急性毒性
経口
【分類根拠】
(1)~(5) より、区分4とした。
【根拠データ】
(1) ラットのLD50: 750 mg/kg (EPA Pesticide (2006))
(2) ラットのLD50: 750~2,665 mg/kg (NITE有害性評価書 (2008))
(3) ラットのLD50: 1,590 mg/kg (HSDB (Access on September 2019))
(4) ラットのLD50: 2,000 mg/kg (環境省リスク評価第17巻 (2019))
(5) ラットのLD50: 雄: 2,000 mg/kg、2,132 mg/kg、雌: 2,200 mg/kg、2,030 mg/kg (農薬工業会「日本農薬学会誌」第12巻 第2号 (1987))
経皮
【分類根拠】
(1)~(4) より、区分に該当しない。
【根拠データ】
(1) ラットのLD50: > 2,000 mg/kg (EPA Pesticide (2006)、NITE有害性評価書 (2008))
(2) ラットのLD50: > 5,000 mg/kg (環境省リスク評価第17巻 (2019)、農薬工業会「日本農薬学会誌」第12巻 第2号 (1987))
(3) ウサギのLD50: > 2,000 mg/kg (NITE有害性評価書 (2008))
(4) ラットのLD50: 10,000 mg/kg (環境省リスク評価第17巻 (2019)、HSDB (Access on September 2019)、農薬工業会「日本農薬学会誌」第12巻 第2号 (1987))
吸入: ガス
【分類根拠】
GHSの定義における液体であり、ガイダンスの分類対象外に相当し、区分に該当しない。
吸入: 蒸気
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分2とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (0.0002 mg/L) よりも高いため、ミストとしてmg/Lを単位とする基準値を適用した。
【根拠データ】
(1) ラットのLC50 (4時間): 0.07 mg/L (EPA Pesticide (2006)、食品安全委員会 農薬評価書 (2010))
(2) ラットのLC50 (4時間): 約0.1 mg/L (NITE有害性評価書 (2008))
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分2とした。
【根拠データ】
(1) EPA OPPTS 870.2500に準拠し、本物質 (有効成分: 80%) をウサギに適用した皮膚刺激性試験で一次刺激性スコア (PIS) は7.42であり、72時間後には重度の紅斑と浮腫がみられた (EPA Pesticide (2006)、食品安全委員会 農薬評価書 (2010))。
(2) ウサギの皮膚刺激性試験で、強度の皮膚刺激性が認められた (NITE有害性評価書 (2008))。
【参考データ等】
(3) EU-CLP分類でSkin Irrit. 2 (H315) に分類されている (EU CLP分類 (Access on September 2019))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
【分類根拠】
(1) より、区分1とした。新たなデータが得られたことから区分を変更した。
【根拠データ】
(1) EPA OPPTS 870.2400に準拠し、本物質 (有効成分: 60%) をウサギに適用した眼刺激性試験で一次刺激性スコア (PIS) は34 (最大 110) であり、7日後までに回復しなかった (EPA Pesticide (2006))。
【参考データ等】
(2) EU-CLP分類でEye Irrit. 2 (H319) に分類されている (EU CLP分類 (Access on September 2019))。
呼吸器感作性
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分1とした。新たなデータが得られたことから区分を変更した。
【根拠データ】
(1) EPA OPPTS 870.2600に準拠したモルモットを用いた皮膚感作性試験で陽性と判定されている (EPA Pesticide (2006))。
(2) モルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法) において強度の感作性と判定されている (NITE有害性評価書 (2008))。
【参考データ等】
(3) EU-CLP分類でSkin Sens. 1B (H317) に分類されている (EU CLP分類 (Access on September 2019))。
生殖細胞変異原性
【分類根拠】
(1)、(2) より、in vivo、in vitro試験を含む標準的組合せ試験でいずれも陰性であったことから、ガイダンスにおける分類できないに相当し、区分に該当しない。
【根拠データ】
(1) in vivoでは、マウス小核試験及び染色体異常試験で陰性の報告がある (NITE有害性評価書 (2008)、環境省リスク評価第17巻 (2019))。
(2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の小核試験、遺伝子突然変異試験、姉妹染色分体交換試験及び不定期DNA合成試験で陰性の報告がある (同上)。
発がん性
【分類根拠】
(1) の既存分類結果からガイダンスに従い区分2とした。既存分類結果に従い分類結果を変更した。
【根拠データ】
(1) 国内外の分類機関による既存分類では、EPAでC (Possible Human Carcinogen) (EPA Pesticide (2006)) に分類されている。
【参考データ等】
(2) ラットに本物質を2年間混餌投与した慢性毒性/発がん性併合試験では、雄で精巣間細胞腺腫の有意な増加、雌で甲状腺C細胞腺腫の有意な増加が認められた (環境省リスク評価第17巻 (2019)、食品安全委員会 農薬評価書 (2010))。
(3) マウスに本物質を2年間混餌投与した発がん性試験では、投与に関連した腫瘍性病変は認められなかった (食品安全委員会 農薬評価書 (2010))。
生殖毒性
【分類根拠】
(1) より、母動物毒性発現量で胎児に骨格異常が認められたことから、区分2とした。
【根拠データ】
(1) 雌ラットの妊娠6~15日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (被毛粗剛、呼吸困難又は喘鳴、下痢又は無糞、立毛及び円背歩行等) がみられる用量で胎児に癒合又は波状肋骨、痕跡状肋骨(頚肋、肋骨及び腰肋)、胸骨分節及び下肢帯の異常の増加がみられている (食品安全委員会 農薬評価書 (2010)、NITE有害性評価書 (2008))。
【参考データ等】
(2) ラットを用いた混餌投与による2世代生殖毒性試験において、生殖影響はみられていない (食品安全委員会 農薬評価書 (2010))。
(3) 雌ウサギの妊娠6~19日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (死亡 (2/20例)、体重増加抑制) がみられる用量において、胎児に影響はみられていない (食品安全委員会 農薬評価書 (2010))。