急性毒性
経口
ラットのLD50値は1000 mg/kgおよび1000-2000 mg/kg (以上、PATTY (5th, 2001))である。GHS分類:区分4 ラットのLD50値は1000 mg/kgおよび1000-2000 mg/kg (以上、PATTY (5th, 2001))に基づき区分4とした。
経皮
ウサギのLD50値は1720 mg/kg(PATTY (5th, 2001))である。GHS分類:区分4 ウサギのLD50値は1720 mg/kg(PATTY (5th, 2001))に基づき区分4とした。
吸入:ガス
GHSの定義における液体である。GHS分類:分類対象外 GHSの定義における液体である。
吸入:蒸気
ラットに6時間ばく露により、5700 ppmで24時間以内に死亡し、3000 ppmでは生存した(PATTY (5th, 2001))との結果から、LC50値は3000~5700 ppm(4時間ばく露の換算値:3225~6983 ppm)の範囲にあることが示され、区分4に該当する。なお、試験濃度が飽和蒸気圧濃度(22105 ppm)の90%より低いので、ミストがほとんど混在しない蒸気として気体の基準値を適用した。また、EU分類ではXn; R20である(EC-JRC (ESIS) (Access on Nov. 2011))。GHS分類:区分4 ラットに6時間ばく露により、5700 ppmで24時間以内に死亡し、3000 ppmでは生存した(PATTY (5th, 2001))との結果から、LC50値は3000~5700 ppm(4時間ばく露の換算値:3225~6983 ppm)の範囲にあることが示され、区分4とした。なお、試験濃度が飽和蒸気圧濃度(22105 ppm)の90%より低いので、ミストがほとんど混在しない蒸気として気体の基準値を適用した。また、EU分類ではXn; R20である(EC-JRC (ESIS) (Access on Nov.
吸入:粉じん及びミスト
データなし。GHS分類:分類できない データなし。
皮膚腐食性及び刺激性
ウサギの皮膚に半閉塞適用(布で覆う)した場合紅斑と落屑が生じたとの結果(PATTY (5th, 2001))から、区分2に相当する。なお、開放適用では反復しても刺激性は見られず、不浸透性の被覆剤で閉塞適用した場合は重度の壊死が報告(PATTY (5th, 2001))されているが、適用方法としてOECDの試験ガイドラインで示されている半閉塞適用の結果を分類根拠とした。なお、EUではXi; R37/38(EC-JRC (ESIS) (Access on Nov. 2011))に分類され、区分2相当である。GHS分類:区分2 ウサギの皮膚に半閉塞適用(布で覆う)した場合紅斑と落屑が生じたとの結果(PATTY (5th, 2001))から、区分2とした。なお、開放適用では反復しても刺激性は見られず、不浸透性の被覆剤で閉塞適用した場合は重度の壊死が報告(PATTY (5th, 2001))されているが、適用方法としてOECDの試験ガイドラインで示されている半閉塞適用の結果を分類根拠とした。なお、EUではXi; R37/38(EC-JRC (ESIS) (Access on Nov. 2011))に分類され、区分2相当である。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
ウサギの眼に試験物質原液を適用し、中等度の結膜浮腫、中等度~重度の角膜混濁、中等度の虹彩炎が観察され、7日間では回復しなかったが14日後には完全に回復した(HSDB (2008))との報告により、区分2Aに該当する。GHS分類:区分2A ウサギの眼に試験物質原液を適用し、中等度の結膜浮腫、中等度~重度の角膜混濁、中等度の虹彩炎が観察され、7日間では回復しなかったが14日後には完全に回復した(HSDB (2008))との報告により、区分2Aとした。
呼吸器感作性
データなし。GHS分類:分類できない データなし。
皮膚感作性
モルモットを用いた皮膚感作性試験(modified Maguire test)で感作性なし(none was sensitized)の結果(HSDB (2008))が得られているが、OECDで承認された試験法でなく、データの詳細も不明なため「分類できない」。GHS分類:分類できない モルモットを用いた皮膚感作性試験(modified Maguire test)で感作性なし(none was sensitized)の結果(HSDB (2008))が得られているが、OECDで承認された試験法でなく、データの詳細も不明なため「分類できない」とした。
生殖細胞変異原性
in vivo試験のデータがなく分類できない。なお、in vitro試験では、エームス試験で陰性(Patty (5th, 2001))の報告がある。GHS分類:分類できない in vivo試験のデータがなく分類できない。なお、in vitro試験では、エームス試験で陰性(Patty (5th, 2001))の報告がある。
発がん性
データなし。GHS分類:分類できない データなし。
生殖毒性
データなし。GHS分類:分類できない データなし。
特定標的臓器毒性(単回ばく露)
ヒトにおいて、意図的に本物質約 27 gを飲み込んだ女性が昏睡、呼吸困難、不規則性脈拍に続き、散瞳と縮瞳を示した症例(PATTY (5th, 2001))、また、18 gを摂取した成人が意識消失し、1日以上持続した深い眠りに陥ったが緩やかに回復した症例(HSDB (2008))が報告されており、いずれも中枢神経系抑制症状と判断される。一方動物試験では、吸入ばく露後のラットの生存例で意識喪失や軽度の協調運動不能が見られ、ウサギ゙では50%の動物が昏迷と自発運動の消失を示す麻酔用量は700 mg/kgである(PATTY (5th, 2001))と報告されている。以上より、区分1(中枢神経系)、区分3(麻酔作用)に該当する。GHS分類:区分1(中枢神経系)、区分3(麻酔作用) ヒトにおいて、意図的に本物質約 27 gを飲み込んだ女性が昏睡、呼吸困難、不規則性脈拍に続き、散瞳と縮瞳を示した症例(PATTY (5th, 2001))、また、18 gを摂取した成人が意識消失し、1日以上持続した深い眠りに陥ったが緩やかに回復した症例(HSDB (2008))が報告されており、いずれも中枢神経系抑制症状と判断される。一方動物試験では、吸入ばく露後のラットの生存例で意識喪失や軽度の協調運動不能が見られ、ウサギ゙では50%の動物が昏迷と自発運動の消失を示す麻酔用量は700 mg/kgである(
特定標的臓器毒性(反復ばく露)
ラット、マウスおよびイヌに 0, 50, 225, 1000 ppm/6h(換算値 0, 0.180, 0.811, 3.61 mg/L/6h)を90日間吸入ばく露(蒸気)した試験において、ラットでは1000 ppmで運動障害と肝臓重量の増加が観察され、NOELは225 ppm (0.811 mg/L)、マウスでは各用量ともばく露に関連した影響はなくNOELは1000 ppm(3.61 mg/L)と報告され、また、イヌでは1000 ppmで不安定歩行、運動障害、肝重量の増加、血清ALP活性の増加、各用量1匹の肝臓に封入体が観察された(HSDB (2008))。これらの結果により、各動物ともガイダンス値範囲内(1 mg/L以下)の用量では悪影響は認められなかったが、ガイダンス値上限(1 mg/L)付近での影響は不明のため吸入経路では分類できない。一方、ウサギに0, 344, 3440 mg/kg/day(90日換算:0, 106, 1058 mg/kg/day)を4週間経皮投与した試験では、低用量の344 mg/kg/dayで皮膚に対する局所影響を除き全身性の影響は見出されず(HSDB (2008))、経皮では区分外に相当するが、経口投与についてはデータはなく、特定標的臓器毒性(反復暴露)の分類としては「分類できない」。GHS分類:分類できない ラット、マウスおよびイヌに 0, 50, 225, 1000 ppm/6h(換算値 0, 0.180, 0.811, 3.61 mg/L/6h)を90日間吸入ばく露(蒸気)した試験において、ラットでは1000 ppmで運動障害と肝臓重量の増加が観察され、NOELは225 ppm (0.811 mg/L)、マウスでは各用量ともばく露に関連した影響はなくNOELは1000 ppm(3.61 mg/L)と報告され、また、イヌでは1000 ppmで不安定歩行、運動障害、肝重量の増加、血清ALP活性の増加、各用量1
吸引性呼吸器有害性
データなし。GHS分類:分類できない データなし。