安全データシート

N-アセトアセチル-o-トルイジン

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: N-アセトアセチル-o-トルイジン
  • CB番号: CB5746734
  • CAS: 93-68-5
  • 同義語: N-アセトアセチル-o-トルイジン

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 黄色アゾ染料のカップラー
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
平成24年。政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版)を使用 GHS改訂4版を使用
健康に対する有害性
急性毒性(経口)   区分4
眼に対する重篤な損傷/眼刺激性   区分2
特定標的臓器毒性(単回ばく露)   区分2(全身毒性)
特定標的臓器毒性(反復ばく露)   区分2(血液)
環境に対する有害性
水生環境有害性 (急性)   分類実施中
水生環境有害性 (長期間)   分類実施中
オゾン層への有害性   分類実施中

ラベル要素

絵表示又はシンボル
GHS07
注意喚起語
警告
危険有害性情報
飲み込むと有害
注意書き
[安全対策]
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。
取扱い後は手や顔をよく洗うこと。
[応急措置]
飲み込んだ場合:気分が悪い時は、医師に連絡すること。口をすすぐこと。
[廃棄]
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託す
ること。

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質/混合物の区別: : 化学物質
  • 化学名又は一般名: : 2'-メチルアセトアセトアニリド
  • 濃度又は濃度範囲: : >98.0%(HPLC)(N)
  • CAS RN: : 93-68-5
  • 別名 : N-Acetoacetyl-2-methylaniline , N-Acetoacetyl-o-toluidine
  • 化学式: : C11H13NO2
  • 官報公示整理番号 化審法: : (3)-204
  • 官報公示整理番号 安衛法: : 公表化学物質

4. 応急措置

吸入した場合:

空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。気分が悪い時
は、医師の診断、手当てを受けること。

皮膚に付着した場合:

直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。皮膚を流水、シャ
ワーで洗うこと。皮膚刺激または発疹が生じた場合は、医師の診断、手当てを
受けること。

目に入った場合:

水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易にはずせる場合は外し
て洗うこと。眼の刺激が続く場合は、医師の診断、手当てを受けること。

飲み込んだ場合:

気分が悪い時は、医師に連絡すること。口をすすぐこと。

応急措置をする者の保護:

救助者はゴム手袋、密閉ゴーグルなどの保護具を着用する。

5. 火災時の措置

適切な消火剤:

粉末, 泡, 水噴霧, 二酸化炭素

火災時の特定危険有害性:

燃焼や高温により分解し、有毒なヒュームを発生する恐れがあるので注意する。

特有の消火方法:

消火作業は、風上から行い、周囲の状況に応じた適切な消火方法を用いる。関係者以外は安全な場所に退去させる。周辺火災時、移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。

消火を行う者の保護:

消火作業の際は、必ず保護具を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置:

個人用保護具を着用する。
漏出場所の風上から作業し、風下の人を退避させる。
漏出した場所の周辺に、ロープを張るなどして関係者以外の立入りを禁止す
る。

環境に対する注意事項:

製品が排水路に排出されないよう注意する。

封じ込め及び浄化の方法及び機材:

粉塵の飛散に注意しながら掃き集め、密閉容器に回収する。
付着物、回収物などは、関係法規に基づき速やかに処分する。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策:
取扱いは換気のよい場所で行う。適切な保護具を着用する。粉塵が飛散しないように注意する。取扱い後は手や顔などをよく洗う。
注意事項:
粉塵やエアゾールが発生する場合には、局所排気を用いる。
安全取扱い注意事項:
皮膚、眼および衣類との接触を避ける。

保管

適切な保管条件:
容器を密栓して冷暗所に保管する。酸化剤などの混触危険物質から離して保管する。
安全な容器包装材料:
法令の定めるところに従う。

8. ばく露防止及び保護措置

設備対策:

作業者が直接暴露されないように、できるだけ密閉化した設備又は局所排気装置を設ける。取扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄用の設備を設ける。

管理濃度:

設定されていない。

保護具

呼吸用保護具:
防塵マスク、簡易防塵マスク等。
手の保護具:
保護手袋。
眼、顔面の保護具:
保護眼鏡。状況に応じ保護面。
皮膚及び身体の保護具:
保護衣。状況に応じ、保護長靴。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
結晶(Sax (11th, 2004))
白色(SIDS (2003))
臭い
無臭(SIDS (2003))
臭いのしきい(閾)値
データなし。
pH
5.8 (20℃, 3.0g/L)(SIDS (2003))

融点・凝固点

101℃(NFPA (14th, 2010))

沸点、初留点及び沸騰範囲

分解(NFPA (14th, 2010))

引火点

143℃(CC)(SIDS (2003))

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし。

燃焼性(固体、気体)

データなし。

燃焼又は爆発範囲

データなし。

蒸気圧

0.01 mmHg(20℃)(Sax (11th, 2004))

蒸気密度

データなし。

密度

1.307g/cm3(SIDS (2003))

溶解度

水:3.0g/L (25℃)(SIDS (2003))
エタノール,ベンゼンに易溶(有機化合物辞典 (1985))

n-オクタノール/水分配係数

0.99 EST(SRC Phys Prop(Access on May. 2012))

自然発火温度

516℃(SIDS (2003))

分解温度

データなし。

粘度(粘性率)

データなし。

10. 安定性及び反応性

反応性:

情報なし

化学的安定性:

適切な条件下においては安定。

危険有害反応可能性:

特別な反応性は報告されていない。

避けるべき条件:

情報なし

混触危険物質:

酸化剤

危険有害な分解生成物:

二酸化炭素, 一酸化炭素, 窒素酸化物

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットのLD50値は、1854 mg/kg(雄)、1945 mg/kg(雌)(OEDC TG401、GLP)(厚生省報告 (Access on May. 2012))に基づき区分4とした。GHS分類:区分4
経皮
データ不足。なお、モルモットのLD50値は、>1000 mg/kgとの報告があるが、区分を特定できない。GHS分類:分類できない
吸入:ガス
GHSの定義における固体である。GHS分類:分類対象外
吸入:蒸気
データなし。GHS分類:分類できない
吸入:粉じん及びミスト
データなし。GHS分類:分類できない

皮膚腐食性及び刺激性

モルモットの24時間閉塞適用した経皮ばく露試験(用量:250、500、1000 mg/kg)で、パッチ除去後、中等度の浮腫と軽度の紅斑が見られ、1週間後に落屑が認められたが、試験終了1週間後には回復し、軽微な刺激性(slightly irritant)との結果(SIDS (2003))により区分外(国連分類基準の区分3)とした。GHS分類:区分外

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

ウサギを用いた眼刺激性試験(OECD TG405)で、中等度の刺激性(moderately irritating)の結果があり(SIDS (2003))、別のウサギ6匹に100 mgを適用した眼刺激性試験で、適用1時間後、結膜と瞬膜に僅かな発赤が認められたが、24時間後には全ての動物で回復し、2週間の観察期間中も異常は見られず、結果は軽微の刺激性(slightly irritating)であった(SIDS (2003))ことから区分2とした。GHS分類:区分2

呼吸器感作性

データなし。GHS分類:分類できない

皮膚感作性

モルモットを用いた感作性試験で、適用後24時間と48時間に10匹中1匹で重度の紅斑が見られ、結果は曖昧であったとの報告があるが、OECDで認められた試験法ではないためデータ不足で分類できない。GHS分類:分類できない

生殖細胞変異原性

in vivo試験のデータがないため分類できない。なお、in vitro試験としては、エームス試験(OECD TG471,472、GLP)で陰性、CHL細胞を用いた染色体異常試験(OECD TG473、GLP)で陽性の報告がある(厚生省報告 (Access on May. 2012))。GHS分類:分類できない

発がん性

データなし。GHS分類:分類できない

生殖毒性

ラットの強制経口投与による反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験(OECD TG422、GLP) において、親に一般毒性が示された用量で、雌雄親の生殖能に影響はなく、また仔の発生について、総出産仔数、出生率、性比、新生仔の体重、生存率および形態に対照群と比較して変化は認められなかった(厚生省報告 (Access on May. 2012))。しかし、催奇形性を含む仔の発生に対してのデータが不十分であるためデータ不足で分類できない。GHS分類:分類できない

特定標的臓器毒性(単回ばく露)

ラットを用いた急性経口毒性試験(用量:819~2500 mg/kg)で、主な中毒症状として自発運動の低下、腹臥位、筋弛緩、眼険下垂、呼吸深大化、立毛、体温降下、流涙および全身蒼白が認められ、これらの症状は、生存動物では投与後1日から5日までに概ね回復し、13日には全てが回復した。死亡は雄の1280 mg/kg以上、雌の1600 mg/kg以上で見られ、症状は上記の症状が重度化、呼吸が微弱となり死亡し、剖検では腺胃に点状出血が観察され、病理組織学検査で腺胃の粘膜のびらんが確認されたが、生存動物では腺胃に異常は認められなかった(厚生省報告 (Access on May. 2012))。以上から臓器を特定するには困難であるが、上記の症状および死亡は区分2のガイダンス値内で認められていることから区分2(全身毒性)とした。GHS分類:区分2(全身毒性)

特定標的臓器毒性(反復ばく露)

ラットの強制経口投与による反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験(用量:8, 25, 80, 250 mg/kg/日)(OECD TG422、GLP)で、80 mg/kg(90日換算:40 mg/kg/日)以上の雄の投与群で、赤血球数の減少、平均赤血球容積の増加、250 mg/kg(90日換算:125 mg/kg/日)で平均赤血球血色素量および網状赤血球数の増加、メトヘモグロビン含有率の増加傾向が認められた。病理組織学検査では、80 mg/kg(90日換算:40 mg/kg/日)以上の投与群の雌雄で、肝臓および脾臓にヘモジデリン沈着の程度の増加、250 mg/kg(90日換算:125 mg/kg/日)群で脾臓に髄外造血の程度の増加が認められ、本物質の反復投与により溶血性貧血が惹起されることが確認されたと報告されている(厚労省報告 (Access on May. 2012))。以上から症状はガイダンス値区分2の範囲で示されていることから区分2(血液)とした。GHS分類:区分2(血液)

吸引性呼吸器有害性

データなし。GHS分類:分類できない

12. 環境影響情報

生態毒性:

魚類:
情報なし
甲殻類:
情報なし
藻類:
情報なし

残留性・分解性:

17.6 % (by BOD) , 35.7 % (by TOC)*既存化学物質安全性点検による判定結果:難分解性

生体蓄積性(BCF):

情報なし*既存化学物質安全性点検による判定結果:低濃縮性

土壌中の移動性

オクタノール/水分配係数:
情報なし
土壌吸着係数(Koc):
情報なし
ヘンリー定数(PaM 3/mol):
情報なし

オゾン層への有害性:

情報なし

13. 廃棄上の注意

適切な保護具を着用する。
地方条例や国内規制に従う。
焼却処理する場合には、可燃性溶剤に溶解または混合した後、アフターバーナー及びスクラバーを備えた焼
却炉で焼却する。
空容器を処分する時は、内容物を完全に除去した後に行う。
処理施設がないなどの理由で廃棄できない場合は、許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託する。

14. 輸送上の注意

国連番号:

該当なし。

国連分類:

国連の分類基準に該当せず。

輸送の特定の安全対策及び条件:

運搬に際しては容器に漏れのないことを確かめ、転倒、落下、損傷のないように
積み込み、荷崩れの防止を確実に行い、法令の定めるところに従う。

15. 適用法令

該当法規なし

16. その他の情報

略語と頭字語

ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
EC50: 有効濃度 50%
IATA:国際航空運送協会
IMDG: 国際海上危険物
LC50: 致死濃度 50%
LD50: 致死量 50%
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
STEL: 短期暴露限度
TWA: 時間加重平均

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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