安全データシート

クラリスロマイシン

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: クラリスロマイシン
  • CB番号: CB2225614
  • CAS: 81103-11-9
  • 同義語: クラリスロマイシン

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 医薬品 (NITE-CHRIPより引用)
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日(物化危険性及び健康有害性)
JIS Z7252:2019準拠 (GHS改訂6版を使用)
R2.3.13、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改訂版 (ver1.1)) を使用
物理化学的危険性
-
健康に対する有害性
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)   区分1 (消化管、肝臓)
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)   区分1 (消化管、肝臓)
生殖毒性   区分2 追加区分:授乳に対する、又は授乳を介した影響
急性毒性 (経口)   区分4
分類実施日(環境有害性)
R1年度、分類実施中
環境に対する有害性
-

ラベル要素

絵表示又はシンボル
GHS07
注意喚起語
警告
危険有害性情報
飲み込むと有害
注意書き
[安全対策]
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。
取扱い後は手や顔をよく洗うこと。
[応急措置]
飲み込んだ場合:気分が悪い時は、医師に連絡すること。口をすすぐこと。
[廃棄]
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託す
ること。

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質/混合物の区別: : 化学物質
  • 化学名又は一般名: : クラリスロマイシン
  • 濃度又は濃度範囲: : >98.0%(T)
  • CAS RN: : 81103-11-9
  • 化学式: : C38H69NO13
  • 官報公示整理番号 化審法: : 該当なし
  • 官報公示整理番号 安衛法: : 8-(4)-1126

4. 応急措置

吸入した場合:

は、医師の診断、手当てを受けること。
空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。気分が悪い時

皮膚に付着した場合:

受けること。
ワーで洗うこと。皮膚刺激または発疹が生じた場合は、医師の診断、手当てを
直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。皮膚を流水、シャ

目に入った場合:

て洗うこと。眼の刺激が続く場合は、医師の診断、手当てを受けること。
水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易にはずせる場合は外し

飲み込んだ場合:

気分が悪い時は、医師に連絡すること。口をすすぐこと。

応急措置をする者の保護:

救助者はゴム手袋、密閉ゴーグルなどの保護具を着用する。

5. 火災時の措置

適切な消火剤:

粉末, 泡, 水噴霧, 二酸化炭素

火災時の特定危険有害性:

燃焼や高温により分解し、有毒なヒュームを発生する恐れがあるので注意する。

特有の消火方法:

消火作業は、風上から行い、周囲の状況に応じた適切な消火方法を用いる。関係者以外は安全な場所に退去させる。周辺火災時、移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。

消火を行う者の保護:

消火作業の際は、必ず保護具を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置:

る。
漏出した場所の周辺に、ロープを張るなどして関係者以外の立入りを禁止す
漏出場所の風上から作業し、風下の人を退避させる。
個人用保護具を着用する。

環境に対する注意事項:

製品が排水路に排出されないよう注意する。

封じ込め及び浄化の方法及び機材:

付着物、回収物などは、関係法規に基づき速やかに処分する。
粉塵の飛散に注意しながら掃き集め、密閉容器に回収する。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策:
取扱いは換気のよい場所で行う。適切な保護具を着用する。粉塵が飛散しないように注意する。取扱い後は手や顔などをよく洗う。
注意事項:
粉塵やエアゾールが発生する場合には、局所排気を用いる。
安全取扱い注意事項:
皮膚、眼および衣類との接触を避ける。

保管

適切な保管条件:
容器を密栓して冷暗所に保管する。酸化剤などの混触危険物質から離して保管する。
安全な容器包装材料:
法令の定めるところに従う。

8. ばく露防止及び保護措置

設備対策:

作業者が直接暴露されないように、できるだけ密閉化した設備又は局所排気装置を設ける。取扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄用の設備を設ける。

管理濃度:

設定されていない。

保護具

呼吸用保護具:
防塵マスク、簡易防塵マスク等。
手の保護具:
保護手袋。
眼、顔面の保護具:
保護眼鏡。状況に応じ保護面。
皮膚及び身体の保護具:
保護衣。状況に応じ、保護長靴。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

物理状態
固体 (20℃、1気圧) (GHS判定)
無色 (HSDB (Access on October 2019))
臭い
データなし

融点/凝固点

217~220℃ (分解) (環境省リスク評価第16巻 (2018))

沸点、初留点及び沸騰範囲

842.47℃ (EST) (環境省リスク評価第16巻 (2018))

可燃性

データなし

爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界

該当しない

引火点

該当しない

自然発火点

該当しない

分解温度

217~220℃ (環境省リスク評価第16巻 (2018))

pH

データなし

動粘性率

該当しない

溶解度

99.48 mg/L (20℃) (環境省リスク評価第16巻 (2018))

n-オクタノール/水分配係数

log Kow = 0.86 (pH = 6) (環境省リスク評価第16巻 (2018))

蒸気圧

2.32x10-25 mmHg (EST) (HSDB (Access on October 2019))

密度及び/又は相対密度

データなし

相対ガス密度

該当しない

粒子特性

データなし

10. 安定性及び反応性

反応性:

情報なし

化学的安定性:

適切な条件下においては安定。

危険有害反応可能性:

特別な反応性は報告されていない。

避けるべき条件:

情報なし

混触危険物質:

酸化剤

危険有害な分解生成物:

二酸化炭素, 一酸化炭素, 窒素酸化物

11. 有害性情報

急性毒性

経口
【分類根拠】 (1) より、区分4とした。
【根拠データ】 (1) ラットのLD50: 1,270 mg/kg (HSDB (Access on October 2019)
【参考データ等】 (2) ラットのLD50: 雄: 3,470 mg/kg、雌: 2,700 mg/kg (医薬品インタビューフォーム (クラリスロマイシン製剤 (2019年4月 (改訂第23版))
経皮
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
吸入: ガス
【分類根拠】 GHSの定義における固体であり、ガイダンスの分類対象外に相当し、区分に該当しない。
吸入: 蒸気
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

皮膚腐食性及び皮膚刺激性

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

呼吸器感作性

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

皮膚感作性

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

生殖細胞変異原性

【分類根拠】 (1)、(2) よりガイダンスにおける分類できないに相当し、区分に該当しない。
【参考データ等】 (1) in vivoでは、マウスの骨髄細胞小核試験で陰性の報告がある (医薬品インタビューフォーム (クラリスロマイシン製剤 (2019年4月 (改訂第23版))。 (2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の小核試験及び染色体異常試験で陰性の報告がある (NTP DB (Access on September 2019)、HSDB (Access on September 2019)、医薬品インタビューフォーム (クラリスロマイシン製剤 (2019年4月 (改訂第23版)))。

発がん性

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

生殖毒性

【分類根拠】 (1)~(3) より、区分2とした。また、(4) より授乳影響を追加した。
【根拠データ】 (1) ラットを用いた経口経路による催奇形性試験において、母動物毒性 (詳細不明) のみられる最高用量において胎児に心血管系異常がみられたとの報告がある (医薬品インタビューフォーム (クラリスロマイシン製剤 (2019年4月 (改訂第23版))、HSDB (Access on September 2019))。 (2) マウスを用いた経口経路による催奇形性試験において、母動物毒性 (詳細不明) のみられる最高用量において胎児に口蓋裂がみられたとの報告がある (医薬品インタビューフォーム (クラリスロマイシン製剤 (2019年4月 (改訂第23版))、HSDB (Access on September 2019))。 (3) 動物実験で、母動物に毒性が現れる高用量において、胎児毒性(心血管系の異常、口蓋裂、発育遅延等)が報告されているので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する、と記述されている(医療用医薬品集2017 (2016))。 (4) ヒト母乳中への移行が報告されており、授乳中の婦人には投与中は授乳を避けるさせる。なお、動物実験 (ラット) の乳汁中濃度は、血中濃度の約2.5倍で推移したとの記述がある (医療用医薬品集2017 (2016))。

特定標的臓器毒性 (単回ばく露)

【分類根拠】 本物質はマクロライド系抗生剤であり、経口投与により種々の細菌感染症の治療に用いられる医薬品である。(1) より、区分1 (消化管、肝臓) とした。好酸球増多に関しては、過敏症等による変化の可能性もあるため、根拠としなかった。
【根拠データ】 (1) 服用回数は不明であるが、主な副作用として、血液系 (好酸球増多)、肝臓 (AST、ALTの上昇)、消化管 (悪心、嘔吐、胃部不快感、腹部膨満感、腹痛、下痢) の症状が、0.1~5%未満の頻度で認められた (医療用医薬品集2017 (2016))。
【参考データ等】 (2) 重大な副作用 (いずれも頻度不明) として、QT延長、心室頻拍 (Torsades de pointesを含む) あるいは心室細動、劇症肝炎、肝機能障害、黄疸あるいは肝不全、血小板減少、汎血球減少、溶血性貧血、白血球減少あるいは無顆粒球症、PIE症候群・間質性肺炎、偽膜性大腸炎あるいは出血性大腸、横紋筋融解症、痙攣、急性腎障害あるいは尿細管間質性腎炎等の報告がある (医療用医薬品集2017 (2016))。

特定標的臓器毒性 (反復ばく露)

【分類根拠】 (1) より、本剤の反復投与による主な副作用は消化管、肝臓にみられる。したがって、区分1 (消化管、肝臓) とした。好酸球増多に関しては、過敏症等による変化の可能性もあるため、根拠としなかった。
【根拠データ】 (1) 一般感染症患者を対象とした副作用情報として、承認時では総症例3,894例 (成人2,885例、小児1,009例) 中、副作用は成人96例 (3.33%)、小児21例 (2.08%) 合計117例 (3.00%) に認められた。副作用の種類は主に腹痛、下痢等の消化器症状であった。臨床検査値の変動は、ALT 上昇、AST上昇、好酸球増多が主なものであったとの報告がある (医療用医薬品集2017 (2016))。
【参考データ等】 (3) 重大な副作用 (いずれも頻度不明) として、QT延長、心室頻拍 (Torsades de pointesを含む) あるいは心室細動、劇症肝炎、肝機能障害、黄疸あるいは肝不全、血小板減少、汎血球減少、溶血性貧血、白血球減少あるいは無顆粒球症、PIE症候群・間質性肺炎、偽膜性大腸炎あるいは出血性大腸、横紋筋融解症、痙攣、急性腎障害あるいは尿細管間質性腎炎等の報告がある (医療用医薬品集2017 (2016))。

誤えん有害性*

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。

* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。

12. 環境影響情報

生態毒性:

魚類:
情報なし
甲殻類:
情報なし
藻類:
情報なし

残留性・分解性:

情報なし

生体蓄積性(BCF):

情報なし

土壌中の移動性

オクタノール/水分配係数:
1.28
土壌吸着係数(Koc):
情報なし
ヘンリー定数(PaM 3/mol):
情報なし

オゾン層への有害性:

情報なし

13. 廃棄上の注意

処理施設がないなどの理由で廃棄できない場合は、許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託する。
空容器を処分する時は、内容物を完全に除去した後に行う。
却炉で焼却する。
焼却処理する場合には、可燃性溶剤に溶解または混合した後、アフターバーナー及びスクラバーを備えた焼
地方条例や国内規制に従う。
適切な保護具を着用する。

14. 輸送上の注意

国連番号:

該当なし。

国連分類:

国連の分類基準に該当せず。

輸送の特定の安全対策及び条件:

積み込み、荷崩れの防止を確実に行い、法令の定めるところに従う。
運搬に際しては容器に漏れのないことを確かめ、転倒、落下、損傷のないように

15. 適用法令

労働安全衛生法

該当しない

化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法)

該当しない

毒物及び劇物取締法

該当しない

16. その他の情報

略語と頭字語

STEL: 短期暴露限度
TWA: 時間加重平均
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

推奨製品
4'-メトキシアセトフェノン SDS クラリスロマイシン SDS 4-メトキシベンジルクロリド SDS アニソール SDS (トリフルオロメトキシ)ベンゼン SDS 3-(メトキシメトキシ)ベンズアルデヒド SDS p-アニス酸 SDS p-アニシジン SDS p-アニスアルデヒド SDS エリスロマイシン SDS