急性毒性
経口
【分類根拠】
(1)~(4) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】
(1) ラットのLD50: 雄: 2,190 mg/kg、雌: 6,070 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2015))
(2) ラットのLD50: 雄: 2,189 mg/kg、雌: 6,071 mg/kg (農薬抄録 (2014))
(3) ラットのLD50: 雄: 4,010 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2015))
(4) ラットのLD50: 雄: 4,013 mg/kg (農薬抄録 (2014))
経皮
【分類根拠】
(1) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】
(1) ラットのLD50: > 2,000 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2015)、農薬抄録 (2014))
吸入: ガス
【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
吸入: 蒸気
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト
【分類根拠】
(1) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】
(1) ラットのLC50 (鼻部ばく露、4時間): > 5.9 mg/L (食安委 農薬評価書 (2015)、農薬抄録 (2014))
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】
(1) 本物質はウサギの皮膚に対して、刺激性を示さなかった (JMPR (1990))。
(2) ウサギを用いた皮膚刺激性試験で、刺激性は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2015)、農薬抄録 (2014))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分に該当しないとした。新しいデータ及び根拠データの見直しにより、分類結果を変更した。
【根拠データ】
(1) 本物質はウサギの眼に対して、適用1時間後に結膜の発赤及び浮腫がみられたが、72時間後までに消失した (JMPR (1990))。
(2) ウサギを用いた眼刺激性試験で、適用24/48/72時間後のスコア1の結膜発赤及び分泌物が認められたが、発赤は7日までに回復し、軽度の刺激性が認められた (食安委 農薬評価書 (2015)、農薬抄録 (2014))。
呼吸器感作性
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
【分類根拠】
(1) より、区分1Bとした。
【根拠データ】
(1) モルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法、皮内投与 4.5%) で、軽度又は中等度の皮膚感作性 (陽性率 38%) が認められた (食安委 農薬評価書 (2015)、農薬抄録 (2014))。
生殖細胞変異原性
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】
(1) in vivoでは、経口投与したマウスの優性致死試験、腹腔内投与したマウスの骨髄細胞を用いた小核試験において陰性の報告がある (食安委 農薬評価書 (2015)、JMPR (1990))。
(2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞を用いる染色体異常試験、遺伝子突然変異試験、不定期DNA合成試験において陰性の報告がある (同上)。
発がん性
【分類根拠】
(1)~(3) より区分2とした。新たな情報源を用いて検討し、分類結果を変更した。
【根拠データ】
(1) 国内外の分類機関による既存分類では、EPAでグループC (Possible Human Carcinogen) (EPA Annual Cancer Report 2019 (Access on November 2020):1999年分類) に分類されている。
(2) 雌雄のラットに本物質を2年間混餌投与した慢性毒性/発がん性併合試験において、雄で精巣ライディッヒ細胞腫の発生率の有意な増加が認められた (食安委 農薬評価書 (2015))。
(3) 雌雄のマウスに本物質を2年間混餌投与した発がん性試験では、投与により発生頻度の増加した腫瘍性病変は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2015))。
生殖毒性
【分類根拠】
(1) より、母動物毒性がみられない用量で胎児にみられた影響は軽微であること、母動物毒性がみられる用量での胎児影響も奇形とは判断されないものであった。しかし、着床後損失率の増加、変異等が多くみられていることから区分2とした。なお、新たな情報源に基づき旧分類から分類結果を変更した。
【根拠データ】
(1) 雌ラットの妊娠6~15日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性がみられない用量 (25 mg/kg/day) で胎児に第14肋骨の発現率増加、母動物毒性 (切迫屠殺 (異常分娩の徴候を示した1例) 、体重増加抑制及び摂餌量減少、被毛の汚れ) がみられる用量 (250 mg/kg/day) で、後期胚死亡による着床後損失率の増加がみられ、胎児に低体重、片側尿管の中等度拡張及び蛇行、頸肋、第4及び第6胸骨分節部分骨化、第1頸椎未骨化、第7頸椎横突起両側部分骨化、第7頸椎横突起片側部分骨化並びに前肢及び後肢の骨化遅延が認められた (食安委 農薬評価書 (2015))。
【参考データ等】
(2) ラットを用いた混餌投与による2世代繁殖試験において、親動物では1,000 ppm投与群の雌雄で体重増加抑制、摂餌量減少、肝絶対及び補正重量の増加、肝細胞空胞化、肝細胞脂肪化等が認められ、児動物では同用量投与群の雌雄で体重増加抑制、肝細胞空胞化、肝細胞脂肪化が認められた。繁殖能に対する影響は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2015))。
(3) 雌ウサギの妊娠6~19日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性がみられない用量 (25 mg/kg/day) で胎児の低体重がみられ、母動物毒性 (体重減少/体重増加抑制及び摂餌量減少) がみられる用量 (100 mg/kg/day) で、胎児に第13肋骨及び仙椎前椎骨数27の発現頻度の増加が認められた。催奇形性は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2015))。