急性毒性
経口
【分類根拠】 (1)、(2) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】 (1) ラットのLD50: 29,600 mg/kg (HSDB (Access on August 2020)、Patty (6th, 2012)) (2) ラットのLD50: > 29,600 mg/kg (GESTIS (Access on August 2020))
経皮
【分類根拠】 (1)、(2) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】 (1) ウサギのLD50: > 19,800 mg/kg (GESTIS (Access on August 2020)) (2) ウサギのLD50: 20,000 mg/kg (HSDB (Access on August 2020)) (3) ウサギのLD50: 20 mL/kg (比重1.01を用いて換算したLD50値: 20,200 mg/kg) (Patty (6th, 2012))
吸入: ガス
【分類根拠】 GHSの定義における液体であり、区分に該当しない。
吸入: 蒸気
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
【分類根拠】 (1)、(2) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】 (1) 本物質はごく軽度の皮膚刺激性を有する (AICIS (旧NICNAS) IMAP (2016))。 (2) 本物質はウサギを用いた皮膚刺激性試験 (ドレイズ法) で軽度の刺激性を示す (GESTIS (Access on August 2020))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
呼吸器感作性
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
生殖細胞変異原性
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
【根拠データ】 (1) in vivoデータなし。 (2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性の報告がある (AICIS (旧NICNAS) IMAP (2016)、NTP CERHR (2003)、CEBS (Access on August 2020))。
発がん性
【分類根拠】 データがなく分類できない。
生殖毒性
【分類根拠】 (1)、(2) より、区分1Bとした。
【根拠データ】 (1) マウスを用いた混餌投与による連続交配試験において、親動物毒性がみられない用量で生殖能の低下 (一腹あたりの生存児数及び生存児の割合の減少) がみられた。対照群及び高用量についてのみ実施した病理組織学的検査では高用量群の雄で精巣重量減少、精巣上体精子濃度及び運動性への重度の影響、精細管の広範な萎縮がみられ、交差交配の結果、雄の交配能の低下が示された (EU CLP CLH (2011)、RAC Background Document (2011))。 (2) 雌ラットの妊娠6~20日に強制経口投与した発生毒性試験において、750 mg/kg/dayで着床後胚吸収の増加、胎児死亡の増加 (対照群の60%)、500 mg/kg/day以上で奇形 (口蓋裂、眼の異常) がみられ、胎児体重の有意な減少等、250 mg/kg/dayで骨化遅延、骨格変異の増加がみられた。雄胎児の肛門生殖突起間距離の減少が250 mg/kg/day以上でみられ、500 mg/kg/day以上では停留精巣の増加がみられた (EU CLP CLH (2011)、RAC Background Document (2011))。
【参考データ等】 (3) EU CLP分類ではRepr. 1Bに分類されている (EU CLP分類 (Access on October 2020))。
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)
【分類根拠】 データ不足のため分類できないとした。
【参考データ等】 (1) 材料や樹脂向けコーティング剤である本物質を含む水不溶性可塑剤をエアロゾル、粉じん、蒸気のいずれかで吸入した後に、鼻や喉の感覚異常 (paraesthesia)、気管支炎を引き起こす可能性がある (GESTIS (Access on August 2020))。
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)
【分類根拠】 (1)、(2) の情報があるが、分類を行うための十分な情報ではない。従って、データ不足のため分類できないとした。
【参考データ等】 (1) ラットに本物質20,000 ppm (1,824 mg/kg/day、区分2超) を21日間混餌投与した結果、肝臓重量増加、小葉中心性壊死、グリコーゲンの減少、小葉中心性脂肪蓄積、毛細胆管の滑面小胞体の増殖と肥大、毛細胆管の微絨毛の短縮、中心静脈周囲の脂肪滴、ペルオキシゾーム増殖がみられたとの報告がある (RAC Background Document (2011))。 (2) ラットに本物質2% (2,000 mg/kg/day、区分2超) を21日間混餌投与した結果、血清中T4レベルの減少と病理組織学的変化を伴う甲状腺の活性増加、肝臓における脂肪蓄積がみられたとの報告がある (RAC Background Document (2011))。
誤えん有害性*
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。本有害性クラスの内容に変更はない。