安全データシート

4-イソプロピルアミノジフェニルアミン

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: 4-イソプロピルアミノジフェニルアミン
  • CB番号: CB8475891
  • CAS: 101-72-4
  • 同義語: N-イソプロピル-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: オゾン劣化防止剤、有機ゴム薬品(老化防止剤)
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日(物化危険性及び健康有害性)
H30.3.16、政府向けGHS分類ガイダンス (H25年度改訂版 (ver1.1):JIS Z7252:2014準拠) を使用
GHS改訂4版を使用
物理化学的危険性
-
健康に対する有害性
急性毒性(経口)   区分4
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性   区分2B
皮膚感作性   区分1
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)   区分2 (肝臓、腎臓、血液系)
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)   区分1 (肝臓、血液系) 区分2 (腎臓)
分類実施日(環境有害性)
H28年度、政府向けGHS分類ガイダンス (GHS分類ガイダンス (平成25年度改訂版 (Ver.1.1))) を使用
環境に対する有害性
水生環境有害性 (急性)   区分1
水生環境有害性 (長期間)   区分1

他の危険有害性

使用前に取扱説明書を入手すること。
すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
粉じん、煙、ミスト、蒸気、スプレー
環境への放出を避けること。
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
取扱い後は手や顔をよく洗うこと。
保護手袋、保護衣、保護面を着用すること。
飲み込んだ場合:気分が悪い時は、医師に連絡すること。口をすすぐこと。
皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。皮膚刺激または発疹が生じ
た場合:医師の診断、手当てを受けること。汚染された衣類を脱ぐこと。そし
て再使用する場合には洗濯をすること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを着用して
いて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。眼の刺激が続
く場合は、医師の診断、手当てを受けること。
暴露または暴露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。
漏出物を回収すること。
施錠して保管すること。
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託す
ること。

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質/混合物の区別: : 化学物質
  • 化学名又は一般名: : 4-イソプロピルアミノジフェニルアミン
  • 濃度又は濃度範囲: : >98.0%(HPLC)(T)
  • CAS RN: : 101-72-4
  • 別名 : N-Isopropyl-N'-phenyl-1,4-phenylenediamine
  • 化学式: : C15H18N2
  • 官報公示整理番号 化審法: : (3)-136, (3)-368
  • 官報公示整理番号 安衛法: : 公表化学物質

4. 応急措置

吸入した場合:

空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。医師の診断、
手当てを受けること。

皮膚に付着した場合:

直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。多量の水と石鹸で
洗うこと。医師の診断、手当てを受けること。

目に入った場合:

水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易にはずせる場合は外し
て洗うこと。医師の診断、手当てを受けること。

飲み込んだ場合:

医師の診断、手当てを受けること。口をすすぐこと。

応急措置をする者の保護:

救助者はゴム手袋、密閉ゴーグルなどの保護具を着用する。

5. 火災時の措置

適切な消火剤:

粉末, 泡, 水噴霧, 二酸化炭素

火災時の特定危険有害性:

燃焼や高温により分解し、有毒なヒュームを発生する恐れがあるので注意する。

特有の消火方法:

消火作業は、風上から行い、周囲の状況に応じた適切な消火方法を用いる。関係者以外は安全な場所に退去させる。周辺火災時、移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。

消火を行う者の保護:

消火作業の際は、必ず保護具を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置:

個人用保護具を着用する。
漏出場所の風上から作業し、風下の人を退避させる。
漏出した場所の周辺に、ロープを張るなどして関係者以外の立入りを禁止す
る。

環境に対する注意事項:

環境への悪影響が懸念されるため、河川等へ排出されないよう注意する。

封じ込め及び浄化の方法及び機材:

粉塵の飛散に注意しながら掃き集め、密閉容器に回収する。
付着物、回収物などは、関係法規に基づき速やかに処分する。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策:
取扱いは換気のよい場所で行う。適切な保護具を着用する。粉塵が飛散しないように注意する。取扱い後は手や顔などをよく洗う。
注意事項:
できれば、密閉系で取扱う。粉塵やエアゾールが発生する場合には、局所排気を用いる。
安全取扱い注意事項:
あらゆる接触を避ける。

保管

適切な保管条件:
容器を密栓して冷暗所に保管する。不活性ガスを充填する。施錠して保管する。酸化剤などの混触危険物質から離して保管する。
避けるべき保管条件:
空気
安全な容器包装材料:
法令の定めるところに従う。

8. ばく露防止及び保護措置

設備対策:

密閉化した設備又は局所排気装置を設ける。取扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄用の設備を設ける。

管理濃度:

設定されていない。

保護具

呼吸用保護具:
防塵・防毒マスク、自給式呼吸器、送気マスク等。
手の保護具:
不浸透性の手袋。
眼、顔面の保護具:
保護眼鏡(ゴーグル型)。状況に応じ保護面。
皮膚及び身体の保護具:
不浸透性の保護衣。状況に応じ、保護長靴。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
固体 (20℃、1気圧) (GHS判定)
暗灰色~黒色の薄片 (ICSC (J) (1999))
臭い
情報なし
臭いのしきい(閾)値
情報なし
pH
情報なし

融点・凝固点

75℃ (HSDB (2017))

沸点、初留点及び沸騰範囲

220℃ (1.33 kPa) (SIDS (2004)) 312℃ (GESTIS (2017))

引火点

> 200℃ (c.c.) (GESTIS (2017))

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

情報なし

燃焼性(固体、気体)

0.0244 mmHg (25℃ EST) [換算値 3.25 Pa (25℃ EST)] (SRC PhysProp (2017))

燃焼又は爆発範囲

情報なし

蒸気圧

0.00046 kPa (50℃) (SIDS (2004))

蒸気密度

情報なし

比重(相対密度)

1.04 (25℃) (HSDB (2017))

溶解度

水:0.015 g/L (GESTIS (2017)) ベンゼン、ガソリンに可溶。水に不溶、芳香族溶媒に可溶 (HSDB (2017))

n-オクタノール/水分配係数

3.88 (SIDS (2004))

自然発火温度

情報なし

分解温度

情報なし

粘度(粘性率)

情報なし

10. 安定性及び反応性

反応性:

情報なし

化学的安定性:

適切な条件下においては安定。

危険有害反応可能性:

粉末または顆粒上で空気と混合すると、粉塵爆発の可能性がある。

避けるべき条件:

静電放電

混触危険物質:

酸化剤

危険有害な分解生成物:

二酸化炭素, 一酸化炭素, 窒素酸化物

11. 有害性情報

急性毒性

経口
GHS分類: 区分4 ラットのLD50値として、522 mg/kg (雄)、701 mg/kg (雌) (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on May 2017))、800 mg/kg、900 mg/kg (SIDS (2004)) との報告に基づき、区分4とした。
経皮
GHS分類: 区分外 ウサギの皮膚に5,010 mg/kg 及び7,940 mg/kgを適用した試験で死亡例なしとの報告 (SIDS (2004)) に基づき、区分外とした。
吸入:ガス
GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における固体である。
吸入:蒸気
GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における固体である。
吸入:粉じん及びミスト
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。

皮膚腐食性及び皮膚刺激性

GHS分類: 区分外 ウサギを用いた試験で、刺激性がみられなかったとの報告 (SIDS (2004)) や、軽度の刺激性がみられたが24時間後には消失したとの報告 (DFGOT vol. 1 (2016) (Access on May 2017)) から、区分外 (国連分類基準の区分3) とした。

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

GHS分類: 区分2B ウサギを用いた試験で、24時間後に全例に結膜に発赤がみられたが48時間後には消失したとの報告 (SIDS (2004)) から、区分2Bとした。

呼吸器感作性

GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。

皮膚感作性

GHS分類: 区分1 モルモットを用いた皮膚感作性試験で、20匹中70%の動物に陽性反応がみられたとの報告 (SIDS (2004)) から、区分1とした。

生殖細胞変異原性

GHS分類: 分類できない In vivoでは、マウスの骨髄細胞を用いた姉妹染色分体交換試験で陰性 (DFGOT vol. 1 (2016) (Access on May 2017))、in vitroでは、細菌を用いた復帰突然変異試験で陰性、哺乳類培養細胞を用いたマウスリンフォーマ試験、遺伝子突然変異試験で陰性、染色体異常試験及び姉妹染色分体交換試験で陽性である (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on May 2017)、DFGOT vol. 1 (2016) (Access on May 2017)、SIDS (2004))。以上より、ガイダンスに従い分類できないとした。

発がん性

GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。

生殖毒性

GHS分類: 分類できない 妊娠ラットの器官形成期に強制経口投与した発生毒性試験において、高用量 (125 mg/kg/day) 群では母動物に臨床症状がみられた以外に異常はなく、胎児には高用量群で頭蓋及び顔面の骨の骨化不全、舌骨の未骨化がみられたが、これらは分類根拠としない骨化遅延によるものとされた (SIDS (2004))。これ以外に発生毒性試験データはなく、生殖能・性機能への影響に関する情報もない。すなわち、データ不足のため分類できない。

特定標的臓器毒性(単回ばく露)

GHS分類: 区分2 (肝臓、腎臓、血液系) 本物質のヒトでの単回ばく露の情報はない。実験動物ではラットの単回経口投与試験において、区分2相当の455 mg/kg 以上投与群の生存例に肝臓では小葉中心性の肝細胞肥大、肝細胞の分裂像の増加、髄外造血が、腎臓では髄質に再生尿細管及びリンパ球浸潤が、脾臓では強度の髄外造血の増加が認められたとの報告がある。また、これらの動物では皮膚色蒼白が認められ、溶血性貧血が起きた可能性が示唆されると考察されている (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on May 2017))。以上より区分2 (肝臓、腎臓、血液系) とした。

特定標的臓器毒性(反復ばく露)

GHS分類: 区分1 (肝臓、血液系)、区分2 (腎臓) ヒトに関する情報はない。実験動物については、ラットを用いた強制経口投与による28日間反復経口投与毒性試験において、区分1のガイダンス値の範囲内である30 mg/kg/day (90日換算値: 9.3 mg/kg/day) 以上で平均赤血球容積減少、骨髄細胞の顆粒球系骨髄球比率増加、肝臓の腫大、好酸性肝細胞肥大、小葉中間帯脂肪化、脾臓のヘモジデリン沈着等、区分2のガイダンス値の範囲内である100 mg/kg/day (90日換算値: 31.1 mg/kg/day) で体重減少/増加抑制、赤血球・ヘモグロビン・ヘマトクリット値低下、網状赤血球比率・血小板数増加、リンパ球比率低下、好中球比率増加、肝細胞の単細胞壊死、脾臓の腫大、脾臓のヘモジデリン沈着・髄外造血増強、腎臓重量増加、腎臓の好塩基性尿細管の増強・ヘモジデリン沈着の報告がある (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on May 2017))。ラットを用いた混餌による90日間反復経口投与毒性試験において、区分2のガイダンス値の範囲である 500 ppm (雄: 43.8 mg/kg/day (90日換算値: 13.6 mg/kg/day)、雌: 48.1 mg/kg/day (90日換算値 : 15.0 mg/kg/day)) 以上で総タンパクの増加、肝臓相対重量増加、1,000 ppm (雄: 92.6 mg/kg/day (90日換算値 : 28.8 mg/kg/day)、雌: 92.8 mg/kg/day (90日換算値 : 28.9 mg/kg/day)) 以上で血小板増加、白血球増加、分節核好中球増加、ヘモグロビン・ヘマトクリット値減少、赤血球大小不同、異形赤血球増加、脾臓の絶対及び相対重量増加の報告がある (DFGOT vol. 1 (2016) (Access on May 2017))。以上から区分1 (肝臓、血液系)、区分2 (腎臓) とした。

吸引性呼吸器有害性

GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。

12. 環境影響情報

生態毒性:

魚類:
48h LC50:0.714 mg/L (Oryzias latipes)
甲殻類:
情報なし
藻類:
情報なし

残留性・分解性:

情報なし

生体蓄積性(BCF):

3.3 - 9.2 (conc. 100 ug/L) , 14 - 49 (conc. 10 ug/L)

土壌中の移動性

オクタノール/水分配係数:
3.3
土壌吸着係数(Koc):
1.3 x 104
ヘンリー定数(PaM 3/mol):
1.4 x 10-4

オゾン層への有害性:

情報なし

13. 廃棄上の注意

適切な保護具を着用する。
地方条例や国内規制に従う。
焼却処理する場合には、可燃性溶剤に溶解または混合した後、アフターバーナー及びスクラバーを備えた焼
却炉で焼却する。
空容器を処分する時は、内容物を完全に除去した後に行う。
処理施設がないなどの理由で廃棄できない場合は、許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託する。

14. 輸送上の注意

国連番号:

3077

品名(国連輸送名):

Environmentally hazardous substance, solid, n.o.s.

国連分類:

クラス9(その他の有害物件)

容器等級:

海洋汚染物質:

Y

輸送の特定の安全対策及び条件:

運搬に際しては容器に漏れのないことを確かめ、転倒、落下、損傷のないように
積み込み、荷崩れの防止を確実に行い、法令の定めるところに従う。

15. 適用法令

労働安全衛生法

変異原性が認められた既存化学物質(法第57条の5、労働基準局長通達)

航空法

有害性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1)

船舶安全法

有害性物質(危規則第3条危険物告示別表第1)

16. その他の情報

略語と頭字語

ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
EC50: 有効濃度 50%
IATA:国際航空運送協会
IMDG: 国際海上危険物
LC50: 致死濃度 50%
LD50: 致死量 50%
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
STEL: 短期暴露限度
TWA: 時間加重平均

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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