アジピン酸ジヒドラジド 化学特性,用途語,生産方法
外観
白色~ほとんど白色, 結晶~粉末
溶解性
水に溶ける(9.1g/100g(20℃))。
解説
アジピン酸ジヒドラジド(Adipic dihydrazide)とは、ADHと略され別名アジポジヒドラジドと言われるセバシン酸ジヒドラジドやドデカンジオヒドラジドなどと並ぶヒドラジド化合物の一つです。
アジピン酸ジヒドラジドは、常温では白色の粉末若しくは結晶の塊で水に溶ける性質をもち架橋剤として知られる物質で、CAS RN®1071-93-8、分子式C6H14N4O2、分子量174.20、融点180~182℃、沸点305.18℃で、適切な条件下では化学的に安定なことで知られています。
用途
アジピン酸ジヒドラジド(ADH)は、常温架橋型水性コーティング、ホルムアルデヒド除去剤、エポキシ樹脂硬化剤、プラスチックの改質などに使用されます。
具体的には、次の用途で使用されます。
■常温架橋型水性コーティング
アクリルモノマーとダイアセトンアクリルアミドよりなるアクリルエマルジョンはADHで常温で架橋可能です。
ADHはダイアセトンアクリルアミドのケトン基と常温で、たいへん早く反応します。
耐水性の優れた塗膜が得られます。
■ホルムアルデヒド除去剤
ADHはホルムアルデヒドと反応して、空気中にホルムアルデヒドが揮発することを防止します。
■エポキシ樹脂硬化剤
ADHは融点が高いので、高温においてエポキシ樹脂と反応します。特に粉体塗料に用いられます。
■プラスチックの改質
用途
共重合体の架橋剤、有機合成原料。
特徴
アジピン酸ジヒドラジド(ADH)は常温架橋型アクリルエマルジョン原料に用いられる水溶性機能性モノマーです。
説明
Adipic dihydrazide (ADH) is the most suitable hydrazide cross-linking agent, and ADH has been widely used in water-based paint emulsions in combination with diacetone acrylamide. ADH is weakly alkaline, and there is a possibility of agglomeration when solid ADH is added directly to the emulsion, so usually ADH should be dissolved in hot water before use.
化学的特性
white to slightly yellow crystalline powder
使用
Adipic dihydrazide is used as a formaldehyde scavenger and reacts with formaldehyde, thereby preventing the volatilizing of formaldehyde in the air. It is also employed as a paint additive and coating additive. It is also used as an intermediate. Further, it is used for cross-linking water-based emulsions and as a hardener for certain epoxy resins, which finds application in powder coating.
使用用途
アジピン酸ジヒドラジドは、ヒドラジド化合物の一つとして同化合物がもつ高い反応性や低温での硬化などといった特性を生かし、塗料やなどの分野で広く使われている熱硬化性樹脂であるエポキシの潜在性硬化剤として使われています。
アジピン酸ジヒドラジドは、ヒドラジド化合物を複数使用してエポキシ樹脂の硬化温度や硬化速度といった特性の調整にも使われているほか、熱可塑性樹脂であるケトン基含有の架橋剤としても利用されています。
アジピン酸ジヒドラジド 上流と下流の製品情報
原材料
準備製品