安全データシート

2,2,2-トリクロロ-1,1-ビス(4-クロロフェニル)エタノール

改訂日:2024-05-09版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: 2,2,2-トリクロロ-1,1-ビス(4-クロロフェニル)エタノール
  • CB番号: CB8424167
  • CAS: 115-32-2
  • 同義語: 2,2,2-トリクロロ-1,1-ビス(4-クロロフェニル)エタノール

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 農薬 (殺虫剤) (失効農薬) (NITE-CHRIPより引用)
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
(物化危険性及び健康有害性)
R3.3.12、政府向けGHS分類ガイダンス (令和元年度改訂版 (ver2.0)) を使用
JIS Z7252:2019準拠 (GHS改訂6版を使用)
物理化学的危険性
-
健康に対する有害性
急性毒性 (経口)   区分4
皮膚腐食性/刺激性   区分2
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性   区分2B
発がん性   区分2
生殖毒性   区分2
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)   区分1 (中枢神経系) 区分3 (麻酔作用)
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)   区分1 (肝臓、副腎) 区分2 (神経系)
分類実施日
(環境有害性)
平成18年度、GHS分類マニュアル(H18.2.10版)
環境に対する有害性
水生環境有害性 (急性)   区分1
水生環境有害性 (長期間)   区分1

GHSラベル要素

絵表示
GHS07GHS09
注意喚起語
危険
危険有害性情報
飲み込むと有害 皮膚刺激 強い眼刺激 眠気又はめまいのおそれ 発がんのおそれの疑い 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い 中枢神経系の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による肝臓、副腎の障害 長期にわたる、又は反復ばく露による神経系の障害のおそれ 水生生物に非常に強い毒性 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性
注意書き
安全対策
使用前に取扱説明書を入手すること。 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 容器を密閉しておくこと。 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 取扱後はよく手を洗うこと。 この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。 環境への放出を避けること。 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
応急措置
ばく露又はばく露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 特別な処置が必要である(このラベルの・・・を見よ)。 注) ”…”は、ラベルに解毒剤等中毒時の情報提供を受けるための連絡先などが記載されている場合のものです。ラベル作成時には、”…”を適切に置き換えてください。 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 皮膚に付着した場合:多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。 皮膚刺激が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 口をすすぐこと。 漏出物を回収すること。
保管
換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 施錠して保管すること。
廃棄
内容物/容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に依頼して廃棄すること。
他の危険有害性
情報なし

3. 組成及び成分情報

  • 単一製品・混合物の区別: 単一製品
  • 化学名又は一般名: 2,2,2-トリクロロ-1,1-ビス(4-クロロフェニル)エタノール
  • 別名: ケルセン
  • 別名: ジコホル
  • 濃度又は濃度範囲: 情報なし
  • 分子式 (分子量): C14H9Cl5O (370.49)
  • CAS番号: 115-32-2
  • 官報公示整理番号
    (化審法)
    : 4-226
  • 官報公示整理番号
    (安衛法)
    : 7-(4)-359
  • 分類に寄与する不純物及び安定化添加物: 情報なし

4. 応急措置

吸入した場合

空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 医療機関に連絡する。

皮膚に付着した場合

汚染された衣服を脱がせる。
多量の水/石けん(鹸)で洗うこと。
皮膚刺激が生じた場合:医師の診察/手当てを受けること。

眼に入った場合

水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
眼の刺激が続く場合:医師の診察/手当てを受けること。

飲み込んだ場合

口をすすぐこと。
水に活性炭を懸濁した液を飲ませる。
気分が悪いときは医師に連絡すること。

急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状

吸入: 錯乱、痙攣、咳、めまい、頭痛、吐き気、嘔吐、脱力感、錯乱。
皮膚: 発赤。
眼: 充血。
経口摂取: 腹痛、下痢、他の症状については、「吸入」参照。

応急措置をする者の保護

情報なし

医師に対する特別な注意事項

情報なし

5. 火災時の措置

適切な消火剤

水噴霧、粉末消火薬剤、泡消火薬剤、二酸化炭素

使ってはならない消火剤

棒状注水

特有の危険有害性

可燃性。 有機溶剤を含む液体製剤は、引火性のことがある。 火災時に、刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出する。

特有の消火方法

水を噴霧して容器類を冷却する。

消火を行う者の保護

情報なし

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置

保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用すること。(ICSCには、漏洩物処理時に自給式呼吸器付化学防護服を使用することとの記載あり)

環境に対する注意事項

周辺環境に影響がある可能性があるため、製品の環境中への流出を避ける。

封じ込め及び浄化の方法及び機材

こぼれた物質を、ふた付きの容器内に掃き入れる。
湿らせてもよい場合は、粉塵を避けるために湿らせてから掃き入れる。
残留分を、注意深く集める。
地域規則に従って保管処理する。
この物質を環境中に放出してはならない。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策
「8. ばく露防止及び保護措置」に記載の措置を行い、必要に応じて保護具を着用する。
安全取扱い注意事項
裸火禁止。
汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
使用前に取扱説明書を入手すること。
全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
容器を密閉しておくこと。
粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること。
環境への放出を避けること。
接触回避
「10. 安全性及び反応性」を参照。
衛生対策
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙しないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。

保管

安全な保管条件
酸から離しておく。
換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
施錠して保管すること。
安全な容器包装材料
国連危険物輸送勧告で規定された容器を使用する。

8. ばく露防止及び保護措置

管理濃度

未設定

許容濃度

日本産衛学会 (2020年度版)
第3種粉じん: その他の無機及び有機粉じん* 吸入性粉じん: 2 mg/m3 総粉じん: 8 mg/m3 * 多量の粉じんの吸入によるじん肺を予防する観点から、この値以下とすることが望ましいとされる濃度。

許容濃度

ACGIH (2020年版)
PNOS* TLV: 3 mg/m3 (Respirable particles) PNOS* TLV: 10 mg/m3 (Inhalable particles) * Particles (insoluble or poorly soluble) Not Otherwise Specified

設備対策

粉じんが発生する作業所においては、必ず密閉された装置、機器又は局所排気装置を使用する。

保護具

呼吸用保護具
状況に応じた適切な呼吸用保護具を使用すること。(ICSCには、漏洩物処理時に自給式呼吸器を使用することとの記載あり)
手の保護具
保護手袋を着用する。
眼の保護具
保護眼鏡や保護面を着用する。
皮膚及び身体の保護具
保護衣を着用すること。(ICSCには、漏洩物処理時に自給式呼吸器付化学防護服を使用することとの記載あり)

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

物理状態
固体 (20℃、1気圧) (GHS判定)
無色
臭い
わずかに特徴的な臭い

融点/凝固点

77~78℃ (ICSC (2003))

沸点、初留点及び沸騰範囲

180℃ (0.1 mmHg) (HSDB (Access on May 2020))

可燃性

可燃性 (ICSC (2003))

爆発下限界及び爆発上限界/可燃限界

該当しない

引火点

該当しない

自然発火点

該当しない

分解温度

データなし

pH

データなし

動粘性率

該当しない

溶解度

水: 溶けない (ICSC (2003)) アセトン、酢酸エチル、トルエン、メタノール、ヘキサン、イソプロパノールに易溶 (HSDB (Access on May 2020))

n-オクタノール/水分配係数

log Pow = 4.28 (ICSC (2003))

蒸気圧

3.98E-007 mmHg (25℃) (technical) (HSDB (Access on May 2020))

密度及び/又は相対密度

1.13 g/cm³ (ICSC (2003))

相対ガス密度

該当しない

粒子特性

データなし

10. 安定性及び反応性

反応性

「危険有害反応可能性」を参照。

化学的安定性

情報なし

危険有害反応可能性

燃焼すると、分解する。 酸と接触すると、分解する。 塩化水素を含む、有毒で腐食性のフュームを生じる。

避けるべき条件

燃焼、混触危険物質との接触

混触危険物質

危険有害な分解生成物

塩化水素を含む、有毒で腐食性のフューム

11. 有害性情報

急性毒性

経口
【分類根拠】
(1)~(6) より、区分4とした。

【根拠データ】
(1) ラットのLD50: 575 mg/kg (MOE初期評価第4巻:暫定的有害性評価シート (2005)、GESTIS (Access on May 2020))
(2) ラットのLD50: 578 mg/kg (JMPR (2011))
(3) ラットのLD50: 雌: 578 mg/kg、雄: 595 mg/kg (農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第12号 (1992))
(4) ラットのLD50: 587 mg/kg (EPA Pesticides RED (1998))
(5) ラットのLD50: 雄: 595 mg/kg (HSDB (Access on May 2020))
(6) ラットのLD50: 684~809 mg/kg (HSDB (Access on May 2020))
経皮
【分類根拠】
(1)~(3) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) ウサギのLD50: 2,000~5,000 mg/kg (HSDB (Access on May 2020))
(2) ウサギのLD50: > 2,000~< 5,000 mg/kg (農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第12号 (1992))
(3) ラットのLD50: > 5,000 mg/kg (JMPR (2011)、農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第12号 (1992))
吸入: ガス
【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、区分に該当しない。
吸入: 蒸気
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト
【分類根拠】
(1) より、区分に該当しないとした。
なお、ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度 (8.0E-006 mg/L) よりも高いため、粉じんとしてmg/Lを単位とする基準値を適用した。

【根拠データ】
(1) ラットのLC50 (4時間): > 5 mg/L (GESTIS (Access on May 2020))
(2) 本物質の蒸気圧: 3.98E-007 mmHg (25℃) (HSDB (Access on May 2020)) (飽和蒸気圧濃度換算値: 8.0E-006 mg/L)

皮膚腐食性及び皮膚刺激性

【分類根拠】
(1)~(3) より、区分2とした。旧分類の根拠データが確認できないため、新たに得られた (1)~(3) のデータを基に分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) ウサギを用いた皮膚刺激性試験で、パッチ除去1時間後に極めて軽度~明瞭な紅斑が2/6例に認められた。明瞭~中程度ないし重度の紅斑が24、48及び72時間後に認められ、7日後には回復した。浮腫は、極めて軽度~重度の浮腫がパッチ除去1時間後に全例に認められ、72時間後まで持続したが、7日後には回復していた。皮膚一次刺激指数(PII)は4.8で、軽度~中程度の刺激性物質と考えられた (JMPR Addendum (2011))。
(2) ウサギを用いたEPA OPP 81-5 に準拠したウサギを用いた皮膚刺激性試験において中等度の刺激性を示す (EPA Pesticides RED (1998))。
(3) ヒトにおいて短期間のばく露で眼や皮膚を刺激し、発赤を生じる。長期または反復して皮膚に接触すると皮膚炎を起こすことがある (MOE初期評価第4巻:暫定的有害性評価シート (2005))。

【参考データ等】
(4) 本物質の乳剤 (有効成分 51%) 及び水和剤 (有効成分 35%) のウサギを用いた皮膚刺激性試験において、中等度~強度の刺激性と判定されている (農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第12号 (1992))。

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

【分類根拠】
(1)~(3) より、区分2Bとした。旧分類では製剤 (水和剤) の結果を基に区分1としていたため、原体の結果を基に分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) ウサギを用いた眼刺激性試験 (点眼24時間後に洗眼) で、角膜、虹彩には無影響であったが、結膜刺激影響が 1及び24時間後に6/6例に、48時間後に5/6例で認められたが、72時間以内に消失し、本物質は軽度~中程度の眼刺激性物質と考えられた(JMPR Addendum (2011))。
(2) EPA OPP 81-4 に準拠したウサギを用いた眼刺激性試験において中等度の刺激性を示す (EPA Pesticides RED (1998))。
(3) ヒトにおいて短期間のばく露で眼や皮膚を刺激し、発赤を生じる (MOE初期評価第4巻:暫定的有害性評価シート (2005))。

【参考データ等】
(4) 本物質の乳剤 (有効成分 51%) のウサギを用いた眼刺激性試験において、角膜、結膜、虹彩に変化がみられたが、7日後までに消失した (農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第12号 (1992))。
(5) 本物質の水和剤 (有効成分 35%) のウサギを用いた眼刺激性試験において、角膜、結膜、虹彩に変化がみられ、結膜及び虹彩の反応は14日後までに消失したが、角膜の変化は21日後まで持続した (農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第12号 (1992))。

呼吸器感作性

【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

皮膚感作性

【分類根拠】
(1)~(3) の記載はあるが、相反するデータが混在し、また、明確な結論が得られないため、分類できない。旧分類と相反するデータが得られたことから分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) モルモットを用いた皮膚感作性試験 (ビューラー法) において軽度から中等度の感作性を示すと報告されている (JMPR (2011))。
(2) モルモットを用いた改変ビューラー法による皮膚感作性試験 (感作: 4.2%溶液を6時間/回、3回/週、3.5週間、計10回貼付、最終感作の2週間後に11.7%溶液で惹起、1週間後に再惹起) では、一部の動物に紅斑が認められたが、対照群と明白な差が認められず、感作性に関し、明確な結論は得られていない (JMPR Addendum (2011))。
(3) EPA OPP 81-6 に準拠したモルモットを用いた皮膚感作性試験において感作性を示さない (EPA Pesticides RED (1998))。

【参考データ等】
(4) 本物質の乳剤 (有効成分 43.8%) 及び水和剤 (有効成分 36.2%) のモルモットを用いた皮膚感作性試験において、軽度の感作性と判定されている (農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第12号 (1992))。

生殖細胞変異原性

【分類根拠】
(1)、(2) より、区分に該当しないとした。

【根拠データ】
(1) in vivoでは、ラット経口投与の骨髄細胞を用いた染色体異常試験で陰性の報告がある (EPA Pesticides RED (1998)、JMPR addendum (2011)、HSDB (Access on May 2020)、農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第12号 (1992))。
(2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性の報告がある (EPA Pesticides RED (1998)、JMPR addendum (2011)、HSDB (Access on May 2020)、CEBS (Access on May 2020)、農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第12号 (1992))。哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験で陰性、遺伝子突然変異試験で陰性 (EPA Pesticides RED (1998)、JMPR addendum (2011)、HSDB (Access on May 2020))、姉妹染色分体交換試験で陰性の報告がある (JMPR addendum (2011))。

発がん性

【分類根拠】
(1)~(3) より、IARC (1987年) よりも後 (1998年) に分類されたEPAの既存分類結果に基づき、区分2とした。新たな情報源を用いて検討し分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) 国内外の分類機関による既存分類では、IARCでグループ3 (IARC Sup7 (1987))、EPAでグループC (possible human carcinogen) (EPA Pesticides RED (1998)) に分類されている。
(2) 雌雄のラット及びマウスに本物質を78週間混餌投与した発がん性試験において、雄のマウスで肝細胞がんの発生率及び肝細胞腺腫とがんの合計の発生率の有意な増加が認められた。雌のマウス及び雌雄のラットでは腫瘍発生率の増加は認められなかった (NTP TR90 (1978)、IARC 30 (1983)、EPA Pesticides RED (1998))。
(3) 雌雄のラットに本物質を2年間混餌投与した慢性毒性/発がん性併合試験では、投与に関連した腫瘍発生率の増加は認められなかった (JMPR (2011)、EPA Pesticides RED (1998))。

生殖毒性

【分類根拠】
(1) より、親動物毒性用量で生殖能に対する影響がみられている。ガイダンスに従い区分2とした。なお、新たな情報源の使用により、旧分類から分類結果を変更した。

【根拠データ】
(1) ラットを用いた混餌投与による2世代生殖毒性試験において、親動物毒性 (体重増加抑制、摂餌量減少、副腎皮質の肥大及び/または空胞化の発生率増加、卵巣間質細胞肥大及び肝細胞の変性) がみられる用量で、児動物の生存率低下がみられている (MOE初期評価第4巻:暫定的有害性評価シート (2005)、JMPR (1992)、JMPR addendum (2011))。

【参考データ等】
(2) 雌ラットの妊娠6~15日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (唾液分泌過多、体重増加の抑制、肝小葉中心性の肝細胞肥大等) がみられる用量においても胎児に影響はみられていない (MOE初期評価第4巻:暫定的有害性評価シート (2005)、農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第12号 (1992)、JMPR (1992)、JMPR addendum (2011))。
(3) 雌ウサギの妊娠7~19日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (体重減少、肝細胞の好酸性化、硝子化) がみられる用量において流産はみられたが、児動物に影響はみられていない (MOE初期評価第4巻:暫定的有害性評価シート (2005)、農薬工業会「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第12号 (1992)、JMPR (1992)、JMPR addendum (2011))。

12. 環境影響情報

生態毒性

水生環境有害性 (急性)
甲殻類 (オオミジンコ) の48時間EC50 = 0.096 mg/L (環境省生態影響試験 (1998)) から、区分1とした。
水生環境有害性 (長期間)
急性毒性が区分1、急速分解性がなく (BODによる分解度:0% (既存化学物質安全性点検データ)) 、生物蓄積性がある (BCF = 10000 (既存化学物質安全性点検データ)) ことから、区分1とした。

オゾン層への有害性

-

13. 廃棄上の注意

残余廃棄物

廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託して処理する。廃棄物の処理を委託する場合、処理業者等に危険性、有害性を十分告知の上処理を委託する。

汚染容器及び包装

容器は洗浄してリサイクルするか、関連法規制並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。

14. 輸送上の注意

国際規制

国連番号
3077
国連品名
ENVIRONMENTALLY HAZARDOUS SUBSTANCE, SOLID, N.O.S.
国連危険有害性クラス
9
副次危険
-
容器等級
海洋汚染物質
該当する
MARPOL73/78附属書Ⅱ及びIBCコードによるばら積み輸送される液体物質
-

国内規制

海上規制情報
船舶安全法の規定に従う。
航空規制情報
航空法の規定に従う。
陸上規制情報
-

特別な安全上の対策

-

その他 (一般的) 注意

輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。 重量物を上積みしない。

緊急時応急措置指針番号*

171

15. 適用法令

労働安全衛生法

-

化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法)

-

毒物及び劇物取締法

-

航空法

有害性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1)【【国連番号】3077 環境有害物質(固体)】

船舶安全法

有害性物質(危規則第3条危険物告示別表第1)【【国連番号】3077 環境有害物質(固体)】

化学物質審査規制法

第1種特定化学物質(法第2条第2項・施行令第1条)【14 2,2,2-トリクロロ-1,1-ビス(4-クロロフェニル)エタノール】

農薬取締法

販売禁止農薬(法第18条第2項、平成15年3月5日省令第11号)【22 2,2,2-トリクロロ-1,1-ビス(4-クロロフェニル)エタノール】

化審法

第1種特定化学物質

16. その他の情報

略語と頭字語

TWA: 時間加重平均
STEL: 短期暴露限度
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定

参考文献

【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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