安全データシート

シクロフォスファミド

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: シクロフォスファミド
  • CB番号: CB5345867
  • CAS: 6055-19-2
  • 同義語: シクロホスファミド水和物

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 抗悪性腫瘍薬、特に副腎皮質ステロイド及びビンクリスチンとの併用でホジキン病と非ホジキンリンパ腫の治療、小児の慢性リンパ球性白血病、慢性顆粒球白血病、急性骨髄性、単芽球性白血病及び急性リンパ芽球白血病の治療、多発性骨髄腫、菌状息肉腫、神経芽細胞腫、卵巣腺癌、網膜芽腫、乳癌及び特定の肺がん
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
H22.3.16、政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版)を使用
物理化学的危険性
金属腐食性物質   分類できない
有機過酸化物   分類対象外
酸化性固体   分類できない
酸化性液体   分類対象外
水反応可燃性物質   区分外
自己発熱性化学品   分類できない
自然発火性固体   分類できない
自然発火性液体   分類対象外
自己反応性化学品   分類対象外
可燃性固体   分類できない
引火性液体   分類対象外
高圧ガス   分類対象外
酸化性ガス類   分類対象外
引火性エアゾール   分類対象外
引火性・可燃性ガス   分類対象外
火薬類   分類対象外
健康に対する有害性
吸引性呼吸器有害性   分類できない
特定標的臓器毒性(反復ばく露)   区分1(骨髄、心臓、肝臓、免疫系、全身毒性)
特定標的臓器毒性(単回ばく露)   区分1(骨髄)
生殖毒性   区分1A授乳に対するまたは授乳を介した影響
発がん性   区分1A
生殖細胞変異原性   区分1B
皮膚感作性   分類できない
呼吸器感作性   分類できない
眼に対する重篤な損傷性・刺激性   分類できない
皮膚腐食性・刺激性   分類できない
急性毒性(吸入:ミスト)   分類対象外
急性毒性(吸入:粉じん)   分類できない
急性毒性(吸入:蒸気)   分類できない
急性毒性(吸入:ガス)   分類対象外
急性毒性(経皮)   分類できない
急性毒性(経口)   区分3
環境に対する有害性
水生環境慢性有害性   分類できない
水生環境急性有害性   分類できない

ラベル要素

絵表示又はシンボル
GHS06GHS08
注意喚起語
危険
危険有害性情報
授乳中の子に害を及ぼすおそれ
発がんのおそれ
遺伝性疾患のおそれ
皮膚刺激
飲み込むと有毒
注意書き
[安全対策]
使用前に取扱説明書を入手すること。
すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
粉じん、ミストを吸入しないこと。
妊娠中/授乳期中は接触を避けること。
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。
取扱い後は手や顔をよく洗うこと。
保護手袋、保護衣、保護面を着用すること。
[応急措置]
飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。口をすすぐこと。
皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。皮膚刺激が生じた場合:医
師の診断、手当てを受けること。汚染された衣類を再使用する場合には洗濯す
ること。
暴露または暴露の懸念がある場合:医師の診断、手当てを受けること。
[保管]
施錠して保管すること。
[廃棄]
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託す
ること。

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質/混合物の区別: : 化学物質
  • 化学名又は一般名: : シクロホスファミド一水和物
  • 濃度又は濃度範囲: : >98.0%(N)
  • CAS RN: : 6055-19-2
  • 別名 : 2-[Bis(2-chloroethyl)amino]tetrahydro-1,3,2-oxazaphosphorin-2-oxide Monohydrate
  • 化学式: : C7H15Cl2N2O2P・H2O
  • 官報公示整理番号 化審法: : 該当なし

4. 応急措置

吸入した場合:

手当てを受けること。
空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。医師の診断、

皮膚に付着した場合:

洗うこと。医師の診断、手当てを受けること。
直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。多量の水と石鹸で

目に入った場合:

て洗うこと。医師の診断、手当てを受けること。
水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易にはずせる場合は外し

飲み込んだ場合:

直ちに医師に連絡すること。口をすすぐこと。

応急措置をする者の保護:

救助者はゴム手袋、密閉ゴーグルなどの保護具を着用する。

5. 火災時の措置

適切な消火剤:

粉末, 泡, 水噴霧, 二酸化炭素

火災時の特定危険有害性:

燃焼や高温により分解し、有毒なヒュームを発生する恐れがあるので注意する。

特有の消火方法:

消火作業は、風上から行い、周囲の状況に応じた適切な消火方法を用いる。関係者以外は安全な場所に退去させる。周辺火災時、移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。

消火を行う者の保護:

消火作業の際は、必ず保護具を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置:

る。
漏出した場所の周辺に、ロープを張るなどして関係者以外の立入りを禁止す
漏出場所の風上から作業し、風下の人を退避させる。
個人用保護具を着用する。

環境に対する注意事項:

製品が排水路に排出されないよう注意する。

封じ込め及び浄化の方法及び機材:

付着物、回収物などは、関係法規に基づき速やかに処分する。
粉塵の飛散に注意しながら掃き集め、密閉容器に回収する。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策:
取扱いは換気のよい場所で行う。適切な保護具を着用する。粉塵が飛散しないように注意する。取扱い後は手や顔などをよく洗う。
注意事項:
できれば、密閉系で取扱う。粉塵やエアゾールが発生する場合には、局所排気を用いる。
安全取扱い注意事項:
あらゆる接触を避ける。

保管

適切な保管条件:
容器を密栓して冷蔵庫に保管する。不活性ガスを充填する。施錠して保管する。酸化剤などの混触危険物質から離して保管する。
避けるべき保管条件:
熱, 光, 空気
安全な容器包装材料:
法令の定めるところに従う。

8. ばく露防止及び保護措置

設備対策:

密閉化した設備又は局所排気装置を設ける。取扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄用の設備を設ける。

管理濃度:

設定されていない。

保護具

呼吸用保護具:
防塵・防毒マスク、自給式呼吸器、送気マスク等。
手の保護具:
不浸透性の手袋。
眼、顔面の保護具:
保護眼鏡(ゴーグル型)。状況に応じ保護面。
皮膚及び身体の保護具:
不浸透性の保護衣。状況に応じ、保護長靴。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
固体
白色
臭い
無臭
pH
3.9-7.1 (1 in 100) : IARC vol.26 (1981)

融点・凝固点

51.5 - 52.5 ℃ : Merck (14th, 2006) /49.5 - 53 ℃ : IARC vol.26 (1981)

沸点、初留点及び沸騰範囲

データなし

引火点

112 ℃ : SITTIG (5th, 2008)

自然発火温度

データなし

燃焼性(固体、ガス)

データなし

爆発範囲

データなし

蒸気圧

データなし

蒸気密度

データなし

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし

比重(密度)

データなし、(データなし)

溶解度

アルコール、ベンゼン、エチレングリコール、クロロホルム、ジオキサンに可溶、エーテル、アセトンに難溶 : Merck (14th, 2006)
40 g/L : Merck (14th, 2006)

オクタノール・水分配係数

データなし

分解温度

データなし

粘度

データなし

粉じん爆発下限濃度

データなし

最小発火エネルギー

データなし

体積抵抗率(導電率)

データなし

10. 安定性及び反応性

反応性:

情報なし

化学的安定性:

適切な条件下においては安定。

危険有害反応可能性:

特別な反応性は報告されていない。

避けるべき条件:

情報なし

混触危険物質:

酸化剤

危険有害な分解生成物:

二酸化炭素, 一酸化炭素, 窒素酸化物, 塩化水素, りん酸化物

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットLD50値は192.4 mg/kg (IARC vol.26 (1981))であるとの報告に基づき、区分3とした。
経皮
データなし。
吸入
吸入(粉じん、ミスト):   データなし。
吸入(蒸気):   データなし。
吸入(ガス):   GHS定義における固体である。

皮膚腐食性・刺激性

データなし。

眼に対する重篤な損傷・刺激性

データなし。

呼吸器感作性又は皮膚感作性

皮膚感作性:データなし。
呼吸器感作性:データなし。

生殖細胞変異原性

マウス及びラットを用いた優性致死試験(生殖細胞in vivo経世代変異原性試験)で陽性の報告(IARC vol.26 (1981))に基づき区分1Bとした。なお、チャイニーズハムスター及びマウスの精原細胞を用いた染色体異常試験(生殖細胞in vivo変異原性試験)で陽性の報告(IARC vol.26 (1981))、マウス及びラットを用いた骨髄細胞及び末梢血を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)で陽性の報告(NTP DB (Access on Oct., 2009))がある。また、なお、シクロホスファミドによる治療を受けた非悪性疾患の小児及び慢性関節リウマチ患者の末梢血リンパ球、再発性卵巣及び子宮がん患者にシクロホスファミドを静脈内投与後3~24時間後のリンパ球、リンパ肉芽腫症患者にシクロホスファミドを投与後24~72時間後の骨髄及びリンパ節細胞において、いずれも染色体異常数の増加が報告されている(IARC 26 (1981))。

発がん性

IARCでGroup 1に分類されている(IARC vol.100A (2008))ことから、区分1Aに分類した。なお、当該薬物の治療により、非悪性疾患の患者では少なくとも30例の悪性腫瘍(非リンパ性白血病、膀胱がん等)が報告され、さらに悪性腫瘍の患者では83例の二次悪性腫瘍(非リンパ性白血病、膀胱がん等)の報告(IARC 26 (1981))がある。また、ラットの生涯にわたり経口投与した試験でも、ヒトと同様に膀胱に対する臓器特異的な影響が見られ、膀胱がんの発生が報告されている(IARC 26 (1981))。

生殖毒性

シクロホスファミドは男女の生殖細胞に損傷を与え、不妊症を引き起こすとの報告(IARC 26 (1981))、また妊娠中に本剤による治療を受けた女性からの出生児に母指、または中手骨および指節骨の欠損、口蓋裂、冠動脈欠損、眼及び耳の奇形、および多発奇形が報告されている(IARC 26 (1981)、Birth Defects (3rd, 2000))ことから、区分1Aとした。また、乳汁中に分泌されていることが報告されているとの記載(医療用医薬品集(2010))があることから、授乳に対するまたは授乳を介した影響に関する追加区分とした。なお、実験動物ではシクロホスファミドはマウス、ラット、ウサギなどいくつかの動物種で催奇形性が見られる(IARC 26 (1981))と記述されている。事実、ラット又はマウスを用いた試験(IARC vol.26 (1981))で出生仔に眼の異常及び骨格欠損(手足、指)等種々の奇形(IARC vol.26 (1981)、Birth Defects (3rd, 2000))、ウサギを用いた試験では出生仔に口蓋裂及び顎欠損(Birth Defects (3rd, 2000))がそれぞれ報告されている。

特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)

本物質は抗腫瘍剤であり、重大な副作用として骨髄抑制(白血球減少、血小板減少などを起こす)の記載がある(医療用医薬品集(2010))ことから区分1(骨髄)とした。なお、マウス、ラットおよびイヌを用いた試験では白血球減少、血小板低下が報告されている(IARC 26 (1981))。

特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)

本物質は抗悪性腫瘍剤であり、重大な副作用として骨髄抑制(汎血球減少、貧血、血小板減少、出血などを起こす)の記載(医療用医薬品集(2010))があり、さらに、心筋障害、心不全が0.1~0.5%未満の頻度で発現するとの記載(医療用医薬品集(2010))に基づき、区分1(骨髄、心臓)とした。一方、重大な副作用として頻度不明ながら肝機能障害、黄疸が記載されている(医療用医薬品集(2010))ことから、区分1(肝臓)とした。その外に本物質投与により、頻度不明ながらアナフィラキシー様症状、出血性膀胱炎、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)など、また、0.1~0.5%未満の頻度でイレウス、胃腸出血、間質性肺炎などが報告されている(医療用医薬品集(2010))が、これらの副作用症状には免疫系への関与が考えられ、あるいは標的臓器の特定が困難なため、区分1(免疫系、全身毒性)とした。以上より分類は区分1(骨髄、心臓、肝臓、免疫系、全身毒性)となる。

吸引性呼吸器有害性

データなし。

12. 環境影響情報

生態毒性:

魚類:
情報なし
甲殻類:
情報なし
藻類:
情報なし

残留性・分解性:

情報なし

生体蓄積性(BCF):

3

土壌中の移動性

オクタノール/水分配係数:
0.63
土壌吸着係数(Koc):
52
ヘンリー定数(PaM 3/mol):
1.4 x 10-6

オゾン層への有害性:

情報なし

13. 廃棄上の注意

処理施設がないなどの理由で廃棄できない場合は、許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託する。
空容器を処分する時は、内容物を完全に除去した後に行う。
却炉で焼却する。
焼却処理する場合には、可燃性溶剤に溶解または混合した後、アフターバーナー及びスクラバーを備えた焼
地方条例や国内規制に従う。
適切な保護具を着用する。

14. 輸送上の注意

国連番号:

3464

品名(国連輸送名):

Organophosphorus compound, solid, toxic, n.o.s.

国連分類:

クラス6.1(毒物)

容器等級:

輸送の特定の安全対策及び条件:

積み込み、荷崩れの防止を確実に行い、法令の定めるところに従う。
運搬に際しては容器に漏れのないことを確かめ、転倒、落下、損傷のないように

15. 適用法令

船舶安全法

毒物類・毒物

航空法

毒物類・毒物

16. その他の情報

略語と頭字語

TWA: 時間加重平均
STEL: 短期暴露限度
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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