安全データシート

4-sec-ブチルフェノール

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: 4-sec-ブチルフェノール
  • CB番号: CB0221551
  • CAS: 99-71-8

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 農薬・液晶原料
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
平成24年。政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版)を使用
GHS改訂4版を使用
健康に対する有害性
急性毒性(経口)   区分4
皮膚腐食性/刺激性   区分1
眼に対する重篤な損傷/眼刺激性   区分1
特定標的臓器毒性(単回ばく露)   区分2(全身毒性)
特定標的臓器毒性(反復ばく露)   区分2(腎臓)
環境に対する有害性
水生環境有害性 (急性)   分類実施中
水生環境有害性 (長期間)   分類実施中
オゾン層への有害性   分類実施中

ラベル要素

絵表示又はシンボル
GHS09GHS05
注意喚起語
危険
危険有害性情報
重篤な皮膚の薬傷・眼の損傷
臓器の障害のおそれ: 全身毒性
長期にわたる、または反復暴露による臓器の障害のおそ
れ: 腎臓
水生生物に毒性
長期継続的影響により水生生物に毒性
注意書き
[安全対策]
粉じん、煙、ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
環境への放出を避けること。
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。
取扱い後は手や顔をよく洗うこと。
保護手袋、保護衣、保護面を着用すること。
[応急措置]
飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。直ちに医師に連絡
すること。
皮膚(または髪)に付着した場合:直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと。
皮膚を流水、シャワーで洗うこと。直ちに医師に連絡すること。汚染された衣
類を再使用する場合には洗濯すること。
吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させるこ
と。直ちに医師に連絡すること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを着用して
いて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。直ちに医師に
連絡すること。
暴露または暴露の懸念がある場合:医師に連絡すること。
漏出物を回収すること。
[保管]
施錠して保管すること。
[廃棄]
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託す
ること。

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質/混合物の区別: : 化学物質
  • 化学名又は一般名: : 4-sec-ブチルフェノール
  • 濃度又は濃度範囲: : >98.0%(GC)
  • CAS RN: : 99-71-8
  • 化学式: : C10H14O
  • 官報公示整理番号 化審法: : (3)-503
  • 官報公示整理番号 安衛法: : 公表化学物質

4. 応急措置

吸入した場合:

被災者を空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。直ち
に医師に連絡すること。

皮膚に付着した場合:

直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。多量の水と石鹸で
洗うこと。直ちに医師に連絡すること。

目に入った場合:

水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易にはずせる場合は外し
て洗うこと。直ちに医師に連絡すること。

飲み込んだ場合:

直ちに医師に連絡すること。口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。

応急措置をする者の保護:

救助者はゴム手袋、密閉ゴーグルなどの保護具を着用する。

5. 火災時の措置

適切な消火剤:

粉末, 泡, 水噴霧, 二酸化炭素

特有の消火方法:

消火作業は、風上から行い、周囲の状況に応じた適切な消火方法を用いる。関係者以外は安全な場所に退去させる。周辺火災時、移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。

消火を行う者の保護:

消火作業の際は、必ず保護具を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置:

個人用保護具を着用する。
漏出場所の風上から作業し、風下の人を退避させる。
漏出した場所の周辺に、ロープを張るなどして関係者以外の立入りを禁止す
る。

環境に対する注意事項:

環境への悪影響が懸念されるため、河川等へ排出されないよう注意する。

封じ込め及び浄化の方法及び機材:

粉塵の飛散に注意しながら掃き集め、密閉容器に回収する。
付着物、回収物などは、関係法規に基づき速やかに処分する。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策:
取扱いは換気のよい場所で行う。適切な保護具を着用する。粉塵が飛散しないように注意する。取扱い後は手や顔などをよく洗う。
注意事項:
できれば、密閉系で取扱う。粉塵やエアゾールが発生する場合には、局所排気を用いる。
安全取扱い注意事項:
皮膚、眼および衣類との接触を避ける。

保管

適切な保管条件:
容器を密栓して冷暗所に保管する。施錠して保管する。酸化剤などの混触危険物質から離して保管する。
安全な容器包装材料:
法令の定めるところに従う。

8. ばく露防止及び保護措置

設備対策:

密閉化した設備又は局所排気装置を設ける。取扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄用の設備を設ける。

管理濃度:

設定されていない。

保護具

呼吸用保護具:
防塵・防毒マスク、自給式呼吸器、送気マスク等。
手の保護具:
不浸透性の手袋。
眼、顔面の保護具:
保護眼鏡(ゴーグル型)。状況に応じ保護面。
皮膚及び身体の保護具:
不浸透性の保護衣。状況に応じ、保護長靴。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
結晶の集団または鱗片(ホンメル (1996))
白色(ホンメル (1996))
臭い
弱いフェノール臭(ホンメル (1996))
臭いのしきい(閾)値
データなし。
pH
データなし。

融点・凝固点

61.5℃(CRC (91st, 2010))

沸点、初留点及び沸騰範囲

241℃(CRC (91st, 2010))

引火点

116℃(CC)(MSDS (Sigma-Aldrich)(2010))

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし。

燃焼性(固体、気体)

データなし。

燃焼又は爆発範囲

データなし。

蒸気圧

0.0372 mmHg(25℃)(Howard (1997))

蒸気密度

約5.1(ホンメル (1996))

比重(相対密度)

0.969(20℃/4℃)(Lange (16th, 2005))

溶解度

水:960 mg/L (25℃)(SRC Phys Prop (Access on Aug. 2012))
熱水、アルコール、エーテルに可溶。(Lange (16th, 2005))

n-オクタノール/水分配係数

logP=3.08(SRC PhysProp (Access on Aug. 2012))

自然発火温度

データなし。

分解温度

データなし。

粘度(粘性率)

データなし。

10. 安定性及び反応性

反応性:

情報なし

化学的安定性:

適切な条件下においては安定。

危険有害反応可能性:

特別な反応性は報告されていない。

避けるべき条件:

情報なし

混触危険物質:

酸化剤, 塩基, 銅, これらの合金, 黄銅

危険有害な分解生成物:

二酸化炭素, 一酸化炭素

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットのLD50値は1650 mg/kg (HPVIS (2009))に基づき、区分4とした。GHS分類:区分4
経皮
データなし。GHS分類:分類できない
吸入:ガス
GHSの定義における固体である。GHS分類:分類対象外
吸入:蒸気
データなし。GHS分類:分類できない
吸入:粉じん及びミスト
データなし。GHS分類:分類できない

皮膚腐食性及び刺激性

加熱し液化した本物質原液0.5 mLをウサギの皮膚に4時間の半閉塞適用した試験(GLP準拠)において、6匹全例に壊死が認められ、PII (皮膚一次刺激指数) は7.25であったことから、腐食性あり(corrosive)との結論(HPVIS (2009))に基づき、区分1とした。GHS分類:区分1

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

データはないが、皮膚腐食性(区分1)物質であることから区分1とした。GHS分類:区分1

呼吸器感作性

データなし。GHS分類:分類できない

皮膚感作性

データなし。GHS分類:分類できない

生殖細胞変異原性

in vivo試験のデータがなく分類できない。なお、in vitro試験としては、エームス試験およびチャイニーズ・ハムスターの培養細胞を用いた染色体異常試験でいずれも陰性の結果(厚労省報告 (Access on Aug. 2012))が報告されている。GHS分類:分類できない

発がん性

データなし。GHS分類:分類できない

生殖毒性

データなし。GHS分類:分類できない

特定標的臓器毒性(単回ばく露)

ラットを用いた急性経口毒性試験(用量範囲:1000~3000 mg/kg)で、嗜眠、出血性眼分泌物、出血性鼻分泌物、努力性呼吸、呼吸窮迫、食欲不振、体重減少、円背位、筋攣縮、静止が観察された。死亡動物では消化管、肝臓および肺の出血、胃の膨満ならびに肝臓および腎臓の褪色が観察され(HPVIS (2009))、LD50値は1650 mg/kg/bwであるが、標的臓器を特定できないことから、区分2(全身毒性)とした。 GHS分類:区分2(全身毒性)

特定標的臓器毒性(反復ばく露)

ラットを用いた28日間反復経口投与試験(化審法毒性試験法ガイドライン、化学物質GLP)において、投与期間終了時の病理学的検査により、ガイダンス値区分2に相当する300 mg/kg/day(90日換算:93.3 mg/kg/day)以上で腎臓の腎乳頭壊死が観察された(厚労省報告 (Access on Aug. 2012))ことに基づき、区分2(腎臓)とした。この試験では1000 mg/kg/day(90日換算:311 mg/kg/day)群の雌雄全例で、前胃粘膜上皮の過形成、雌3例、雄2例で腎乳頭壊死、300 mg/kg/day群の雄の1例で、腎乳頭壊死および前胃粘膜上皮の過形成が報告されておている。また別のラットに6~24ヵ月間混餌投与した試験でも高用量群(500 mg/kg/day以上)で胃を含む上部消化管と腎臓に影響がみられている(HPVIS (2009))。なお、本物質は皮膚腐食性物質であることから、胃への影響は局所影響と判断し、分類には採用しなかった。GHS分類:区分2(腎臓)

吸引性呼吸器有害性

データなし。GHS分類:分類できない

12. 環境影響情報

生態毒性:

魚類:
48h LC50:2.9 ppm (Oryzias latipes)96h LC50:2.6 mg/L (Oryzias latipes)
甲殻類:
48h EC50:3.1 mg/L (Daphnia magna)
藻類:
72h EC50:7.5 mg/L (Selenastrum capricornutum)72h NOEC:0.44 mg/L (Selenastrum capricornutum)

残留性・分解性:

0 % (by BOD) , 0 % (by TOC) , 1 % (by GC)*既存化学物質安全性点検による判定結果:難分解性

生体蓄積性(BCF):

0.93 - 30 (conc. 20 ppb) , <3.7 - 37 (conc. 2 ppb)*既存化学物質安全性点検による判定結果:低濃縮性

土壌中の移動性

オクタノール/水分配係数:
情報なし
土壌吸着係数(Koc):
情報なし
ヘンリー定数(PaM 3/mol):
情報なし

オゾン層への有害性:

情報なし

13. 廃棄上の注意

適切な保護具を着用する。
地方条例や国内規制に従う。
焼却処理する場合には、可燃性溶剤に溶解または混合した後、アフターバーナー及びスクラバーを備えた焼
却炉で焼却する。
空容器を処分する時は、内容物を完全に除去した後に行う。
処理施設がないなどの理由で廃棄できない場合は、許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託する。

14. 輸送上の注意

国連番号:

2430

品名(国連輸送名):

Alkylphenols, solid, n.o.s.

国連分類:

クラス8(腐食性物質)

容器等級:

海洋汚染物質:

Y

輸送の特定の安全対策及び条件:

運搬に際しては容器に漏れのないことを確かめ、転倒、落下、損傷のないように
積み込み、荷崩れの防止を確実に行い、法令の定めるところに従う。

15. 適用法令

船舶安全法

腐食性物質

航空法

腐食性物質

16. その他の情報

略語と頭字語

ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
EC50: 有効濃度 50%
IATA:国際航空運送協会
IMDG: 国際海上危険物
LC50: 致死濃度 50%
LD50: 致死量 50%
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
STEL: 短期暴露限度
TWA: 時間加重平均

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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