急性毒性
経口
【分類根拠】 (1)、(2) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】 (1) ラットのLD50: > 5,000 mg/kg (REACH登録情報 (Access on October 2020)、BUA 253 (2004)) (2) ラットのLD50: 8,270 mg/kg (REACH登録情報 (Access on October 2020)、BUA 253 (2004))
経皮
【分類根拠】 (1) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】 (1) ウサギのLD50: > 5,000 mg/kg (REACH登録情報 (Access on October 2020)、BUA 253 (2004))
吸入: ガス
【分類根拠】 GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。
吸入: 蒸気
【分類根拠】 (1) の情報があるが、区分を特定できないため、分類できないとした。
【参考データ等】 (1) ラットを用いた本物質蒸気の吸入ばく露試験において、0.885 mg/Lの8時間ばく露 (4時間換算値: 193 ppm) で死亡例なし (0/12)。(REACH登録情報 (Access on October 2020))
吸入: 粉じん及びミスト
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
【分類根拠】 (1) より、区分1-2と推定され、(2) より、腐食性 (区分1) の可能性は低いと考えられることから、区分2とした。なお、(1) のデータは皮膚モデル名の記載がなかったが、実験条件等からEpiDermを使用したものと判断し、実験結果から現行のOECD TG 439の成立条件を満たすことを確認した。
【根拠データ】 (1) Draft OECDガイドラインに準拠し、人工皮膚モデルを用いたin vitro皮膚刺激性試験において刺激性ありと判定されている (REACH登録情報 (Access on November 2020))。 (2) ウサギを用いた皮膚刺激性試験 (BASF法) で、背部皮膚への1分、5分、15分適用では軽度の紅斑が観察され、6日後には消失、耳介への20時間適用では明らか~中程度の紅斑及び浮腫がみられ、適用8日後には消失した (REACH登録情報 (Access on November 2020))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
【分類根拠】 (1) より、区分2Aとした。
【参考データ等】 (1) ウサギを用いた眼刺激性試験 (BASF法、適用量 50 uL) で、虹彩には影響はみられなかったが、角膜及び結膜に刺激性反応がみられ、適用8日後までに消失しなかった (REACH登録情報 (Access on November 2020))。
呼吸器感作性
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
【分類根拠】 (1) より、区分1Bとした。新しいデータが得られたことから分類結果を変更した。
【根拠データ】 (1) TG 429に準拠したマウス局所リンパ節試験 (LLNA) において陽性と判定され、EC3は7.6%と報告されている (REACH登録情報 (Access on November 2020))。
生殖細胞変異原性
【分類根拠】 (1) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】 (1) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞を用いた遺伝子突然変異試験及び染色体異常試験において陰性の報告がある (REACH登録情報 (Access on October 2020))。
発がん性
【分類根拠】 データがなく分類できない。
生殖毒性
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
【参考データ等】 (1) ラットの単回経口投与毒性試験 (影響がみられた最小用量の記載なし、LD50値 (8,270 mg/kg) 付近の区分2超より低用量で影響がみられたと想定) において、呼吸困難、無気力、側臥位、ふらつき、 筋弛緩、角膜と疼痛反射の消失を伴う鎮静状態、運動失調、痙性運動、下痢、流涎、流涙がみられ、死亡動物においては、心臓で急性拡張、急性静脈うっ血がみられた (REACH登録情報 (Access on October 2020))。極めて高用量 (8,270 mg/kg) で観察された所見であるため参考データとした。
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
【参考データ等】 (1) ラットの3ヵ月間混餌投与試験で、15,000 ppm (ガイダンス換算値: 750 mg/kg/day、区分2超) で体重増加抑制及びプロトロンビン時間短縮、さらに雄では血中グルコース及び塩素 (クロール) の減少、カリウムの増加がみられたとの報告がある (REACH登録情報 (Access on November 2020))。
誤えん有害性*
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。本有害性クラスの内容に変更はない。