安全データシート

2,3-ジクロロニトロベンゼン

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: 2,3-ジクロロニトロベンゼン
  • CB番号: CB5853487
  • CAS: 3209-22-1

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
H18.6.20 (環境に対する有害性についてはH18.3.31)、GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)を使用
物理化学的危険性
火薬類   分類できない
可燃性・引火性ガス   分類対象外
可燃性・引火性エアゾール   分類対象外
支燃性・酸化性ガス類   分類対象外
高圧ガス   分類対象外
引火性液体   分類対象外
可燃性固体   分類できない
自己反応性化学品   分類できない
自然発火性液体   分類対象外
自然発火性固体   分類できない
自己発熱性化学品   分類できない
水反応可燃性化学品   分類対象外
酸化性液体   分類対象外
酸化性固体   分類できない
有機過酸化物   分類対象外
金属腐食性物質   分類できない
健康に対する有害性
急性毒性(経口)   区分4
急性毒性(経皮)   分類できない
急性毒性(吸入:ガス)   分類対象外
急性毒性(吸入:蒸気)   分類できない
急性毒性(吸入:粉じん)   分類できない
急性毒性(吸入:ミスト)   分類対象外
皮膚腐食性・刺激性   区分2
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性   分類できない
呼吸器感作性   分類できない
皮膚感作性   分類できない
生殖細胞変異原性   分類できない
発がん性   分類できない
生殖毒性   区分外
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)   区分1(神経系 )
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)   区分2(血液 腎臓 肝臓 )
吸引性呼吸器有害性   分類できない
環境に対する有害性
水生環境急性有害性   区分2
水生環境慢性有害性   区分2

ラベル要素

絵表示又はシンボル
GHS07GHS09GHS08
注意喚起語
危険
危険有害性情報
飲み込むと有害
皮膚に接触すると有毒
皮膚刺激
臓器の障害: 神経系
長期にわたる、または反復暴露による臓器の障害のおそ
れ: 肝臓 血液 腎臓
水生生物に毒性
長期継続的影響により水生生物に毒性
注意書き
[安全対策]
粉じん、煙、ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
環境への放出を避けること。
この製品を使用する時に、飲食または喫煙をしないこと。
取扱い後は手や顔をよく洗うこと。
保護手袋、保護衣を着用すること。
[応急措置]
飲み込んだ場合:気分が悪い時は、医師に連絡すること。口をすすぐこと。
皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。気分が悪い時は、医師に連
絡すること。汚染された衣類を直ちにすべて脱ぎ、再使用する場合には洗濯を
すること。
暴露または暴露の懸念がある場合:医師に連絡すること。
漏出物を回収すること。
[保管]
施錠して保管すること。
[廃棄]
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に委託す
ること。

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質/混合物の区別: : 化学物質
  • 化学名又は一般名: : 2,3-ジクロロニトロベンゼン
  • 濃度又は濃度範囲: : >99.0%(GC)
  • CAS RN: : 3209-22-1
  • 化学式: : C6H3Cl2NO2
  • 官報公示整理番号 化審法: : (3)-455
  • 官報公示整理番号 安衛法: : 公表化学物質

4. 応急措置

吸入した場合:

空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。医師に連絡す
ること。

皮膚に付着した場合:

直ちに、汚染された衣類をすべて脱ぐこと、取り除くこと。多量の水と石鹸で
洗うこと。医師に連絡すること。

目に入った場合:

水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易にはずせる場合は外し
て洗うこと。医師に連絡すること。

飲み込んだ場合:

医師に連絡すること。口をすすぐこと。

応急措置をする者の保護:

救助者はゴム手袋、密閉ゴーグルなどの保護具を着用する。

5. 火災時の措置

適切な消火剤:

粉末, 泡, 水噴霧, 二酸化炭素

火災時の特定危険有害性:

燃焼や高温により分解し、有毒なヒュームを発生する恐れがあるので注意する。

特有の消火方法:

消火作業は、風上から行い、周囲の状況に応じた適切な消火方法を用いる。関係者以外は安全な場所に退去させる。周辺火災時、移動可能な容器は、速やかに安全な場所に移す。

消火を行う者の保護:

消火作業の際は、必ず保護具を着用する。

6. 漏出時の措置

人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置:

個人用保護具を着用する。
漏出場所の風上から作業し、風下の人を退避させる。
漏出した場所の周辺に、ロープを張るなどして関係者以外の立入りを禁止す
る。

環境に対する注意事項:

環境への悪影響が懸念されるため、河川等へ排出されないよう注意する。

封じ込め及び浄化の方法及び機材:

粉塵の飛散に注意しながら掃き集め、密閉容器に回収する。
付着物、回収物などは、関係法規に基づき速やかに処分する。

7. 取扱い及び保管上の注意

取扱い

技術的対策:
取扱いは換気のよい場所で行う。適切な保護具を着用する。粉塵が飛散しないように注意する。取扱い後は手や顔などをよく洗う。
注意事項:
できれば、密閉系で取扱う。粉塵やエアゾールが発生する場合には、局所排気を用いる。
安全取扱い注意事項:
皮膚、眼および衣類との接触を避ける。

保管

適切な保管条件:
容器を密栓して冷暗所に保管する。施錠して保管する。酸化剤などの混触危険物質から離して保管する。
安全な容器包装材料:
法令の定めるところに従う。

8. ばく露防止及び保護措置

設備対策:

密閉化した設備又は局所排気装置を設ける。取扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄用の設備を設ける。

管理濃度:

設定されていない。

保護具

呼吸用保護具:
防塵・防毒マスク、自給式呼吸器、送気マスク等。
手の保護具:
不浸透性の手袋。
眼、顔面の保護具:
保護眼鏡(ゴーグル型)。状況に応じ保護面。
皮膚及び身体の保護具:
不浸透性の保護衣。状況に応じ、保護長靴。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
固体
無色
臭い
データなし
pH
データなし

融点・凝固点

61℃ : ICSC (1999)

沸点、初留点及び沸騰範囲

257 - 258℃ : NITE総合検索 (Access on Sep. 2008)

引火点

123℃ : NITE総合検索 (Access on Sep. 2008)

自然発火温度

データなし

燃焼性(固体、ガス)

可燃性 : ICSC (1999)

爆発範囲

データなし

蒸気圧

0.00165mmHg (25℃) : NITE総合検索 (Access on Sep. 2008)

蒸気密度

6.6 (空気=1) : NITE総合検索 (Access on Sep. 2008)

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし

比重(密度)

1.721g/cm3 (14/4℃) : NITE総合検索 (Access on Sep. 2008)

溶解度

水 : 74.1mg/L : NITE総合検索 (Access on Sep. 2008)

オクタノール・水分配係数

log Pow = 3.05 : NITE総合検索 (Access on Sep. 2008)

分解温度

データなし

粘度

データなし

粉じん爆発下限濃度

データなし

最小発火エネルギー

データなし

体積抵抗率(導電率)

データなし

10. 安定性及び反応性

反応性:

情報なし

化学的安定性:

適切な条件下においては安定。

危険有害反応可能性:

特別な反応性は報告されていない。

避けるべき条件:

情報なし

混触危険物質:

酸化剤, 強塩基, アルミニウム, 亜鉛, 鉄

危険有害な分解生成物:

二酸化炭素, 一酸化炭素, 窒素酸化物, 塩化水素

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットを用いた経口投与試験のLD50 381 mg/kg、512 mg/kg(厚労省報告 (1994))に基づき、低い方のLD50 381mg/kgから、区分4とした。
経皮
データなし
吸入
吸入(ガス):   GHSの定義による固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
吸入(蒸気):   データなし
吸入(粉じん):   データなし

皮膚腐食性・刺激性

HSDB (2005)のウサギを用いた皮膚刺激性試験結果「軽微な脱脂作用があり、7から10日で麟片化して落ちる。24時間で重度の紅斑と浮腫が明らかである。刺激は徐々に消退し、傷害は深部には至らない。本物質は重度の皮膚刺激性があると判断された。」から、4時間適用試験結果ではないが、区分2とした。

眼に対する重篤な損傷・刺激性

データなし

呼吸器感作性又は皮膚感作性

呼吸器感作性:データなし 皮膚感作性:データなし

生殖細胞変異原性

厚労省報告 (1994)、SIDS (2005) の記述から、経世代/生殖細胞/体細胞in vivo変異原性/遺伝毒性試験なく、in vitro変異原性の複数の指標で陽性結果が得られていないことから、分類できないとした。

発がん性

データなし

生殖毒性

SIDS (2005)、CERIハザードデータ集2000-42 (2001) の記述から、併合試験において親動物で一般毒性を示す用量で生殖、発生への影響がみられないことから区分外とした。

特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)

実験動物について、「自発運動の低下、眼瞼下垂、よろめき歩行、全身筋肉の弛緩および皮膚の蒼白化、呼吸の深大化が用量依存的にみられ、死亡動物は、症状が重度化し、呼吸が微弱となって投与後1~2日に死亡した。」(厚労省報告 (1994))等の記述があることから、神経系が標的臓器と考えられた。なお、実験動物に対する影響は、区分1に相当するガイダンス値の範囲でみられた。 以上より、分類は区分1(神経系)とした。

特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)

実験動物について、「肝臓の肝細胞腫大および腎臓の尿細管上皮に硝子滴・尿細管上皮の空胞化を特徴とする変化が認められ、脾臓にヘモジデリン沈着の増加が認められた。尿タンパクや血清ナトリウム、タンパクおよび総コレステロール量の増加並びに尿素窒素量の減少が認められた。さらに、血色素濃度およびヘマトクリット値の減少並びに網状赤血球数の増加が認められ、溶血性貧血の所見を呈した。」(厚労省報告 (1994))等の記述があることから、肝臓、腎臓、血液が標的臓器と考えられた。なお、実験動物に対する影響は、区分2に相当するガイダンス値の範囲でみられた。 以上より、分類は区分2(肝臓、腎臓、血液)とした。

吸引性呼吸器有害性

データなし

12. 環境影響情報

生態毒性:

魚類:
情報なし
甲殻類:
情報なし
藻類:
情報なし

残留性・分解性:

4% (by BOD) , 5% (by HPLC)*既存化学物質安全性点検による判定結果:難分解性

生体蓄積性(BCF):

43 - 75(conc. 0.1 mg/L) , 45 - 83(conc. 0.01 mg/L)*既存化学物質安全性点検による判定結果:低濃縮性

土壌中の移動性

オクタノール/水分配係数:
3.05
土壌吸着係数(Koc):
情報なし
ヘンリー定数(PaM 3/mol):
情報なし

オゾン層への有害性:

情報なし

13. 廃棄上の注意

処理施設がないなどの理由で廃棄できない場合は、許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託する。
適切な保護具を着用する。
地方条例や国内規制に従う。
焼却処理する場合には、可燃性溶剤に溶解または混合した後、アフターバーナー及びスクラバーを備えた焼
却炉で焼却する。
空容器を処分する時は、内容物を完全に除去した後に行う。

14. 輸送上の注意

国連番号:

2811

品名(国連輸送名):

Toxic solid, organic, n.o.s.

国連分類:

クラス6.1(毒物)

容器等級:

海洋汚染物質:

Y

輸送の特定の安全対策及び条件:

運搬に際しては容器に漏れのないことを確かめ、転倒、落下、損傷のないように
積み込み、荷崩れの防止を確実に行い、法令の定めるところに従う。

15. 適用法令

化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)

第1種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)(政令番号:1-127)

船舶安全法

毒物類・毒物

航空法

毒物類・毒物

港則法

毒物類・毒物

16. その他の情報

略語と頭字語

ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
EC50: 有効濃度 50%
IATA:国際航空運送協会
IMDG: 国際海上危険物
LC50: 致死濃度 50%
LD50: 致死量 50%
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
STEL: 短期暴露限度
TWA: 時間加重平均

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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