急性毒性
経口
【分類根拠】 ラットにおけるLD50値として、(1)のデータに基づき区分外とした。
【根拠データ】 (1)ラットのLD50値:8,700 mg/kg(REACH登録情報(Accessed Sept. 2018))
経皮
【分類根拠】 ラットにおけるLD50値として、(1)のデータに基づき区分外とした。
【根拠データ】 (1)ラットのLD50値:>2,000 mg/kg(REACH登録情報(Accessed Sept. 2018))
吸入:ガス
【分類根拠】 GHSの定義における液体である。
吸入:蒸気
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
吸入:粉じん及びミスト
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
【分類根拠】 (1)より、区分外とした。
【根拠データ】 (1)ウサギ(n=6)を用いた眼刺激性試験でDraizeスコアは0であり、刺激性を示さなかったとの報告がある(REACH登録情報(Accessed Sept. 2018))。
【参考データ等】 (2)眼刺激性を有するとの報告もあるが(HSDB(2002))、詳細情報が不明である。
呼吸器感作性
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
【分類根拠】 (1)~(4)より、区分1とし、さらに(5)より区分1Bとした。なお、新たな情報源の利用により、旧分類から区分を変更した。
【根拠データ】 (1)本物質を含む歯科材料を扱う歯科医及び歯科助師のうち、アレルギー性接触皮膚炎を罹患している9人中8人が、本物質に対する感作反応が報告されている(MAK/BAT(1999))。 (2)職業性アレルギー性接触湿疹を有する歯科技師35人のうち15人に本物質に対する感作反応(Ⅳ型)が報告されている(MAK/BAT(1999))。 (3)アレルギー性接触性皮膚炎患者の症例報告によると、本物質のパッチテストで感作性の可能性が指摘されている(MAK/BAT(1999))。 (4)モルモットを用いたMaximization試験(n=10/群)で中程度から重度の感作性が見られたとの報告がある(MAK/BAT(1999))。 (5)モルモットを用いたMaximization試験で、本物質1%、5%、10%調剤(オリーブオイル中)で感作誘発後、再適用によって4/7(57%)、12/14(86%)、19/22(86%)で感作反応が見られたとの報告がある。
【参考データ等】 (6)アクリル酸のばく露によって感作が疑われる労働者82人に対して本物質を含む様々な物質でパッチテストが行われ、11人(13.4%)で感作が報告されているが、これ以上の詳細は不明である。
生殖細胞変異原性
【分類根拠】 (1)~(4)より、ガイダンスに従い、分類できないとした。
【根拠データ】 (1)In vivoでは、マウスを用いた小核試験で陰性との報告がある(REACH登録情報(Accessed Sept. 2018))。 (2)In vivoでは、ラットの肝臓を用いた不定期DNA合成試験で陰性との報告がある(REACH登録情報(Accessed Sept. 2018))。 (3)In vitroでは、マウスリンフォーマ試験で陰性 との報告がある(HSDB(2002)) (4)In vitroでは、培養ヒトリンパ球を用いた染色体異常試験で陽性の報告がある(REACH登録情報(Accessed Sept. 2018))。
発がん性
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
【参考データ等】 (1)本物質のエステル加水分解物であるエチレングリコール(CAS:107-21-1)については、ラット及びマウスの吸入発がん性試験、並びにラットの経口発がん性試験では、発がん性の証拠はないとの結果であった(REACH登録情報(Accessed Sept. 2018))。
生殖毒性
【分類根拠】 (1)のデータだけでは繁殖試験のデータがなく、データ不足のため分類できない。
【根拠データ】 (1)妊娠6-20日のラットに強制経口投与した発生毒性試験において、明らかな母動物毒性(全身状態の悪化、体重の一過性減少、摂餌量減少)発現量の500 mg/kg/dayまで、胎児に発生影響はみられなかったとの報告がある (REACH登録情報(Accessed Sept. 2018)、GESTIS(Accessed Sept. 2018))。
特定標的臓器毒性(単回ばく露)
【分類根拠】 利用可能な試験結果からは特定の臓器を標的とする毒性所見は得られず、本項は分類できないとした。
【根拠データ】 (1)ラットに本物質を強制経口投与した単回投与試験は、用いた用量が極めて高く、区分2の範囲までの用量で分類に利用できる所見はない(REACH登録情報(Accessed Sept. 2018))。 (2)ラット又はウサギを用いた本物質の単回経皮適用試験では、ラット、ウサギともに適用局所の刺激性影響が観察されただけであった(REACH登録情報(Accessed Sept. 2018))。
特定標的臓器毒性(反復ばく露)
【分類根拠】 (1)のデータから区分1(呼吸器)とした。なお、ガイダンス上では、原則14日間以上の試験を採用することとされているが、13日間で肺への影響がみられていることを踏まえ、分類に利用した。
【根拠データ】 (1)ラットに本物質(蒸気と推定)を区分1の範囲内である120 ppm(1,000 mg/m3、ガイダンス値換算:0.14 mg/L)で13日間吸入ばく露した試験において、ばく露中に嗜眠が観察され、ばく露期間終了時の剖検で肺の変化(退色、肺胞の肥厚、肺胞領域のリンパ反応)が認められた(GESTIS(Accessed Sept. 2018))。
吸引性呼吸器有害性
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。