急性毒性
経口
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
経皮
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
吸入:ガス
GHS分類: 分類対象外 GHSの定義における液体である。
吸入:蒸気
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
吸入:粉じん及びミスト
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
GHS分類: 区分外 ウサギを用いた皮膚刺激性試験において、軽度の刺激性又は刺激性はないとの試験結果 (SIDS (2002)) 、及び本物質は軽度の皮膚刺激性があるとの記述 (環境省リスク評価第8巻:暫定的有害性評価シート (2010)) から、区分外 (国連分類基準の区分3) とした。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
GHS分類: 区分2A ウサギを用いた眼刺激性試験において、非常に強い刺激性がみられたとの報告 (SIDS (2002)) 、及び本物質は強い眼刺激性があるとの記述 (環境省リスク評価第8巻:暫定的有害性評価シート (2010)) から、区分2Aとした。なお、EU CLP分類において本物質はEye Irrit. 2 に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on June 2017))。
呼吸器感作性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
GHS分類: 区分1 ヒトにおいて、0.3~10%濃度の本物質でのパッチテストで50名中2名が、検討した全濃度で著明な陽性反応を示し、50名中10名が10%濃度で中等度から著明な反応を示したとの記述 (環境省リスク評価第8巻:暫定的有害性評価シート (2010)) から、区分1とした。なお、EU CLP分類において本物質はSkin Sens. 1 に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on June 2017))。
生殖細胞変異原性
GHS分類: 区分2 In vivoでは、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験で陽性 (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on June 2017)、SIDS (2002))、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験で陽性である (SIDS (2002)、NTP DB (Access on June 2017))。以上より、ガイダンスに従い区分2とした。
発がん性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
生殖毒性
GHS分類: 区分2 ラットを用いた強制経口投与による簡易生殖毒性試験において、高用量の200 mg/kg/day では母親動物に流涎、チアノーゼ、分娩遅延が認められ、正常分娩は1/12例のみで、未分娩のまま死亡、又は分娩直後の死亡例合わせて周産期死亡例が9/12例、残りの2例も妊娠25日に未分娩のまま切迫屠殺された。新生児では200 mg/kg/day で出生率の低下、死産児及び死亡胎児の増加が認められた (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on June 2017)、SIDS (2002)、環境省リスク評価第8巻:暫定的有害性評価シート (2010))。以上、一般毒性影響のみられる用量で分娩異常、胎児/新生児死亡の増加を生じたことから、区分2とした。
特定標的臓器毒性(単回ばく露)
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。
特定標的臓器毒性(反復ばく露)
GHS分類: 区分1 (血液系) ヒトについては、本物質は医薬品フェナセチンの代謝物であり、フェナセチン投与による血液障害 (メトヘモグロビン血症) の原因物質であると報告されている (環境省リスク評価第8巻:暫定的有害評価シート (2010))。 実験動物については、ラットを用いた強制経口投与による28日間反復経口投与毒性試験において、区分2のガイダンス値の範囲内である40 mg/kg/day (90日換算: 12 mg/kg/day) 以上で赤血球数の減少、網状赤血球数の増加、尿中ウロビリノーゲンの増加、脾臓重量の増加、脾臓でヘモジデリン沈着・髄外造血亢進・うっ血、骨髄で赤芽球系の過形成、160 mg/kg/day (90日換算値: 50 mg/kg/day) でメトヘモグロビン血症、肝臓で軽度のヘモジデリン沈着・髄外造血亢進がみられ (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on June 2017)、環境省リスク評価第8巻:暫定的有害評価シート (2010))、ラットを用いた4週間反復吸入毒性試験 (6時間/日、5日/週) において、区分1のガイダンス値 (蒸気) の範囲内である86 mg/m3 (ガイダンス値換算: 0.02 mg/L) 以上で網状赤血球数増加、ヘモグロビン濃度・赤血球数・ヘマトクリット値の減少、骨髄の造血細胞の増加、脾臓でヘモジデリン沈着、区分2のガイダンス値 (ミスト) の範囲内である883 mg/m3 (ガイダンス値換算: 0.2 mg/L) で体重増加の抑制、脾臓重量増加、肝臓でヘモジデリン沈着等がみられている (環境省リスク評価第8巻:暫定的有害評価シート (2010))。 以上、血液系への影響及びそれと関連した所見がみられている。したがって、区分1 (血液系) とした。
吸引性呼吸器有害性
GHS分類: 分類できない データ不足のため分類できない。