安全データシート

1-(1-ナフチル)-2-チオ尿素

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: 1-(1-ナフチル)-2-チオ尿素
  • CB番号: CB5308200
  • CAS: 86-88-4
  • EINECS番号: 201-706-3
  • 同義語: 1-ナフチルチオ尿素

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 殺鼠剤(失効農薬) (NITE-CHRIPより引用)
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日(物化危険性及び健康有害性)
R4.3.15、政府向けGHS分類ガイダンス(令和元年度改訂版(Ver2.0))を使用 ※一部、マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
物理化学的危険性
-
健康に対する有害性
急性毒性(経口)   区分2
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)   区分1(肺)
分類実施日(環境有害性)
マニュアル(H18.2.10版)(GHS 初版)
環境に対する有害性
-

2.2 注意書きも含むGHSラベル要素

絵表示
GHS06GHS08
注意喚起語
危険
危険有害性情報
H300 飲み込むと生命に危険。
H351 発がんのおそれの疑い。
注意書き
安全対策
P201 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P264 取扱い後は皮膚をよく洗うこと。
P270 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
応急措置
P301 + P310 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
P308 + P313 ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師の診察/手当てを受けること。
保管
P405 施錠して保管すること。
廃棄
P501 内容物/容器を承認された処理施設に廃棄すること。

2.3 他の危険有害性

なし

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質・混合物の区別: 化学物質
  • 別名: N-(1-Naphthyl)thiourea
  • 化学特性(示性式、構造式 等): C11H10N2S
  • 分子量: 202.28 g/mol
  • CAS番号: 86-88-4
  • EC番号: 201-706-3
  • 化審法官報公示番号: -
  • 安衛法官報公示番号: -

4. 応急措置

4.1 必要な応急手当

一般的アドバイス
この安全データシートを担当医に見せる。
吸入した場合
吸入後は新鮮な空気を吸うこと。ただちに医師の診察を受けること。
皮膚に付着した場合
皮膚に接触した場合: すべての汚染された衣類を直ちに脱ぐこと。 皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 医師に相談する。
眼に入った場合
眼に触れた後は多量の水ですすぐこと。 眼科医の診察を受けること。 コンタクトレンズをはずす。
飲み込んだ場合
飲み込んだ場合は水を飲ませる(多くても2杯)。ただちに医師の診察を受けること。1時間以内に治療が受けられないという例外的な状況のみ、嘔吐させ(相手に完全に意識のある場合のみ)、活性炭(10%懸濁液に20~40g)を投与してできるだけ早く医師の診察を受ける。

4.2 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状

もっとも重要な既知の徴候と症状は、ラベル表示(項目2.2を参照)および/または項目11に記載されている

4.3 緊急治療及び必要とされる特別処置の指示

データなし

5. 火災時の措置

5.1 消火剤

適切な消火剤
水噴霧、耐アルコール泡消火剤、粉末消火剤、二酸化炭素を使用すること。

5.2 特有の危険有害性

炭素酸化物
窒素酸化物(NOx)
硫黄酸化物
可燃性。
火災時に有害な燃焼ガスや蒸気を生じるおそれあり。

5.3 消防士へのアドバイス

自給式呼吸器がある場合のみ危険区域に留まってもよい。安全なゾーンまで離れるか適切な保護衣を着用して、皮膚に触れないようにすること。

5.4 詳細情報

ガス/蒸気/ミストを水スプレージェットで抑える(除去する)。 消火水が、地上水または地下水のシステムを汚染しないようにする。

6. 漏出時の措置

6.1 人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置

救急隊員以外への助言: ほこりを吸い込まないこと。 触れないようにすること。 十分な換気を確保する。 危険なエリアから避難し、緊急時手順に従い、専門家に相談のこと個人保護については項目 8 を参照する。

6.2 環境に対する注意事項

物質が排水施設に流れ込まないようにする。

6.3 封じ込め及び浄化の方法及び機材

排水溝に蓋をすること。こぼれたら集めて結合させ、ポンプですくい取る。 物質の制限があれば順守のこと (セクション 7、10参照) 慎重に行うこと。適切に廃棄すること。関連エリアを清掃のこと。 ほこりが生じないようにすること。

6.4 参照すべき他の項目

廃棄はセクション13を参照。

7. 取扱い及び保管上の注意

7.1 安全な取扱いのための予防措置

安全取扱注意事項
換気フードの下で作業すること。吸い込まないこと。
衛生対策
汚した衣類はただちに替えること。予防的な皮膚保護を講じること。本物質を取り扱った後は手と顔を洗うこと。注意事項は項目2.2を参照。

7.2 配合禁忌等を踏まえた保管条件

保管条件
密閉のこと。 乾燥。 換気のよい場所で保管する。 鍵をかけておくか、資格のあるまたは認可された人のみが出入りできる場所に入れておく。

7.3 特定の最終用途

項目1.2に記載されている用途以外には、その他の特定の用途が定められていない

8. ばく露防止及び保護措置

8.1 管理濃度

コンポーネント別作業環境測定パラメータ
TWA: 0.3 mg/m3 - 米国。 ACGIH限界閾値(TLV)

8.2 曝露防止

適切な技術的管理
汚した衣類はただちに替えること。予防的な皮膚保護を講じること。本物質を取り扱った後は手と顔
を洗うこと。
保護具
眼/顔面の保護
NIOSH(US)またはEN 166(EU)などの適切な政府機関の規格で試験され、認められた眼の
保護具を使用する。 保護眼鏡
皮膚及び身体の保護具
本推奨は、当社発行の安全データシート,に記載されている製品およびその指定の使用法のみに
適用される。溶解、他の物質との混合、およびEN374に記載の逸脱条件での使用については、
CE認証手袋のサプライヤに問い合わせのこと(例. KCL GmbH, D-36124 Eichenzell, Internet:
www.kcl.de)
フルコンタクト
材質: ニトリルゴム
最小厚: 0.11 mm
破過時間: 480 min
試験物質:KCL 741 Dermatril® L
飛沫への接触
材質: ニトリルゴム
最小厚: 0.11 mm
破過時間: 480 min
試験物質:KCL 741 Dermatril® L
身体の保護
保護衣
呼吸用保護具
リスクアセスメントによりろ過式呼吸用保護具が適切であると示されている場所では、工学的
制御のバックアップとして、N100型(US)またはP3型(EN 143)呼吸用保護具カートリッジ
付き全面形呼吸用保護具を使用する。呼吸用保護具が唯一の保護手段である場合、全面形送気
マスクを使用する。 NIOSH(US)またはCEN(EU)などの適切な政府機関の規格で試験され、
認められた呼吸用保護具および部品を使用する。
環境暴露の制御
物質が排水施設に流れ込まないようにする。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

物理状態
固体 (20℃、1気圧) (GHS判定)
白色~灰色
臭い
無臭

融点/凝固点

198 ℃(ICSC(2000)、GESTIS(2022)、危険物災害等支援システム(2022))

沸点、初留点及び沸騰範囲

沸点なし(GESTIS(2022))

可燃性

特定の条件下で可燃性(ICSC(2000))

爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界

データなし

引火点

燃える可能性があるが、容易に発火しない(PubChem(2022))

自然発火点

データなし

分解温度

データなし

pH

データなし

動粘性率

データなし

溶解度

水に溶けない(ICSC(2000)) 水: 0.6 g/l(25℃)(GESTIS(2022)) エタノール、エチルエーテル、アセトンにやや溶ける(PubChem(2022))

n-オクタノール/水分配係数

Log Kow: 1.66(計算値)(ICSC(2000)、GESTIS(2022))

蒸気圧

1.1X10-6 mm Hg(25℃)(PubChem(2022))

密度及び/又は相対密度

>1 g/cm³(ICSC(2000)) 1 (水=1)(PubChem(2022))

相対ガス密度

6.99 (空気に対して)(PubChem(2022))

粒子特性

データなし

10. 安定性及び反応性

10.1 反応性

可燃性有機物質及び製剤に概ね該当:微細に分散し、舞い上がった場合、粉じん爆発を起こす可能性が
通常想定される。

10.2 化学的安定性

標準的な大気条件(室温)で化学的に安定。
推奨保管条件下では安定。

10.3 危険有害反応可能性

データなし

10.4 避けるべき条件

情報なし

10.5 混触危険物質

強酸化剤

10.6 危険有害な分解生成物

火災の場合:項目5を参照

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットLD50値:6mg/kg(ACGIH 7th, 2001)および6.9mg/kg(IARC 30, 1983)に基づき、区分2とした。
経皮
データなし。
吸入: ガス
GHSの分類による固体である。
吸入: 蒸気
データなし。
吸入: 粉じん及びミスト
データなし。

皮膚腐食性及び皮膚刺激性

データなし。

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

データなし。

呼吸器感作性

データなし。

皮膚感作性

ACGIH(7th, 2001)およびIARC 30(1983)に接触性湿疹の1症例の報告が記載されているが、他にデータがなく、皮膚感作性の判定基準には適合しないため、データ不足のため分類できないとした。

生殖細胞変異原性

in vitro試験のデータしかないため分類できない。

発がん性

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。本物質について、DFGの分類はCategory 3である。しかし、DFGの分類は類似物質(チオ尿素)からの類推であること、本物質自体の証拠は疫学、動物実験ともに不十分である。
【参考データ等】 (1)国外の分類機関による既存分類では、DFGがCategory 3(List of MAK and BAT values 2020 (Accessed Oct. 2021))に分類している。その他、IARCではグループ3(IARC (1984))、ACGIHではA4(ACGIH (2001))、ECHAではCarc. 2(CLP分類結果 (Accessed Oct. 2021))に分類している。 (2)DFGは、類似物質のチオ尿素(CAS番号 62-56-6)が高用量で甲状腺がんを引き起こし、構造及び代謝が類似していることから、本物質をチオ尿素と同様、Category 3と分類した(DFG MAK (2011))。 (3)類似物質のチオ尿素について、ラットを用いた発がん性試験で、甲状腺の濾胞細胞腺腫/がん及びジンバル腺腫瘍や単核球性白血病が有意に増加し、マウスの発がん性試験で肝がん及びリンパ腫、甲状腺の濾胞細胞腺腫/がん、肝細胞腺腫/がん、及び下垂体前葉の腺腫/がんが有意に増加した(NITE初期リスク評価書 (2008))。 (4)本物質について、ラット及びマウスを用いた発がん性試験において、発がん性の証拠は得られなかったが、試験自体が本物質の発がん性を評価するのに十分なものではないと結論された(IARC 30 (1982)、ACGIH (7th, 2001)、DFG MAK (2011))。 (5)類似物質のチオ尿素について、(4)のデータ及びIARCは実験動物での発がん性の証拠は限定的として、グループ3としていることから本邦では区分2に分類されている(政府によるGHS分類結果:2017年分類)。

生殖毒性

データなし。

特定標的臓器毒性 (単回ばく露)

ACGIH(7th, 2001)およびIARC 30(1983)のヒト経口摂取例で呼吸困難が認められたとの記述、ACGIH(7th, 2001)のラットを用いた経口投与試験で呼吸困難と胸水貯留が認められたとの記述、IARC 30(1983)のラットでの死因は胸水貯留と肺水腫であるとの記述から、標的臓器は肺であると考え、区分1(肺)とした。

特定標的臓器毒性 (反復ばく露)

データ不足のため分類できない。

誤えん有害性*

データなし。

* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。

12. 環境影響情報

12.1 生態毒性

データなし

12.2 残留性・分解性

データなし

12.3 生体蓄積性

データなし

12.4 土壌中の移動性

データなし

12.5 PBT および vPvB の評価結果

化学物質安全性評価が必要ではない/行っていないため、PBT/vPvB評価データはない。

13. 廃棄上の注意

13.1 廃棄物処理方法

製品
内容物及び容器は、関連法規及び各自治体の条例等の規制に従い、産業廃棄物として適切に処理すること。

14. 輸送上の注意

14.1 国連番号

ADR/RID (陸上規制): 1651    IMDG (海上規制): 1651    IATA-DGR (航空規制): 1651

14.2 国連輸送名

ADR/RID (陸上規制): NAPHTHYLTHIOUREA
IMDG (海上規制): NAPHTHYLTHIOUREA
IATA-DGR (航空規制): Naphthylthiourea

14.3 輸送危険有害性クラス

ADR/RID (陸上規制): 6.1    IMDG (海上規制): 6.1    IATA-DGR (航空規制): 6.1

14.4 容器等級

ADR/RID (陸上規制): II IMDG (海上規制): II IATA-DGR (航空規制): II

14.5 環境危険有害性

ADR/RID: 非該当 IMDG 海洋汚染物質(該当・非該当): IATA-DGR (航空規制): 非該当
非該当

14.6 特別の安全対策

なし

14.7 混触危険物質

強酸化剤

15. 適用法令

労働安全衛生法

名称等を表示すべき危険物及び有害物(法第57条第1項、施行令第18条第1号、第2号別表第9) 名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令第18条の2第1号、第2号別表第9) 危険性又は有害性等を調査すべき物(法第57条の3)

化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)

該当しない

毒物及び劇物取締法

該当しない

船舶安全法

毒物類(危規則第3条危険物告示別表第1)

航空法

毒物類(施行規則第194条危険物告示別表第1)

16. その他の情報

略語と頭字語

IMDG: 国際海上危険物
LC50: 致死濃度 50%
LD50: 致死量 50%
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
EC50: 有効濃度 50%
IATA:国際航空運送協会
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
STEL: 短期暴露限度
TWA: 時間加重平均

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

推奨製品
1-(1-ナフチル)-2-チオ尿素 SDS クロフィブラート SDS