急性毒性
経口
【分類根拠】
(1)~(3) より、区分3とした。
【根拠データ】
(1) ラットのLD50 (CMC-Na溶液): 雄: 260~386 mg/kg、雌: 113~150 mg/kg (食品安全委員会 農薬評価書 (2011)、農薬抄録 (2011))
(2) ラットのLD50 (オリーブ油) : 雄: 86 mg/kg、雌: 75 mg/kg (JMPR (2013)、食品安全委員会 農薬評価書 (2011)、農薬抄録 (2011))
(3) ラットのLD50 (CMC-Na溶液) : >= 113 mg/kg (JMPR (2013))
経皮
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分に該当しない。
【根拠データ】
(1) ラットのLD50: 雄: > 2,000 mg/kg、雌: > 3,000 mg/kg (食品安全委員会 農薬評価書 (2011)、農薬抄録 (2011))
(2) ラットのLD50: > 2,000 mg/kg (JMPR (2013))
吸入: ガス
【分類根拠】
GHSの定義における固体であり、ガイダンスでは分類対象外に相当し、区分に該当しない。
吸入: 蒸気
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト
【分類根拠】
(1) より、区分4とした。
【根拠データ】
(1) ラットのLC50 (粉じん、4時間) : 雄: 2.21 mg/L、雌: 1.50 mg/L (JMPR (2013)、食品安全委員会 農薬評価書 (2011)、農薬抄録 (2011))
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分に該当しないとした。新しいデータが得られたことから区分を変更した。
【根拠データ】
(1) 本物質は皮膚刺激性を示さない (JMPR (2013))。
(2) ウサギに本物質 (0.5 g) を4時間半閉塞適用した試験で、24/48/72hの紅斑及び浮腫の合計スコアは0.3、0.2、0であった (農薬抄録 (2011))。
【参考データ等】
(3) ウサギを用いた皮膚刺激性試験で軽度の刺激性が認められた (食品安全委員会 農薬評価書 (2011))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分2Aとした。
【根拠データ】
(1) 本物質は軽度の眼刺激性を有する (JMPR (2013))。
(2) ウサギを用いた眼刺激性試験において一過性の刺激性が認められ、1/24/48/72hの合計スコア (最大110) は、7.5、5.7、3.7、1.7であり、14日までに全ての反応は消失した (農薬抄録 (2011))。
【参考データ等】
(3) ウサギを用いた眼刺激性試験において軽度の刺激性が認められた (食品安全委員会 農薬評価書 (2011))。
呼吸器感作性
【分類根拠】
データ不足のため、分類できない。
皮膚感作性
【分類根拠】
(1) より、区分に該当しないとした。
【根拠データ】
(1) 本物質は モルモットを用いた皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法) において皮膚反応は認められず、感作性は陰性と判定された (JMPR (2013)、食品安全委員会 農薬評価書 (2011)、農薬抄録 (2011))。
生殖細胞変異原性
【分類根拠】
(1)、(2) より、ガイダンスにおける分類できないに相当し、区分に該当しない。
【根拠データ】
(1) in vivoでは、マウスを用いた小核試験で陰性の報告がある (食品安全委員会 農薬評価書 (2011)、農薬抄録 (2011))。
(2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞を用いた遺伝子突然変異試験で陰性の報告、染色体異常試験で陽性 (S9-) の報告がある (同上)。
発がん性
【分類根拠】
(1) の既存分類結果から、ガイダンスの区分外に相当し、区分に該当しない。
【根拠データ】
(1) 国内外の分類機関による既存分類では、EPAでNL (Not Likely to be Carcinogenic to Humans) (EPA Annual Cancer Report (2018):2010年分類) に分類されている。
【参考データ等】
(2) ラットに本物質を2年間混餌投与した慢性毒性/発がん性併合試験では、発がん性は認められなかった (食品安全委員会 農薬評価書 (2011))。
(3) マウスに本物質を18ヵ月間混餌投与した発がん性試験では、発がん性は認められなかった (食品安全委員会 農薬評価書 (2011))。
生殖毒性
【分類根拠】
(1)、(2) より、親動物毒性がみられる用量において、明確な生殖発生影響がみられていることから区分2とした。
【根拠データ】
(1) ラットを用いた混餌投与による2世代生殖毒性試験において、親動物毒性 (死亡 (難産死2/30例、瀕死殺1/30例)、体重増加抑制等) がみられる用量で、妊娠期間延長、分娩異常、出産率低下、児動物の成長への影響 (体重増加抑制、耳介展開遅延、眼瞼開裂遅延、平面正向反射遅延)、出産生存児数の減少、胸腺重量減少等がみられた (食品安全委員会 農薬評価書 (2011))。
(2) 雌ウサギの妊娠6~18日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物で摂餌量減少、早産 (1例) 及び全胚死亡 (1例) がみられた (食品安全委員会 農薬評価書 (2011))。
【参考データ等】
(3) 雌ラットの妊娠6~15日に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性 (体重増加抑制、摂餌量減少) がみられる用量で胎児に低体重、腰肋の発生率上昇がみられた (食品安全委員会 農薬評価書 (2011))。