急性毒性
経口
データなし。(GHS分類:分類できない)
経皮
データなし。(GHS分類:分類できない)
吸入
吸入(ミスト): データなし。(GHS分類:分類できない)
吸入(蒸気): データなし。(GHS分類:分類できない)
吸入(ガス): GHSの定義における液体である。(GHS分類:分類対象外)
皮膚腐食性・刺激性
本物質については皮膚に刺激性がある(HSDB (2002))。ヒトで経皮ばく露後の症状として、表皮および下層組織に著しい炎症を伴った重度の皮膚刺激性がある(HSDB (2002))。(GHS分類:区分2)
眼に対する重篤な損傷・刺激性
眼に対し刺激性がある(HSDB (2002))。関連物質1,1-ジクロロプロパンのウサギを用いた試験では、傷害の程度は最も重度の場合を10とした10段階評価において2であった(HSDB (2002))。(GHS分類:データ不足で分類できない。)
呼吸器感作性又は皮膚感作性
皮膚感作性:産衛学会勧告において皮膚感作性物質として第2群に分類されている(産衛誌第52巻 (2010))。(GHS分類:区分1)
呼吸器感作性:データなし。(GHS分類:分類できない)
生殖細胞変異原性
エームス試験で陽性(NTP DB (Access on Nov. 2010))。(GHS分類:in vivo 試験のデータがなく分類できない。)
発がん性
1,2-ジクロロプロパンでは吸入によるがん原性試験の結果、ラットでは雌雄に鼻腔腫瘍、マウスでは雄にハーダー腺の腺腫、また、雌に細気管支-肺胞上皮がんを含む肺腫瘍のいずれも発生増加が認められ、がん原性を示す証拠であると考えられた(厚生労働省委託癌原性試験, 2005)。(GHS分類:データがなく分類できない。)
生殖毒性
1,2-ジクロロプロパンでは、ラットを用いた2世代試験で、親動物に影響の出た濃度で、出生時体重の低値、新生児の死亡率が増加がみられた(NITE初期リスク評価書 No.39 (2005))。(GHS分類:データがなく分類できない。)
特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)
ヒトで経口および吸入による急性ばく露の影響として肝毒性と腎不全が認められており、1例であるが腎生検で急性腎壊死を示した事例もある(HSDB (2002))。また、蒸気の急性ばく露で播種性血管内凝固症候群と溶血性貧血が報告されている(HSDB (2002))。さらに、1500 ppm以上の高濃度の蒸気吸入による症状として、喘ぎ、呼吸停止、咳、胸骨下痛および極度の呼吸窮迫、低濃度では中枢神経系抑制と中等度の呼吸器刺激があり、吸入ばく露後に、倦怠、頭痛、胸腹部不快感と刺激性は数週間、時におそらく数年間持続(HSDB (2002))。一方、中毒治療の手引きとして本物質の項に有害影響として肝臓および腎臓の障害、中枢神経系への影響、肺の刺激がある(DHP (13th, 2002))。(GHS分類:区分2(肝臓、腎臓、血液系、中枢神経系、呼吸器系)、区分3(麻酔作用))
特定標的臓器・全身毒性(反復ばく露)
1,2-ジクロロプロパンでは、「ヒトについての「溶血性貧血、肝臓及び腎臓の機能障害の報告」(NITE初期リスク評価書 No.39 (2005)、ACGIH(2006))、実験動物について、「嗅上皮変性」(NITE初期リスク評価書 No.39 (2005))。(GHS分類:データがなく分類できない。)
吸引性呼吸器有害性
データなし。(GHS分類:分類できない)