安全データシート

1,1‐ジクロロ‐1‐フルオロエタン

改訂日:2024-05-09版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: 1,1‐ジクロロ‐1‐フルオロエタン
  • CB番号: CB2217640
  • CAS: 1717-00-6
  • 同義語: 1,1‐ジクロロ‐1‐フルオロエタン

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 発泡剤、冷媒、洗浄剤
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
2006.8.18 (環境に対する有害性についてはH18.3.31)、GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)を使用
物理化学的危険性
金属腐食性物質   分類できない
有機過酸化物   分類対象外
酸化性固体   分類対象外
酸化性液体   分類対象外
水反応可燃性化学品   分類対象外
自己発熱性化学品   分類できない
自然発火性固体   分類対象外
自然発火性液体   分類できない
自己反応性化学品   分類対象外
可燃性固体   分類対象外
引火性液体   区分外
高圧ガス   分類対象外
支燃性・酸化性ガス類   分類対象外
可燃性・引火性エアゾール   分類対象外
可燃性・引火性ガス   分類対象外
火薬類   分類対象外
健康に対する有害性
吸引性呼吸器有害性   分類できない
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)   分類できない
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)   区分3(麻酔作用 )
生殖毒性   区分2
発がん性   分類できない
生殖細胞変異原性   区分外
皮膚感作性   分類できない
呼吸器感作性   分類できない
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性   区分2B
皮膚腐食性・刺激性   区分外
急性毒性(吸入:ミスト)   分類できない
急性毒性(吸入:粉じん)   分類対象外
急性毒性(吸入:蒸気)   区分外
急性毒性(吸入:ガス)   分類対象外
急性毒性(経皮)   区分外
急性毒性(経口)   区分外
環境に対する有害性
水生環境慢性有害性   区分3
水生環境急性有害性   区分3
ラベル要素
絵表示又はシンボル
GHS07
注意喚起語
警告
危険有害性情報
長期的影響により水生生物に有害
水生生物に有害
眠気及びめまいのおそれ
生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い
眼刺激
注意書き
内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託すること。
【廃棄】
施錠して保管すること。
容器を密閉して換気の良い場所で保管すること。
【保管】
ばく露又はその懸念がある場合、医師の診断、手当てを受けること。
吸入した場合、気分が悪い時は、医師に連絡すること。
吸入した場合、被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
眼に入った場合、眼の刺激が持続する場合は医師の診断、手当てを受けること。
眼に入った場合、水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
【応急措置】
環境への放出を避けること。
取扱い後はよく手を洗うこと。
ミスト、蒸気、スプレーの吸入を避けること。
適切な個人用保護具を使用すること。
屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。
使用前に取扱説明書を入手すること。
【安全対策】

3. 組成及び成分情報

  • 化学名又は一般名: 1,1‐ジクロロ‐1‐フルオロエタン
  • 分子式(分子量): C2H3Cl2F (116.95)
  • CAS番号:: 1717-00-6
  • 官報公示整理番号(化審法・安衛法): 化審法-(2)-3682    安衛法-2-(13)-28
  • 分類に寄与する不純物及び安定化添加物: データなし
  • 濃度又は濃度範囲: 1

4. 応急措置

吸入した場合

気分が悪い時は、医師に連絡すること。
被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。

皮膚に付着した場合

皮膚刺激が生じた場合、医師の診断、手当てを受けること。
水と石鹸で洗うこと。

目に入った場合

眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。
水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。

飲み込んだ場合

気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
口をすすぐこと。

予想される急性症状及び遅発性症状

データなし

最も重要な兆候及び症状

データなし

応急措置をする者の保護

データなし

医師に対する特別注意事項

データなし

5. 火災時の措置

消火剤

水噴霧、泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類

使ってはならない消火剤

棒状放水

特有の危険有害性

化学的危険性:高温面や炎に触れると分解して、有毒で腐食性のガス(塩化水素、フッ化水素など)が生成される。
物理的危険性:空気より重く、天井の低い場所では滞留して酸素欠乏になることがある。
危険でなければ火災区域から容器を移動する。
加熱により容器が爆発するおそれがある。
不燃性であり、それ自身は燃えないが、加熱されると分解して、腐食性及び/又は毒性の煙霧を発生するおそれがある。

特有の消火方法

消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。
危険でなければ火災区域から容器を移動する。

消火を行う者の保護

適切な空気呼吸器、防護服(耐熱性)を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具および緊急措置

密閉された場所は換気する。
低地から離れる。
風上に留まる。
関係者以外の立入りを禁止する。
直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
全ての着火源を取り除く。
作業者は適切な保護具(『8.ばく露防止措置及び保護措置』の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。

環境に対する注意事項

環境中に放出してはならない。

回収・中和

漏洩物を掃き集めて密閉できる空容器に回収し、後で廃棄処理する。

封じ込め及び浄化方法・機材

危険でなければ漏れを止める。

二次災害の防止策

危険がなければ漏れをとめる。
すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策
『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気・全体換気
『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。
安全取扱い注意事項
取扱い後はよく手を洗うこと。
ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
眼に入れないこと。
屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。
使用前に使用説明書を入手すること。
接触回避
データなし

保管

技術的対策
特別に技術的対策は必要としない。
混触危険物質
データなし
保管条件
容器を密閉して保管すること。
冷所、換気の良い場所で保管すること。
容器包装材料
データなし

8. ばく露防止及び保護措置

管理濃度

未設定

許容濃度(ばく露限界値、生物学的ばく露指標)

日本産衛学会(2007年版)
未設定
ACGIH(2007年版)
未設定

設備対策

ばく露を防止するため、装置の密閉化又は局所排気装置を設置すること。
この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。

保護具

呼吸器の保護具
適切な呼吸器保護具を着用すること。
手の保護具
適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具
適切な眼の保護具を着用すること。
皮膚及び身体の保護具
適切な保護衣を着用すること。

衛生対策

取扱い後はよく手を洗うこと。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
液体
データなし
臭い
データなし
pH
データなし

融点・凝固点

-103.5℃ : NITE総合検索 (Access on Sep. 2008)

沸点、初留点及び沸騰範囲

32℃ : Lide (84th, 2003)

引火点

非引火性 : HSDB (2006)

自然発火温度

データなし

燃焼性(固体、ガス)

データなし

爆発範囲

データなし

蒸気圧

591mmHg (25℃) (実測値) : NITE総合検索 (Access on Sep. 2008)

蒸気密度

データなし

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし

比重(密度)

1.25g/cm3 (10℃) : NITE総合検索 (Access on Sep. 2008)

溶解度

水 : 0.042% (25℃) (実測値) : NITE総合検索 (Access on Sep. 2008)

オクタノール・水分配係数

logPow=2.37 : PHYSPROP Database (2005)

分解温度

データなし

粘度

データなし

粉じん爆発下限濃度

データなし

最小発火エネルギー

データなし

体積抵抗率(導電率)

データなし

10. 安定性及び反応性

安定性

法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる

危険有害反応可能性

データなし

避けるべき条件

データなし

混触危険物質

データなし

危険有害な分解生成物

データなし

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットを用いた経口投与試験のLD50=>5,000mg/kg (SIDS (2003)) に基づき、区分外とした。
経皮
ラット、ウサギを用いた経皮投与試験のLD50 >2000mg/kg (ラット)、>2000mg/kg (ウサギ) (ともにSIDS (2003))とあり、両報告はTG402に従ったものであり、また毒性症状についても主だった重篤な症状報告はされていないことから、区分外とした。
吸入
吸入(蒸気):   ラットを用いた吸入ばく露試験 (蒸気) のLC50 297.6mg/L (4時間)(SIDS (2003))、295 mg/L(4時間) (EHC 139 (1992))、300.7mg/L(4時間) (ECETOC JACC 15 (1990))に基づき、計算式を適用してLC50(4時間換算値)の62,100ppmが得られた。飽和蒸気圧76.3kPa(25℃)(SIDS (2003))における飽和蒸気濃度は763,000ppmである。今回得られたLC50は、飽和蒸気濃度の90%より低い濃度であるため、「ミストがほとんど混在しない蒸気」として、ppm濃度基準値で区分外とした。
吸入(ミスト):   データなし
吸入(ガス):   GHS定義による液体であることから、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。

皮膚腐食性・刺激性

ウサギを用いた皮膚刺激性試験結果から、SIDS (2003)では「It is not irritating to the skin.」と結論付けていることから、皮膚刺激性を示さないと考えられ、区分外とした。

眼に対する重篤な損傷・刺激性

SIDS (2003)のウサギを用いた眼刺激性試験結果にて、「mild irritation (conjunctivitis, chemosis, and moderate blood-tinged discharge) with no corneal involvement.All treated eyes of all rabbits were normal by 72-hours after treatment」「陰性」両方の試験結果がともに1つづつあるが、SIDS (2003)では「It is only mildly irritating to the eye.」 と結論付けていることから、軽度の刺激性を有すると考えられ、区分2Bとした。

呼吸器感作性又は皮膚感作性

呼吸器感作性:データなし 皮膚感作性: SIDS (2003)のモルモットを用いた皮膚感作性試験にて、「It is not a skin sensitizer in the Guinea pig.」と結論付けているが、他に情報がないため、感作性の有無については判断し難く、分類できないとした。

生殖細胞変異原性

SIDS (2003)、EHC 139 (1992) の記述から、経世代変異原性試験なし、生殖細胞in vivo変異原性試験なし、体細胞in vivo変異原性試験 (小核試験) で陰性であることから、区分外とした。

発がん性

データ不足のため分類できない。

生殖毒性

SIDS (2003)、EHC 139 (1992) の記述から、親動物に一般毒性のみられる用量で生殖及び発生への影響 (受胎能力低下、着床胚損失率低下など) がみられることから、区分2とした。

12. 環境影響情報

水生環境急性有害性

甲殻類(オオミジンコ)の48時間LC50=31mg/L(ECETOC TR91、2003)から、区分3とした。

水生環境慢性有害性

急性毒性が区分3、生物蓄積性が低いと推定されるものの(log Kow=2.37(PHYSPROP Database、2005))、急速分解性がない(BODによる分解度:2-10%(EHC139、1992))ことから、区分3とした。

13. 廃棄上の注意

残余廃棄物

廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。
廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。

汚染容器及び包装

空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。
容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。

14. 輸送上の注意

国際規制

海上規制情報
該当しない
航空規制情報
該当しない
UNNo.
該当しない

国内規制

陸上規制情報
該当しない
海上規制情報
該当しない
航空規制情報
該当しない

特別安全対策

重量物を上積みしない。
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
移送時にイエローカードの保持が必要。

15. 適用法令

大気汚染防止法

揮発性有機化合物対象外物質(法第2条4項、令第2条の2)(政令番号:4)

化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)

第1種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)(政令番号:1-132)

化審法

新規公示化学物質(2011年3月31日以前届出)

16. その他の情報

略語と頭字語

TWA: 時間加重平均
STEL: 短期暴露限度
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定

参考文献

【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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