安全データシート

4,4'-ジイソシアナト-3,3'-ジメチルビフェニル

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: 4,4'-ジイソシアナト-3,3'-ジメチルビフェニル
  • CB番号: CB2485599
  • CAS: 91-97-4

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: ウレタンエラストマー原料,パッキング材原料 (NITE-CHRIPより引用)
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日(物化危険性及び健康有害性)
R5.3.31、政府向けGHS分類ガイダンス(令和3年度改訂版(Ver2.1))を使用 ※一部、ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
物理化学的危険性
-
健康に対する有害性
呼吸器感作性   区分1
皮膚感作性   区分1A
分類実施日(環境有害性)
ガイダンス(H20.9.5版)(GHS 2版)
環境に対する有害性
-

ラベル要素

絵表示又はシンボル
GHS07GHS08
注意喚起語
危険
危険有害性情報
飲み込んだり皮膚に接触したり吸入すると有害
皮膚刺激
強い眼刺激
吸入するとアレルギー、ぜん(喘)息または呼吸困難を起
こすおそれ
遺伝性疾患のおそれの疑い
注意書き
[安全対策]
使用前に取扱説明書を入手すること。
すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
粉じん、煙、ミスト、蒸気、スプレーの吸入を避けること。
屋外または換気の良い場所でのみ使用すること。
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。
取扱い後は手や顔をよく洗うこと。
呼吸用保護具を着用すること。
保護手袋、保護衣、保護面を着用すること。
[応急措置]
飲み込んだ場合:気分が悪い時は、医師に連絡すること。口をすすぐこと。
皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。気分が悪い時は、医師に連
絡すること。汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させるこ
と。気分が悪い時は、医師に連絡すること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを着用して
いて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。眼の刺激が続
く場合は、医師の診断、手当てを受けること。
暴露または暴露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。
[保管]
施錠して保管すること。
[廃棄]
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託す
ること。

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質/混合物の区別: : 化学物質
  • 化学名又は一般名: : 4,4'-ジイソシアナト-3,3'-ジメチルビフェニル
  • 濃度又は濃度範囲: : >98.0%(GC)
  • CAS RN: : 91-97-4
  • 別名 : 3,3'-Dimethylbiphenyl-4,4'-diyl Diisocyanate
  • 化学式: : C16H12N2O2
  • 官報公示整理番号 化審法: : (4)-33
  • 官報公示整理番号 安衛法: : 公表化学物質

4. 応急措置

吸入した場合:

空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。医師の診断、
手当てを受けること。

皮膚に付着した場合:

直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。多量の水と石鹸で
洗うこと。医師の診断、手当てを受けること。

目に入った場合:

水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易にはずせる場合は外し
て洗うこと。医師の診断、手当てを受けること。

飲み込んだ場合:

医師の診断、手当てを受けること。口をすすぐこと。

応急措置をする者の保護:

救助者はゴム手袋、密閉ゴーグルなどの保護具を着用する。

5. 火災時の措置

適切な消火剤:

粉末, 泡, 水噴霧, 二酸化炭素

火災時の特定危険有害性:

燃焼や高温により分解し、有毒なヒュームを発生する恐れがあるので注意する。

特有の消火方法:

消火作業は、風上から行い、周囲の状況に応じた適切な消火方法を用いる。関係者以外は安全な場所に退去させる。周辺火災時、移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。

消火を行う者の保護:

消火作業の際は、必ず保護具を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置:

特別個人用保護具(自給式呼吸器)を着用する。
漏出場所の風上から作業し、風下の人を退避させる。
漏出した場所の周辺に、ロープを張るなどして関係者以外の立入りを禁止す
る。

環境に対する注意事項:

製品が排水路に排出されないよう注意する。

封じ込め及び浄化の方法及び機材:

粉塵の飛散に注意しながら掃き集め、密閉容器に回収する。
付着物、回収物などは、関係法規に基づき速やかに処分する。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策:
取扱いは換気のよい場所で行う。適切な保護具を着用する。粉塵が飛散しないように注意する。取扱い後は手や顔などをよく洗う。
注意事項:
できれば、密閉系で取扱う。粉塵やエアゾールが発生する場合には、局所排気を用いる。
安全取扱い注意事項:
あらゆる接触を避ける。

保管

適切な保管条件:
容器を密栓して冷蔵庫に保管する。不活性ガスを充填する。湿気を避ける。施錠して保管する。酸化剤などの混触危険物質から離して保管する。
避けるべき保管条件:
熱, 湿気
安全な容器包装材料:
法令の定めるところに従う。

8. ばく露防止及び保護措置

設備対策:

密閉化した設備又は局所排気装置を設ける。取扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄用の設備を設ける。

管理濃度:

設定されていない。

保護具

呼吸用保護具:
防塵・防毒マスク、自給式呼吸器、送気マスク等。
手の保護具:
不浸透性の手袋。
眼、顔面の保護具:
保護眼鏡(ゴーグル型)。状況に応じ保護面。
皮膚及び身体の保護具:
不浸透性の保護衣。状況に応じ、保護長靴。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

物理状態
固体 (20℃、1気圧) (GHS判定)
無色
臭い
データなし

融点/凝固点

71.7 ℃(GESTIS(2022))

沸点、初留点及び沸騰範囲

195~197 ℃(6.67 hPa)(GESTIS(2022))

可燃性

難燃性(GESTIS(2023))

爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界

データなし

引火点

データなし

自然発火点

データなし

分解温度

371~373 ℃(GESTIS(2022))

pH

データなし

動粘性率

データなし

溶解度

水: (加水分解)(GESTIS(2022))

n-オクタノール/水分配係数

データなし

蒸気圧

0.013 hPa(93℃)(GESTIS(2022))

密度及び/又は相対密度

ca. 1.33 g/cm³(20℃)(GESTIS(2022))

相対ガス密度

データなし

粒子特性

データなし

10. 安定性及び反応性

反応性:

情報なし

化学的安定性:

適切な条件下においては安定。

危険有害反応可能性:

特別な反応性は報告されていない。

避けるべき条件:

情報なし

混触危険物質:

酸化剤

危険有害な分解生成物:

二酸化炭素, 一酸化炭素, 窒素酸化物

11. 有害性情報

急性毒性

経口
データがないので分類できない。
経皮
データがないので分類できない。
吸入: ガス
GHS定義上の固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
吸入: 蒸気
データがないので分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト
データがないので分類できない。

皮膚腐食性及び皮膚刺激性

データがないので分類できない。

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

データがないので分類できない。

呼吸器感作性

【分類根拠】 (1)より、区分1とした。新たな知見に基づき、分類結果を変更した(2022年度)。
【根拠データ】 (1)EUでは本物質と構造類似性を有するヘキサン-1,6-ジイソシアネート(CAS登録番号:822-06-0、HDI)、ジフェニルメタン-4,4'-ジイソシアネート(CAS登録番号:101-68-8、MDI)及びトルエンジイソシアネート類(CAS登録番号:26471-62-5、TDI)が呼吸器感作性物質であることから、ECHA Read Across Assessment Framework Senario 6に従い、リードアクロスによって本物質をResp. Sens. 1と分類した(ECHA RAC Opinion (2021)、CLH Report (2020)、CLP分類結果 (Accessed July 2022))。
【参考データ等】 (2)イソシアネート基を有するトルエンジイソシアネート類(CAS登録番号:26471-62-5、TDI)、ジフェニルメタン-4,4'-ジイソシアネート(CAS登録番号:101-68-8、MDI)、ヘキサン-1,6-ジイソシアネート(CAS登録番号:822-06-0、HDI)について、日本産業衛生学会では気道感作性物質第1群に分類している(産衛学会許容濃度等の勧告 (2021))。

皮膚感作性

【分類根拠】 (1)より、区分1Aとした。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した(2022年)。
【根拠データ】 (1)モルモット(n=10)を用いたMaximisation試験(OECD TG 406、皮内投与:0.1%溶液)において、50%溶液惹起群、25%時溶液惹起群ともに陽性率は80~90%であったとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2021)、CLH Report (2020)、EU REACH CoRAP (2018))。
【参考データ等】 (2)EUではSkin Sens. 1Aに分類されている(CLP分類結果 (Accessed July 2022))。

生殖細胞変異原性

データがないので分類できない。 なお、労働安全衛生法における既存化学物質変異原性点検結果に「強度の変異原性が認められる」(CHRIP(Access on October 2008))との記述があるが、in vivo試験のデータはない。

発がん性

【分類根拠】 データ不足のため分類できない。なお、EUの分類結果は、本物質がTODAを生体内で生成することに関する情報が不足していることから、採用していない。新たな知見に基づき、分類結果を変更した(2022年度)。
【参考データ等】 (1)国内外の評価機関における本物質の既存分類結果として、(25)、(36)より、EUでCarc. 1B(CLP分類結果 (Accessed July 2022))に分類されている。 (2)本物質(TODI)は加水分解によりo-トリジン(TODA:CAS登録番号 119-93-7)を生成することが判明している。一方、In vivoではどの程度加水分解によりTODAが生成するかについて、情報はないと報告されている(EU CLP CLH (2021))。 (3)TODAについて、動物種2種への投与で複数臓器に腫瘍発生の増加がみられること等から、EUでCarc. 1B(CLP分類結果 (Accessed July 2022))、本邦GHS分類では区分1B(NITE統合版:2017年分類)にそれぞれ分類されている。その他、IARCでグループ2B(IARC Suppl. 7 (1984))、日本産業衛生学会も第2群B(産衛学会許容濃度の勧告等 (2021):1991年提案)である。

生殖毒性

データがないので分類できない。

特定標的臓器毒性 (単回ばく露)

データがないので分類できない。

特定標的臓器毒性 (反復ばく露)

データがないので分類できない。

誤えん有害性*

データがないので分類できない。

* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。

12. 環境影響情報

生態毒性:

魚類:
情報なし
甲殻類:
情報なし
藻類:
情報なし

残留性・分解性:

情報なし

生体蓄積性(BCF):

情報なし

土壌中の移動性

オクタノール/水分配係数:
情報なし
土壌吸着係数(Koc):
情報なし
ヘンリー定数(PaM 3/mol):
情報なし

オゾン層への有害性:

情報なし

13. 廃棄上の注意

適切な保護具を着用する。
地方条例や国内規制に従う。
焼却処理する場合には、可燃性溶剤に溶解または混合した後、アフターバーナー及びスクラバーを備えた焼
却炉で焼却する。
空容器を処分する時は、内容物を完全に除去した後に行う。
処理施設がないなどの理由で廃棄できない場合は、許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託する。

14. 輸送上の注意

国連番号:

該当なし。

国連分類:

国連の分類基準に該当せず。

輸送の特定の安全対策及び条件:

運搬に際しては容器に漏れのないことを確かめ、転倒、落下、損傷のないように
積み込み、荷崩れの防止を確実に行い、法令の定めるところに従う。

15. 適用法令

労働安全衛生法

変異原性が認められた既存化学物質(法第57条の5、労働基準局長通達)

化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)

第一種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)(令和4年度までの対象)

毒物及び劇物取締法

該当しない

大気汚染防止法

有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質(中央環境審議会第9次答申)

船舶安全法

有害性物質(危規則第3条危険物告示別表第1)

航空法

有害性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1)

16. その他の情報

略語と頭字語

ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
EC50: 有効濃度 50%
IATA:国際航空運送協会
IMDG: 国際海上危険物
LC50: 致死濃度 50%
LD50: 致死量 50%
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
STEL: 短期暴露限度
TWA: 時間加重平均

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
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