: 201-133-9
  • 同義語: 3,7-ジメチルオクタン-3-オール

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 香料 (NITE-CHRIPより引用)
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日(物化危険性及び健康有害性)
JIS Z7252:2019準拠 (GHS改訂6版を使用)
R3.3.12、政府向けGHS分類ガイダンス (令和元年度改訂版 (ver2.0)) を使用
物理化学的危険性
引火性液体   区分4
健康に対する有害性
皮膚感作性   区分1B
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性   区分2A
皮膚腐食性/刺激性   区分2
分類実施日(環境有害性)
平成22年度、政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版)
環境に対する有害性
水生環境有害性 (長期間)   区分3
水生環境有害性 (急性)   区分3

2.2 注意書きも含むGHSラベル要素

絵表示
GHS07
注意喚起語
警告
危険有害性情報
H401 水生生物に毒性。
H227 可燃性液体。
注意書き
なし

2.3 他の危険有害性

なし

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質・混合物の区別: 化学物質
  • 別名: Tetrahydrolinalool
  • 化学特性(示性式、構造式 等): C10H22O
  • 分子量: 158.28 g/mol
  • CAS番号: 78-69-3
  • EC番号: 201-133-9
  • 化審法官報公示番号: 2-217
  • 安衛法官報公示番号: -

4. 応急措置

4.1 必要な応急手当

一般的アドバイス
医師に相談する。 この安全データシートを担当医に見せる。
吸入した場合
吸い込んだ場合、新鮮な空気の場所に移す。 呼吸していない場合には、人工呼吸を施す。 医師に相談する。
皮膚に付着した場合
石けんと多量の水で洗い流す。 医師に相談する。
眼に入った場合
予防措置として、水で眼を洗浄する。
飲み込んだ場合
無理に吐かせないこと。 意識がない場合、口から絶対に何も与えないこと。 口を水ですすぐ。 医師に相談する。

4.2 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状

もっとも重要な既知の徴候と症状は、ラベル表示(項目2.2を参照)および/または項目11に記載されている

4.3 緊急治療及び必要とされる特別処置の指示

データなし

5. 火災時の措置

5.1 消火剤

適切な消火剤
水噴霧、耐アルコール泡消火剤、粉末消火剤、二酸化炭素を使用すること。

5.2 特有の危険有害性

炭素酸化物

5.3 消防士へのアドバイス

消火活動時には必要に応じて 自給式呼吸装置を装着する。

5.4 詳細情報

未開封の容器を冷却するために水を噴霧する。

6. 漏出時の措置

6.1 人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置

蒸気、ミスト、またはガスの呼吸を避ける。 十分な換気を確保する。 付近の発火源となるものを取り除く。 蒸気がたまると爆発性濃縮物が生成されるので要注意。蒸気は低いところにたまる可能性あり。個人保護については項目 8 を参照する。

6.2 環境に対する注意事項

安全を確認してから、もれやこぼれを止める。 物質が排水施設に流れ込まないようにする。 環境への放出は必ず避けなければならない。

6.3 封じ込め及び浄化の方法及び機材

漏出物を閉じ込め、防爆型の電気掃除機または湿ったブラシに より集め、地域の規則 (項目 13 を参照) に従い廃棄するために容器に移す。 廃棄に備え適切な容器に入れて蓋をしておく。

6.4 参照すべき他の項目

廃棄はセクション13を参照。

7. 取扱い及び保管上の注意

7.1 安全な取扱いのための予防措置

安全取扱注意事項
蒸気やミストの吸い込みを避けること。
火災及び爆発の予防
発火源から離しておいてください-禁煙。静電気の蓄積を防止する手段を講じる。
衛生対策
十分な衛生的作業を行い安全規定に従って取扱う。 休憩前や終業時には手を洗う。注意事項は項目2.2を参照。

7.2 配合禁忌等を踏まえた保管条件

保管クラス
保管クラス (ドイツ) (TRGS 510): 10: 可燃性液体
保管条件
冷所に保管。 容器を密閉し、乾燥した換気の良い場所に保管する。

7.3 特定の最終用途

項目1.2に記載されている用途以外には、その他の特定の用途が定められていない

8. ばく露防止及び保護措置

8.1 管理濃度

コンポーネント別作業環境測定パラメータ
許容濃度が設定されている物質を含有していない。

8.2 曝露防止

適切な技術的管理
十分な衛生的作業を行い安全規定に従って取扱う。 休憩前や終業時には手を洗う。
保護具
眼/顔面の保護
EN166に 適合するサイドシールド付き保護眼鏡 NIOSH(US)またはEN 166(EU)などの適
切な政府機関の規格で試験され、認められた眼の保護具を使用する。
皮膚及び身体の保護具
手袋を着用して取扱う。 使用前に、必ず手袋を検査する。 (手袋外面に触れずに)適切に手袋
を脱ぎ、本製品の皮膚への付着を避ける。 適用法令およびGLPに従い、使用後に汚染手袋を廃
棄する。 手を洗い、乾燥させる。
選ばれた防護手袋は、EU指令2016/425の仕様と、それから派生する規格EN374を満たすもので
なければならない。
身体の保護
不浸透性衣服, 特定の作業場に存在する危険物質の濃度および量に応じて、保護装置のタイプを
選択しなければならない。
呼吸用保護具
リスクアセスメントによりろ過式呼吸用保護具が適切であると示されている場所では、工学的
制御のバックアップとして、多目的直結式(US)またはABEK型(EN14387)呼吸用保護具カ
ートリッジ付き全面形呼吸用保護具を使用する。呼吸用保護具が唯一の保護手段である場合、
全面形送気マスクを使用する。 NIOSH(US)またはCEN(EU)などの適切な政府機関の規格
で試験され、認められた呼吸用保護具および部品を使用する。
環境暴露の制御
安全を確認してから、もれやこぼれを止める。 物質が排水施設に流れ込まないようにする。 環
境への放出は必ず避けなければならない。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

物理状態
液体 (20℃、1気圧) (GHS判定)
無色
臭い
爽やかな花の香り

融点/凝固点

-56℃ (BUA 253 (2004))

沸点、初留点及び沸騰範囲

197℃ (BUA 253 (2004))

可燃性

データなし

爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界

1.1~6.5 vol% (BUA 253 (2004))

引火点

77℃ (密閉式) (REACH登録情報 (Access on October 2020))

自然発火点

365℃ (REACH登録情報 (Access on October 2020))

分解温度

データなし

pH

データなし

動粘性率

データなし

溶解度

水: 0.320 g/L (25℃) (BUA 253 (2004)) 多くの有機溶剤に可溶 (BUA 253 (2004))

n-オクタノール/水分配係数

logKow = 3.8 (25℃、実測値) (BUA 253 (2004))

蒸気圧

0.11 hPa (19.6℃) (BUA 253 (2004))

密度及び/又は相対密度

0.8275 g/cm³ (20℃) (BUA 253 (2004))

相対ガス密度

データなし

粒子特性

該当しない

10. 安定性及び反応性

10.1 反応性

データなし

10.2 化学的安定性

推奨保管条件下では安定。

10.3 危険有害反応可能性

データなし

10.4 避けるべき条件

熱、炎、火花。

10.5 混触危険物質

強酸化剤, 酸塩化物, 酸無水物, 強酸, 強塩基類

10.6 危険有害な分解生成物

火災の場合:項目5を参照

11. 有害性情報

急性毒性

経口
【分類根拠】 (1)、(2) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】 (1) ラットのLD50: > 5,000 mg/kg (REACH登録情報 (Access on October 2020)、BUA 253 (2004)) (2) ラットのLD50: 8,270 mg/kg (REACH登録情報 (Access on October 2020)、BUA 253 (2004))
経皮
【分類根拠】 (1) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】 (1) ウサギのLD50: > 5,000 mg/kg (REACH登録情報 (Access on October 2020)、BUA 253 (2004))
吸入: ガス
【分類根拠】 GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。
吸入: 蒸気
【分類根拠】 (1) の情報があるが、区分を特定できないため、分類できないとした。
【参考データ等】 (1) ラットを用いた本物質蒸気の吸入ばく露試験において、0.885 mg/Lの8時間ばく露 (4時間換算値: 193 ppm) で死亡例なし (0/12)。(REACH登録情報 (Access on October 2020))
吸入: 粉じん及びミスト
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

皮膚腐食性及び皮膚刺激性

【分類根拠】 (1) より、区分1-2と推定され、(2) より、腐食性 (区分1) の可能性は低いと考えられることから、区分2とした。なお、(1) のデータは皮膚モデル名の記載がなかったが、実験条件等からEpiDermを使用したものと判断し、実験結果から現行のOECD TG 439の成立条件を満たすことを確認した。
【根拠データ】 (1) Draft OECDガイドラインに準拠し、人工皮膚モデルを用いたin vitro皮膚刺激性試験において刺激性ありと判定されている (REACH登録情報 (Access on November 2020))。 (2) ウサギを用いた皮膚刺激性試験 (BASF法) で、背部皮膚への1分、5分、15分適用では軽度の紅斑が観察され、6日後には消失、耳介への20時間適用では明らか~中程度の紅斑及び浮腫がみられ、適用8日後には消失した (REACH登録情報 (Access on November 2020))。

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

【分類根拠】 (1) より、区分2Aとした。
【参考データ等】 (1) ウサギを用いた眼刺激性試験 (BASF法、適用量 50 uL) で、虹彩には影響はみられなかったが、角膜及び結膜に刺激性反応がみられ、適用8日後までに消失しなかった (REACH登録情報 (Access on November 2020))。

呼吸器感作性

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

皮膚感作性

【分類根拠】 (1) より、区分1Bとした。新しいデータが得られたことから分類結果を変更した。
【根拠データ】 (1) TG 429に準拠したマウス局所リンパ節試験 (LLNA) において陽性と判定され、EC3は7.6%と報告されている (REACH登録情報 (Access on November 2020))。

生殖細胞変異原性

【分類根拠】 (1) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】 (1) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞を用いた遺伝子突然変異試験及び染色体異常試験において陰性の報告がある (REACH登録情報 (Access on October 2020))。

発がん性

【分類根拠】 データがなく分類できない。

生殖毒性

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

特定標的臓器毒性 (単回ばく露)

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
【参考データ等】 (1) ラットの単回経口投与毒性試験 (影響がみられた最小用量の記載なし、LD50値 (8,270 mg/kg) 付近の区分2超より低用量で影響がみられたと想定) において、呼吸困難、無気力、側臥位、ふらつき、 筋弛緩、角膜と疼痛反射の消失を伴う鎮静状態、運動失調、痙性運動、下痢、流涎、流涙がみられ、死亡動物においては、心臓で急性拡張、急性静脈うっ血がみられた (REACH登録情報 (Access on October 2020))。極めて高用量 (8,270 mg/kg) で観察された所見であるため参考データとした。

特定標的臓器毒性 (反復ばく露)

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
【参考データ等】 (1) ラットの3ヵ月間混餌投与試験で、15,000 ppm (ガイダンス換算値: 750 mg/kg/day、区分2超) で体重増加抑制及びプロトロンビン時間短縮、さらに雄では血中グルコース及び塩素 (クロール) の減少、カリウムの増加がみられたとの報告がある (REACH登録情報 (Access on November 2020))。

誤えん有害性*

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。本有害性クラスの内容に変更はない。

12. 環境影響情報

12.1 生態毒性

魚毒性
半静止試験 LC50 - Danio rerio (ゼブラフィッシュ) - 8.9 mg/l - 96 h
(OECD 試験ガイドライン 203)
ミジンコ等の水生無脊
固定化 EC50 - Daphnia magna (オオミジンコ) - 14.2 mg/l - 48 h
椎動物に対する毒性
(OECD 試験ガイドライン 202)
藻類に対する毒性
成長抑制 EC50 - Desmodesmus subspicatus (緑藻) - 13.2 mg/l - 72 h
(OECD 試験ガイドライン 201)

12.2 残留性・分解性

生分解性
好気性 - 曝露時間 28 d
結果: 60 - 70 % - 易分解性。
(OECD 試験ガイドライン 301)

12.3 生体蓄積性

データなし

12.4 土壌中の移動性

データなし

12.5 PBT および vPvB の評価結果

化学物質安全性評価が必要ではない/行っていないため、PBT/vPvB評価データはない。

12.6 内分泌かく乱性

データなし

12.7 他の有害影響

水生生物に毒性。

13. 廃棄上の注意

13.1 廃棄物処理方法

製品
このような可燃性の物質は、 アフターバーナーとスクラバーが備えられた化学焼却炉で焼却しても差し支えないと考えられる。 免許を有する廃棄物処理業者に、余剰物で再使用不可の溶液として処理を依頼する。汚染容器及び包装製品入り容器と同様に処分する。

14. 輸送上の注意

14.1 国連番号

ADR/RID (陸上規制): -    IMDG (海上規制): -    IATA-DGR (航空規制): -

14.2 国連輸送名

IATA-DGR (航空規制): Not dangerous goods
IMDG (海上規制): Not dangerous goods
ADR/RID (陸上規制): 非危険物

14.3 輸送危険有害性クラス

ADR/RID (陸上規制): -    IMDG (海上規制): -    IATA-DGR (航空規制): -

14.4 容器等級

ADR/RID (陸上規制): - IMDG (海上規制): - IATA-DGR (航空規制): -

14.5 環境危険有害性

非該当
ADR/RID: 非該当 IMDG 海洋汚染物質(該当・非該当): IATA-DGR (航空規制): 非該当

14.6 特別の安全対策

なし

14.7 混触危険物質

強酸化剤, 酸塩化物, 酸無水物, 強酸, 強塩基類

15. 適用法令

労働安全衛生法

-

化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法)

-

毒物及び劇物取締法

-

16. その他の情報

略語と頭字語

TWA: 時間加重平均
STEL: 短期暴露限度
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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