安全データシート

ヒドララジン

改訂日:2024-01-29版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: ヒドララジン
  • CB番号: CB1855362
  • CAS: 86-54-4
  • 同義語: ヒドララジン

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 血管拡張薬 降圧薬
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
環境に対する有害性はGHS改訂4版を使用
H24.1.31、政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7月版)を使用
健康に対する有害性
特定標的臓器毒性(反復ばく露)   区分1(免疫系、血液)
特定標的臓器毒性(単回ばく露)   区分1(心臓血管系)
生殖毒性   区分2
皮膚感作性   区分1

GHSラベル要素

絵表示
GHS06
注意喚起語
危険
危険有害性情報
長期にわたる、又は反復ばく露による臓器の障害(免疫系、血液)
臓器の障害(心臓血管系)
生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い
アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ
注意書き
安全対策
保護手袋、保護衣、保護眼鏡、保護面を着用すること。   保護手袋を着用すること。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
取扱後は手などをよく洗うこと。
粉じん、煙、ガス、ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
使用前に取扱説明書を入手すること。
応急措置
気分が悪いときは、医師の診断、手当てを受けること。
特別な処置が必要である。(このラベルの…を見よ。)
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。
汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
皮膚刺激又は発しんが生じた場合:医師の診断、手当てを受けること。
皮膚に付着した場合:多量の水と石けんで洗うこと。
保管
施錠して保管すること。
廃棄
内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。

3. 組成及び成分情報

  • 単一製品・混合物の区別: 単一製品
  • 化学名又は一般名: ヒドララジン
  • 別名: 1-ヒドラジノフタラジン、フタラジン-1(2H)-オンヒドラゾン、(フタラジン-1-イル)ヒドラジン、1-Hydrazinophthalazine、Phthalazin-1(2H)-one hydrazone、(Phthalazin-1-yl)hydrazine
  • 濃度又は濃度範囲: 100%
  • 分子式 (分子量): C8H8N4(160.18)
  • CAS番号: 86-54-4
  • 官報公示整理番号(化審法): -
  • 官報公示整理番号(安衛法): 8-(2)-871
  • 分類に寄与する不純物及び安定化添加物: データなし。

4. 応急措置

吸入した場合

ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。
特別な処置が必要である。(このラベルの…を見よ。)
医師の診断、手当てを受けること。   ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。

皮膚に付着した場合

ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。
汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
特別な処置が必要である。(このラベルの…を見よ。)
医師の診断、手当てを受けること。   ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。
多量の水と石けんで洗うこと。

眼に入った場合

ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。
特別な処置が必要である。(このラベルの…を見よ。)
医師の診断、手当てを受けること。   ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。
水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。

飲み込んだ場合

ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。
特別な処置が必要である。(このラベルの…を見よ。)
医師の診断、手当てを受けること。   ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。
口をすすぐこと。

予想される急性症状及び遅発性症状の最も重要な兆候及び症状

データなし。

応急措置をする者の保護

データなし。

医師に対する特別注意事項

データなし。

5. 火災時の措置

消火剤

水噴霧、粉末消火薬剤

使ってはならない消火剤

情報なし。

特有の危険有害性

当該製品は分子中にNを含有しているため燃焼ガスには、一酸化炭素などの他、窒素酸化物系のガスなどの有毒ガスが含まれるので、消火作業の際には、煙を吸入しないように注意する。   当該製品は[分子中にN,P,S,ハロゲン]を含有しているため燃焼ガスには、一酸化酸素などの他、窒素酸化物系のガスなどの有毒ガスが含まれるので、消火作業の際には、煙を吸入しないように注意する。
当該製品は分子中にNを含有しているため火災時に刺激性もしくは有毒なヒューム(またはガス)を放出する。   当該製品は[分子中にN,P,S,ハロゲン]を含有しているため火災時に刺激性もしくは有毒なヒューム(またはガス)を放出する。

特有の消火方法

関係者以外は安全な場所に退去させる。
火災発生場所の周辺に関係者以外の立入りを禁止する。
周辺火災の場合に移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。
消火作業は、風上から行う。

消火を行う者の保護

消火作業では、適切な保護具(手袋、眼鏡、マスク等)を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置

必要に応じた換気を確保する。
多量の場合、人を安全な場所に退避させる。
作業には、必ず保護具(手袋・眼鏡・マスクなど)を着用する。

環境に対する注意事項

漏出物を河川や下水に直接流してはいけない。

封じ込め及び浄化の方法及び機材

火花を発生しない安全な用具を使用する。
漏出物の上をむやみに歩かない。
床に漏れた状態で放置すると、滑り易くスリップ事故の原因となるため注意する。
付近の着火源となるものを速やかに除くとともに消火剤を準備する。
粉塵が飛散しないようにして取り除く。
粉末の場合は、電気掃除機(真空クリーナー)、ほうきなどを使用して回収する。
漏出したものをすくいとり、または掃き集めて紙袋またはドラムなどに回収する。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策
取扱い場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設置する。
安全取扱い注意事項
保護手袋、保護衣、保護眼鏡、保護面を着用すること。   保護手袋を着用すること。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
取扱後は手などをよく洗うこと。
粉じん、煙、ガス、ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
使用前に取扱説明書を入手すること。
衛生対策
取扱い後は手などをよく洗うこと。

保管

安全な保管条件
窒素シールをして保管する。酸性物質と一緒に保管しない。
施錠して保管すること。
容器包装材料
鉄製の容器はさける。

8. ばく露防止及び保護措置

管理濃度

未設定

許容濃度

日本産衛学会(2010年度版)
未設定

許容濃度

ACGIH(2011年版)
未設定

設備対策

取扱い場所の近くに、洗眼及び身体洗浄のための設備を設置する。
機器類は防爆構造とし、設備は静電気対策を実施する。
蒸気、ヒューム、ミストまたは粉塵が発生する場合は、局所排気装置を設置する。   蒸気、ヒューム、ミストまたは粉塵が発生する場合は、局所排気装置を設置する。(規定句を置き換える)

保護具

呼吸器の保護具
必要に応じて、適切な呼吸器用保護具を着用すること。
手の保護具
保護手袋を着用すること。
眼の保護具
保護眼鏡、保護面を着用すること。
皮膚及び身体の保護具
保護手袋、保護衣、保護眼鏡、保護面を着用すること。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
針状結晶(Merck (14th, 2006))
黄色(Merck (14th, 2006))
臭い
無臭(HSDB (2005))
臭いのしきい(閾)値
データなし。
pH
3.5 - 4.5 (2% 溶液)(HSDB (2005))

融点・凝固点

172-173℃(Merck (14th, 2006))

沸点、初留点及び沸騰範囲

データなし。

引火点

データなし。

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし。

燃焼性(固体、気体)

データなし。

燃焼又は爆発範囲

データなし。

蒸気圧

0.00000747mmHg(25℃)(Howard (1997))

蒸気密度

データなし。

比重(相対密度)

データなし。

溶解度

エーテルおよびアルコールに非常に僅かに溶解する。(HSDB (2005))
水:44.2 g/l( 25℃)、 30.1 g/l (15 ℃)(HSDB (2005))

n-オクタノール/水分配係数

1(Howard (1997))

自然発火温度

データなし。

分解温度

データなし。

粘度(粘性率)

データなし。

10. 安定性及び反応性

反応性

情報なし。

安定性

情報なし。

危険有害反応可能性

データなし。

避けるべき条件

データなし。

混触危険物質

データなし。

危険有害な分解生成物

データなし。

11. 有害性情報

急性毒性

経口
データなし。GHS分類:分類できない   データなし。
経皮
データなし。GHS分類:分類できない   データなし。
吸入:ガス
GHSの定義における固体である。GHS分類:分類対象外   GHSの定義における固体である。
吸入:蒸気
データなし。GHS分類:分類できない   データなし。
吸入:粉じん及びミスト
データなし。GHS分類:分類できない   データなし。

皮膚腐食性及び刺激性

データなし。GHS分類:分類できない   データなし。

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

データなし。GHS分類:分類できない   データなし。

呼吸器感作性

データ不足。なお、ヒドララジンのばく露を受けた1人の薬剤師が喘息を発症し、特殊な吸入惹起により遅発性喘息反応と気管支反応増強が生じ、職業喘息の診断が確認されたとの報告(HSDB (2005))がある。GHS分類:分類できない   データ不足。なお、ヒドララジンのばく露を受けた1人の薬剤師が喘息を発症し、特殊な吸入惹起により遅発性喘息反応と気管支反応増強が生じ、職業喘息の診断が確認されたとの報告(HSDB (2005))がある。

皮膚感作性

接触性アレルギー物質として「Contact Dermatitis (Frosch) (4th, 2006)」に掲載されている。GHS分類:区分1   接触性アレルギー物質として「Contact Dermatitis (Frosch) (4th, 2006)」(List1相当)に掲載されていることから区分1とした。

生殖細胞変異原性

データなし。なお、当該物質か塩酸塩か不明であるが、in vitro試験でエームス試験の陽性結果(IARC 24 (1980))が報告されている。GHS分類:分類できない   データなし。なお、当該物質か塩酸塩か不明であるが、in vitro試験でエームス試験の陽性結果(IARC 24 (1980))が報告されている。

発がん性

IARCによる発がん性評価でグループ3 (IARC 24 (1980))に分類されている。なお、ヒドララジン中毒を発症した高血圧症患者では、中毒の発症のなかったヒドララジン投与患者と比べ癌の発生率が増加した報告があるが、交絡因子の検討が十分でない旨の記述があり(IARC 24 (1980))、また、国家的乳房検診プログラムの過程で行われた大規模なケースコントロール研究において、ヒドララジン使用に関連して乳癌の推定相対危険度の増加が見られたが、対象集団自体によるバイアス存在の可能性も示唆されている(IARC 24 (1980))。GHS分類:分類できない   IARCによる発がん性評価でグループ3 (IARC 24 (1980))に分類されていることから、分類できないとした。なお、ヒドララジン中毒を発症した高血圧症患者では、中毒の発症のなかったヒドララジン投与患者と比べ癌の発生率が増加した報告があるが、交絡因子の検討が十分でない旨の記述があり(IARC 24 (1980))、また、国家的乳房検診プログラムの過程で行われた大規模なケースコントロール研究において、ヒドララジン使用に関連して乳癌の推定相対危険度の増加が見られたが、対象集団自体によるバイアス存在の可能

生殖毒性

ウサギの妊娠16日目に経口投与した試験で指の欠損を起こし、指節骨の減少、欠如または構造異常が観察された(Birth Defects (3rd, 2000))。さらに、マウスでも骨格奇形を引き起こし、催奇形性があることが示されており、ラットでは親動物に一般毒性が示された用量で仔の催奇形性または胎児毒性が認められたとの報告もある(PIM 264 (1996))。以上から、ウサギ、マウスでは親動物の一般毒性の記載はなく、ラットでは親動物の一般毒性が示された用量で仔に影響が認められている。なお、ヒトの情報として妊娠中に本物質を摂取した母親から生まれた児の奇形発生率は、期待発生率と比べ統計学的に有意差はなかった(IARC 24 (1980))との報告、また、妊娠期間中に本物質で治療された母親から生まれた児に先天奇形増加のリスクはないことがヒトのデータから言える(PIM 264 (1996))との記述がある。GHS分類:区分2   ウサギの妊娠16日目に経口投与した試験で指の欠損を起こし、指節骨の減少、欠如または構造異常が観察された(Birth Defects (3rd, 2000)、List2相当)。さらに、マウスでも骨格奇形を引き起こし、催奇形性があることが示されており、ラットでは親動物に一般毒性が示された用量で仔の催奇形性または胎児毒性が認められたとの報告もある(PIM 264 (1996)、List1相当)。以上から、ウサギ、マウスでは親動物の一般毒性の記載はなく、ラットでは親動物の一般毒性が示された用量で仔に影響が認められ

12. 環境影響情報

生態毒性

水生環境有害性(急性)
データなし。GHS分類:分類できない   データなし。
水生環境有害性(長期間)
データなし。GHS分類:分類できない   データなし。

オゾン層への有害性

当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。GHS分類:分類できない   当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。

13. 廃棄上の注意

残余廃棄物

内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託すること。
廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。

汚染容器及び包装

空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。
容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。

14. 輸送上の注意

国際規制

国連番号
該当しない。
海洋汚染物質
該当しない。

国内規制

海上規制情報
該当しない。
航空規制情報
該当しない。
陸上規制情報
該当しない。

特別安全対策

重量物を上積みしない。
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
移送時にイエローカードの保持が必要。

15. 適用法令

法規制情報は作成年月日時点に基づいて記載されております。事業場において記載するに当たっては、最新情報を確認してください。

該当法規なし。

16. その他の情報

略語と頭字語

TWA: 時間加重平均
STEL: 短期暴露限度
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定

参考文献

【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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