安全データシート

1,1,1,2‐テトラフルオロエタン

改訂日:2024-05-09版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: 1,1,1,2‐テトラフルオロエタン
  • CB番号: CB8323060
  • CAS: 811-97-2
  • 同義語: 1,1,1,2‐テトラフルオロエタン

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: 冷媒、溶媒、医薬品の噴射剤、発泡剤。
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
H22.3.16、政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版)を使用
物理化学的危険性
金属腐食性物質   分類できない
有機過酸化物   分類対象外
酸化性固体   分類対象外
酸化性液体   分類対象外
水反応可燃性化学品   分類対象外
自己発熱性化学品   分類対象外
自然発火性固体   分類対象外
自然発火性液体   分類対象外
自己反応性化学品   分類対象外
可燃性固体   分類対象外
引火性液体   分類対象外
高圧ガス   低圧液化ガス
支燃性・酸化性ガス類   区分外
可燃性・引火性エアゾール   分類対象外
可燃性・引火性ガス   区分外
火薬類   分類対象外
健康に対する有害性
吸引性呼吸器有害性   分類対象外
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)   区分外
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)   区分3(麻酔作用)
生殖毒性   区分外
発がん性   区分外
生殖細胞変異原性   区分外
皮膚感作性   区分外
呼吸器感作性   分類できない
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性   区分外
皮膚腐食性・刺激性   区分外
急性毒性(吸入:ミスト)   分類対象外
急性毒性(吸入:粉じん)   分類対象外
急性毒性(吸入:蒸気)   分類対象外
急性毒性(吸入:ガス)   区分外
急性毒性(経皮)   分類できない
急性毒性(経口)   分類できない
環境に対する有害性
水生環境慢性有害性   区分外
水生環境急性有害性   区分外
ラベル要素
絵表示又はシンボル
GHS04
注意喚起語
警告
危険有害性情報
眠気やめまいのおそれ
加圧ガス:熱すると爆発のおそれ
注意書き
内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託すること。
【廃棄】
施錠して保管すること。
換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
日光から遮断し、換気の良い場所で保管すること。
【保管】
吸入した場合、気分が悪い時は、医師に連絡すること。
吸入した場合、空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
【応急措置】
屋外または換気の良い場所でのみ使用すること。
ガスの吸入を避けること。
【安全対策】

3. 組成及び成分情報

  • 化学名又は一般名: 1,1,1,2‐テトラフルオロエタン
  • 別名: フロン134a、(Fron-134a)、 (HFC-134a)、(R-134a)
  • 分子式 (分子量): C2H2F4(102.03)
  • CAS番号: 811-97-2
  • 官報公示整理番号(化審法・安衛法): 化審法-(2)-3585   安衛法-2-(13)-48
  • 分類に寄与する不純物及び安定化添加物: データなし
  • 濃度又は濃度範囲: 100%

4. 応急措置

吸入した場合

気分が悪い時は、医師に連絡すること。
空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。

皮膚に付着した場合

皮膚刺激が生じた場合、医師の診断、手当てを受けること。
水と石鹸で洗うこと。

目に入った場合

眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。
水で数分間注意深く洗うこと。

飲み込んだ場合

気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
口をすすぐこと。

予想される急性症状及び遅発性症状

皮膚:凍傷(液体に触れた場合)。
吸入:めまい、し眠、感覚鈍麻。

最も重要な兆候及び症状

中枢神経系、心血管系に影響を与え、心臓障害を生じることがある。

応急措置をする者の保護

データなし

医師に対する特別注意事項

データなし

5. 火災時の措置

消火剤

水噴霧、泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類

使ってはならない消火剤

棒状放水

特有の危険有害性

破裂したボンベが飛翔するおそれがある。
加熱により容器が爆発するおそれがある。
火災時に刺激性、腐食性及び毒性のガスを発生するおそれがある。

特有の消火方法

損傷したボンベは専門家だけが取り扱う。
漏洩部や安全装置に直接水をかけてはいけない。凍るおそれがある。
消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。
危険でなければ火災区域から容器を移動する。

消火を行う者の保護

適切な空気呼吸器、防護服(耐熱性)を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具および緊急措置

ガスが拡散するまでその区域を立入禁止とする。
漏洩場所を換気する。
低地から離れる。
風上に留まる。
関係者以外の立入りを禁止する。
直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
漏洩物に触れたり、その中を歩いたりしない。
作業者は適切な保護具(『8.ばく露防止措置及び保護措置』の項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。

環境に対する注意事項

環境中に放出してはならない。

回収・中和

危険でなければ漏れを止める。

封じ込め及び浄化方法・機材

可能ならば、漏洩している容器を回転させ、液体でなく気体が放出するようにする。
危険でなければ漏れを止める。

二次災害の防止策

住居地域及び工業地域の住民に直ちに警告し、危険地域から避難する。
排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防ぐ。
すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎の禁止)。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策
『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の設備対策を行い、保護具を着用する。
局所排気・全体換気
『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を行う。
安全取扱い注意事項
屋外または換気の良い場所でのみ使用すること。
ガスの吸入を避けること。
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
接触回避
データなし

保管

技術的対策
特別に技術的対策は必要としない。
混触危険物質
データなし
保管条件
施錠して保管すること。
日光から遮断し、換気の良い場所で保管すること。
容器を密閉して冷乾所にて保存すること。
容器包装材料
データなし

8. ばく露防止及び保護措置

管理濃度

未設定 (2009年度)

許容濃度 (ばく露限界値、生物学的ばく露指標)

日本産衛学会
未設定 (2009年度)
ACGIH
未設定 (2009年度)

設備対策

作業場には全体換気装置、局所排気装置を設置すること。
この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを設置すること。

保護具

呼吸器の保護具
適切な呼吸器保護具を着用すること。
手の保護具
適切な保護手袋を着用すること。
眼の保護具
適切な眼の保護具を着用すること。
皮膚及び身体の保護具
適切な保護衣を着用すること。

衛生対策

取扱い後はよく手を洗うこと。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
気体
無色
臭い
エーテル臭
pH
データなし

融点・凝固点

-101 ℃ : Merck (14th, 2006)

沸点、初留点及び沸騰範囲

-26.15 ℃ : Merck (14th, 2006)

引火点

不燃性ガス : Merck (14th, 2006)

自然発火温度

データなし

燃焼性(固体、ガス)

データなし

爆発範囲

データなし

蒸気圧

4990 mmHg (25 ℃) : SRC (Access on Jul. 2009)

蒸気密度

3.52 (空気=1) : ECETOC JACC (1995)

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし

比重(密度)

1.202 (25 ℃) : Merck (14th, 2006) 1.2072 g/cm3 (25 ℃) : Lide (88th, 2008)

溶解度

エーテル : 可溶 : Lide (88th, 2008)
水 : 1.0g/L (25 ℃) : PATTY (5th, 2001)

オクタノール・水分配係数

log P = 1.06 : Merck (14th, 2006)

分解温度

データなし

粘度

0.204 mPa・s : Merck (14th, 2006)

粉じん爆発下限濃度

データなし

最小発火エネルギー

データなし

体積抵抗率(導電率)

データなし

10. 安定性及び反応性

安定性

法規制に従った保管及び取扱においては安定と考えられる

危険有害反応可能性

高温面や炎に触れると分解して、有毒で腐食性のヒュームを生成する。

避けるべき条件

高温

混触危険物質

データなし

危険有害な分解生成物

有毒で腐食性のヒューム

11. 有害性情報

急性毒性

経口
データなし
経皮
データなし
吸入
吸入(粉じん、ミスト):   GHS定義におけるガスである。
吸入(蒸気):   GHS定義におけるガスである。
吸入(ガス):   ラット4時間ばく露のLC50値 >500000 ppm (ECETOC (2000), 567000 ppm (IRIS (2003)), 289000 ppmV (環境省リスク評価 第7巻 (2009))に基づいて区分外とした。

皮膚腐食性・刺激性

ウサギを用いた試験で僅かな刺激性(PATTY (5th, 2001) )もしくは刺激性を認めなかった(ECETOC JACC No.50(2006))との結果から区分外とした。

眼に対する重篤な損傷・刺激性

ウサギを用いた試験で、僅かな刺激性(PATTY (5th, 2001) )および、刺激性なし(ECETOC JACC No.50(2006))との結果から区分外とした。

呼吸器感作性又は皮膚感作性

皮膚感作性:モルモットを用いたマキシマイゼーション試験で感作性を示さなかった(ECETOC JACC No.50(2006)、DFGOT vol.13(1999)ことから、区分外とした。
呼吸器感作性:データなし

生殖細胞変異原性

マウスに吸入ばく露による優性致死試験(in vivo 経世代変異原性試験)、マウスに吸入ばく露による骨髄を用いた小核試験および染色体異常試験(体細胞in vivo 変異原性試験)でいずれも陰性の結果(ECETOC JACC 50(2006))から区分外とした。なお、in vitro のAmes testおよび染色体異常試験いずれも陰性(ECETOC JACC 50(2006))であった。

発がん性

ラットに104週間吸入ばく露による慢性毒性・発がん性併合試験において、ばく露に関連した影響は唯一雄の精巣に限られ、重量増加とライディッヒ細胞の過形成と腫瘍の発生頻度の増加が認められた(ECETOC JACC 50 (2006))が、対照群でも発生が見られ、加齢ラットでしばしば発生する良性腫瘍であることと、その他には腫瘍性病変および非腫瘍性病変ともばく露に関連する影響は認められなかった。また、マウスに106週間吸入ばく露した試験でもばく露に関連する腫瘍の発生が認められていない(ECETOC JACC 50 (2006))。以上から吸入ばく露のみによる試験結果ではあるが、本物質はガス体で主なばく露経路は吸入であり、ラットおよびマウスによる動物試験でばく露に関連した腫瘍の発生は認められていないことから区分外とした。

生殖毒性

ラットを用いた吸入ばく露による世代試験で生殖能および仔の発生に影響が認められていない(ECETOC JACC 50 (2006))こと、ラットおよびウサギの器官形成期に吸入ばく露した発生毒性試験で両動物種とも催奇形性を含む仔の発生に悪影響が認められていない(ECETOC JACC 50 (2006))ことから区分外とした。なお、ラットの器官形成期のばく露では母動物の体重増加抑制と胎仔の骨化遅延が観察されている(ECETOC JACC 50 (2006))。

12. 環境影響情報

水生環境急性有害性

魚類 (ニジマス) での96時間LC50=450 mg/L、甲殻類 (オオミジンコ) での48時間EC50 = 980 mg/L (CICAD 11, 1998) であることから、区分外とした。

水生環境慢性有害性

急性毒性区分外であり、難水溶性ではない (水溶解度推定値 = 2040 mg/L (PHYSPROP Database, 2009)) であることから、区分外とした。

13. 廃棄上の注意

残余廃棄物

廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。
廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。

汚染容器及び包装

空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。
容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治体の基準に従って適切な処分を行う。

14. 輸送上の注意

国際規制

海上規制情報
IMOの規定に従う。
UN No.
3159
Proper Shipping Name.
1,1,1,2-TETRAFLUOROETHANE
Class
2.2
Packing Group
-
Marine Pollutant
Not Applicable
航空規制情報
ICAO・IATAの規定に従う。
UN No.
3159
Proper Shipping Name.
1,1,1,2-Tetrafluoroethane
Class
2.2
Packing Group
-

国内規制

陸上規制情報
高圧ガス保安法の規定に従う。
海上規制情報
船舶安全法の規定に従う。
国連番号
3159
品名
1,1,1,2-テトラフルオロエタン
クラス
2.2
容器等級
-
海洋汚染物質
非該当
航空規制情報
航空法の規定に従う。
国連番号
3159
品名
1,1,1,2-テトラフルオロエタン
クラス
2.2
等級
-

特別安全対策

重量物を上積みしない。
輸送に際しては、直射日光を避け、容器の破損、腐食、漏れのないように積み込み、荷崩れの防止を確実に行う。
食品や飼料と一緒に輸送してはならない。
移送時にイエローカードの保持が必要。

緊急時応急措置指針番号

126

15. 適用法令

船舶安全法

高圧ガス(危規則第3条危険物告示別表第1)

航空法

高圧ガス(施行規則第194条危険物告示別表第1)

港則法

危険物・高圧ガス(法第21条2、則第12条、昭和54告示547別表二イ)

化審法

新規公示化学物質(2011年3月31日以前届出)

16. その他の情報

略語と頭字語

TWA: 時間加重平均
STEL: 短期暴露限度
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
LD50: 致死量 50%
LC50: 致死濃度 50%
IMDG: 国際海上危険物
IATA:国際航空運送協会
EC50: 有効濃度 50%
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定

参考文献

【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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