急性毒性
経口
【分類根拠】
(1)~(3) より、区分4とした。
【根拠データ】
(1) ラットのLD50: 雌: 630 mg/kg、雄: 790 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2009)、農薬抄録 (2009))
(2) ラットのLD50: 630~1,070 mg/kg (農薬工業会「食品衛生研究」第47巻第2号 (1997))
(3) ラットのLD50: 雌: 845 mg/kg、雄: 1,070 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2009)、農薬抄録 (2009))
経皮
【分類根拠】
(1) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】
(1) ラットのLD50: > 5,000 mg/kg (食安委 農薬評価書 (2009)、農薬抄録 (2009))
吸入: ガス
【分類根拠】
GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。
吸入: 蒸気
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト
【分類根拠】
(1) からは区分を特定できず、分類できないとした。
ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度 (0.011 mg/L) よりも高いため、ミストとしてmg/Lを単位とする基準値を適用した。
【根拠データ】
(1) ラットのLC50 (4時間): > 1.2 mg/L (食安委 農薬評価書 (2009)、農薬抄録 (2009))
(2) 本物質の蒸気圧: 6.3E-004 mmHg (27℃) (農薬工業会 (1984)) (飽和蒸気圧濃度換算値: 0.011 mg/L)
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
【分類根拠】
(1) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】
(1) ウサギを用いた皮膚刺激性試験において刺激性は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2009)、農薬抄録 (2009))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
【分類根拠】
(1) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】
(1) ウサギを用いた眼刺激性試験において刺激性は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2009)、農薬抄録 (2009))。
呼吸器感作性
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
【分類根拠】
旧分類では (1) のデータを基に区分外としたものと推察されるが、ドレイズ法は OECD TGとして登録されていない手法であるため、分類できないとした。
【参考データ等】
(1) モルモットを用いた皮膚感作性試験 (ドレイズ法) で陰性と報告されている (食安委 農薬評価書 (2009)、農薬抄録 (2009))。
生殖細胞変異原性
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】
(1) in vivoでは、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験において陰性の報告がある (食安委 農薬評価書 (2009)、農薬抄録 (2009))。
(2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験において陰性の報告がある。一方、哺乳類培養細胞において染色体異常を誘発しないが、低頻度ながら倍数体細胞を増加させるとの報告がある (同上)。
発がん性
【分類根拠】
国内外の分類機関による既存分類はない。利用可能なヒトを対象とした報告はない。(1)、(2) より区分に該当しないとした。
【根拠データ】
(1) 雌雄のラットに本物質を2年間又は2年1ヵ月間混餌投与した慢性毒性/発がん性併合試験では、発がん性は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2009))。
(2) 雌雄のマウスに本物質を16ヵ月間混餌投与した発がん性試験では、発がん性は認められなかった (食安委 農薬評価書 (2009))。
生殖毒性
【分類根拠】
(1) より、親動物毒性がみられない用量で哺育期間中の生存児数減少が認められている。しかし、 (1)~(3) より、この他に繁殖能、出生時の影響、胎児に影響がみられないことから「追加区分:授乳に対する又は授乳を介した影響」とした。
【根拠データ】
(1) ラットを用いた混餌投与による3世代繁殖試験において、親動物毒性がみられない用量 (最高用量である300 ppm (雄: 24.37 mg/kg/day、雌: 31.60 mg/kg/day) で、哺育期間中の生存児数減少 (F1児動物: P、F1及びF2世代の哺育12及び21日) が認められた (食安委 農薬評価書 (2009)、農薬抄録 (2009))。
(2) 雌ラットの妊娠6~15日に強制経口投与した発生毒性試験において、最高用量である125 mg/kg/day で母動物毒性 (体重増加抑制、1 例にラ音、呼吸困難及び流涎) がみられたが胎児に影響はみられていない (食安委 農薬評価書 (2009))。
(3) 雌ウサギの妊娠6~18日に強制経口投与した発生毒性試験において、最高用量である80 mg/kg/dayで母動物毒性 (死亡及び体重増加抑制) がみられたが胎児に影響はみられていない (食安委 農薬評価書 (2009))。