急性毒性
経口
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分2とした。
【根拠データ】
(1) ラットのLD50: 23.1 mg/kg (ACGIH (7th, 2019)、GESTIS (Access on April 2020)、HSDB (Access on April 2020))
(2) ラットのLD50: 31 mg/kg (MAK (DFG) vol.9 (1998))
経皮
【分類根拠】
(1) より、区分1とした。
【根拠データ】
(1) ウサギのLD50: 約10~50 μL/kg (約8.3~41.5 mg/kg) (GESTIS (Access on April 2020))
吸入: ガス
【分類根拠】
GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。
吸入: 蒸気
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分1とした。
なお、ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度 (200,016 ppm) の90%よりも低いため、ミストがほとんど混在しないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。
【根拠データ】
(1) ラットのLC50 (4時間): 7 mg/m3 (2.4 ppm) (ACGIH (7th, 2019)、GESTIS (Access on April 2020))
(2) ラットのLC50 (4時間): 22.4 mL/m3 (22.4 ppm) (MAK (DFG) vol.9 (1998))
(3) 本物質の蒸気圧: 152 mmHg (25℃) (飽和蒸気圧濃度換算値: 200,016 ppm) (HSDB (Access on April 2020))
吸入: 粉じん及びミスト
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
【分類根拠】
(1)~(4) より、区分1とした。
【根拠データ】
(1) 本物質はヒトの皮膚、眼、気道に対する強い刺激物であり、特に眼や呼吸器の粘膜に対してさらに強い刺激性を示す (ACGIH (7th, 2001))。
(2) 本物質は粘膜に対して強い刺激性を有し、皮膚に接触すると激しい壊死を引き起こす (MAK (DFG) vol.9 (1998))。
(3) 本物質は皮膚と粘膜に対し強い刺激性及び腐食性作用を示し、眼と肺に重大な損傷を与える (GESTIS (Access on April 2020)、HSDB (Access on April 2020))。
(4) ウサギの皮膚に本物質 (0.2 mL) を適用した試験 (適用時間不明) で、1時間後に充血及び浮腫、2日目には浮腫は消失したが、深い化膿性潰瘍を生じ、回復に28〜30日を要した (MAK (DFG) vol.9 (1998))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
【分類根拠】
(1)~(5) より、区分1とした。
【根拠データ】
(1) 本物質はヒトの皮膚、眼、気道に対する強い刺激物であり、特に眼や呼吸器の粘膜に対してさらに強い刺激性を示す (ACGIH (7th, 2001))。
(2) 本物質は粘膜に対して強い刺激性を有し、皮膚に接触すると激しい壊死を引き起こす (MAK (DFG) vol.9 (1998))。
(3) 本物質は皮膚と粘膜に対し強い刺激性及び腐食性作用を示し、眼と肺に重大な損傷を与える (GESTIS (Access on April 2020)、HSDB (Access on April 2020))。
(4) ウサギの眼に本物質1滴を適用した試験で、重度の角膜変性及び眼瞼の組織損傷を生じ、最終的に眼の欠損を生じた (MAK (DFG) vol.9 (1998))。
(5) 本物質は皮膚腐食性物質 (区分1) に区分されている。
呼吸器感作性
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
【分類根拠】
(1)~(3) より、区分1とした。
【根拠データ】
(1) 本物質は動物実験の結果に基づき感作性物質と報告されている (ACGIH (7th, 2001))。
(2) モルモットを用いた皮膚感作性試験 (Polak法及びOpen epicutaneous test) で陽性と報告されている (MAK (DFG) vol.9 (1998))。
(3) 本物質は皮膚感作性を有する (GESTIS (Access on April 2020)、HSDB (Access on April 2020))
生殖細胞変異原性
【分類根拠】
(1)、(2)より、in vivo、in vitroとも明確な陽性知見がなく、データ不足で分類できない。
【根拠データ】
(1) in vivoでは、ラットを用いた小核試験は不確かな結果であり、マウスを用いた小核試験の結果は雌で陰性、雄で不確かな結果の報告がある (CEBS (Access on April 2020))。
(2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陽性の結果が得られているが、それは特殊な条件下または標準的な方法でもハムスターS9を用いた場合のみである (MAK (DFG) vol. 9 (1998)、ACGIH (7th, 2001)、CEBS (Access on April 2020))。
発がん性
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
生殖毒性
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。