安全データシート

2,3,6-トリメチルフェノール

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: 2,3,6-トリメチルフェノール
  • CB番号: CB0717010
  • CAS: 2416-94-6
  • 同義語: 2,3,6-トリメチルフェノール

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: ビタミンEの合成のための重要な原料、ポリフェニレンオキシド樹脂修飾のためのコモノマー
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
H23.1.31、政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7月版)を使用
健康に対する有害性
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)   区分2(造血系)
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)   区分2(全身毒性)
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性   区分2
皮膚腐食性・刺激性   区分2
急性毒性(経口)   区分4
環境に対する有害性
注) 上記で区分の記載がない危険有害性は政府向けガイダンス文書で規定された[分類対象外]、[区分外]または[分類できない]に該当するものであり、後述の該当項目の説明を確認する必要がある。
<環境分類実施日に関する情報>
水生環境慢性有害性   区分2
水生環境急性有害性   区分2

ラベル要素

絵表示又はシンボル
GHS07GHS05
注意喚起語
危険
危険有害性情報
重篤な皮膚の薬傷・眼の損傷
注意書き
[安全対策]
粉じん、ミストを吸入しないこと。
取扱い後は手や顔をよく洗うこと。
保護手袋、保護衣、保護面を着用すること。
[応急措置]
飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。直ちに医師に連絡
すること。
皮膚(または髪)に付着した場合:直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと。
皮膚を流水、シャワーで洗うこと。直ちに医師に連絡すること。汚染された衣
類を再使用する場合には洗濯すること。
吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させるこ
と。直ちに医師に連絡すること。
眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを着用して
いて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。直ちに医師に
連絡すること。
[保管]
施錠して保管すること。
[廃棄]
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託す
ること。

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質/混合物の区別: : 化学物質
  • 化学名又は一般名: : 2,3,6-トリメチルフェノール
  • 濃度又は濃度範囲: : >98.0%(GC)
  • CAS RN: : 2416-94-6
  • 別名 : 3-Hydroxypseudocumene
  • 化学式: : C9H12O
  • 官報公示整理番号 化審法: : (3)-540, (4)-57, (9)-899
  • 官報公示整理番号 安衛法: : 公表化学物質

4. 応急措置

吸入した場合:

に医師に連絡すること。
被災者を空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。直ち

皮膚に付着した場合:

洗うこと。直ちに医師に連絡すること。
直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。多量の水と石鹸で

目に入った場合:

て洗うこと。直ちに医師に連絡すること。
水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易にはずせる場合は外し

飲み込んだ場合:

直ちに医師に連絡すること。口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。

応急措置をする者の保護:

救助者はゴム手袋、密閉ゴーグルなどの保護具を着用する。

5. 火災時の措置

適切な消火剤:

粉末, 泡, 水噴霧, 二酸化炭素

特有の消火方法:

消火作業は、風上から行い、周囲の状況に応じた適切な消火方法を用いる。関係者以外は安全な場所に退去させる。周辺火災時、移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。

消火を行う者の保護:

消火作業の際は、必ず保護具を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置:

る。
漏出した場所の周辺に、ロープを張るなどして関係者以外の立入りを禁止す
漏出場所の風上から作業し、風下の人を退避させる。
個人用保護具を着用する。

環境に対する注意事項:

製品が排水路に排出されないよう注意する。

封じ込め及び浄化の方法及び機材:

付着物、回収物などは、関係法規に基づき速やかに処分する。
粉塵の飛散に注意しながら掃き集め、密閉容器に回収する。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策:
取扱いは換気のよい場所で行う。適切な保護具を着用する。粉塵が飛散しないように注意する。取扱い後は手や顔などをよく洗う。
注意事項:
できれば、密閉系で取扱う。粉塵やエアゾールが発生する場合には、局所排気を用いる。
安全取扱い注意事項:
皮膚、眼および衣類との接触を避ける。

保管

適切な保管条件:
容器を密栓して冷暗所に保管する。不活性ガスを充填する。施錠して保管する。酸化剤などの混触危険物質から離して保管する。
避けるべき保管条件:
空気
安全な容器包装材料:
法令の定めるところに従う。

8. ばく露防止及び保護措置

設備対策:

密閉化した設備又は局所排気装置を設ける。取扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄用の設備を設ける。

管理濃度:

設定されていない。

保護具

呼吸用保護具:
防塵・防毒マスク、自給式呼吸器、送気マスク等。
手の保護具:
不浸透性の手袋。
眼、顔面の保護具:
保護眼鏡(ゴーグル型)。状況に応じ保護面。
皮膚及び身体の保護具:
不浸透性の保護衣。状況に応じ、保護長靴。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
結晶性粉末
白色~黄色
臭い
データなし
pH
データなし

融点・凝固点

63 ℃ : Lide (90th, 2009)

沸点、初留点及び沸騰範囲

226 ℃ : HSDB (2003)

引火点

100 ℃ (CC) : IUCLID (2000)

自然発火温度

405 ℃ : GESTIS (Access on Aug. 2010)

燃焼性(固体、ガス)

データなし

爆発範囲

下限: 1,5 Vol.%、上限: 7,7 Vol.% : GESTIS (Access on Aug. 2010)

蒸気圧

0.035 mmHg (25 ℃) : Howard (1997)

蒸気密度

データなし

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし

比重(密度)

0.963 (80 ℃) : Ullmanns(E) (6th, 2003) (0.94 g/cm3 (100 ℃) : IUCLID (2000))

溶解度

データなし
1580 mg/L (25 ℃ EXP) : SRC (Access on Aug. 2010)

オクタノール・水分配係数

2.67 EXP : SRC (Access on Aug. 2010)

分解温度

データなし

粘度

データなし

粉じん爆発下限濃度

データなし

最小発火エネルギー

データなし

体積抵抗率(導電率)

データなし

10. 安定性及び反応性

反応性:

情報なし

化学的安定性:

適切な条件下においては安定。

危険有害反応可能性:

特別な反応性は報告されていない。

避けるべき条件:

情報なし

混触危険物質:

酸化剤

危険有害な分解生成物:

二酸化炭素, 一酸化炭素

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットLD50値:1400-2000 mg/kg [OECD化学物質試験法ガイドライン、化学物質GLP準拠](厚労省報告(Access on Aug. 2010))。(GHS分類:区分4)
経皮
ラットLD50値:>2000 mg/kg bw [OECD TG 402](IUCLID (2000))。(GHS分類:区分外(分類JIS基準))
吸入
吸入(粉じん):   データなし。(GHS分類:分類できない)
吸入(蒸気):   飽和蒸気圧濃度(4時間換算値:0.363 mg/L)で死亡なし(IUCLID (2000))。(GHS分類:データ不足で分類できない。)
吸入(ガス):   GHSの定義における固体である。(GHS分類:分類対象外)

皮膚腐食性・刺激性

ウサギを用いた試験(OECDTG404)で刺激性(irritating)(IUCLID(2000))。(GHS分類:区分2)

眼に対する重篤な損傷・刺激性

ウサギを用いた試験において刺激性あり(irritating)(IUCLID(2000))。(GHS分類:区分2)

呼吸器感作性又は皮膚感作性

皮膚感作性:データなし。(GHS分類:分類できない)
呼吸器感作性:データなし。(GHS分類:分類できない)

生殖細胞変異原性

サルモネラ菌および大腸菌を用いたAmes試験で陰性(厚労省報告 (Access on Aug. 2010) )、チャイニーズハムスター肺由来細胞を用いた染色体異常試験で陽性(厚労省報告 (Access on Aug. 2010))。(GHS分類:in vivoの試験データがなく分類できない。)

発がん性

データなし。(GHS分類:分類できない)

生殖毒性

データなし。(GHS分類:分類できない)

特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)

ラットを用いた経口投与試験(用量:1000、1400、2000 mg/kg)において、1000 mg/kgの投与群で投与1時間以内に刺激に対し無反応となり、側臥位あるいは腹臥位姿勢を示し、これらの毒性症状の強さおよび持続性は用量依存的であった。また投与量1400~2000 mg/kgの死亡時の剖検では、心嚢水の増量および胸水の貯留が認められたほか、肺と肝臓の暗赤色化、腺胃粘膜の白濁や赤色化などが見られた(厚労省報告 (Access on Aug. 2010) )。(GHS分類:区分2(全身毒性))

特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)

ラットに28日間混餌投与による試験(OECD TG 407, GLP準拠)において、高用量(1346 mg/kg b.w./day、90日換算417.26 mg/kgに相当)で雌雄に赤血球数、ヘモグロビンおよびヘマトクリット値の減少、脾臓の髄外造血とヘモジデリン沈着、骨髄では一部の動物に赤血球生成のわずかな増加が見られ、中用量(273 mg/kg b.w./d、90日換算84.63 mg/kgに相当)では試験物質による唯一の影響は雌のヘマトクリット値の減少であった(IUCLID (2000))。以上の結果から、溶血性貧血が示唆されていること、標的臓器は脾臓、骨髄、赤血球系であるとの記載(IUCLID (2000))がある。なお、ラットに28日間強制経口投与した試験(化審法ガイドライン、化学物質GLP準拠)では、1000 mg/kg/dayの用量で溶血を示唆する変化が記載されている(厚労省報告 (Access on Aug. 2010))。(GHS分類:区分2(造血系))

吸引性呼吸器有害性

データなし。(GHS分類:分類できない)

12. 環境影響情報

生態毒性:

魚類:
情報なし
甲殻類:
情報なし
藻類:
情報なし

残留性・分解性:

1 % (by BOD) , 6 % (by TOC) , 5 % (by HPLC)*既存化学物質安全性点検による判定結果:難分解性

生体蓄積性(BCF):

情報なし*既存化学物質安全性点検による判定結果:低濃縮性

土壌中の移動性

オクタノール/水分配係数:
情報なし
土壌吸着係数(Koc):
情報なし
ヘンリー定数(PaM 3/mol):
情報なし

オゾン層への有害性:

情報なし

13. 廃棄上の注意

処理施設がないなどの理由で廃棄できない場合は、許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託する。
空容器を処分する時は、内容物を完全に除去した後に行う。
却炉で焼却する。
焼却処理する場合には、可燃性溶剤に溶解または混合した後、アフターバーナー及びスクラバーを備えた焼
地方条例や国内規制に従う。
適切な保護具を着用する。

14. 輸送上の注意

国連番号:

1759

品名(国連輸送名):

Corrosive solid, n.o.s.

国連分類:

クラス8(腐食性物質)

容器等級:

輸送の特定の安全対策及び条件:

積み込み、荷崩れの防止を確実に行い、法令の定めるところに従う。
運搬に際しては容器に漏れのないことを確かめ、転倒、落下、損傷のないように

15. 適用法令

化審法

第2種監視化学物質(法第2条第5項)(政令番号:2監-917)

船舶安全法

腐食性物質(危規則第3条危険物告示別表第1)

航空法

腐食性物質(施行規則第194条危険物告示別表第1)

16. その他の情報

略語と頭字語

RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
STEL: 短期暴露限度
TWA: 時間加重平均
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

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