安全データシート

3',5'-ジニトロ-2',6'-ジメチル-4'-tert-ブチルアセトフェノン

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: 3',5'-ジニトロ-2',6'-ジメチル-4'-tert-ブチルアセトフェノン
  • CB番号: CB5458527
  • CAS: 81-14-1
  • EINECS番号: 201-328-9
  • 同義語: ムスクケトン

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 除草剤(失効農薬)
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
H25.9.19、政府向けGHS分類ガイダンス(H25.7版)を使用
GHS改訂4版を使用
健康に対する有害性
生殖毒性   区分2
特定標的臓器毒性(単回ばく露)   区分3 (麻酔作用)
環境に対する有害性
水生環境有害性 (急性)   分類実施中
水生環境有害性 (長期間)   分類実施中

2.2 注意書きも含むGHSラベル要素

絵表示
GHS02GHS07GHS08GHS09
注意喚起語
警告
危険有害性情報
H410 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性。
H351 発がんのおそれの疑い。
注意書き
安全対策
P273 環境への放出を避けること。
応急措置
P391 漏出物を回収すること。
廃棄
P501 内容物/容器を承認された処理施設に廃棄すること。

2.3 他の危険有害性

なし

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質・混合物の区別: 化学物質
  • 別名: 4-tert-Butyl-2,6-dimethyl-3,5-dinitroacetophenone
    Musk ketone
  • 化学特性(示性式、構造式 等): C14H18N2O5
  • 分子量: 294.30 g/mol
  • CAS番号: 81-14-1
  • EC番号: 201-328-9
  • 化審法官報公示番号: 9-2078; 4-247; 3-1257; 8-367
  • 安衛法官報公示番号: 4-(10)-521

4. 応急措置

4.1 必要な応急手当

一般的アドバイス
医師に相談する。 この安全データシートを担当医に見せる。
吸入した場合
吸い込んだ場合、新鮮な空気の場所に移す。 呼吸していない場合には、人工呼吸を施す。 医師に相談する。
皮膚に付着した場合
石けんと多量の水で洗い流す。 医師に相談する。
眼に入った場合
予防措置として、水で眼を洗浄する。
飲み込んだ場合
意識がない場合、口から絶対に何も与えないこと。 口を水ですすぐ。 医師に相談する。

4.2 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状

もっとも重要な既知の徴候と症状は、ラベル表示(項目2.2を参照)および/または項目11に記載されている

4.3 緊急治療及び必要とされる特別処置の指示

データなし

5. 火災時の措置

5.1 消火剤

適切な消火剤
水噴霧、耐アルコール泡消火剤、粉末消火剤、二酸化炭素を使用すること。

5.2 特有の危険有害性

窒素酸化物(NOx)
炭素酸化物

5.3 消防士へのアドバイス

消火活動時には必要に応じて 自給式呼吸装置を装着する。

5.4 詳細情報

データなし

6. 漏出時の措置

6.1 人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置

保護具を使用する。 粉じんの発生を避ける。 蒸気、ミスト、またはガスの呼吸を避ける。 十分な換気を確保する。 安全な場所に避難する。 粉じんを吸い込まないよう留意。個人保護については項目 8 を参照する。

6.2 環境に対する注意事項

安全を確認してから、もれやこぼれを止める。 物質が排水施設に流れ込まないようにする。 環境への放出は必ず避けなければならない。

6.3 封じ込め及び浄化の方法及び機材

粉じんを発生させないように留意して回収し、廃棄する。 掃いてシャベルですくいとる。 廃棄に備え適切な容器に入れて蓋をしておく。

6.4 参照すべき他の項目

廃棄はセクション13を参照。

7. 取扱い及び保管上の注意

7.1 安全な取扱いのための予防措置

安全取扱注意事項
皮膚や眼への接触を避けること。 粉じんやエアゾルを発生させない。
火災及び爆発の予防
粉じんが発生する場所では、換気を適切に行う。
衛生対策
十分な衛生的作業を行い安全規定に従って取扱う。 休憩前や終業時には手を洗う。注意事項は項目2.2を参照。

7.2 配合禁忌等を踏まえた保管条件

保管クラス
保管クラス (ドイツ) (TRGS 510): 13: 否可燃性固体
保管条件
冷所に保管。 容器を密閉し、乾燥した換気の良い場所に保管する。

7.3 特定の最終用途

項目1.2に記載されている用途以外には、その他の特定の用途が定められていない

8. ばく露防止及び保護措置

8.1 管理濃度

コンポーネント別作業環境測定パラメータ
許容濃度が設定されている物質を含有していない。

8.2 曝露防止

適切な技術的管理
十分な衛生的作業を行い安全規定に従って取扱う。 休憩前や終業時には手を洗う。
保護具
眼/顔面の保護
EN166に 適合するサイドシールド付き保護眼鏡 NIOSH(US)またはEN 166(EU)などの適
切な政府機関の規格で試験され、認められた眼の保護具を使用する。
皮膚及び身体の保護具
手袋を着用して取扱う。 使用前に、必ず手袋を検査する。 (手袋外面に触れずに)適切に手袋
を脱ぎ、本製品の皮膚への付着を避ける。 適用法令およびGLPに従い、使用後に汚染手袋を廃
棄する。 手を洗い、乾燥させる。
選ばれた防護手袋は、EU指令2016/425の仕様と、それから派生する規格EN374を満たすもので
なければならない。
身体の保護
不浸透性衣服, 特定の作業場に存在する危険物質の濃度および量に応じて、保護装置のタイプを
選択しなければならない。
呼吸用保護具
リスクアセスメントによりろ過式呼吸用保護具が適切であると示されている場所では、工学的
制御のバックアップとして、N100型(US)またはP3型(EN 143)呼吸用保護具カートリッジ
付き全面形呼吸用保護具を使用する。呼吸用保護具が唯一の保護手段である場合、全面形送気
マスクを使用する。 NIOSH(US)またはCEN(EU)などの適切な政府機関の規格で試験され、
認められた呼吸用保護具および部品を使用する。
環境暴露の制御
安全を確認してから、もれやこぼれを止める。 物質が排水施設に流れ込まないようにする。 環
境への放出は必ず避けなければならない。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
固体
黄色
臭い
情報なし
臭いのしきい(閾)値
情報なし
pH
情報なし

融点・凝固点

情報なし

沸点、初留点及び沸騰範囲

135.5 ℃:HSDB(2013)

引火点

情報なし

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

情報なし

燃焼性(固体、気体)

情報なし

燃焼又は爆発範囲

情報なし

蒸気圧

0.057mmHg [換算値 7.6Pa]:NITE(2013)

蒸気密度

情報なし

比重(相対密度)

1.29g/cm3:NITE(2013)

溶解度

1.9 mg/L (測定値):SRC(2013)

n-オクタノール/水分配係数

LogPow=4.60 (測定値):SRC(2013)

自然発火温度

情報なし

分解温度

情報なし

粘度(粘性率)

情報なし

10. 安定性及び反応性

10.1 反応性

データなし

10.2 化学的安定性

推奨保管条件下では安定。

10.3 危険有害反応可能性

データなし

10.4 避けるべき条件

データなし

10.5 混触危険物質

強酸, 強塩基類

10.6 危険有害な分解生成物

火災の場合:項目5を参照

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットのLD50値として、> 2,000 mg/kg との報告 (EU-RAR (2005)) に基づき、区分外とした。
経皮
ウサギのLD50値として、> 2,000 mg/kg との報告 (EU-RAR (2005)) に基づき、区分外とした。
吸入:ガス
GHSの定義における固体である。
吸入:蒸気
GHSの定義における固体である。
吸入:粉じん及びミスト
データ不足のため分類できない。

皮膚腐食性及び皮膚刺激性

データ不足のため分類できない。 なお、ウサギを用いた試験で「皮膚刺激性の兆候なし」 (EU-RAR (2005)) との記述があるが、適用時間等の詳細が不明である。

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

EU-RAR (2005) には、OECD TG 405に準拠したウサギを用いた試験で、「ウサギの眼に対して刺激性なし」と記載されている。以上の情報に基づき区分外とした。

呼吸器感作性

呼吸器感作性:データ不足のため分類できない。

皮膚感作性

皮膚感作性:データ不足のため分類できない。なお、EU-RAR (2005) では、モルモットを用いたマキシマイゼーション試験 (OECD TG 406) で弱陽性を示す。また、ボランティアによる2件のマキシマイゼーション試験で3.2%溶液まで感作性を示さなかったと報告されている。

生殖細胞変異原性

分類ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoでは、マウスの小核試験で陰性の結果が報告されている (EU-RAR (2005))。in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験、ヒト由来培養細胞の小核試験で陰性 (EU-RAR (2005)、HSDB (Access on October 2013)、NTP DB (Access on October 2013))、哺乳類培養細胞の染色体異常試験で"あいまいな結果" (EU-RAR (2005)、HSDB (Access on October 2013)) である。

発がん性

発がんデータはない。EU DSD分類において「Carc. Cat 3; R40」、EU CLP分類において「Carc.2 H351」であるが、その根拠となる情報が入手できないため、「分類できない」とした。

生殖毒性

ラットを用いた経口経路 (強制) による発生毒性試験において母動物毒性 (体重増加抑制、摂餌量減少) がみられる用量で発生毒性 (着床後胚吸収の増加、胎児体重の減少) がみられている (EU-RAR (2005)) 。生殖能に対する影響に関する情報は得られていない。したがって、区分2とした。

特定標的臓器毒性(単回ばく露)

ラットの強制経口投与においてガイダンス値の範囲外 (2,500 -10,000 mg/kg) で活動亢進、沈静状態、昏睡などが認められたため区分3 (麻酔作用) とした。

特定標的臓器毒性(反復ばく露)

ラットに90日間経皮ばく露した試験において、区分2のガイダンス値の範囲内の用量 (75 mg/kg/day) で雌に体重増加抑制がみられた (EU-RAR (2005)、HSDB (Access on October 2013)) との記述があるが、軽度 (10%程度) かつ片性のみの変化であり、分類を支持する根拠とはしない。なお、同試験では区分2のガイダンス値を超える用量 (240 mg/kg/day) で、雌雄に貧血所見及び肝臓重量増加が見られている (EU-RAR (2005)、HSDB (Access on October 2013))。以上より、経皮経路では区分外相当であるが、他の経路による毒性情報がなく、データ不足のため分類できないとした。

吸引性呼吸器有害性

データ不足のため分類できない。

12. 環境影響情報

12.1 生態毒性

ミジンコ等の水生無脊
止水式試験 - Daphnia magna (オオミジンコ) - > 0.46 mg/l - 48 h
椎動物に対する毒性
(OECD 試験ガイドライン 202)
藻類に対する毒性
成長抑制 EC50 - Pseudokirchneriella subcapitata (緑藻) - 0.24 mg/l - 72 h
(OECD 試験ガイドライン 201)
最大無影響濃度 - Pseudokirchneriella subcapitata (緑藻) - 0.088 mg/l - 72 h
(OECD 試験ガイドライン 201)

12.2 残留性・分解性

生分解性
好気性 生化学的酸素要求(量) - 曝露時間 28 d
結果: < 80 % - 易分解性ではない。
(OECD 試験ガイドライン 302)

12.3 生体蓄積性

生物濃縮因子(BCF): 1,380
- 47 μg/l(4'-tert-Butyl-2',6'-dimethyl-3',5'-dinitroacetophenone)
生体蓄積性 Oncorhynchus mykiss (ニジマス) - 21 d

12.4 土壌中の移動性

データなし

12.5 PBT および vPvB の評価結果

化学物質安全性評価が必要ではない/行っていないため、PBT/vPvB評価データはない。

13. 廃棄上の注意

13.1 廃棄物処理方法

製品
免許を有する廃棄物処理業者に、余剰物で再使用不可の溶液として処理を依頼する。 可燃性溶剤に溶解または混合し、アフターバーナーとスクラバーが備えられた化学焼却炉で焼却する。汚染容器及び包装製品入り容器と同様に処分する。

14. 輸送上の注意

14.1 国連番号

ADR/RID (陸上規制): 3077    IMDG (海上規制): 3077    IATA-DGR (航空規制): 3077

14.2 国連輸送名

2',6'-dimethyl-3',5'-dinitroacetophenone)
IATA-DGR (航空規制): Environmentally hazardous substance, solid, n.o.s. (4'-tert-Butyl-
tert-Butyl-2',6'-dimethyl-3',5'-dinitroacetophenone)
IMDG (海上規制): ENVIRONMENTALLY HAZARDOUS SUBSTANCE, SOLID, N.O.S. (4'-
Butyl-2',6'-dimethyl-3',5'-dinitroacetophenone)
ADR/RID (陸上規制): ENVIRONMENTALLY HAZARDOUS SUBSTANCE, SOLID, N.O.S. (4'-tert-

14.3 輸送危険有害性クラス

ADR/RID (陸上規制): 9    IMDG (海上規制): 9    IATA-DGR (航空規制): 9

14.4 容器等級

ADR/RID (陸上規制): III IMDG (海上規制): III IATA-DGR (航空規制): III

14.5 環境危険有害性

該当
ADR/RID: 該当 IMDG 海洋汚染物質(該当・非該当): IATA-DGR (航空規制): 該当

14.6 特別の安全対策

14.7 混触危険物質

EHSマーク(ADR 2.2.9.1.10, IMDGコード 2.10.3)5 kg / L 以下で、危険物クラス 9 に該当しないパッケー
危険物(液体 >5Lまたは固体 >5kg)を有する内装容器を含む、単一容器および複合容器に必要とされる
詳細情報
強酸, 強塩基類

15. 適用法令

消防法

第5類自己反応性物質、ニトロ化合物

道路法

車両の通行の制限

16. その他の情報

略語と頭字語

TWA: 時間加重平均
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
EC50: 有効濃度 50%
IATA:国際航空運送協会
IMDG: 国際海上危険物
LC50: 致死濃度 50%
LD50: 致死量 50%
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
STEL: 短期暴露限度

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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